水の塔 その2
完成したので投稿なう
お楽しみください~
クレーンと配管ギミックの部屋は行き止まりであった為、再び入り口に戻ってきたソウル達は、入り口にあるレバーを二回上に上げると、その分水が満たされ上の階層に行けるようになった。水位が上がり、ソウル達は水に浮かびながら上の階層に上がると、階段を昇り次の部屋へ入った。
「なんだろうか?今度のギミックは?」
部屋の中心には10kg入りそうな木桶が一つだけあり、上を向けばマス目上に並んだ配管が見えた。
「ソウルさん!ここにレバーみたいな装置がありますよ!肝心のレバーがないですが…」
「どれどれ…う~ん六角のような棒があるな…」
ソウルはレバーハンドルを二つとも取り出し、よく調べてみると六角と八角を入れることができる穴が開いていた。ソウルは六角のレバーハンドルを差し込んだ後、下に下げた。すると天井のマス目状に並んだ配管から、色が付いた液体が疎らに降り、緑色の石壺が地面から現れると部屋全体に秒針を刻む音が響いた。
「制限時間以内に対応する液体を石壺に入れろって事か」
「どうするの?このままやる?」
「いえ、一回失敗して最初から始めましょうか」
「わかったわ」
アップルは頷くと、大体3分くらいで液体が止まり、石壺が地面に沈んでいった。
「マスター!こちらでタイマーを表示しますね!」
「頼む」
ソウルの左上にタイマーが表示され、レバーを握った。
「多分ですけど、こういうのって敵が出て来て邪魔すると思うので、出て来たらアップルさんとマナリアさん対応お願いできますか?」
「任せて!」
「やってやるですよ!」
「では行きますよ!」
ソウルは足元に木桶を置き、レバーを下げた後木桶を抱えた。地面から藍色の石壺が現れ、天井から液体が降ってくると、石壺の色と同じ藍色の液体が降っている所へソウルは向かい、木桶を満たしていった。木桶に液体が溜まった後、石壺に入れると三分の一溜まり再び溜める為、藍色の液体を探すと別の場所から降ってきた。どうやら液体は一定時間で出る場所が変わるようだった。
「これで良しっと」
ソウルは液体を注ぎ続け、石壺を満たすと左にスライドして行き、別の石壺が現れた。今度は緑色でソウルは液体を探すと、左右の地面からリザードマン達が現れた。そのリザードマンが手にしているのは弓やスリングショットでソウルを狙ってきた。
「来たわね!行くわよマナリア!」
「うん!アップルちゃん!」
左にアップルが敵に突っ込んで行き、右にマナリアが水魔法を使い水を出した後、スキルで槍の形にして射出していった。だが、それでもリザードマン達は女性二人に目もくれず、ソウルを狙い続けた。ソウルは飛んでくる矢や鉛玉を避けながら、液体を集め石壺へ入れていった。それから4つの石壺に液体を満たし、7個目に差し掛かると敵も増えていき、女性二人も対応がギリギリになっていた。マギアも飛んでくる矢や鉛玉を機関銃で撃ち落としたり、二人のサポートしているが限界に近く、撃ち漏らす事もあった。
「ちぃ…液体を運ぶの絶対邪魔するってか!」
「攻撃がマスターに集中しているのでお二人のHPの心配はありませんが、許容を超えていますね…一度撤退しすることをお勧めします!」
「マギア、こんな時こそ仲間を信じるって事だよ」
「信じるですか?」
「彼女たちは任せてと言った、だったら俺は信じてやるべき事をやる、失敗してもいい、失敗したら何がいけなかったか一緒に考える、仲間ってそういうもんだろ?」
ソウルは飛んでくる矢を回避した後、木桶に溜まった液体を運び石壺に入れると、天井から降って来る液体が止まった。どうやらクリアした様で、モンスター達も帰っていった。
「お二人ともお疲れ様です」
「お疲れ様です」
「ふぅ…お疲れ」
