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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
冒険への準備編
6/315

馬車馬の如く働くぜ!バシャウマァー↑

「おい!ここに荷車を止めるな…ん?」


「あーすみません。ペット捜索の件で来ました。ご依頼のペットを見つけたのでお取次ぎお願いします」


「なに!しばしまたれい!」


 貴族街に入り、依頼者の自宅へ向かうと門扉(もんぴ)の前に門番がおり、門の目の前に荷車を停止させ用件を伝えた。


「今お嬢様が来るので今しばらく…」


「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁばぁぁぁぁぁぁぁんちゃぁぁぁぁぁぁぁん」


 門番が戻りソウルに待つように言う途中で玄関が勢いよく開かれ、お嬢様という文字をかなぐり捨てた走りをした少女が数歩手前で地面を滑り、ピタッとソウルの前に止まった。


「私のかばんちゃんはどこです!?」


「え?…ああ、こちらに」


 ソウルは荷台に乗せたサーバルキャットのような動物を下ろすとやせこけた少女の顔が満面の笑みを咲かせた。


「あ゛あ゛ぁぁがぁぁばぁぁんち゛ゃん゛ん゛じん゛ばいじだんだよぉぉぉ」


 満面の笑みからの号泣へシフトチェンジした少女は、これでもかっ!というほど撫でまわした。


「えっと…とりあえず依頼は完了したのでこれにて失礼します」


「少々お待ちください。お嬢様!探してくださった方にお礼の一つもできない愚か者と言われてしまいますよ!さぁ」


「は!そうでしたわね!私のカバンちゃんを見つけてくださり、ありがとうございます!このボック フォン シュバルツ 三世が娘 リリーが心よりの感謝を申し上げますわ! カバンちゃんが心配で食事も喉を通らず衰弱死一歩手前まで来ていたのですが、こうして無事戻ってきてくれて社交界の魔窟にまた挑めますわ!おーほっほっほっほ!ゲホッ!ゲホッ!」


