金策…
悲しい事が起きましたが、完成したので投稿です。詳しくはツイッターに写真が載っています。
お楽しみください!
「お邪魔しますよ~」
「ゲェ!ソウル!」
「銅鑼は3回鳴っていませんよ?」
「な…何様で来たのでごじゃりまするか?」
「2日後に首脳会議が開かれるので、あそこで撮ったレシピの中で凶悪そうなのを各国の代表達に見せてほしいのですよ」
「え?…どういうこと?」
ハピネスカラー隊のテントに訪問したソウル達は、その中でハピネスカラーを見つけると声をかけた。声をかけられたハピネスカラーは、冷や汗を吹き出し言語がおかしくなりながら訪ねて来た理由をソウルに聞くと、首脳会議の事を詳しく話した。
「…なるほどね。凶悪そうな物‥‥何かあったかな?…ちょっと皆集まってー」
ハピネスカラーはソウルの話を聞いた後、隊員達を集めて話し合いを始めその間、ソウルは近くにあった椅子に座って待っていると、突然隊員達がハイタッチして喜び合った後、それぞれ走り回ったり準備体操し始めた。
「なんぞ?」
「決まったわ!これなら度肝を抜けるはずよ!」
ハピネスカラーは、ウィンドウに表示されているレシピをソウルに見せると、ソウルとの間にマギアが割り込んできた。
「マスター!これは…すごい物ですよ!」
「見えないって!?」
マギアを手で横にどけた後、ウィンドウに表示されている物を見たソウルは目を大きくさせた。
「これは!……なるほど、これなら納得させられますね」
「確か2日後だったわね?それまでに作っておくわ…まぁ…時間がないから一発撃てれば御の字だけど…」
「一発で十分ですよ。各国の代表者がその技術を帝国が持ったら大変な事になると分かればいいのですから」
「でも、一人の技術者として完成させたいわね…さて、何処から始めようかしら?…いや、最初は心臓部から作って行った方がいいかしら?でもそうすると…」
ハピネスカラーが考えに没頭し始めると、ソウル達は邪魔しては悪いと思い、早々にテントから出ていった。
「よし決まったわ!…ってあれぇ?」
「ソウルさん達なら隊長が考え始めた時に邪魔しちゃ悪いからと言って出て行きましたよ?」
「…それはそれで寂しい…」
ハピネスカラーは寂しさを感じながら隊員達と製作に入って行った。
「さて、会議が開かれるまでの間何してようかな…?」
「蜂蜜食べたい!」
「そうそう、会議が開かれるまでただひたすら蜂蜜を食べる…ってなんでやねん!」
「マスター…そのノリツッコミ…微妙ですね!」
「うるせぇよ!」
ソウルはノリツッコミをしたが、マギアに微妙と言われ少しへこんだ。その後、ティーにストレージに入っていた残りの蜂蜜を渡し、ウィンドウを閉じようとした時に自分の所持金額が目に入った。
「…金策するか…」
「金策!いいですね!」
ソウルは、心もとない自分の所持金額を見て思った事を口にすると、マギアがウィンドウを操作し始めそのウィンドウをソウルに見せた。
「現在効率がいい金策は中間素材を製作して競売所に流すという方法ですね。他にも大きい羊を狩ったり、蜜蠟集めとかありますが中間素材の方がいいようです」
「…なるほど。お?この「ウィブルの錬金液」って言うのよく売れてるみたいだな?」
「そうみたいですね。やってみますか?」
「俺でも作れる奴か?」
「はい、中堅の錬金術師が作れる難易度なので、今のマスターなら簡単に作ることが出来るはずですよ?」
「ほ~じゃあやってみるか~」
「材料となる素材はこの辺りで取れると書いてありますね」
マギアが攻略サイトを開いて表示されてあるマップに指を指しながら答えた。
「少し遠いが…飛んで行けばいいか」
「では、ジャバワークを出しますね」
「頼む」
「さぁ!張り切って蜂蜜を採集に行くのよう!」
「…ティー今から行く所では蜂蜜は取れませんよ?」
「そんな!?なのよう!?」
「金策が上手くいったら蜂蜜買ってやるから我慢しておけ」
「きっとなのよう!」
ソウル達はマギアが展開して出したジャバワークに跨り、目的地へと向かって行った。
拠点の位置から北西へ進んでいったソウル達は、攻略サイトの情報を頼りに目印となる山を探しながら飛行していた。
「攻略サイトの写真はこの山を目印に東へ進めと書いてあるが…この赤い山は何処だ?」
「茶色と緑しか見えないのよう!」
攻略サイトに映っていた山は赤く、ソウル達が辺りを見回してもそれらしい山は見つからなかった。
「マスター!あれではないでしょうか?」
ジャバワークの中からマギアの声が聞こえ、マギアが見つけた山に近づいて行くと、攻略サイトに載っている山と似ているが、その山は木々が生い茂り、全体的に緑色であった。
「マギア…形は似ているっぽいが緑色なんだが…」
