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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
ΖΩΗの楽園
91/329

超命水の泉

完成しました。投稿です!

お楽しみください!

 剣星の街から出て道なりに進み、途中の分かれ道にダマスクの森を示す道標があったのでそれに従い、ダマスクの森の入り口へとやって来たソウル達は、装備を確認し始めた。


「準備出来ましたか?それじゃあ行きましょうか。他のプレイヤーさん達もいるから邪魔にならない様に行きましょうね。泉を見つけても駆け寄らず、すぐ私に連絡してください。」


「「「「はーい」」」」


 クラウン隊が6人PTを複数作り、それぞれ別の方向に分かれて森の中に入って行くと、ソウル達も森の中へと入って行った。


「ソウル、どこを探すんだ?」


「まずは川ですね。川を見つけたら上流を目指して行き、水源となっている所を探します」


「分かった。戦闘は任せておいてくれ!」


 ブラックが腰の刀を見せつけながらソウルに言うと、アップルが半笑いしていた。


「それは、つまり戦闘以外じゃ役に立たないという事?」


「お?そうだな!」


「同意するんじゃないわよ…」


「マスター、この近くにAVRの反応があります。まずはそれを目指してみては?」


「あ~…その方がはやいか…」


 ブラックの同意にアップルは呆れていると、マギアがAVRの反応がある方を指差しながらソウルに伝えると、突然ティーが右往左往し始めた。


「クンクン…蜂蜜の匂いがするわよう!この先から匂って来るから道中採集するのよう!」


「ソウルさん、採取しながら行きませんか?」


「懐も寂しいし…そうだな、そうしよう。」


 マナリアの提案にソウルは同意した後、西に向かって森の中へと入って行った。


「お!これは体が大きくなりそうなキノコだな!」


「ソウルさん!こっちには1UPしそうなキノコを見つけました!」


「蜂蜜ウマウマなのよう!」


「…なぁ?ちょっと聞いていいか?お前らって…いつもこんな調子なのか?」


「…割とね?」


 採取しながら進んでいる為、なかなか進まない事に首を傾げたブラックが、アップルに聞いてみると、アップルは頷いて答えた。その後もソウル達は採取しながら、目的のAVRの所まで来ると、マギアが起動準備を始めて行った。


