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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
真理者の腕
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氷の塔 その2

何と!23ページ分です!


それではお楽しみください!


「やらせはせん!やらせはせんぞ!」


 迫りくる大量の敵に、ソウルは半狂乱になりながら銃を乱射していた。敵は氷を纏った水晶、背中から冷気を出している大蛙、白と青色の鱗を持った恐竜のラプトル、氷の牙を持つイノシシ、雪の羽を持つ鷹が土鍋を狙い攻撃してきた。


「マスター!どうやら敵は、極度の空腹状態の様です!死に物狂いで来ますよ!」


「腹減ってるから俺らから奪おうというのか!ふざけんな!腹が減ってるならこれでも食ってろ!」


 鞄の中から、鍋に使った余りの食材を敵の群れに投げると、投げた食材に敵が群がった。そこにソウルは、魔力無しの榴弾を撃ち込み、敵の数を減らした。


「あわわ!倒した敵の死体にも群がってますよ!」


「黒い霧になる奴もいるけど、動物カテゴリーの奴もいるのね」


 マナリアとアップルが、敵を観察しながら言うと、鷹が羽ばたき氷礫を土鍋に当てた。レール上をゆっくりと動いているかまどと土鍋は、鷹の攻撃を受けかまどの火が弱くなってしまい、動かなく無くなってしまった。


「土鍋に当たってもかまどにダメージ行くのか!どっちも守れと…チクショウ!落ちろ!」


「ソウルさんが本気で嫌がってますね…」


「あれだけ時間をかけて作ったからね…仕方ないわ」


「ちょっとー!二人共、喋ってないで敵をどんどん倒してよう!まだ大量に来てるわよう」


 ティーに急かされ、マナリアとアップルは群がる敵に攻撃をすると、かまどの火力が元に戻り再び、ゆっくりと動き出した。


「いったいどこまで続くんだ…?」


 迫り来る敵を倒し続け、坂が螺旋を描く様に曲がっている上り坂に差し掛かった。かまどについてる車輪が伸び、坂を上がっても土鍋が水平の状態を保つようになると、坂の上から電車を連結させる部品が降りて来て、かまどと連結すると坂を上り始めた。どうやら、連結して引っ張り上げる様な仕組みの様だった。


「マスター、前方に氷の障害物があります。どうやらその障害物を壊さないと先に進めないようです」


「俺とアップルさんが後方から来る敵の群れに対処して、マナリアさんが解凍ライトで障害物の除去をお願いします!マギアとティーは前方から敵が来たら対処をしてくれ!」


「了解ですマスター」


「マギアさんライトをお願いします!」


「土鍋とかまどには近づけさせないわ!」


「やってやるわよう!」


 ソウルとアップルがかまどの後ろに立ち、マギアとティーが土鍋の周りにで浮遊すると、ライトを渡されたマナリアが先行して、氷の障害物を溶かし始めた。


「また大量に来たぞ!」


「前方からも来ました!すべて空中を飛んでます!」


 後方から先ほど戦った敵の群れが現れ、前方から空中を飛ぶ敵の群れが来た。ソウルが榴弾や銃で攻撃し、それを抜けてきた敵をアップルが処理していった。先行していたマナリアが一時的にかまどへ戻りマギア、ティー、マナリアの三人で飛んでいる敵を撃ち落としていくと、前方から来る敵の数が少ない様で早めに撃退できた。


「マナリアさんはそのまま先行して、障害物をお願いします!」


「了解です!」


「残りは、後方に援護を頼む!」


「まかせなさいよう!」


「了解!殲滅します!」


 マギアの機関銃が連続で発砲し、ティーの風魔法で作った風の塊が、敵の群れに当たると鎌鼬を発生させ、敵を無差別に斬り付けた。かまどの上る速さに合わせて、ソウルとアップルが少しづつ下がりながら攻撃していくと、マナリアが慌てて戻ってきた。


