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忘却乙女の記憶探し  作者: 天宮 翼
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2.もう1人の私(ティアラ視点)


 私の容姿は、両親のどちらにも似ていて整った顔をしているが、髪だけは何故か母方の祖母のプラチナブロンドを受け継いだ。


 そのせいで家族の中では1人だけ浮いていたが、両親をはじめ兄弟からもたっぷり愛情を注いでもらったおかげで満たされていた。



 そんな充実したティアラの生活は、あの9年前の事件で突然変わってしまった。



 私は事件をきっかけに、あるべきはずの記憶を失ったらしい。


 自分では分からないけど。


 ただそれは、事件前約2週間程度の記憶らしい


 医師の話では…魔術ではなく、薬の影響か…


 もしくは心理的なもののどちらかと言われたが、判断が難しいとも言われた。


 そして、戻る可能性も分からないとも…



 正直、記憶がないならしょうがないと思った。



 悲しい気持ちもあったけど、全部失ったわけではないし逆に良かったと自分で納得もした。



 でも実際は、自分以上に家族が悲しんでいる姿を見ることで辛く感じた。



 しょうがない、運が悪かっただけ…。

 私自身が強くならないと駄目だってその時思ったの。




 実際その時の実行犯は捕まったらしいが、計画等を担っていた主犯だけは未だに捕まっていないらしい。



 またこの事件を公にするかどうかで国王陛下と父様の意見が分かれたらしい。

 確かに犯人が捕まらず

 また被害状況を知れば人に与える恐怖は計り知れない。



 それに私が被害者だと知られたら…

 色々な意味で違う被害も目に見えていた…



 話し合いの結果、

 結局は全てが解決してからという事になったのだが…

 その後もすぐには解決せず、私の記憶も戻らずじまい。



 父様や母様をはじめ家族で相談した結果

 最初は「療養」として家で過ごす事になった。



 でも結局事件が公に出来ず 

 犯人が捕まらず 

 記憶が戻らない以上「療養」は長引いた。



 そして娘の今後をどうするべきか悩み

 それが半年続いたことで周囲からは様々な噂が飛び交い

 今の「病弱令嬢」が出来上がってしまった。



 「病弱令嬢」となったからには

 家に引きこもる事になったが

 性格上大人しくしているのが無理だった。



だから、悩んで、考えた結果…

   自分で記憶を戻す方法を探す事に決めた。



 そこからは数年間もう勉強した。


 

 一般知識だけでなく

 薬、薬草など自分に関わるありとあらゆることを学んだ。



 そして行き着いたのが、薬師という仕事


 初めて希望が見えた


 ただ待ち続けるだけでない


 ティアラは兄様から教わった魔術を使い

 髪と瞳の色を変えてもう1人の私「ラティ」として

 外の世界で試験を受けた


 そして、見事に私は薬師になり



 

 働きながら

 自分を研究対象に実験を始めた。





 

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