「マスター、もう少し左です!…行きすぎです!…ちょい右です…はい!そこでそのまま!」


 ソウルがAVRの角度を調整し、マギアがウィンドウを操作するとAVRから青い光の玉が発射され、マップにこの辺りの事が表示された。


「初めて見たけど、これ便利だな…俺も出来るか?」


「サポートAIが居ればできますよ!」


「そうか…俺も作ってみるかな…」


 ブラックは、マップが広がった事に驚きサポートAIを作る事を考えていると、ソウルがマップを開いて泉の場所を確認した。


「ここだな…早速い…!?」


 ソウルが、目的の場所に行こうとそう言いかけた時、茂みから半ば折れた剣を持ったゴブリンが3匹と様々な鎧の部位を継ぎ接ぎした物を着た体長2mのオーガが一体現れた。


「敵だ!全員戦闘用意!」


 ソウルが大声で言った後、マナリアの後ろに下がると、マナリアは盾と槍を構え、アップルとブラックはマナリアを挟む様ような形で前に出た。


「マナリアとブラックさんはオーガを!アップルと俺達後衛はゴブリンを叩く!!」


「「「「「了解!」」」」」


 ソウルが最初にΣウェポンを発砲し、一番近いゴブリンの頭に弾丸を撃ち込んで黒い霧へと変えた。


「よっと!オラァ!」


 アップルが、ゴブリンの振り下ろし攻撃を回避すると同時に左肘を顔面に入れ、そのまま連続攻撃を繰り出して黒い霧へと変えた。


「進化した私の力を見せてあげるわよう!」


「ティーに合わせます」


 ティーが、両腕を突き出し風を操作して塊を作った後、マギアが11mmの鉄の玉が大量に入っている箱を取り出した後、ティーの風の塊に入れた。


「これで殺傷力が上がったはずです」


「行くわよう!」


 風の塊が放たれ最後のゴブリンの頭に当たると、ゴブリンの頭が吹き飛び残った胴体が、黒い霧へと変わって行った。


「わぁ…それ凄いのよう!」


「暇つぶしで作ったのですが…いいですね」


「それ頂戴よう!できれば専用ケースとそこから伸びる管も作ってくれると嬉しいのよう!」


「後で作っておきますね。今は最後に残ったオーガの相手です」


「頑張るわよう!」


 三体のゴブリンを手早く倒したソウル達は、オーガを相手しているマナリア達に視線を向けると、マナリアがオーガの鉄製の棍棒を盾スキルで上手に【パリィ】し、よろけたオーガに槍スキルの【三連突】を入れて、継ぎ接ぎの鎧を破壊していた。そしてその後、鎧を破壊されて肌を晒した所をブラックが、居合の技で深く斬ると、オーガは血と苦痛の声を上げた。


「すげぇな嬢ちゃん…アーマーオーガはその名の通り鎧が厄介なんだが…的確につなぎ目を攻撃して鎧を破壊している…」


「えへへ、いっぱい練習しました!」


「…どんな練習したらあそこまで正確になるんだ?…おっと!」


 ブラックは、オーガの振り回し攻撃を回避し少し後ろに下がると、マナリアは構わず前に出ていった。


「嬢ちゃん!そりゃあ無茶だ!」


「大丈夫です!」


 マナリアは力を貯める様に槍を構えると、オーガは前に出てきたマナリアを叩き潰そうと、振り上げた鉄製の棍棒を振り下ろそうとしたが、後方から銃声が連続で聞こえ、振り下ろしてきた棍棒を弾いた。


「【スパイラルスティンガー】!」


 スキルを使い、手首を捻って槍を突き出すと、オーガの胸を貫き心臓を破壊する事に成功した。


「気を付けてください!オーガ種は心臓を破壊しても数分は動く事が可能です!」


「解かった!マナリアの【パリィ】の後一斉に攻撃して仕留めるぞ!」


 マギアの忠告を了承したソウルは、作戦を仲間に伝えると仲間達は頷き、いつでも動ける様に身構えた。


「グオォォォォ!!」


 オーガが、棍棒を両手で持ち全力でマナリアを叩き潰そうとしてくるが、マナリアは先程より速いそれすらも【パリィ】を完全に決めて、オーガをよろけさせた。


「今だ!」


 ソウルの声と共に全員が動き出し、各々が持つ最大火力のスキルをオーガに食らわると、オーガは黒い霧へとなった。


【アナウンス:敵パーティを全滅させました。SP 5500 獲得しました。 2100 オカーネンを獲得しました。戦利品設定は 自動分配 です。】


「皆お疲れ~」


「お疲れ様です」


「軽い敵だったわね」


「マスター、私もそろそろ新しい武器を作った方がいいでしょうか?」


「一仕事終えたから蜂蜜タイムなのよう!」


「(最初見た時大丈夫かと思ったが、なかなかすごいPTだな…いやユニオンか…)」


 ソウル達が戦いの感想を言っている風景を見ながら、ブラックは感心していていた。


「よし、じゃあ進むか」


 ソウルの声に頷いた仲間達は、川の上流にある水源へと向かって行った。




 ソウル達がマップを頼りに川を見つけ、モンスターと戦いながら、その川の上流へと向かい水源になっている所まで来たが、どこを見渡しても普通の水源の様な風景だった為、ソウルは首を傾げていた。


「う~ん、何か違う感じがする…」


「私が考えていたイメージと違いますね…」


「この場所じゃないんじゃないの?」


「あ!お魚がいるのよう!」


「マスター…スキャンしてみたのですが、普通の水ですね。伝承にある様な特別な力を持つ水ではありません」


「そうか…じゃあ、別の場所だな」


 マギアの言葉を聞き、ソウル達が引き返そうとしたその時、ソウルにメールの着信が来た。メールの主はクラウンからで、件名には「超命水の泉発見」とあり、本文には場所の座標と集合しましょうと書かれていた。