「お嬢様ぁ…」


 家令と思われる渋い老人が少女の態度に目を手で覆い落胆してしまった。


「(残念系お嬢様かな?)いえ、これも仕事ですので…では失礼します」


「本日は誠にありがとうございました」


 家令のお辞儀に対して、ソウルは会釈した後、残りの配達を済ませに向かった。





「よいしょっと」


 焼却場の管理人にゴミを一定量集めた証として割符をもらった後、廃品を鍛冶ギルドに渡すため少し軽くなった荷車を引きながら歩いていた。


「あ、ちょっと!うちのも持ってい行ってくれる?」


「はーい」


 二階からおばさんに声をかけられ、返事を返し家の玄関前で引き取った後、鍛冶ギルドに着くまで数回繰り返した。


「すみませーん!廃品受け取りお願いします」


「ん?ああ、街の雑用係か…おい!誰か受け取って炉に入れておけ!」


「うっす!やっときます!」


 親方らしい声に一人の青年が反応しソウルから廃品を受け取っていった。


「うーん、銃製作にも金属は必須か…」


「おう?兄ちゃん鍛冶に興味があるのか?少し教えてやろうか?」


「え?いいんですか?お願いします!」


 親方の言葉に同意し頭を下げた。


「教えるって言っても簡単だ!鉱石やらを炉に入れて溶かしてインゴットにした後叩いて形にしたりドロドロに溶かして型に流し込んで冷やせばいいだけだからな!」


 親方が自分の作業場に座り一つの塊を熱し始めた。


「とはいっても火の温度管理は自分で見極めるしかないんで難しいんだがな、はっはっは!」


 熱された一つの塊が高温になっていきオレンジ色になっていった。


「せっかくだから兄ちゃんも叩いていけ!」


 親方は自分が持っている槌で立てかけてある両手持ちの槌を指すと、ソウルは両手の持ちの槌を手に取った。


「(確か刀匠はこんな持ち方、振り方してたな…)」


 塊を叩く前に二、三回動画で見た動きを練習してみると親方の目が変わった。


「じゃあ、合わせろ!」


 親方はそれだけ言うと、槌を振り始めいい音を交互に出しながら一つの板状にした後、折り返しを入れて再び叩いていった。


「おう!もういいぞ!」


 それから三回折り返し、板状からナイフの形になった所で親方が止め、仕上げていった。


「この後、仕上げるんだけど金掛かっちまうから、これこのまま兄ちゃんにやるよ」


「!、ありがとうございます」


「いい音だして叩くじゃねぇか!鍛冶場が必要だったらいつでも来な!場所貸してやるからよ!」


「はい、その時はお願いします!」


「がっはっは!いつでもこいや!」


 まだほんのり暖かいナイフ型の金属をもらい、その場を後にしたソウルは街役場に帰っていった。





「はい~お疲れさまでした~」


 ソウルが受け持った依頼が完了したことを報告するとオカーネンが入った袋をもらった。


「36220オカーネンも!結構入ってますね」


「はい~ペット捜索が高額依頼でした~」


「ものすごく大切にしてたしなぁ…」


「リリー様は自分の命のように可愛がっていますねぇ…残念が一緒についてますが~」


「まさかの公式残念系お嬢様だったか…」


「あはは~…私が言ったことは秘密ですよ~じゃないと報酬が大変なことになっちゃいます~」


 ソウルが女性の言葉に口を閉じ、右上に表示されてるリアル時間を見ると、そろそろログアウトして寝ることを決めた。


「じゃあ、俺は失礼しますね」


「はい~またおねがいします~…あ!私の名前アウロラって言います~また雑用したい場合はご指名してくださいね~ノルマがあるので~」


「そ…そうですか、わかりました 失礼します」


 ソウルはこんなところにもリアルのような物がある事に引きつつ、街役場を出た後、ログアウトした。


「ゲームの中でもノルマこなさなきゃいけないのか…大変だなぁ…」


 そして総一郎は寝支度をしてベッドの中に入った。





「よっしゃー溜まったぁぁぁぁ!」


 それから3日目でスキル【馬車馬】自分が引いたり押したりする車輪が付いたもの限定で スピードアップ +20% を獲得し称号 【街の働き者】 街の雑用の達成報酬 +9% を得た後、4日目終日の時、目標金額に達した。


「高額依頼が連続で出たのが大きいな~はぁ~達成感で今日はよく眠れそうだ!」


 今日はログアウトし就寝した後、5日目にログインしたソウルはさっそく彫金屋に向かった。


「こんにちは~ブローチの修理費用できたので持ってきました~」


「おや?ソウルさん!オカーネンができたのですか!?」


 街の雑用をやったおかげで名声が高まり住人たちが、ソウルの名前を覚えたようで店に入れば名前を言ってくれるようになった。


「はい、確認してください」


 ウィンドウを操作して28万オカーネンを取り出し渡した。


「はい、確かに では、こちらをお渡しいたしますね」


 ブローチを受け取るとブローチの名前が【祝福された二神のブローチ】になっていた。


「…実は、私は最初無理だと思っていました。見た所こちらに来られて日が浅い様子…そんな貴方がちゃんとお金を用意し私の所へ持ってきた、さらには街の評判を上げたご様子で…このオーバーレイ脱帽です」