「また、敵が着ました!」


「了解!マギアとティーは前方の敵に対処してくれ!」


「了解です!マスター!」


「いったいどの位いるのよう!忙しいわよう!」


 再び三人が、前方から来る敵の群れに対して攻撃を開始し、後方では敵を撃破しているが一向に減っている気配は無かった。


「ソウル…これってもしかして無限沸きっていうものじゃないかしら?」


「この量の無限沸きですか…いやになりますね…いや、意識を変えましょう!SP稼ぎをしていると思うと気分が楽になりますよ!」


「本当に?」


「すみません、ならないかもしれません…」


 すぐ謝ったソウルにアップルは少し笑いながら、目の前に迫って来た敵を殴りつけた。


「こんな時に大型武器で薙ぎ払ったら気持ちよさそうだなぁ…」


「大型武器ってガトリングとかそういうの? セイヤァ!」


「よっと! そうですね、でも大口径銃をサブマシンガン並みに撃ってもいいですね」


「ソウルなら作れるんじゃ?」


「う~ん、どうやら作っても装備出来ない様です…どうやら上位の職業じゃないといけないみたいですね」


「面倒ね…銃士って職業は…」


 アップルが同情すると、後ろからマギアの声が聞こえた。


「マスター!こちらはもうすぐ殲滅できそうです!」


「解った!殲滅出来たらそのままこっちを手伝ってくれ!マナリアさんは引き続き障害物の撤去をお願いします!」


「了解です!」


「了解です!マスター!」


 数分後、前方の敵を全滅させた三人がそれぞれの役割をすると、そこから数十分掛けてゴールと思われる巨大な扉の前に着いた。その巨大な扉の前にあるレバーを下げると、鐘の音が鳴り扉が開いていった。


「後ろに迫っていた敵の群れも居なくなり、扉を開けるとそこにあったのは大きな墓だった…」


「えっと~「我が最大の友 マイクス ここに眠る 願わくばまた巡り合えることを信じて」って書いてますね」


「他に何かない?」


 アップルは探索しているソウル達に向けて、尋ねるが全員顔を横に振って答えた。


「まさかこれだけ?は?うそだろ?…」


 部屋の中央に置いてある土鍋からいい匂いを漂わせ、ただ土鍋を見つめているソウルは落胆した。


「あ、ソウルさん!上へ行く階段が現れましたよ!」


 マナリアが、上から軋むような音を立てて上に向かう階段が下りて来た。ソウル以外の仲間は階段の先に上がろうとしたがソウルだけは動かなかった。


「ソウルさん?どうしました?」


「ほら、先に進むわよ?」


「…う」


「はい?」


「くう…」


「くうって鍋をですか?」


「ここまでやって何もないんじゃあんまりだよ!だから俺は食う!全部は食い切れないけど食う!」


 ソウルが土鍋のふちに上がり、調理道具室から持ってきた底が深い器と箸、中華お玉を取り出した。中華お玉で掬い、底が深い器に盛った後箸で口に運ぶと信じられない位の美味しさで目を見開いた。


「うまぁぁい!」


「…そうなの?じゃあ私も食べようかしら」


「私にもよこしなさいよう!」


「私も食べます!」


「こういう時口があれば私も食べられたのに…」


 マギアが一人だけ悔しがり、ソウルは人数分の器と箸を渡した後、器に盛り食事を始めた。各々が食べ物を口に入れると、ソウルと同じ様に美味しさに驚き、何杯もお代わりするほどだった。満腹感を感じるまで食べ終えると、ソウルが密閉できる入れ物をいくつか取り出し、容器に入れ鞄の中にしまった。


