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カレーの日

作者: こうぶん

ある国では毎週土曜日にカレーを食べなくてはいけない法律があった。

この法律はどういうわけか大変に厳格で、各家庭ではカレーを食べている証拠を提示する必要があった。

作った場合は専用の装置を使い写真をとり送る。店で食べる、テイクアウトの場合はレジでカレー証明書を提示しリーダーで読み込む必要がある。

もしこの法律をやぶると、罰金が課せられる。

おそらく周りの目も冷ややかなものになるだろう。


そんなことで人々の生活にカレーは食事とは違う独自のカテゴリーとして成立している。


ある日、a家は偶然が重なり土曜日にカレーを食べることができなかった。

翌日の朝、警察がa家を訪れた。自宅前に警察車が止まるときに郵便受けに当たったのか、ドンという大きな音が響いた、壁から落ちたようだ。

aは観念していたが、その音にはさすがに恐怖を覚えた。


警察官

aさん、昨日カレーを食べた情報が来ていませんでした。法律は当然ご存知ですね。昨日はどうされたのですか。残念ですが法律ですので罰金を支払っていただきます。


一般家庭にはかなり大きな額だ。しかし法律を破った以上支払うしかない。。


a

わかっています。お支払いします。ただ、そういえばどうしてこのような法律があるのでしょうか?


警察官

aさん、その質問は私がいまあなたを殴って金品を取らないのと同じことです。世の中の常識、当たり前のことですよ。まあ罰金額も相当ですから、そういう気持ちになるのもわからなくもないですが、犯罪は犯罪です。


a

すみません、もちろんわかっています。変なことを聞いてすみません。


警察官

それでは、こちらの振り込み先に振り込んでください。不明な点があればこちらに電話して下さい。では失礼します。



a家を後にした警察官。車に乗りこむ。

先ほど跳ね飛ばした郵便受けから新聞やチラシが散乱している。

その片付けを始めたaさんを横目にふと思った。


たしかになんでカレーの日なんてあるんだろう。

当たり前のことだから何も思わなくなっていたが、人に危害を加えるでも無いし、さして理由がないように思える。。

いや、いかん。俺がそんなことを思うなんてダメだ!

法律は法律なんだ。



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