表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忘却乙女の記憶探し  作者: 天宮 翼
21/22

20.発見



 全部の媚薬を試した後、一応ルーさんには仮眠を1時間ほど取ってもらった



「…見つからなかったですね。力になれずすみません。」

 私は正直に告げるが


「そう簡単にはいきませんよね…。もちろん想定内です。1つ目、2つ目、5つ目が自分的には気になります。次は量を増やしてみるとかどうですか?」

 ルーさんはむしろ絞れたから、もっと増量し試そうと言ってくる



「いや、それは駄目です。正直5つ目は特に危険です。…むしろ全部危険と言ってもある意味間違いではないのです。媚薬といえど侮らないでください‼︎」

 私は脅しの如く言う


 だって普通はそうでしょう


 危険と分かっていて盛る薬師はいないでしょう

(現状今やっている私以外)



「…確かにそうだな。」

 私の言葉に納得してか、落ち込むルーさん



私はここぞとばかりに

「むしろ気になったのは…どうして媚薬を盛られたんですか⁇ルーさんを見てると騎士だからこそほとんど無駄がない動きですし、そう簡単に怪しい物は摂取しないですよね。それに無理矢理飲まされたはないですよね。じゃあ、騎士隊内で出た飲み物ですか?でもそれなら簡単に犯人見つかりそうですよね。」

 と聞いてみた



ルーさんは一瞬驚いた顔をしたが、いつもの表情になり、その時の出来事を話す。

「…と言う訳だから、ある意味盛られてはいない。嗅いだと言うだけだ。」

 ため息をつくルーさん


 (ん⁈口調が少し変わった)



 でもそれより気になる話を聞いた


 とても重要なこと



「…今の話本当ですか?」


「嘘をつく必要はないだろう。」


 私は頭の知識をフル回転し

「だったら…多分分かりました。ルーさんの媚薬。」


「え⁈」


「考えが合っていれば、5つ目です。」


「⁈」


「5つ目の 「イレイトーラ」だけは気体化しても効能が落ちず、むしろ薬効が高まるんです。そして匂いが甘い強い香りになるんです!」


 昔文献をちらっと読み、気になってこっそりやってニーナとルカさんに見つかり怒られた事を思い出す



「本当か…と言うことは、西部の…

「ただし、気体化する媚薬は基本的にこの国にはないですね。あるのはたしか…

「うちの国の西側に隣接するナルテリア国のはずよ!」



 急に会話に加わった声の方を振り向くと、ルカさんが得意げな顔でこちらを見ていた。

 そしてその横には御立腹と思われるレイ兄様もいた。




 「ロザリス卿…

 「レイ兄様…

 「探しましたよ…殿下‼︎それにティアラ⁈」

 御立腹の兄様は私と…ルーさんの事⁈を咄嗟に呼んでいた



 「殿下?」

 「ティアラ⁇」

 お互いに顔を合わせ 困惑する私たち



 そんな様子を笑いながら見守るルカさん




 またその様子で自分の失態に気付いたレイ兄様




 〜10分後〜



 店の最奥にて


 そこはラティも入ったことのない場所


 椅子に座り向き合う4人



 私の目の前に座るのはルーさんだった…人?

 たださっきのルーさんとは髪型、瞳の色が違う方が今は目の前にいる


 この方が第2王子



 沈黙が流れるも…レイ兄様が意を決して話し出す


 「えっと、こちらはルーク・アマリール殿下。私が仕えている方だ。」

 「ティアラ嬢でいいのか…。騙していて悪かった、安易に王族である事は語れないため伏せさせてもらっていた。」

 ルーさんは堂々と言うが「すまなかった。」と謝罪してくれた。




 「そしてこっちが…

 「兄様、自分から名乗らせて下さい。

  私は、ティアラ・リラ・ロザリス。

 ロザリス家の長女でレイ兄様の妹です。

 …媚薬実験などしてしまい申し訳ございませんでした。」

 深々と謝罪する私に、


 「君がロザリス卿の…。

  そうか、まぁお互い様だったんだ、気にするな。」

 ルーク殿下は特に気にするな様子もなく


 「むしろ媚薬が分かったから、この情報をもとにもう一度調べ直しだ。ルカ早急に頼めるか?」

 淡々とルカさんに頼んでいる




 「分かりましたけど…一応ワタシも色々あるのでここで堂々と依頼しないで下さいよ。」

 ルカさんは困りながら告げる


 「すまない。」

 状況を察して謝罪する殿下


 状況を把握してない私に


 「ラティちゃんには言ってなかったけど、ワタシは情報家をしているの。殿下はそれでお得意様なのよ。」

 ルカさんは殿下との関係を伝えてくる


 「この前の解毒薬の件も今回の事件に絡んでいるはずだから、ラティちゃんにはお世話になりっぱなしね。」

 笑いながら言うルカさんに対し


「どういうことか説明してくれるかなティアラ⁇」

 笑顔で兄様は追及してくる


 私は逃げられないと覚悟し媚薬作りの件を話す




「ティアラ、お前の薬師としての腕は一流だと私も思っている。ただ…薬師関連が絡むと一般常識が欠落するのは悪い癖だ。一歩間違えれば責任問題になってもおかしくなかったはずだ。」

 頭を抱え込む兄様


 「ごめんなさい。」


 「もう危ないことはしないでくれ。」

 悲しい顔の兄様


 「…はい。危ないことはしません。」

 少し落ち込んだ顔をする


 そんな私を見てポンポン頭を軽く叩く兄様



 その後ルカさんと兄様は少し話があるということで


 とりあえず、私はルーク殿下と呼ばれる方と席を外し


 

 媚薬作りをしていた部屋に戻った




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