「それ持って行くの?」


「勿体ないので持って行きます」


「そうね…2万人分だもの、私達が口にした分ってこの墓に眠る人にとっては、味見程度の量だものね」


「そうですね…なにか勿体ないですね…」


「もしかしたら私達が上に上がったら、さっきの敵の群れが来て食べるかもしれませんね?」


「まぁそうなったら、おいしく食べてもらいたいな」


 全ての容器に入れ終えたソウルは、道具をしまった後全員で上に向かった。階段を昇りきると、見慣れたダイヤのマークの部屋と、雪の結晶と女性が彫られた巨大な扉があった。


「少し寄って行きましょう、弾薬を製作したいので」


「わかったわ、あ、リアルの方の食事もしてこないと」


「じゃあ、一旦休憩ですね」


「では、マスターが落ちている間弾薬などを製作していますね」


「頼む」


 ソウル達が、ダイヤのマークの部屋の扉を鍵で開け、中へ入って行くと各自ログアウトを始めた。


「それじゃあ行ってくる」


「行ってらっしゃいませ」


 マギアに見送られ、ソウルは現実の世界に戻って行った。




「め~しめし~っと」


 時間を見れば昼食時とは言えない時間になっており、総一郎は一階に降りると母親と父親が買い物から帰って来ていた。


「おかえり、母さん、父さん」


「お?ただいま総一郎」


「ただいま総一郎、どう?私綺麗になったかしら?」


「う、うん綺麗になったよ、5歳位…」


「そう!? やっぱり温泉の力ってすごいのね!」


 母親の問いに、総一郎はどう答えればいいか解らず、目についた数字を答えにした。だが、総一郎の答えは誤差と言っていい程の物で、内心ヒヤヒヤしていた。


「何か食べたいんだけど何かあるかな?」


「ん~そうね、生姜焼きならすぐ出せるわよ?」


「じゃあ、お願いしてもいいかな?」


「少し待ってなさい」


 母親が調理を始めると、総一郎はテレビを見にリビングに向かうと父親が、テレビを見ながらプラモを作っていた。


「どうしたのそれ?」


「ああ、これ?旅先で売ってたからつい買ってしまったんだ。懐かしくてな~俺が小さい時に売ってた物だったんだが、当時は小遣い貯めても変えない値段でな…悔しい思いしたんだ」


「で、今それを見つけて買ったと」


「そう、それも値段が投げ売りするレベルでな…」


 波動エンジンを積んでいそうな戦艦のパーツを、ニッパーで切り取って行き、各パーツごとに分けながら作られて行く作業を見ていた総一郎は、たまに目をテレビに映しながら、母親の作る生姜焼きを待っていた。


「できたわよ~」


「ありがとう」


 台所に戻りテーブルに着くと、野菜や味噌汁などちゃんとしたご飯があった。総一郎は手を合わせ食事を開始すると、やっぱり母親の料理はおいしいなと思いながら食べていった。


「ごちそうさまでした。おいしかったよ」


「はいはい、お粗末様でした」


 食事を終えた後、食器を片付け部屋に戻ると機器を取り付けログインを始めた。




「ソウルさんお帰りなさい」


「おかえりソウル」


 ログインを完了すると、マナリアとアップルがすでに来ていてソウルに挨拶を交わした。


「ただいま戻りました。マギア、製作はどうだ?」


「すべて終えました、いつでも行けます」


「そうかありがとう、皆さんはどうですか?」


「問題ないわ!何時でも行ける」


「私も大丈夫です」


「あれ?ティーは?」


「マスターの鞄の中で爆睡してます」


「食ったら寝るか、自由だなぁ」


 ソウル達は、ダイヤのマークの部屋を出て、守護獣がいる部屋へ向かった。部屋の中に入ると氷で出来た玉座に肌の色が雪の様に白く、露出が多い和と西洋を混ぜた軽鎧を着た女性が足を組んで座っていた。