「クラウンさんが泉を見つけたらしい。やっぱりここじゃなかったようだ…」


「…この座標だと丁度反対側にあるわね」


「…ドンマイですよ!ソウルさん!」


「…行こうか…」


 しょんぼりしたソウルがトボトボと歩き出し、メールに記された座標の場所にソウル達は向かって行った。


「ソウルさん!こっちですよー」


 モンスターを倒しつつ、1時間掛けてクラウンの元に行くと、ソウルは目の前の光景に膝を突いた。


「空中を循環している泉なんて…そんなんありかよ…」


 超命水の泉は地面から湧き出した後、空中へと上がって行き水の球体を作っていた。その泉は水の球体を中心としてた無限を描く様に循環しており、川には一滴も流れてはいなかった。


「もしかして、川の上流に行っていたのですか?この世界はリアルと違いますから、リアルの常識を持って事に当たると痛い目を見ますよ?」


「…それ、前にも言われた事あるな…」


 ソウルは、地面に膝を突いたままガックリと項垂れた。


「じゃあ、早速取るのよう!」


「あ!待って!」


 ティーが超命水の泉に近づいて行くと、その場にはふさわしくないサイレン音が鳴り響いた。


「あー…」


 クラウンが目を手で覆い、悲観するとサイレンの音が止まり、何処からともなく男性の声が聞こえて来た。


「書かれてある作法を守らぬ者は、泉を汚す不届き者成り!者共!出合え出合え!」


 地面から、時代劇に出て来る家来達の様な姿をした黒い影が、無数に現れ始めた。


「この泉…ちゃんと手順を踏まないで採取しようとすると…こうなるんですよ…」


「隊長~勘弁してくださいよ~もうこれで3回目ですよ!あの侍の影、微妙に強いんすから皆疲弊してますよ~」


 隊員の一人が隊長のクラウンに向かってごねると、クラウンは鉄扇を広げて構え始めた。


「やっちゃった物は仕方ないでしょう!ほら、これが最後だと思うから気張りなさい!」


「なんか…すまない…」


「私も同じ事したんでお気になさらず!」


 ソウルは、クラウン達に謝るとクラウンは半ば笑って返し、黒い影の侍達と戦いが始まった。


「これは…俺向きの敵だな!」


 ブラックが居合の構えをした後、侍の影がブラックに斬りかかろうと居合の間合いに入ると、ブラックは刀を鞘から抜き侍の影の胴を両断して斬り伏せた。


「俺は、暴れん坊浪人だ!」


 ブラックは頭の中で殺陣のテーマ曲を流し、ゆっくりと歩みを進めていった。


「…あれは放って置いて大丈夫そうね…よっと!変身!」


 アップルは、侍の影の攻撃を躱し一撃入れた後、跳躍して変身した。その後、侍の影を踏んで着地し、アイテム欄から一対の篭手を取り出して装備すると、侍の影の群れに飛び込んで攻撃していった。


「マナリアは、ここで俺ら後衛を守ってくれ」


「了解です」


 マナリアが盾を構え、ソウル、マギア、ティーの後衛達の壁となると、ソウル達は遠距離攻撃を侍の影達に食らわせていった。


「隊長…私彼らを見ていて有名な時代劇を思い出したのですが…」


「えっと…紋所を出す奴ですか?」


「はい、そうです」


「う~ん…紋所を出す奴は、銃なんて使わないけど?」


「いえ、何というか…雰囲気的な物です…」


「あ~…それなら分かりますね。誰が誰とは詳しくは言いませんが、侍の影を相手している彼らの雰囲気はまさしくあれですね」


 クラウンが鉄扇を巧みに操り、侍の影の攻撃を弾いた後、喉元に鉄扇を入れて倒した。


「さて、ソウルさん達が頑張ってくれたから敵の数は残り少しですよ!皆さん、最後まで気を抜かないで行きましょう!」


 無数にいた侍の影も、ソウル達のおかげで(主にアップルとブラック)数を減らし、残り数体となっていた。それから数分後、すべての侍の影を倒しきるとクラウン隊の隊員達が地面へと座って休み始めた。