「マスター、攻略サイトの掲載されている写真の右下に撮影時期が書かれていませんか?」
「ん?あるな~今時珍しいけど…ってこれ10月って表記してある!ああ、だから赤いのか!よく見てなかった…」
「紅葉で赤くなっているのよう!」
「後で攻略サイトに書いておきますね。ではこの山を目印に東へ向かいます」
「沢山採集して蜂蜜の家が買える位儲けるのよう!」
「…虫が沢山湧きそうな家だな…」
ティーの言葉に眉を寄せ少し嫌な顔をしたソウルは、目的の採集場所に向かって行った。
「到着しました。この「ブロドニウフの魔森」でウィブルの錬金液の原材料「ウィリナの毒草」と「ブルタンの古石」が取れるはずです」
「ウランが取れそうな森だな…」
「いえ、ブロドニウフと言うのはどうやら人物名らしいそうですよ?インディでジョーンズみたいな仕事をしていた人が最初にこの森を見つけたそうです」
「きっと武器は銃と鞭を愛用していたに違いない!」
「いえ、普通に剣と盾だったそうです」
「夢もへったくれもないな…」
マギアが、設定が掲載されている公式のサイトを見ながらソウルに伝えると、ソウルは銃士では無かったことに少し涙を浮かべた。
「何をしているのよう!さっさと取りに行くのよう!」
ティーがソウルの周りを五月蠅く飛び始め、ソウル達を急かし始めた。
「わかった、わかったからそう五月蠅く飛ぶなって」
「急ぐのよう!」
ソウルとマギアは仕方ないなと思いながらも森の中に入り、深夜過ぎまでウィリナの毒草とブルタンの古石を採取し、眠気が近くなった時ソウルはその場でログアウトした。
「おはようのよう!今日も元気に採集のお時間です!なのよう!」
「…朝5時じゃねぇか…もう少し寝かせてくれ…」
ティーの声で目を覚ました総一郎は、スマホで時間を確認すると丁度5時を回った所だった。
「金策職人と和菓子職人の朝は早いのよう!」
「金策はしているが職人じゃないからまだ寝る…マギア、ティーを黙らせておいてくれ。7時になったら起こしてくれ…」
「了解です。さぁ、ティー!そんなに元気ならお勉強しましょうか」
「お勉強は嫌なのよう!」
「いいえ!今日と言う今日は逃がしませんよ!」
「…お前ら!うるせぇ!」
余りの五月蠅さにキレた総一郎は、電源を落とした後スマホを枕の下に入れ寝直そうとしたが、脳が完全に覚醒してしまい眠る事が出来なかった。
「くそ‥‥目が覚めてしまった‥‥」
「申し訳ございません…」
「他の皆も寝てるから静かにな…」
「悪かったのよう…」
総一郎は椅子に座りログインした後、採集を開始した。1日の半分は採集や邪魔しに来たモンスター達を討伐に費やし、もう半分は競売所がある街に向かいその競売所の近くでウィブルの錬金液を製作し始めた。
「ただひたすら釜をかき混ぜる作業って言うのも退屈だな…」
「ながら製作では失敗しますからね」
釜の中をひたすらかき回しているソウルは、浮かび上がって完成したウィブルの錬金液をストレージの中に入れ、次のウィブルの錬金液を作り始めた。そうしてマギアと会話しながら錬金を続けていくと、街を探検に行っていたティーが何かを持って帰って来た。
「おい‥‥ティー…お前何持ってるんだ?」
「ゆで卵2立つ!貰ったのよう!」
「‥‥え?貰った?いやそれよりも、その卵?脈動している様に見えるんだが…それになんかグロテスクだし…」
「あげないわよう!この2つ塩掛けて食べるのだからよう!」
「おいなんか脈動が速くなって来たぞ!?マギアなんかやばそうだから取り上げて空高く投げ捨てろ!」
「了解です!」
「あ!!あー!なのよう!」
ティーから素早く謎の卵を奪ったマギアは、言われた通りに空高く投げると、空中で大爆発を起こした。
「うおぉ!」
爆発の音と衝撃波がソウルを襲い、ソウルは吹き飛ばされ釜もひっくり返り、中身を全てぶちまけた後地面を転がって行った。爆発が終りソウルが起き上がると、辺りにいた住人とプレイヤー達が騒ぎ出し始めた。
「な…何が起こった!?」
「きゃぁぁぁぁぁ!」
「街中で攻撃されただと!?」
「マギア!ティー!無事か!?」
「生きてます!」
「アワワなのよう…」
「ティー!どいつからさっきの貰って来た?」
「そこの通路に入った所にあるお肉屋さんから貰ったのよう!」
「そこの通路だな!解った!」
ティーが路地裏を指差して答えると、ソウルは急いでその路地裏に入って行った。だが、何処にも肉屋の存在は無く、代わりに服だけが脱ぎ捨てられていた。
「…くそ!やられた!」
「帝国の手の者でしょうか?」
「馬鹿な!俺達はたまたまこの街に来たんだぞ!?」
「偶然見かけたから仕掛けて来た、と言う可能性もあります」
「‥‥っち…マギア、これを着ていた奴を追えるか?」
「お任せください!」
