真理の塔 希望の日記
今回はちょっと短いです!
ソウルは、アップルと雑談し休憩を終えると、再び日記を読んでいった。彼は、世界中を回り知識や本を集め、もはや作れない物は無いと言われるほどまで成長したようだ。若返りの薬を飲んでも、また寿命が来てしまい不老不死の薬を飲んでしまった。司書から渡された日記は、不老不死の薬を飲んだその日から、かなりの年月が飛び、数千年もたった場面から始まる。
[ようやく、死者蘇生の秘術を編み出す事に成功した。実験動物で試したのだが、完璧と言っていいほどの成功だ。ああ…やっと、二人に会える…私の親友、マイクスも寿命で死んだ。そのマイクスの遺体を秘術に使ったのが、よかったようだ。しかし、もう失敗は出来ない。二人を生き返らせる事にマイクスの遺体をすべて使うからだ。失敗する要因をすべて潰さなくては…]
[二人が生き返ったらまず何をしようか?そうだ、塔を改造して遊び場を作ろう。各塔の精霊達に合わせて仕掛けを作ろう。きっと楽しいぞ。ヒビキの冒険者の血を引いているスズも、きっと喜んでくれるはずだ。それらが終わったら、旅に出よう。世界を見て回ってゆっくりと生きていこう]
[精霊達と協力して、塔に仕掛けを施している。それぞれ違った仕掛けを考えるのは大変だが、二人が喜んでくれると思うと、やる気が出る。ただし、大きな仕掛けになれば部屋数の数も減ってしまう…気をつけよう。どんな仕掛けがいいかな?」
それから、読み進めていくと塔の改造が完了し、いよいよ二人を生き返らすべく、死者蘇生の秘術を行うようだった。
[いよいよ明日、満月の夜死者蘇生の秘術を行う。失敗する要素は、すべて潰した。ああ、楽しみだ。あれから何千年もかけて私の願いが叶う…ようやくだ…ようやく二人に会える。待っていてくれ二人共、もうすぐだ]
ソウルは、次の文を読むと意外な事が起こっていた。
[失敗した。二人はもう生き返らない…儀式は途中までは、うまく行っていたのに…アドミニと名乗った神が邪魔してきたんだ…奴が言うには「人の分際で他の人間を生き返らせるだと?許されぬ!愚かな行為を行った者に神罰を与える!」。私は、奴と全力で戦ったが負けてしまった…精霊達も協力してはくれたが届かなかった…何故だ…私はただ二人に会いたいだけなのに…。私が負けた事で、儀式は失敗し二人は生き返らず、マイクスの遺体も失われた。さらには、アドミニから呪いを受けてしまった。この呪いは、徐々に自我が失われ、バケモノになり果てる呪いの様だ…また、私が死んだら魂までも消滅してしまう。もちろん解呪の魔法や薬、道具などすべて使ってはみたが解呪は出来なかった…どうすればいいのだ]
[もう、二人が生き返らないのならこの世に未練はない…これから私は、死ぬ準備を始める。自我が失われてしまう前に、不老不死を解除しなければ。不老不死は、私とホムンクルスと融合すれば不死は解除できることは知っている。ホムンクルスと融合した後、【胸のコア】を破壊すれば、私は死ぬことができる。急がなくては…]
[ああ、いけない…思ったより自我の消滅が早い様だ…多分だが融合した時点で私の自我は無くなっていると思う…もう誰かの手を借りて殺してもらうしか方法は無い。その事を精霊達に伝えたらシロユキが反対した。「きっと、私が何とかしてみますから!」といって私を助けようとしてくれている。ありがとうシロユキ…その言葉だけで十分だよ。だが、もう時間が無い…私を殺してくれる者を探す時間もない。だから精霊達に塔の改造と私に挑む者の選別を最後の命令とした。ありがとう精霊達、ありがとうシロユキ…私の為に泣いてくれて…本当にありがとう」
[今から、ホムンクルスと融合する。もしこの日記を読む者がいたら、私は私の死を望む。ホムンクルスと融合した私は、もはや自我無きバケモノになっている事だろう…その化物の唯一の弱点は胸の中心にある赤いコアだ。そこを破壊すればバケモノは死ぬだろう。だから頼む私を殺してくれ…それと、申し訳ない。こんな面倒な事を頼んでしまい本当に申し訳ない…」
その先は何も書かれてはおらず、次のページをめくっても白紙だった。ソウルは、日記を閉じ深呼吸した。
「なるほどね…だから解放してあげてと言っていたのか…」
「ソウルさん?日記を読み終わったのですか?」
「ええ、マナリアさん。彼は、生き返らそうとしていた所を、アドミニ神と言う神に邪魔されて失敗した様です。その神からバケモノになり果てる呪いを受けて私達、外部の者の手を借りなければいけない状態なようです。弱点も解りました。殺さなければいけない理由も解りました。後は彼の元へ行って戦うだけです」
「私の方も、あらかた読み終えました。何時でも行けますよ」
「ソウル?終わったの?私はいつでも行けるわ!」
「マスター、お疲れ様です。私の方も情報収集は終わりました」
「ンガッ…終わったのよう?じゃあ早速行くのよう」
全員がソウルに何時でも行ける事を伝えると、ソウルは頷き司書がいる場所に向かった。