「汝らが、主に仇名す物達か?許さぬぞ…我が愛しき主に刃を向けるなど、不遜と知れ!」


「この塔の守護獣は、好戦的ね」


「そうですね…でも一応対話してみるか…」


 ソウルが一歩進んで、守護獣の目を見た。


「他の守護獣が言っていました、主を助けてやってくれと、解放してやってくれと…でもあなたは、どうやら違うようですね?」


「否!我とて、主の解放を望む…しかし我が主に凶刃が突き立てられるのを、黙って見ていられぬのだ!もし主が命落とす事になれば…」


「命を落とすと、何が起きるのですか?」


「…言えぬ…言えぬのだ…それが誓約故に…」


「今だに、その主さんが置かれている立場がわからないな…神の呪い?解放?命を落とすと何かが起きる?」


「頼む…このまま帰ってくれ…」


「多分ですが…俺達がここで帰ったとして、その主さんはこの先もずっと苦しむのではないですか?」


「そんな事はわかっている!…わかっているのだ…どうしようもない事くらい…我らは、何も出来ぬのだ…」


「中心の塔に行けばすべて判ると他の守護獣も言っていたな…ここは進む以外に道はないな…」


「どうしても、行くのか?我らをそっとして置いてはくれぬのか?」


「申し訳ないですが、俺らは進みますよ、ここまで来てハイ、そうですかって言う選択は無いですから」


「許さぬぞ!許さぬぞ!その選択をしたお主らは!ここで凍らせ砕いてくれる!」


 玉座を破壊し、立ち上がった氷の守護獣は氷の鎧を纏い、氷で出来た剣を抜いた。


「何か嘆いている様に感じますね」


「そうね、それは私も思ったわ」


「いったい何があるのでしょうか?中心の塔には…?」


「来るぞ!」


 ソウルの一声で、全員が気を引き締め、武器を構えると氷の守護獣が襲い掛かってきた。初めソウルが銃で発砲するが、新たに出した氷の盾で防がれてしまい、そのまま盾を構えて突進してきた。


「私が止めるわ!」


 ソウルと氷の守護獣の間に割り込むようにして動き、変身したアップルが盾を殴りつけようとした時、氷の盾が拳を弾きアップルが大きく仰け反った所を、氷の剣で斬られてしまった。


「まずいわ!」


「【ハイヒール】!」


 マナリアの回復魔法がアップルを回復し、HP全ロスを免れるとアップルは体勢を整えた。斬られたアップルに近づけさせない様にソウルとマギアは、銃や榴弾で牽制しアップルが持ち直す所を確認した。


「あれは盾スキルの【パリィ】です!気をつけてください!」


「危なかったわ…一撃で全部持って行かれるなんて…」


「別のスキルを使用しているかもしれません!」


「さらに注意が必要なのね。わかったわ!」


 引き撃ちで、氷の守護獣に攻撃しているソウルをアっプルは追い、氷の守護獣に攻撃を始めた。どうやら盾のスキルはクールタイムの様で使っては来ず、剣の連撃や盾で防いでいた。


「(攻撃すると氷属性の反射が来るな…小さいダメージだけど、馬鹿には出来ないか…)」


 ソウルは、氷をどうにかできないかと思いアイテム欄を開いて見て見ると、単発拳銃の燃焼と毒の弾が5発残っていた事に気が付き、それを取り出した。


「アップルさん俺が合図したら回避してください!」


「わかったわ!」


 ソウルは、単発拳銃に榴弾を入れた後、氷の守護獣に向けて引き金を引くと同時に合図を送った。アップルは氷の守護獣から距離を取ると、ソウルの放った榴弾が氷の守護獣に当たり、燃焼と毒のデバフを付けた。


「まだ終わりじゃないぞ!」


 アイテム欄から単発拳銃とパイルバンカーを入れ替え、氷の守護獣に向かって走り出し、殴りつけると同時にパイルバンカーのトリガーを引いた。


「クッ!小癪な!」


 氷の武器と盾が、熱で溶け始めそこにパイルバンカーの一撃が加わると、大きな罅が入った。それを見たソウルはもう一撃入れようとしたが、盾で【パリィ】されてしまい斬られてしまった。


「ヤベッ!」


「【ハイヒール】!ソウルさん大丈夫ですか!?」


「すみません!焦ってもう一撃入れようとしてしまった!」


 剣で斬られたソウルは半分までHPを削られたが、マナリアの回復で9割まで回復した。どうやら、アップルが斬られた時は、スキルを使っていた事は間違いないようだった。


「シャラァ!」


 アップルが飛び蹴りで氷の守護獣に攻撃するが、盾で防がれ大きくノックバックした後、燃焼のデバフが消え体中から蒸気を発生させた。


「ええい、忌々しい!」


 氷の守護獣は、罅が入った武具を見て苛立ち、ソウル達を睨んだ。


「ソウル?その杭でもう一度いける?」


「隙が出来れば、撃ち貫く事が出来ますよ」


「じゃあ、私がその隙を作るからお願いするわね」


「了解!」


 アップルがスキル【超集中】【ハイラッシュ】【水鉤爪】を使い、氷の守護獣に攻撃を仕掛けると、アップルの【水鉤爪】が凍って行った。


「(まだ…まだだわ…)」


 アップルは、守護獣の目を見ながら氷の剣が急所を狙うような軌道を回避し、一撃を確実に入れるという行為を続け、攻撃が当たらない事に怒りを露わにした氷の守護獣は、アップルを睨み殺す様に見つめた。


