クリスタルの中で眠る異世界の少女
完成しました!投稿です!
お楽しみくださーい!
ソウルが、カメラ片手に地下の部屋を見て回ると、人型ロボットの足元に立ちソウルはロボットを見上げた。
「…イドに摩り替って赤くなりそうな機体だな…」
ソウルは、何気なく人型ロボットの全身をスキャンカメラに収めシャッターを切ると、ポラロイドカメラの様にカメラの下から、人型ロボットの設計図が書かれたブループリントが出てきた。
「撮ってみたけど…これをどうすればいいんだ?」
出てきたブループリントを仰ぐように振ってみると、ソウルの目の前にウィンドウが出てきた。
「このアイテムを使用しますか?…押してみるか…」
【アナウンス:新しいレシピが追加されました。新たに追加されたレシピを確認したい場合は、アイテム欄にある製作タブ>レシピからご確認できます。】
ソウルはUIを開き、アナウンスに従いアイテム欄から製作のタブを開きレシピの項目を開くと、Newのマークで埋め尽くされていた。
「初めて開いたから何処に何が追加されたのか分からないな…」
ウィンドウを閉じ見なかった事にした後、武器と防具が置かれている方へ向かって行った。
「武器や防具のデザインは近未来的だな…ん?これは女性用か?‥‥明らかに盛ってあるな…………あ!これ!無い人専用だ!」
女性用と思われる近未来的な防具の胸部を取り外して裏面を見て見ると、ほんの少しだけ窪んでいる箇所が二つあり、ソウルはそれを見て驚いた後、外した胸部を元に戻した。
「この武器は…何だ?」
次にソウルは、武器が置いてある場所に向かうと、柄が長い短剣を手に取り観察し始めた。
「柄の中に何か入っているみたいだけど…ん?トリガー?もしかしてこれは…」
剣先を上にして鍔付近にあるトリガーを押してみると、短剣が中心から割れて行き扇の様に左右に別れた後、光刃が根元から現れた。
「ライトセー〇ー?すごいな‥‥自分の意志で伸縮するのか…」
軽く振り回してみると独特な音を出し、光刃を短くしたり長くしたりして遊んでいると突然光刃が消えてしまった。
「うお!?なんだ?どうした?」
突然光刃が消えた事に驚き、指先で突いてみたり柄の部分を見たが、何処も壊れた様子は無くソウルは首を傾げた。
「…柄の中に何か入っている…もしかして…」
ソウルは柄を上下に振ってみると、何かが溜まって行く音が聞こえ、何かが完全に溜まると軽快な音を出した。
「充電式の武器だったか…あれ?そういえばそんな武器を使うゲームがあったような…」
ソウルは何か危険な感じがよぎった為、トリガーを押して光刃が出た事を確認した後、再びトリガーを押して光刃を消し、そっと元の場所に戻した。
「(ここに銃関係は無いか…下にあるのかな?)」
ソウルは地下に行ける所を探していると、部屋の右端の床が少し上に動きそこから数人のプレイヤー達が出てきた。どうやらその床の下には梯子があり、そこの梯子を降りていくと下の階層へ行けるようだった。
「(降りてみるか…)」
そう思ったソウルは、梯子を降りていくと地下2階の生物に関して資料が置いてあるという場所についた。マギアが言った通り、地下2階のこの場所は、いろいろな生物の一部と思われる物がホルマリン漬けにされていたり、並んで配置されている人が入れる位のカプセルには、ソウル達をここまで導いた謎の生物が赤子の様な姿勢でカプセルに入っていた。
「…SuZuKi?…鈴木?だけカプセルが空いているな…他には…SaToやTaKaHaSiと書かれたプレートがあるが…これは名前か?」
並んで配置されているカプセルの土台には、金属のプレートがあり、そこには日本人の苗字が書かれていた。その複数あるカプセルを見ていたソウルは、一つだけ中身が空のカプセルを見つけると、土台にあるプレートをソウルは確認した。
「開発者は日本人だったのか?いや、日本に似た世界の人だったのか?‥‥ん?」
金属プレート見ながら、ソウルは首を傾げていると何かの気配を感じ、ソウルはその気配がする方向を見ると、謎の生物がソウルを手招きしていた。
「(…何かあるのか?)」
ソウルは謎の生物に近づいて行くと、謎の生物は近くの端末を操作し下にあった昇降機を動かした。謎の生物は、昇降機の上で再びソウルを手招きすると、ソウルはそれに従い昇降機に乗り謎の生物と下に降りていった。
「時に聞くが…君の名前は鈴木…さんでいいのか?」
「‥‥‥‥(コクリ)」
「‥‥そうか」
鈴木はソウルの質問に間をおいて頷くと、ソウルは一言そう言っただけで後は黙っていた。しばらくの間、ソウルは気まずさを感じながら昇降機が目的地に付くのを待っていると、昇降機から見えている風景が変わって行き、様々な機械類と黒い管、三つのカプセルそしてその場所の中心に謎の水晶が、置いてある広い空間が視界に入って来た。