「全部倒せたわね…」


「いい修練になったぜ!」


「今度はちゃんと作法を守って行こうか」


「申し訳ないのよう!お詫びに食べかけの蜂蜜上げるわよう!」


「まだ、私の槍盾に改善の余地がある事を実感しました!」


「次の武装は刀もいいですね!」


 ソウル達が戦いの感想を言った後、地面に座っているクラウンがソウルの方を向いて口を開いた。


「ソウルさん、私達は少し疲れたので採集お願いしますね」


「解りました。手順が書かれていると聞こえましたがその手順は何処に?」


「あそこの看板に書いてありますよ」


 クラウンが指を指すと、その指の先に木の看板が地面に刺さっていた。ソウルはその看板を読んでみると、神社にお参りするような手順が書かれていた。


「手水の作法に…二礼二拍手一礼…さすがにお賽銭は入れなくていいのか…」


 ソウルは看板の手順に従い、近くにあった手水舎(てみずしゃ)で禊を行った後、水の球体に向かって二例二拍手一礼を済ませ、水の球体へと近づいた後、超命水の泉の水を大きめの水筒に入れた。そして最後に水筒をアイテム欄に入れ、一礼をして下がった後、仲間達がいる所へと戻って行った。


「成功しましたね。ここで見ている私達はハラハラしていました…」


 クラウンがハンカチで額を拭い、一息ついた後立ち上がると、今だ座っている隊員達を見渡した。


「それじゃあ、水も取った事ですし拠点に帰りましょうか」


「地味に疲れるクエストだったなぁ…」


「あ!私も超命水取っておこうっと」


「私もー」


 隊員達が、クラウンの言葉を聞き立ち上がり、先程ソウルがやった手順通りに行動した後、超命水を採取し始めた。


「ついでだから私もここで飲んでおこうかしら?」


「…多分直飲みはだめだと思うから…はいこれ!柄杓!」


「ありがと」


「私もいいですか?」


「柄杓は沢山あるから問題ない」


「じゃあ俺も飲んでおくか」


 ソウルから金属製の柄杓を受け取ったアップル達は、手順を踏んだ後、超命水を柄杓で掬い飲み干した。


「すごいわ!ソウル!STRのステータスが20上がったわ!」


「私は、DEFが19上がりました」


「俺は…HPが300上がった」


「え?ステータス上がるのか!?じゃあ、俺も飲んでおこう」


 アップル達の報告を聞き、ソウルも金属製の柄杓を手にして超命水を飲んだ後、仲間達の元に戻りステータスを確認してみると、DEXが21上がった事を確認した。


「おお!上がった!これは良いな」


 ソウルの発言でクラウン達も動き出し、手酌を借りて順番に飲んで行った。


「これは良いですね。泉の水を飲むだけでステータスがアップするのですから。でも一人一人上がるステータスが違うのは何故ででしょうか?」


「多分ですが、職業基準じゃないですかね?」


「ああ~なるほど」


 クラウンが自分の職業の特性を思い出し、ソウルの言葉に納得した。


「皆?泉の水は飲みました?…飲んでない人はいませんね?…よし、じゃあ今度こそ拠点に帰りますか!」


「クラウンさんありがとうございました。俺達は一度大社に行って扉の場所を聞いてきます」


「あ、それなら大社まで送りますよ」


「ありがとうございます!お言葉に甘えさせてもらいます」


「はい、解りました。あ、拠点に帰ってきたらやってもらう事があるので、ちゃんと帰ってきてくださいね?」


「?…解りました」


 何か含みのあるクラウンの言葉にソウルは頷いた後、剣星の街へと戻って行き、そこから出雲で大社へと向かって行った。


この世界では物理法則なんでかなぐり捨てている物がたくさんあります。


前にも書いたかもしれませんが、ソウルとマギアはスキル上げもかねて様々な物を金属で作っています。


暴れん坊〇軍だと思った?残念!〇門様の方でした。ちなみにアップルは飛猿ポジション。


超命水の泉は1アカウントに一度だけ、現職業の特性を基準にステータスを18~21を永久に上げる効果があります。HPやMPの場合は200~400ですね。上がる数値はランダムです。


おや?クラウンが何かを企んでいる様だ?


はうぁ!3000PV以上行っている…だと…大感謝です!ありがとうございます!

評価とブックマーク数も上がってとても嬉しいです!ありがとうございます!


モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!


ブックマーク登録もよろしくね! 大感謝のありがとうございます!


書き忘れていたので追記、超命水を2回目に飲むとHMP全回復です。

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