楽園の鍵 2
すみません!リアルの用事でだいぶ遅れました!
お楽しみくださいな!
ホワイトローズ達とユメミルク達が拠点へ帰って来ると、ソウルは二人と一緒に、会議テントの中で3個の水筒を眺めていた。この水筒は赤、青、緑をしており、赤が超命水の泉、青が織姫の泉、緑が賢神の泉の水が入っていた。
「このどれかの内の一つが鍵の材料になるのか…」
「そうだね~…もしくは全部だったり?」
「それだとクエスト難易度が跳ね上がるじゃないか…嫌だなぁ…」
「元々高難易度クエストなんだし、それがあっても不思議じゃねぇな‥‥」
「…まじか‥‥」
三人が、水筒を眺めながら話していると、薔薇乙女騎士団の隊長達が、次々と会議テントの中に入って来た。
「さぁ、水は集めたわよ!次はどうするのかしら?」
ルージュが気分よく期待すると、ソウルは全員を見渡した後、次にやる事を説明した。
「皆さん居る様なので次の事を話しますね。次は、いよいよ鍵作りです。お宝がある場所に向かい、お宝の扉の前にある台座でマッドパラサイトマザーのコア、ルインベヒーモスの角、泉の水を使い鍵を作ります。その後はもちろん扉を開いて中に入りますが、その中にある物は全体に取らないでください。それは、後でとてつもなく面倒な事が起きる可能性が高いからです。ですが安心してください。マギアがスキャンカメラを作りました。このカメラを使えば、スキャンしたアイテムのプループリントが出て来る仕組みなので、欲しいと思ったアイテムはこのカメラを使ってください」
「そこの場所は解っているのじゃ?」
ソウルの説明を聞いた後、ホープが手を上げて質問した。
「はい、この転送装置を使えばその場所に転送されるらしいです。ですがこれを貸してくれた人に聞いて見た所とても危険な場所の様で、挑むならかなりの準備をしてから挑んでくださいという事なので、その話から察するにダンジョンだと思われます」
「さっき扉の中のアイテムは取らないでくださいって言っていたが、誰かが取った事を隠して持ってきた場合はどうするんだ?」
ホープの次にハピネスカラーが手を上げて質問すると、ソウルは眉を寄せて答えた。
「その場合は‥‥「私は知りません」と言うしか無いですね。そのせいでこの世界が滅んでも、それは取った本人の責任ですしね。止めてくださいと俺は言ったのですから、それを無視した人は知りませんよ。俺はこの世界や住人、他プレイヤー達の責任なんて負えないので決してやりませんよ」
「マスター?扉の前にスキャン装置を置きましょうか?アイテム欄をスキャンして引っ掛かったら警告音を出すだけの物なら簡単に製作できますし」
「プレイヤー達の善意を信じたいが…念の為作っておいてくれ」
「了解です」
「隊長さん達はスキャンの事も伝えておいてください。取って来る人はいないと思いたいですが、もしスキャンに引っ掛かる人が居たらその時は…」
ソウルが怪しい笑顔をすると、その場にいた全員が顔に青筋を立てた。
「他に質問は有りますか?‥‥ありませんね。では、参加する人は準備を済ませた後、会議テント前に集合してください。一度行ったらクリアするまで拠点に帰れないと思うので、その事も考えて準備してください。では、今から2時間後に出発します」
ソウルが説明を終わると、隊長達は慌ただしく動き出し始め、テントから出ていった。
「俺もアップル達に説明しに行くか…」
ソウルは会議テントから出て、適当なテントの中に入り仲間達に招集メールを送った後、集まったアップル達に先ほどの説明と注意事項を説明した。
「なるほど、扉の奥にある物は取って来ちゃいけない訳ね。解ったわ。でも扉の奥で武器とか見つけたらその場でなら使っても問題ないわよね?」
「そうだな」
「私好みの武器何かあるかしら?」
「あるんじゃないかな?武器とか研究資料とか集めて持って来たっていっていたし」
「ゴツイ鈍器がいいわ!」
「何故鈍器…」
「殴った時の触感がたまらないのよ」
「さ…左様で…」
アップルは、片手に鈍器を持って殴りつける様な動きをすると、キレのあるいい音を出すと、ソウルはその音に恐怖を感じた。
「よし、準備出来ました!何時でも行けますよ!やる気も十分です!」
2人のやり取りを横にしながら、マナリアはウィンドウを操作し、アイテムを確認していた。そのマナリアが確認し終わると、いつでも行ける事とやる気が満ちている事をソウルに伝えた。
「じゃあ、集合時間までまだあるけど、会議テント前に言っておくか?」
