15.再会(ルーク視点)
先日同様の騎士服姿で
勝手に薬草販売店にやって来た
問題は
ラティさんにどう会うか…
店の前でうろうろする男は
不審者になるよな…
そんな事を店の前で考えていると
案の定すごい形相のルカに見つかった…
そして そのまま店の中に連行された
「前回いいましたよね、貴方は分かっているんですか?」
当たり前の様に怒られた。
「わ、悪かった。」
「…分かれば良いんですよ。
さぁ、こっち(裏口)から帰ってくださいね!」
「いや、今日は
「はい、こっちですよ!」
ルカに押されて私は問答無用で裏口から出された。
(困った…まさか流石に追い出されるとは思わなかったな。)
どうするか考えていると
急に
自分の願望通り
会いたいと思っていた女性が
目の前に…現れた
「こんにちは、ルーさんですよね。
今日も店長に御用ですか?」
ラティさんは笑顔で尋ねてくる
ルークは突然の出来事に驚きながらも
「あ、…こんにちは。えっと今日は、
「お嬢様離れてください!」
用件を話す前に、別の女性がいきなり割り込んできた
その女性はこちらを警戒してか
手には小さな短剣が握られている
「ニーナ!大丈夫よ。
この方はレイ兄様の部下の方なの。
先日ここでお会いして知り合ったのよ。」
ラティさんは私と知り合った経過を女性に話す
「しかし、レイ様から私は直々に伝達されてません。お嬢様に何かあったら…
「ニーナ、大丈夫。
ルーさんはルカさんとも知り合いなんですよね。
なら尚更安心でしょう。」
女性を諭すラティさん
渋々女性も納得したのか、懐に短剣をしまう
「分かりました。先に店長さんの所に行きますね。」
と告げるも、思いっきり睨み付けられた
流石に女性に睨み付けられるのは初めてで驚いた
「気分悪くしましたよね。
先程の件は謝罪します、ニーナがごめんなさい。
私に過保護なだけで悪い人ではないんです。」
真っ直ぐに謝罪してくるラティさん
「いや、こんな所にいた方が悪いです。」
こちらも謝罪する
「店長呼んできますか?」
「あ、いえ今日はラティさんに用があって。」
「私にですか?」
驚くラティさんだが私はそのまま会話を続けた
「実は、薬に詳しい方を探していて、ここで働いているからには、貴女は薬に詳しいんですか?」
「…何が目的ですか?」
私の言葉を聞き、急にこれまでのラティさんとは違った表情に変わった
そのせいか
何故か私はことの経緯を話し始める
「実は今、媚薬に関する事件を調べていて。
媚薬そのものが犯人に繋がる手掛かりになると考えているんです。ただ媚薬自体何も知らなくて、正直困ってて。薬師の方の協力を求めたいのですが、全く伝がなく…ラティさんはもしかしたら薬草や薬に詳しいのかなと勝手に思い聞いてみたんです。」
ラティさんは何を考えているのか分からないが、こちらをじっと見つめ
「協力して欲しいことはなんですか?」
予想してなかった返答に、一瞬驚くもすぐさま
「媚薬作りになると思いますが…悪用をするつもりはありません。実際に使われた薬が知りたいんです!」
と力強く答えると
しばらく考えこんでから
「…分かりました。私で良ければ協力します。
ただ薬草は少し値段が高いので…ルーさん持ちでお願いします。
あと…レイ兄様には内緒にして下さい。」
これが私の条件です、と告げてくるラティさん
「頼み事をしているのはこちら側です。
材料費はもちろん最初からそのつもりですし、
他言はしません。た、隊長にもです。
是非協力よろしくお願いします。」
こうして私はラティさんという協力者を得た
ちなみに
私はすっかり忘れていた
大事なことを
後から聞いた話しは
彼女は薬草販売店で依頼された薬を作るのが仕事であると、
そして
「正真正銘の薬師です。」
と笑顔で告げて来た。