「今!」


 アップルが、凍った水鉤爪で切り裂こうとしたが、盾とぶつかる数㎝前で動作を止めた。その事に驚いた水の守護獣が盾スキルの【パリィ】を止められず、盾だけが空を切ったが氷の剣を追撃させた。


「【魔人氷剣】」


 氷の剣のスキルが発動し、袈裟斬りの軌道でアップルを斬ろうとするが、アップルは両腕を交差させ防御した。アップルの両腕には凍った水鉤爪があり、氷の剣とぶつかると双方どちらも砕かれた。


「ソウル!」


 アップルの合図でソウルが、左手のパイルバンカーで殴りつけようとすると、ソウルに気が付いた氷の守護獣は盾で防ごうとした。


「この一撃はきついぞ!」


 パイルバンカーのトリガーを押すと、火薬に火が付き弾頭と杭が同時に出ると、氷の盾と鎧を粉砕して氷の守護獣は吹き飛び、壁にぶつかった。


「ああ…口惜しい…これでは主を守れぬ…あの日立てた誓いを果たせぬ…」


 氷の守護獣が、ゆっくりと起き上がり決意した目でソウル達を見た。


「マスターお気を付けください!敵の属性値が異常に膨れ上がっています!」


「第二形態か!?」


 氷の守護獣が苦しむような姿を見せ、姿かたちが変わって行った。その姿はまるで、巨大な狼のような姿で、背中の排気器官の様な物から白い冷気を出していた。守護獣は狼の様な遠吠えで咆哮し、高速で移動しソウル達に襲ってきた。


「速い!」


 氷の守護獣が、ソウル達を通り抜ける様に爪で攻撃してソウル達のHPを減らし凍傷のデバフを付けた。


「凍傷のデバフは、回復しても全快しません!さらに持続ダメージがあります!」


「きついな」


 マナリアが、叫ぶようにデバフの効果を説明すると、ソウルは装備を銃に変更した後どうするべきか考えた。


「榴弾を撃ち込んで観察してみるか…」


 背負いGランチャーを守護獣の進行方向先に向けて発射すると、氷の守護獣は爆発の余波で小さなダメージを受けるが、直撃は回避していた。


「セイ、ヤァ!」


 氷の守護獣が、最後の榴弾を回避した直後、アップルがバーニアで加速した飛び蹴りを当て、氷の守護獣を地面に転がした。その時、チャンスと見た全員が攻撃を仕掛け、氷の守護獣のHPを大きく削ると、立ち上がった氷の守護獣は排気器官から冷気を出し、全体攻撃で近くにいたソウル達を凍らせた。その後、狼の遠吠えするような咆哮で、凍ったソウル達を砕き吹き飛ばした。


「【エリアハイヒール】!」


 全員のHPが危険域になったが、マナリアの回復魔法が全員のHPを回復させ難を逃れた。さすがに今の攻撃は焦ったソウルとアップルは、少し様子見で回避に徹した。


「アップルさん、一つ作戦を考えたのですがいいですか?」


「何?聞かせて」


「多分ですが、あの狼形態の守護獣は前方にしか視野は無いと思うのです。そこで、燃焼と毒ダメージのデバフを付ける榴弾で、狼の行動範囲を狭めた後、俺のGランチャーで攻撃して狼が回避した後、後ろか横からアップルさんが攻撃するって言う作戦です」