「…まぁ、確かにこっちに来て最初だったしな…そうみられても仕方がないですよ」


「なるほど…彫金仕事で何かお困りの際は、優遇いたしますよ」


「そうですか、ありがとうございます。ではこれをさっそく渡しに行くので失礼します」


「何時でもおこしを!ご利用ありがとうございました」


 さっそく冒険者ギルドへ足を向けた。




「すみません、フェリさん、ブローチが見つかったのでギルドマスターに取り次お願いします」


「え?本当ですか?!すぐ準備いたしますのでこちらでお待ちください!」


 冒険者ギルドに着き、ちょうど受付にフェリがいたので要件を伝えるとフェリが二階へ駆けていった。


「来るまで依頼掲示板見ているか…」


 依頼掲示板に貼られた内容は、薬草採取、ゴブリン退治の定番に始まり月光蝶の鱗粉採取や緑龍のフン採取のような変わり種もあった。


「フン採集は畑に撒くのかな?撒いたら品質アップ?」


 他にも目を移すと【朽ちた協会のリッチキング討伐】があり、一人の金髪縦ロールなプレイヤーと思われる少女がそのクエストを手に取っていた。


「貴方もこの依頼受けるのかしら?」


「いや、見ていただけですよ、へっぽこ雑魚ナメクジ状態の俺が行っても開始3秒でやられる自信がありますしおすし」


「お寿司?なぜここでお寿司?まぁいいですわ、ジャパンスラングはよくわかりませんわ…では、急ぎますのでごきげんよう」


「ごきげんようっていう人いるんだなぁ…ゲームじゃ日常だけど…外国のお嬢様か何かかな?」


 少女を目で見送った後、受付の方で自分を呼ぶ声が聞こえたので受付の戻り、その後ギルドマスターがいる部屋に入った。


「おお!よく来てくれた!」


「はい、約束でしたからね。ローラさんの居場所がわからなかったためこちらに伺いました」


 ソウルはブローチを机の上に出すとギルドマスターの目が見開いた。


「こ…これは…」


「何か問題がありましたか?」


「いや、問題は無いんだが問題がある!」


「???」


 ソウルはギルドマスターの言葉が理解できず首を傾げた。


「このブローチ…元は、祝福効果があったのだが経年劣化で効果が無くなっていてな…祝福を付け直すのに数百万のオカーネンが掛かると聞いてそのままにしていたんだが…まるで新品の様になっているじゃないか」


「(どうやらあのオーバーレイっていう彫金屋さんは男を見せたようだな…少女の思い出の為に苦労する奴は俺一人じゃなったようだ…)」


「高かっただろう?オカーネン返すぞ!」


「いえ、お金は結構です。どうやら男を見せた方がいらっしゃるようなので、私も男を見せてここは受け取らない選択をしましょう」


「なん…だと…」


 ギルドマスターが、ソウルの言葉を聞いてプルプルしだすと、ソウルは嫌な予感がした。


「ウォォォォォン!お前はいいやつだなぁぁぁぁ!」


「やっぱり!?ぐほぉ!」


 ギルドマスターの熱すぎる抱擁に骨がきしむ音が聞こえてきた。


「失礼します。お茶をご用…キャぁぁぁぁぁぁ!」


「(ちぃす!フェリさんソウルだよ~)」


 ソウルの口から、ソウルが飛び出し、フェリに手を振った。


「ああ!いけない!ギルドマスター放してください!出ています!出ちゃいけない物が出てますからぁ!」


「あ、すまない…」


 ギルドマスターは、ソウルを離して椅子に降ろした後、フェリがソウルのソウルを元に戻そうと頑張った。


「そのでその…本当にオカーネンは出さなくていいんだな?」


「(ええ、私は見つけて彫金屋さんに持っていっただけですから、感謝は頑張ってくれた彫金屋さんにお願いします)」


「そうか…レイのやつ…スビビィ」


 泣きながら鼻を啜ったギルドマスターは、ブローチを大事にしまうと、一枚のカードをソウルに渡した。


「せめて、これだけでも受け取ってくれ、俺のフレンドカードだ。何か困ったことがあったらそれを使ってくれ、忙しい状態じゃなかったら何時でも駆け付けるからよ…」


「(それは、頼もしいですね!)ゴクンッ!あ、戻った」


 一仕事終えたかのような表情をしているフェリに感謝し、ソウルは挨拶を済ませ、冒険者ギルドを後にした。


 【アナウンス:【連続クエスト2:少女の落とし物探し】をクリアしました! 報酬として 冒険者ギルドマスター〈アイン〉のフレンドカード マジカルストーン10個 5000SP を獲得しました。】