マギアがウィンドウを操作すると、ソウルの足元に光の線が現れ、路地裏の先に続いていた。
「マギア!ティー!追うぞ!」
「了解です!」
「あんな物を私に渡した事を後悔させてやるのよう!」
ソウルは、ティーの言葉に一言言ってやりたかったが、今は敵を追う事を優先し足元に出た光を追って行くと、フードを深くかぶった怪しい男に近づいて行った。その怪しい男は、ソウル達が追って来た事に気が付くと、急に走り出してソウル達から逃げ出した。
「あの男です!」
「私にあれを渡した男と背格好が似ているわよう!」
「アイツか!」
ソウルは銃を抜こうとすると「街の中では武器は抜けません」と警告文が書かれたウィンドウが表示され、ソウルはそれを見て消した後、舌打ちをした。
「近くまで行って捕縛するしかないか…」
ソウルが武器から手を放すと、前で逃げている男が後ろを振り返りニヤリと笑ったのが見えた。
「野郎!」
ますます頭に来たソウルは、必死に後を追うが一向に差は縮まらず、怪しい男も先回りして待ち構えていたマギアやティーを簡単に躱し完全に馬鹿にするように逃げ回っていた。しばらく街中を走り回っていたが、突然怪しい男が大通りに出た後、体をソウル達に向けその場に止まった。
「残念ですが、楽しい鬼ごっこはここまでですよ」
「貴様…最初から俺達で遊んでいたな?」
「ええ、何とも楽しい時間でした。捕まってしまうとどんな恐ろしい目に合うんだろうと思い、ゾクゾクしながら逃げていました」
「変態の類か…度し難いな…」
「その顔!その美しい顔で睨まれると私…達してしまいそうです!」
「‥‥」
ソウルは怪しい男の言葉に、嫌悪感が体中を駆け巡り、不快な表情をした。
「で、も…その楽しい時間は終わりです…またいずれ会いましょう」
「待ちやがれ!」
ソウルは走り出すが、怪しい男はソウル達にお辞儀をすると姿が消えていった。
「マスター…どうやら転移魔法を使用した様です…」
「‥‥‥あ~完全にしてやられた…」
ソウルは深いため息を吐いた後、そのまま地面に座った。
「あの男は転移魔法のクールタイムが終るまで逃げ回っていたのですね…」
「みたいだな…マギア一応聞いておくが、転移魔法って言うのは誰でも使える物なのか?」
「いえ、誰でも使える魔法ではありませんね。さらにいえば転移魔法を習得しているプレイヤーは0人で、転移魔法を使えるのは2人の住民だけの様です」
「その二人の名前分かるか?」
「はい、一人目が赤道近くの島にいる「外法の魔女アズ・アルア」とその弟子である「イルクス・ダム」です。多分ですがあの男が「イルクス・ダム」でしょう」
「そのイルクス・ダムは12天逢だったりするのか?」
「はい、6攻逢魔の一人、「暗爆のイルクス」と呼ばれているそうです」
「12天逢だったか…か~帝国と決着がつくまで気軽に金策も出来ないか…」
ソウルは、頭を掻いた後立ち上がりひとまず拠点に帰ろうとしたが、後ろから肩を掴まれソウルは後ろを振り返った。
「君だな?この街で爆発事件を起こした後街中を走り回ってたのは?」
「え‥‥衛兵さん…それには事情があるのですよ…」
「なるほど…その事情とやらを詳しく聞かせてもらおうか?」
「‥‥‥‥ハイ」
ソウルの肩を掴んだのはこの街の衛兵で、ソウル達は数名の衛兵に四方を囲まれた後、大人しく屯所までドナドナされて行った。
ジャーン!ジャーン!ジャーン!ゲェ!ソウル!
ソウルが見たレシピとは?
ソウル渾身のノリツッコミ!たが効果はイマイチの様だ!
いろいろな金策があります。 インスタントダンジョンに潜ってボスドロップ周回やレアな鉱石を取って競売所に流すという方法もあります。ですが普通の鉱石の方が売れているようです。何故かと言えば、普通の鉱石類で作ったインゴットが大量に必要なレシピが多いからですね。
攻略サイトの情報が古い!必要な情報が載って無くて自分で解決するしかない!など攻略サイトを利用した事があるゲームプレーヤーなら1度は味わった事があるはず!でも私は感謝をしながら攻略サイトを利用します。有志の方々に感謝を!
朝5時起きはきついっす…
茹で卵!・・・ん?おい…それ…本当にゆで卵か!?
変態だぁぁ!変態が出たぞぉぉ!…と言いますが、ここで出すつもりはなかった敵キャラです。ですが予定を変更して出しました。その方がこの先どうなるか作者にも分からない為です!分からないと私も執筆しやすいので。
変態は千里眼スキル持ちの住人の力を借りて、ソウルの居場所を知った後行動に出ました。
スタァァップ!
モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!
ブックマーク登録もよろしくね! ありがとうございます!頑張ります!
次回少し遅れるかもしれません!