「すまないが、この塔の主に挑みたい、どうすれば主と会える?」
「ギガガ…マスターに挑まれるのでスね!では、こちらニお乗りくダさい!」
司書ロボットが、受付のテーブルの下にあったレバーを下げると、上の方から何の支えも無い床が降りて来た。ソウル達は、その床に乗ると司書ロボットがレバーを上に上げると、床が動き出しソウル達を上層へと運んでいった。
「ああ、いつものボス前だな‥」
ソウル達が最上階へたどり着くと、巨大な扉に主と思わしき男性が、本を読んでいる姿が彫られている扉があった。その近くにはダイアのマークの扉もあった。
「このまま、進みたいわ。準備なら下で済ませたし」
「そうですね、アップルさんに同意です」
ソウルに向かって二人がそう言うとソウルは、残りの仲間が頷くのを確認し、巨大な扉の前まで進んだ。
「弱点は、胸の中心にある赤いコアらしいそうです。アップルさんが、最初に攻撃して敵のヘイトを稼いだ後、俺とマギアそれとティーがアタッカーとして攻撃、マナリアさんはアップルさんのHPに注意していてください。もし、チャンスが来たと思ったら、全員で胸のコアに全力攻撃します」
「「「「了解」」」」
ソウル達は、扉を開き中に入って行くと部屋の中心で佇む一人の男性がいた。ただ、そこに立っていた。入り口にいるソウル達を見つめ、動く事なく立っていた。何故かソウルは、その姿に恐ろしさを感じた。
「どうしたのソウル?行くわよ?」
彼の姿を見たソウルが動かなくなり、それを心配したアップルが尋ねると、ソウルは首を振って不安になった気分を振り払った。作戦通りに行く事に決め、まず最初にアップルが彼に向かっていた。
「セイ…なっ!」
アップルが彼に殴りかかろうとした瞬間、銀色の液体が彼の左腕に着けてある腕輪から現れ、彼を守った後彼の右腕に銀色の液体が纏わり、回転するランスの様になった。そのランスが攻撃を防がれてよろめいてしまったアップルの胸に刺さり、アップルが戦闘不能状態になってしまった。
「うそだろ!?」
アップルがやられてしまったのは、一瞬の出来事で助けられず、一撃でやられてしまったアップルに驚いたソウルは、銃を撃ち彼の注意を引いた。マナリアが、慌てて復活の呪文を唱え始め、ティーとマギアがソウルの援護に廻った。
「くそ!弾が液体に阻まれて、彼に届いてない!」
【チャージショット】や榴弾などすべて防がれてしまい、高速で襲って来るランスの攻撃をギリギリで躱し続けた。だが、高速で襲って来る攻撃に、異常に速い一撃が混ざっていてその攻撃でソウルのHPを大きく削った。
「自我は無くても、戦闘経験はあるのか!厄介だな!」
遅い攻撃で目をなれさせ、時折最速の攻撃するという、技術をしてきた彼に驚きを隠せなかった。ソウルもスキを見て攻撃するが、至近距離でも銀色の液体に阻まれてしまった。
「待たせたわね!ソウル!」
ソウルが彼に対処している間に、マナリアの呪文によって復活したアップルが、再び彼に攻撃を始めた。だが、アップルの攻撃も銀色の液体が阻み、彼にダメージは与えられなかった。全員で相手をしているのに、攻撃が通らない事に、ソウルは焦りを感じていた。
「(まずい…強すぎる!)」
ソウルの頭の中で、勝てないという思いが駆け巡るが、必死にそれを押し殺し、顔に出さない様に堪えた。どうするべきか、どうしたら攻撃が当たるか必死に考えた。
「ああ…まずい!」
彼の動きが回避できない程まで速くなっていき、対処できなくなってきた。予備動作のないランスチャージがソウルに当たり、残りHP1割にされてしまった。さらに、突進攻撃がソウル達全員を襲い、全員地面を転がった。最後に彼は、全体の攻撃でソウル達に止めを刺した。全員がやられてしまいソウル達は、入り口で復活した。
「ボス戦前の入り口で、復活するのね…」
「強すぎます~」
「何か対策を考えないといけませんね…」
「すっごい痛かったわよう…」
「何か…何かあるはずだ…」
それぞれ復活し感想を述べた後、反省と対策を考える為、ダイアのマークの部屋に入った。部屋の中で、それぞれ彼への意見をのべてもらった。
「あの銀色の液体は、厄介過ぎるわ…攻撃が当たらないのだもの…」
「あれはいったい何なのよう?魔法も防がれてしまったのよう」
「銀色の液体は、一体何なんでしょうか?」
「解らないですが…もしかして下の書庫に何かヒントがあるかもしれません」
「じゃあ、調べてみる必要があるわね」
ソウル達はアップルに同意し、下の書庫で銀色の液体の事を調べる事にした。
アップルがやられてしまったのはほんの一瞬の出来事で助けられませんでした。ソウル達も驚いて動けなかった事も要因してます。
彼は、自我は無くても体が覚えている為、強いです。一切の迷いはないので、思い切り攻撃してきます。でも自我があった時は、今以上に強いです。
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