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忘却乙女の記憶探し  作者: 天宮 翼
2/22

1.はじめます

初めての投稿です。

マイペースに書きたいと思います。

あれは・・・


あれは何だったんだろう。


懐かしい感じがするのに思い出せない。


誰かとの出来事・・かな?


でも私は…


今の私には何もわからない


急に切なくなる夢の中から


ふと…私は覚める


もう幾度も見ている夢...のはずなのに


なんとなくだけど残影があるような暖味な感じに


複雑な思いを抱きながら今日も一日が始まる






「ティアラ、すまないが今度王宮で開催される舞踏会には出席してほしいんだが…」

父様は急に告げる。


その日は朝から不思議だった


まず滅多にいないはずの父様や兄様達が家にいたこと


執事やメイドがやたらと時間を気にしていること


そして極めつけがこのティータイム


この場に4人も集まっていることが久々すぎて不自然だった



「お父様、急にどうしたのですか?王族主催であれば理由なくの欠席は不可能。普通の令嬢は…参加しますね。

 それを私にわざわざ言うなんて。」


 私はティーカップを取りながら一言つげる


 父様は一瞬気まずそうな顔をするもすぐに切替え

 冷静に告げる。



「実は、今回は第2王子の婚約者探しが名目で…。

 もう殿下も18歳だろう、第1王子はすでに隣国の姫の輿入れが来年決まっているが、他の未婚王族の方で殿下だけが婚約者すらいないというのが問題になってな。

 まぁ、もともと殿下が嫌がって逃げていたせいなんだから、別にティアラを参加させる必要はないと思うんだがな、陛下の命令でな。」


 父様はいたって真剣に言いながらも、納得してはいないのか最後には珍しく不満が合まれていた。



 それもそのはず、我がロザリス侯爵家は昨今珍しい政略結婚に縛られず恋愛結婚をしている家系。

 しかも現当主である父様と母様は10歳差ながら大恋愛で結婚し、5人の子宝に恵まれている。

 そして子供たちもその環境で育ったせいか政略結婚には消極的で、現在子供達は誰も婚約者がいない状況なのだ。



「父上、ティアラは一応病弱令嬢という立場にいます。

無理をして王宮に連れて行く必要性があるのでしょうか?」


 淡々と父様に意見を述べるのは、長男のレイ兄様である。

 彼は、近衞騎士団長としてまた次期当主としての格も申し分なく、おまけに超イケメンである。


 以前は婚約者が居たらしいのだが、いろいろあり破談になったと聞いてはいるが…レイ兄様はそれ以上何も言わないため、詳細は家族内でも不明。

 未だに世のご令嬢達の中では密かに様々な噂が飛び交っている状況であり、そのせいかレイ兄様にアタックするする勇猛果敢な令嬢は未だにいないらしい。 



「どうしても舞踏会に行く必要があるなら、俺がエスコートするよ、ティア」

 急に話を変えるのは、次男のレオ兄様。

 

 レイ兄様に比べてチャラさが入るが、頭脳明晰で次期宰相候補と名高い。そして、レイ兄様と同じく超イケメン。



「レオ兄様、今はその前段階の話をしてるのです。

 話の腰を折らないで下さい。

 それと私の状況は陛下も承認してるはず。

 強制的にとは些か納得できないのですが?」


 不満とともに、理由なく強制されることに疑問を抱くからこそ私なりに反論する一言を述べるも


「陛下はな…色々思うことがあるのだろう。

 今回は仕方ないと受け入れてくれないか?」

 父様は念押しのごとく告げる。



(まぁ今回はしょうがないかな)

「分かりました…、普段通りの私でよければ参加させて頂きます。」

 一応満面の笑みで伝えると


 父様は気まずそうに

 「頼んだぞ。」と一言告げて執務室へ戻っていった。



「ティア、良いのか?…あの件は公になっていないから、目立つ護衛は付けられない。ティアが納得していても急に舞踏会に出てきたとなれば尚更風当たりは強いはずだよ。大丈夫かい?」

 レイ兄様は心配そうに私に問いかける。



「そうですよね。全然平気かというと嘘かもしれません。

 でもいつまでも向き合わないわけにもいかないですし、

そのために私はやるべきことはやってきたつもりです。

 今のまま病弱設定でいては、行き遅れになっちゃいますしね。」


 私は微笑みながら告げると、レイ兄様少しだけ優しく微笑んで「分かったよ」納得してくれた。



「それで、行くことに決まったのならエスコートは、俺でいいかな?」


「レオ兄様が嫌でなければお願いします。」


「分かったよ。急にみんなでティータイムなんてびっくりしただろう?ひさびさにティアの様子も見れたし、そろそろ兄上も一緒に職場に行きますかね。」


「そうだな、では失礼するね」



兄様達2人は名残惜しくも屋敷を後にした。





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