「ここは?」
広い空間が広がる場所に着き、昇降機を降りたソウルは鈴木に質問するが、鈴木は何のリアクションもせず真っ直ぐ水晶がある場所へと向かって行くと、その水晶を指差した。
「…この水晶にな…に‥‥」
ソウルは鈴木が指さしている水晶を見ると、小学3年生位の小さな女の子が眠っている様に水晶の中に存在していた。ソウルはその事に驚き、言葉を言いかけた後、慌ててマギアと連絡を取った。
「マギア!急いで俺の所まで来てくれ!大至急だ!」
「マスター?何かあったのですか?」
「口でどうやって説明すればいいのか分からない!とりあえず急いで来てくれ!俺がいる場所分かるか?」
「少々お待ちください‥‥!…マスター、そのような場所あったのですね!分かりました。すぐ参ります」
ソウルはマギアと通信を切った後、少しでも情報を集めようと、水晶の周りを調べ始めた。少女がいる水晶とは別の水晶を短刀で削ってみたり、短刀の柄頭で思いっきり叩いてみたが、水晶は無傷だった。
「効果なし…か…」
他にもわざと大声を出して共振するか試してみたり、アイテム欄からただの水が入った水袋を取り出して、水晶に少し掛けて見たが共振もせず、水滴すらも付かない結果となった。
「火薬を使うという手もあるが…下手したら嫌だし…おとなしくマギアを待つか…」
ソウルは水晶の前に胡坐をかいて座りマギアを待っていると、鈴木が木製で丸いお盆を出しその上に急須と湯呑を置くと、急須から湯呑にお茶を注いでソウルに渡した。
「おお、ありがとう。いい匂いの緑茶だな…」
匂いを嗅いでお茶を少し口に入れると、緑茶独特の美味しさが口に広がりホッとすると、ソウルの後ろ後ろからソウルを呼ぶ声が聞こえて来た。
「マスター!急いできました!どうしましたか?」
「これなんだが…少し調べてくれ…」
ソウルは、お茶をゆっくり飲みながら水晶を指差しマギアに指示を出すと、マギアは肩透かしを食らった気分になったが、ソウルの指示通りに少女が入っている水晶を調べ始めた。
「マスター…この幼女生きてますよ!驚愕です…」
「本当か?」
「はい。このような状態でもちゃんと生命反応は有ります。ただ…」
「ただ?なんだ?」
「この幼女は人ではありません。9割が生物で出来ているフェムトマシンの群体です…所謂バイオロイドですね」
「フェムトって確かピコより小さい奴だっけ?」
「はい」
「フェムトテクノロジーのバイオロイド…か…」
ソウルは水晶の中の少女をじっくりと観察してみた。水晶の中の少女は、長い銀髪で顔立ちも整っており、将来は絶世の美女になる事が容易に予想できる程美しい顔だった。体は恥部がギリギリ隠れている白い紐のような服を着ており、ソウルはこの服を何かの映画で見た様な気がしていた。
「この子どうにか解放できないか?」
「…無理ですね…この水晶を調べた結果、外部からはどんな事をしても傷一つ付ける事が出来ない物の様です。この幼女が自然に目を覚ませば、水晶が壊れて解放される仕組みではありますが…」
「この子が自然に目を覚ますにはどうしたらいい?」
「不明です。私達の声は聞き取れない位のレベルでこの幼女に届いているはずですが…」
「なんて言ってるか分からないから「目覚めろ!」とか「起きろ!」と言ってもこの子には分からないって訳か…」
「はい」
「…すまない鈴木さん。俺達にはこの子を解放できない様だ…」
鈴木は、ソウルの言葉を聞いてガックリと項垂れると、昇降機の方へと向かって行った。
「彼?って名前があったんですね…」
「ああ、他にも佐藤や田中等いたぞ」
「その事実に驚愕です…」
ソウル達は鈴木がいる昇降機の所へ行き、元の階層へと戻って行った。だが、ソウルが昇降機に乗って振り返った時、水晶の中の少女が目を開いてこちらを見ている様な気がしたが、目を擦って再度確認してみると、少女の目は閉じられていて、ソウルは気のせいだったかと思いながら上へと上がって行った。
地下2階へと戻って来たソウルは、マギアを連れて地下3階の武器防具が置いてあるという場所に向かうと、そこには銃がたくさん置いてあり、片っ端からスキャンカメラで撮って行った。だが、どの銃も今のソウルには装備出来ずガックリと項垂れた後、地下1階へと帰って来た。
「なぁ?ソウル…今更だけどこの場所に皆を連れてきてよかったのか?」
「それは私も聞きたかった」
ユメミルクとホワイトローズが深刻な顔してソウルに尋ねると、ソウルは鈴木から貰ったお茶を飲みながら友人の質問に答えた。
「大丈夫だろ?楽園の事を知っているのは俺達しかいないし、他の皆は異世界の未知の技術が眠っている場所だと認識してここに居るんだろ?ここがΖΩΗの楽園のその場所だと認識させなければ大丈夫さ。それに、多分だがここには一度しか来れない場所だと思うし、例えバレたとしても都市伝説位なレベルの話で終わるだろうさ」