「はい!」
「分かったわ」
「おやつと蜂蜜はちゃんと持っておくのよう!」
「ティーそれは同じカテゴリーでは?」
「全然違うわよう!」
ソウル達は、会議テント前に行くとすでに準備を済ませた隊員達やヴァルハラのメンバーがいた。
「あ、いたいたソウルさーん!」
「ん?クラウンさんどうしました?」
「前に言っていたソウルさんにやってもらう事をしてほしくって」
「あ~そういえば、そんな事も言っていましたね?それで、俺は何をすればいいのですか?」
「これを着て私と写真撮ってくれればいいですよ!」
「あー‥‥これは…」
会議テント前で、何をして時間を潰そうかとソウルは考えていると、クラウンがソウルを見つけ駆け寄って来た。そのクラウンは、ソウルに服を一式渡すと、見覚えのある服にソウルはクラウンがしてほしい事を理解した。
「この服は機造龍の時着た礼服ですね」
「そうです。私の隊員がすごく自慢してきて、羨ましかったので私も撮りたいと思い用意しました」
「そうですか。分かりました」
ソウルは渡された礼服に着替えると、クラウンは見覚えのないウェディングドレスに着替えていた。
「…もしかして…そのドレス自前ですか?」
「そうです!この為だけに自前で用意しました!作ったのはサウスちゃんですが…」
クラウンがそういった後、ソウルに体を密着させ顔を至近距離まで近づけた。
「あの…近すぎじゃないですか?」
「動かないで!」
「ア、ハイ…」
言われた通りソウルは動かずに、クラウンの指示に従い様々なポーズの写真を数枚撮った。
「よし、これでお母さんの早く結婚しろコールの時間を稼ぐことが出来る…」
「…テンプレですね!ご愁傷様です」
「!?、え?…テンプレ?それはどういう事ですか!?」
クラウンの呟きにソウルは合掌すると、クラウンは驚いて聞き返したが、またも女性プレイヤー達が多くソウルの元へ集まって来ていた為、ソウルはクラウンの言葉には答えず女性プレイヤー達に対応していった。
「そろそろ時間なので、この方が最後です!」
「ギリギリ間に合った‥‥よかった…前回は気絶して参加できなかったけど、今回は行けた!」
ヴァルハラの副リーダーシヴァ子が、額を拭った後ガッツポーズをした。
「よかったですね」
「ええ、前回参加できなかった分の悔しさを今回で晴らさせてもらいます!じゃあ、ソウルさんはこう言うポーズで立っていてくださいね!」
「分かりました」
シヴァ子の指示に従い、様々なポーズの写真を撮った後、女性プレイヤー達は解散していった。シヴァ子と撮影が終わり、ソウルは辺りを見回して見ると、準備を済ませたプレイヤー達が集まり出していて、1000人以上いると思われる規模にまでになっていた。
「お~…これは壮観だな。よくこれだけの人数が集まったな」
「ベヒーモス戦よりは少ないけど、新ダンジョンと新技術があるからこれだけ集まったわ」
「ルージュさん、注意事項は伝えましたか?」
「ええ、伝えたわ」
「ありがとうございます。でも、まだ少し時間に猶予があるので俺がまた注意事項を言いますね」
「分かったわ。はいこれ拡声器」
「お借りします」
ソウルは近くの木箱の上に立ち、会議テント前に集まっているプレイヤー達に向けて、拡声器を使い注意事項を話した。内容は会議テント内で言った事と変わらなかった為、プレイヤー達からの反論も無く言い終えると、丁度時間が来たようだった。
「では、時間が来たのでそろそろ行きます!PTから漏れている人はいませんか?PTに入らずソロで行こうとしている人はいませんか?大丈夫ですか?」
特に待ってくれと言う声も聞こえなかった為、ソウルはソラから借りた転送装置を取り出した。
「では、隊長さん達は俺とアライアンスを組んでもらいますね」
ソウルがウィンドウを操作すると、各隊長達の目の前にアライアンスに参加するか否かのウィンドウが表示され、隊長達は全員「はい」のボタンを押した。
「…よし、確認完了!それでは行きます!」
ソウルが転送装置のボタンを押すとアナウンスが表示された。
【アナウンス:楽園への道 参加上限人数:無制限 推奨推定レベル:110 このダンジョンに挑戦しますか? [はい]/[いいえ] 注意 PTやアライアンスごとダンジョンに転送されます。PTに入っていない人は転送されないのでご注意ください】
ソウルは[はい]のボタンを押すと、目の前の景色が変わって行き、何処かの森の中に転送されたようだった。
