12.やるべき事(ルーク視点)
昨日の出来事を考えると朝から頭が痛かった。
あの後 薬師の女性が去り
私もすぐに警備中のロザリス卿を連れだして
ガラス瓶を割った部屋に入った
しかし、すでに物はなくなっており
メイドなどに確認したがその時の物も、目撃者さえも見つからなかった。
私の軽率な行動で結局手掛かりさえも失った
ちなみに、出来事の詳細を話た際ロザリス卿には今までで一番怒られた。
当たり前か…
元々舞踏会の警備を普段以上に強化させたのが私の指示であり、私の周囲警備は無理矢理なくさせたのだから。
感謝すべきはあの…薬師の女性
見た目は、貴族令嬢そのものだったが…
しかし即効性のある解毒薬は、あの時すごく助かった
でも、普通は持ち歩く物ではないな
特に王宮では
でも逆に
あの件に詳しいからか…
どのみち舞踏会では何も起こらず、空振りに終わった
ただ私自身は…
ある意味大当たりに当たったわけだ(媚薬に)
(そう言えば…昔の友人の言葉「同じ目線に立たないと本当の意味では何も分からない。」)
「同じ目線か…」
「殿下いかがしましたか?」
ロザリス卿が尋ねる
(「噂は広まるものですから、それを完全に止めるのは無理なこと。」とあの女性は言ってたな…)
「…ロザリス卿、昨日の私の件はどうなっている?」
「あの隣国の令嬢周囲を調査しています。
…でも正直あまり目立って調査できませんからね。
王太子の事が絡んでますから、むしろどちらの殿下が
狙われたのか。」
悩んでいるロザリス卿に
「情報を得たいな…、今回のとあの件の噂。」
「今から自分が情報家に行ってくるのでご安心ください。」
ロザリス卿は自分のこれからの予定を伝える
「いや、私も今回は行ってもいいか⁇」
「で、殿下がですか⁈」
驚いた顔のロザリス卿に
「何かまずいか⁇」
色々分かってはいるが、とぼけて聞いてみる
ロザリス卿はしばらく考えて、
「いいえ、ただできれば今回の経験を踏まえて、
殿下には大人しくしていて欲しい…と思っていまして。」
「無理な相談だな。」
お互い一歩も引かない視線を交わす
そして先に折れたのは…ロザリス卿
「分かりました、では自分の部下として厳重に変装した上でならお連れいたします。」
「分かった。今から部下として、よろしく頼む。
ロザリス団長、自分のことはルーと呼んでくれ。」
「分かりました。
ただ何かあっても話しを合わせて下さいね。
絶対ですよ!」
力強い彼の言葉に
「わ、分かった。」
全力で返答した。
そして私たちは、城下にある薬草販売店を訪れた。
ルカと呼ばれる情報家に会うために。