「ほんとに?」
「ああ、ここがΖΩΗの楽園だとバレなければ大丈夫だ。…もしかして誰かに言ったのか?」
「言ってないよ~総団長には特別な宝が眠っている場所としか言ってないし」
「ああ、俺も同じように皆に伝えた」
「じゃあ、いいさ。もしこの場所を聞きに来た奴が居たら、自分で探せと伝えればいい。ヒントも何も渡さず「自分は何も関与してないですよ、知りませんよ」とそういうスタンスでいれば問題ない」
「つまりこの場所について黙ってろって事ね!」
「…アップルはもういいのか?」
「ええ、私がレシピ集めてもしょうがないし、十分楽しんだわ」
「それは何より」
友人二人に向かって話していると、横からアップルが話に入って来た。アップルはとても満足した顔になりながら、ソウル達の会話に入ると、アップルも鈴木からお茶を貰ってその場に座った。
「マスター、私は先に入り口に戻ってセンサーを設置したいと思います」
「分かった。手伝いが必要か?」
「装置を床に置いて設定するだけなので必要ありません」
「分かった。よろしく頼む」
「はい、では行って来ます」
「私も行くわよう!ここはもう飽きちゃったわよう!」
マギアが水の膜の扉へ向かって行くと、ティーもマギアを追って行った。
「それで…ソウル…この場所の事いつまで黙ってればいいの?」
「墓場まで持って行くか、大社がここの事を公開すると決めた時、もしくは他のプレイヤー達がここの事を事実だと知った時かな?」
「ふふっ…まさか墓場まで持って行く秘密がゲームの事だなんて誰も思わないでしょうね…」
「まぁな…俺達の責任じゃなきゃ何の問題も無いさ。ここの情報を喋る時は、高額の値段を付けて話せば儲かると思うぞ?まぁその時は大社の許可が必要だと思うが」
「また悪い顔してる…」
「ソウルってそう言う所怖いよな…」
「怖いって失礼な!」
ソウルが頬を膨らませ起こると、梯子がある場所から駄々をこねる声とそれを諫める声が聞こえて来た。
「隊長!救世主が言ってたではありませんか!元の世界に異世界の実物を持ち込んだら糞面倒な事が起きるって!それは誰だって予想できる未来なんですよ!俺嫌ですよ!金策している最中に隊長が持って来たアイテムで面倒な事に巻き込まれて、金策を中断せざる追えなくなるのは!」
「だって!これをあっちの世界に持って行けば、いろいろオカーネンが浮くでしょ?その浮いたオカーネンで欲しかったパーツがたくさん買えるのよ?」
「それはそうかもしれないですが、デメリットの方が大きすぎます!ほら!いい加減そのロボットの腕を放してください」
「嫌!もうちょっとだけ!後8760時間位待って!」
「それって1年じゃないですか!いい加減にしてください!」
「嫌ー止めて!私の子に乱暴しないで!」
「ああぁ!もう!本当にいい加減に!…しろ!」
「あああああ!私のロボットアームちゃぁぁぁぁん…」
ハピネスカラーが、胸に抱えていたロボットアームを部下の隊員に取られて泣き崩れると、その現場を見ていた友人二人がソウルの顔を見た。
「なぁ?…本当に大丈夫だと思うか?」
怪訝な顔をしたユメミルクがソウルに尋ねると、ソウルは頭を抱えて呟いた。
「‥‥‥ダメかもしれない」
ソウルは暫く頭を抱えうーんとうなり声を上げた。
地下1階にあるロボットはモニュメント的な物です。実際に動きますが、スペック的には今一の性能です。え?あの機体は今一じゃないって?いやあの機体は、彼が乗るからこそ真価を発揮できる物ですよ?
初めて確認するとNewだらけで何処に何が追加されたのか分からなく成る奴。そしてNewを消す作業が面倒な奴。
ソウルが何故女性用の防具を最初に取ったかと言うと、男性の防具が機能を追求しすぎてデザインがおざなりとなっていたから。つまりダサかったからデザインもしっかりしている女性用に行ったわけです。
光の剣を使うゲームが新しく出ますねw
謎の生物鈴木が間をおいて頷いたのは、ん?この人何言ってるんだ?から始まり、あ!俺の名前鈴木だったわ!と思い出したから間をおいて頷きました。
クリスタルの幼女が解放されるときはまだずっと先…未来に期待してください!そこまで私が生きているか、この作品が不人気すぎて連載終了しなければ必ず出ます!
幼女の来ている服は、フィフス・エレメントと言う映画でミラジョボビッチさんが最初に来ていた服に似ています。
お茶汲みとかした鈴木。ちなみに鈴木は生物学的に男性です。
金欠は辛いよ…
誤字脱字報告ありがとうございます!大変助かりました!
モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!
ブックマークもよろしくお願いします! ありがとうございます!頑張って行きますので応援よろしくお願いします!