 【アナウンス:【初めてのクエスト】をクリアしました! 報酬として 600オカーネン 400SP マジカルストーン1個 を獲得しました。】


「結構、報酬もらえたな…やっぱり途中で戻らないのが正解だったか…それにしてもこのマジカルストーンって何だろうか?」


 ソウルはマジカルストーンを指先で1クリックしてみると≪マジカルストーン この石を集めて怪しい商人に持っていくと限定アイテムと交換できる≫ と説明されていた。


「ああ、よくあるアイテム収集して交換するやつね。覗いてみるか…」


 ソウルは、マップを開き、怪しい商人がいる場所を探してみると、地図の右上の方にいることが分かった。


「ちょっと遠いけど、マーカー着けていくか」


 ソウルは軽く走りながら怪しい商人の場所に向かった。




「あれか…?」


 目的の場所に着くと木の陰に隠れるように立っており、深いフード付きのロングコートと口元を隠すスカーフを付け、背中に大きなリュックを背負った獣人がいた。


「あの…すみません」


「…ウェルカム…」


 コートを片方広げる動作をすると、ソウルの前にウィンドウが開き、交換できるアイテムが一覧された。


「え…なにこれ…ほとんどの装備、銃士装備不可じゃないか…唯一できるのが赤〇導士みたいな服が各部位350…他はみんな50とか100位なのに…」


 銃士が装備できる防具類は、他と比べても異常な数が必要になっていて、更に銃は弾無限のリロード不要で、ダブルバレルのかっこいい銃があったが、マジカルストーンの必要数は3000と表示されていた。


「なんでや…攻撃力はそんなたいした事無いのに…運営は銃に恨みでもあるんか?」


 げんなりしてウィンドウを閉じた後、噴水広場に戻ってきたソウルはベンチに腰掛け、ため息を吐いた。


「(う~ん、ほかのゲームなら詰んでいたけど、このゲームは自分でスキルが作れるし、武器も、防具も作り出せる…完全なオリジナルができるからまだ問題にはなっていない…とりあえず最終目標を考えようか…)」


 ソウルがぼんやりと広場の風景を眺めながら考えた。


「(先に行くにつれて敵がスー〇ーマンを超えた肉体と、弾丸を弾き返してくるようなジェ〇イムーブしてくると思う…それにスキルを使って強化したり攻撃したりしてくる…あ、魔法も使ってくるか…)」


 足を組み替え空に目を向けた。


「(それらを、一つ一つ考えてクリアしていかなくちゃやってはいけない…育成が大変だな…では最初にするべきことは何だ?)」


 ウィンドウを開き自分のパラメーターを開いた。


 ソウル


 HP 172/172   推定Lv 6

 MP 0/0 未開放


 〔 STR 〕 30

 〔 VIT 〕 25

 〔 INT 〕 13

 〔 DEX 〕 68

 〔 AGI 〕 54

 〔 LUK 〕 42



「(パラメーターは獲得したSPで上がるからいいとして…やはり武器だな…単発なのが痛い…何丁か持つか…?いや全部使って敵が生き残ってたら意味がない…せめて一回のリロードで数回撃てるようにならんと厳しいな…)」


 ウィンドウを閉じ、ベンチから立ち上がった。


「とりあえず競売所覗いてみるか!」


 何か使えるものはないか、探しに競売所へ向かった。

サーバルっぽい猫の名前の由来は、リリーが幼女時代のころピクニックに行ったときにまだ、手乗りサイズだった猫がカバンに侵入しそのまま家に帰宅してしまい、なんだかんだで飼うことになり~という由来ですね~ けしてめんどくさいから友達的な意味でつけた名前ではないですよ? ホントダヨ?


モチベ維持のため評価お願いしま:;.:…



2024/10/14 ちょちょっと修正

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― 新着の感想 ―
[一言] ウェルカムの人じゃないか、ウェルカムの人ならどちらかというと銃売りの専門家な気がするのに売ってないとは…
[一言] サーバルキャットでかばんちゃん...狩りごっこだね!
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