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忘却乙女の記憶探し  作者: 天宮 翼
12/22

11.日常


舞踏会の翌日 私はゆっくりするはずだった




そう




するはずだったのに…





なんでこうなったの?




いきなり店に呼び出され 




朝からすり鉢・すり棒を相棒に




目の前の薬草と戦っていた





「つ、疲れる…。ルカさんの馬鹿!ひどいよ!」

 動かす手を止めずに叫ぶも、




「仕方ないでしょう。ラティちゃんが忘れていた件なんですから。むしろ気づいたワタシに感謝しなさい!」




 ルカさんは優雅にテーブルで紅茶を飲んでいる




 …しかも、ニーナに給仕してもらっているのだ。




「お嬢様仕方ありません。こちらに非がある以上は要求に誠実に答えるべきかと思います。」



 満面の笑みで告げるニーナ




「だって、解毒薬の数字20なっていたのに

 本来は50だったとか…ありえないでしょう!」




「…それは、お嬢様が紅茶をこぼして依頼書のメモを

 破棄してしまったせいでしょう。見間違いの勘違い。

 最終確認もせず、ルカさんに渡したせいですよ。」

 



「そ、それはそうかもしれないけど...。

 ルカさんも受け取ったとき確認しなかったから…。」

 



「ワタシはほら、ラティちゃんのことを信頼しているから。

 信頼関係は大事よ、ね!ラティちゃん?」



 急に声色を変えるルカさんに、私はもはや文句は言えず…




 大人しく薬作りに勤しむことになった。








   ~・・・・2時間後~




「…やっと終わった。死ぬかと思った。」

 机に突っ伏す私に、横からティーカップが置かれる。




「お疲れ様です、お嬢様。ハーブティーをどうぞ。」




「ありがとう、ニーナ。

 自分のせいだけどこんなに多いのには驚いたよ。

 解毒薬って言っても万能薬じゃないのに。

 誰よこんなに発注する人は!」



 ハーブティーを飲みながら私は文句を言う



「どうやら貴族の間で広まっているみたいよ。

 ここの解毒薬は性能がいいって。」



 急にルカさんが現れ、薬を確認しながら告げる




「ん、50オッケーね!」

 出来具合を確認しニコニコなルカさん




「でも50なんて数、普通じゃないですよね?

 1人の方の購入ですか?」




「そうよ。」





「どうしてそんなの請け負ったんですか?

 …普段のルカさんならしないですよね?」

  




「ちょっとワタシにも事情があってね!

 …ラティちゃんは気にしなくて大丈夫よ。

 危ない橋ワタシは渡らないから、ね!」



 楽しそうに話すルカさん。





「次大量の薬を作る依頼は、先に私に連絡してからにして下さい!」





「もちろんょ。」

 ウインクするルカさん





 思いのほか時間が経ってしまっていた

「さぁ、ニーナそろそろ帰りましょう!」





「はい、お嬢様。」





(カランカラン)


 「あら、お客さんね♪ はぁーい!」

 ルカさんは足早に店舗の方へ向かう。





 私は身支度を整えルカさんが戻ってくるのを待っていると





「ラティちゃん、お兄さんがきてるけど…

 レイさんかしら?」





「え、兄様が⁈」





「仕事で来てるみたい、部下の人と2人みたいだけど。

 今は店の中見てるよ!」





「…珍しいけど、お仕事中ですよね。

 でもちょっと覗き見してみます(笑)」



 私はワクワクしながら店舗に顔を出す





 

 そこには、レイ兄様と若い青年が薬を眺めていた。

  




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