「いいわね、その作戦のデメリットは?」


「燃焼と毒の榴弾の効果が切れる前に倒さないと、振り出しに戻る事ですね…それと先ほどみたいに全体攻撃か来る前に高火力を叩きつけないといけません」


「なるほどね…わかったわ」


「マギア!敵を気絶状態にできる武器あるか?」


「あります!」


「じゃあ、合図したらそれをやってくれ!マナリアさんは、あの守護獣が転んだら攻撃をお願いします!」


「了解です!」


 ソウルは、アイテム欄から弾4発と単発拳銃を取り出し、単発拳銃に弾を装填した。


「じゃあ!始めます!」


 ソウル達の周りを高速で移動している氷の守護獣に気をつけながら、単発拳銃の引き金を引き地面に燃焼と毒場所を作ると、氷の守護獣はその場所を嫌がり近づかない様にしていた。その姿を確認したソウルは、続けて2発撃ち、氷の守護獣の行動範囲を狭めた。その後、単発拳銃をしまい銃に持ち替え、Gランチャーで氷の守護獣の先を狙い発射すると、氷の守護獣は動くことが出来ず、動きが止まった。


「【超集中】!【ハイラッシュ】!【水鉤爪】!」


 動きを止めた氷の守護獣に重い一撃を与え、地面に転がすとソウル達は全力で攻撃を開始した。


「【ウォータボール】!【水操作】!」


「ショックハンマー換装!チャージ開始!」


「【チャージショット】」


「【水鉤連烈】!」


 ソウル達の高火力で氷の守護獣は、残りHP1割になり冷気を出し立ち上がろうとしたが、ソウルがマギアに合図するとマギアは、マギアと同じ大きさのハンマーで氷の守護獣の頭を殴り、気絶させた。


「これで終わりよ!【蒼雷波】!」


 アップルから放たれた蒼色の光線が、氷の守護獣を飲み込みHPを0にすると氷の守護獣は、嘆くような遠吠えをした後、地面に倒れ淡い光を出して消えていった。


 【アナウンス:氷の塔 守護獣シロユキ を討伐しました。SP35000 獲得しました。 25000 オカーネン を獲得しました。戦利品設定は 自動分配 です。】


 戦いが終わり、ソウル達は守護獣の復活を待ったが現れる様子はなかった。その事にソウル達は首を傾げ、どういう事か話し合った。


「もしかして私達は、守護獣を殺したって事?」


「…多分…そうみたいですね…あの時の決意した目は、死を覚悟した目の様な気がします」


「ソウルさん…私なんだか、後味が悪い気分です…他の塔は、私達の力を示すだけで殺し合いにはなっていなかったですから…」


「マスター、スキャンしてみた結果、やはり反応がありませんね…」


「う~ん分からない…中央の塔に何があるんだろうか‥」


 ソウル達が、悩んでいると上空に輝く球体が現れ、ソウルの手に降りて来た。


【アナウンス:氷の欠片 を獲得しました。】


【アナウンス:氷王狼の証 を獲得しました。】


【アナウンス:氷装創玉(破損)を獲得しました。】


「マスター!この氷装創玉はどうやら伝説武器の様ですよ!壊れていて使用することは出来ませんが解析可能です!」


「じゃあ、頼む」


「了解しました!解析完了時間は、29日59分かかります」


「ほぼ一か月かかるか…」


「マスターが生産スキル【高度解析】を獲得すれば解析時間が短くなりますよ!」


「そういえば俺の能力値やスキルで変動するんだっけか?」


「そうです」


「スキル欄にはないから何か条件があるのか…」


 ソウルが悩んでいると、帰還魔法陣が現れアップル達が魔法陣に乗って脱出した後、最後に乗ったソウルの耳に狼の遠吠えが聞こえたような気がした。その事になにか煮え切らない複雑な気持ちで、魔法陣に乗り脱出していった。


寒い日には鍋、これに限る!


マイクスは大型龍種で2万人分を軽く食べます。


ソウルが調理道具を数多く失敬している事は、マナリアとの秘密。


【水鉤連烈】はソウルが現実に戻っている間に、SPをつかって取っています。鬼人乱舞みたいな技です。


モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!大感謝!


ブックマーク登録もよろしくね! 感謝!大感謝!圧倒的感謝!

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