「ここが始まりなのか?…」
ソウルがそう呟くと、転送装置にコンパスの様なホログラムが浮かび上がり北西を指していた。
「この方向に行けばいいのか…皆さん!ついて来てください!」
ソウルが先頭に立って、コンパスが示している方向に向かうとその途中異形と言えるモンスターが現れた。
「なんだ!?この化物!?」
その異形なモンスターは、四足歩行のモンスターに人型を付けた様な姿で、オーガ並みに大きく左足はライオンの足、右足はグリフォンの足、後ろ左足は蛸の触手、後ろ右足は蛙の足と様々なモンスターが融合したようなキメラだった。
「カオス過ぎる…」
「じゃあ、ケイオスキメラだな!オラァ!」
ユメミルクが跳躍すると同時に、斧を振り上げ落下の勢いを斧に乗せケイオスキメラを頭から両断した。
「あん?なんだこいつ…弱いz…げぇ!分裂した…」
両断されたケイオスキメラは、左右に分かれて地面に倒れるが、すぐさま半身を再生すると2体となった。
「しかも別の種の手足が生えて来たな…なるほど、斬れば斬るほど増えていくのか」
「冷静に分析してないでソウルも攻撃しろし!」
「いや、待ってくれ。このままだと敵が増えるだけだから、誰か火属性の攻撃をケイオスキメラに与えて見てくれ!」
「私がやるわ!」
ルージュが両手を右腹の位置で火の魔法をチャージし始め、最大まで溜まると両手を突き出して放った。
「【フレイムフラッシュ】」
ルージュの手から放たれた魔法は、レーザー光線の様に放たれると、左半身が再生した個体へと当たり、胸に大きな穴を作った。ケイオスキメラはルージュの攻撃を喰らってもまだ生きていたが、胸の大穴は再生する様子は無かった。
「ビンゴだ!再生持ちを倒すなら、再生できない程細胞を壊すか燃やせばいい!あいつの弱点は火属性だ!」
ソウルはΣウェポンをβブレードに交換したが、後ろから続いて来たプレイヤー達の攻撃がケイオスキメラを倒した。
「‥‥‥」
「ねぇ?今どんな感じ?かっこよく武器交換していざ攻撃しようとしたら、後ろの皆に敵が倒されちゃったけど!ねぇ?今どんな感じ?」
「ムググ…」
ホワイトローズの煽りに、ソウルはただ悔しい思いをしていた。その後、ソウル達はコンパスを頼りに森の中を進んでくと、洞窟を見つけた。
「なんか…不自然な洞窟だな?…自然にできた洞窟じゃなく、人の手が入っている洞窟って言った方がしっくりくる…ソウル、コンパスはどうなっているんだ?」
「この洞窟の奥を示しているな。多分ここが扉へと続いている道だろう」
「ここから本番ってなわけか」
ユメミルクが、洞窟の入り口を見ながらソウルに尋ねると、ソウルは転送装置のコンパスが斜め下を指していた。
「ここから慎重に向かおう。多分だけどさっきのケイオスキメラがわんさか出てくると思うし」
「そうだな。よし、盾持ちはソウルの前に出てくれ!この先何があるか分からないから気をつけて進むぞ!」
ユメミルクが後方のプレイヤー達に向かって言うと、マナリアを含めた盾持ちがソウルの前に立ち、洞窟の中へと入って行った。
「洞窟へと入って行ったソウル達は、中でとんでもない物を発見した!」
「…とある探検隊みたいなナレーションはやめろ…」
ホワイトローズの冗談を、ソウルは眉を寄せて呆れた。
異世界の物を、この世界に持ちだしたらそれを悪用する人がいるので、持ってくるなとソウルはプレイヤー達に警告しました。
アップルは、殴る蹴る鈍器が好きです。
クラウンさんは、ソウルとのツーショットを自慢されてすごく悔しい思いをしています。自慢したのはミミランジェさん
ソウル言ったテンプレ クラウンさんの親が速く結婚しろとクラウンさんに言う→ソウルと撮った写真を見せる→紹介しろ→何とか偽装工作はするが嘘飛ばれる→親に呆れられる→…となる訳ですね。
シヴァ子の存在を完全に忘れていました…設定に追記しました。
シヴァ子さんはヴァルハラの副リーダーでツッコミ役です。
ベヒーモスで人が集まった理由は、その戦いの為に有給取った人が多くいた為。
ケイオスキメラは、ひとかけらでも本体から切り離すとその欠片から再生して行き、もう一体になる敵です。対処を間違えれば大惨事になります。
モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!
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