2人がソウルの下に戻ると、石壺が置いてある側の壁が開き、巨大な測定器と黄金色の配管が姿を現した。その測定器に近づき、調べてみるとレバーハンドルがないレバー装置があり、八角の棒が下向きであった。ソウルはレバーハンドルを取り出し差し込んだ後、上に上げた。すると轟音と共に測定器が動き出し、少し遠くで何かが作動する音も聞こえた。
「すごい音でしたね…」
「ちょっとびっくりしたわ…」
「マスター、どうやら塔の入り口にあった水位で動く階段に変化があったようです」
「じゃあ行ってみるか」
ソウル達が部屋から出て戻ってみると、階段が塔の上部まで上昇していた。そして、しばらく待っていると階段がソウル達のいる階層まで戻ってきた。どうやらエレベーターの様に動いているようで、ソウル達は階段に乗ると再び階段が上昇していった。
「よっと…これはボス部屋だな…そして近くにはダイアのマークの扉…」
「マスター?休憩していきますか?」
「どうします?」
「きっとボスは水属性の敵だから有効な攻撃方法を考えましょう」
「そうね、このまま行っても大変な目に合うのは解ってるわね」
「では、寄って行きますか」
鞄からダイアのマークの鍵を取り出し、扉の鍵を開けると火の塔の様に素材や寝床などがあり、ソウル達は休憩した。
「水という訳だが…何がいいだろうか…凍らせて砕くが一番いいだろうか?」
「熱で蒸発させるっていうのはどう?」
ソウルのつぶやきにアップルが別の案を出すと、マギアが否定した。
「いいえ、ここは凍らせた方がいいでしょう 熱で蒸発させると言っても現在の弾薬数では数分間沸騰させるのが限界です…」
「それもそうね、でもどうやって凍らせるの?」
「ここに属性素材があるのでこれを錬金術でGランチャーの弾薬を制作した後、ルーン魔法で刻印すればいいと思います」
「でも、それって一つ一つ刻印していくの?大変じゃないかしら?」
アップルの問いにソウルは悩み、スキル欄を開いて眺めた。スキル欄の生産タブをスクロールしていき、ソウルは彫金の項目を見つめた。
「ルーンの判子みたいな物を作って弾薬に押せば効果は出るかな?」
「計算中…模擬実験中…模擬実験中…結果、可能です!ですがそれには、特殊なインクとミスリルが必要になってきます」
「特殊なインクってどんなの?」
「魔力負荷に堪えられて色落ちせず、滲まないインクが必要ですね、ルーン魔法は形が命ですから」
三人はアイテム欄を開き、何役に立ちそうな素材を探してみると、カブテリアンがいたダンジョンの宝箱から出た昆虫素材とデスサーペントの素材、採取で獲得した木の実や野草類などを取り出してみた。
「とりあえず適当に製作して見るか…」
錬金窯とかき回す棒を鞄から取り出し、素材を釜に入れた。
「確かリアルでは油性インク染料と溶剤と樹脂でインクができるんだったな…」
中和剤を入れつつかき回していくと、青色のインクが出来た。
「デスサーペントの鱗、ポカードの実、虫毒、解毒草を入れてみたけどこれはどうだ?」
「…検証中…検証中…結果不可 マスター魔力負荷はいいですが色落ち、滲みが要求値を下回っています」
「マギアさん、私も作ってみたよ!」
マナリアが赤色のインクを製作しマギアに見せたが、マギアは球体にXを表示した。
「色落ちに強いですが、滲んでしまいますね」
「う~んそうか~」
「あ、そうだ、アップルさん!素材を選んでみてください!アップルさんの野生の感でいいのが出来るかもしれません」
「ちょっと!野生の感ってどういうこと?!せめて女の感って言ってよ!」
アップルが頬を膨らませながら、クワガタの顎、形が蒲の穂のタンタタ草、オレンジの様なポタランの実を取りソウルに渡すと、ソウルは素材と中和剤を錬金窯に入れ、かき回すと黄色のインクが出来た。
「これは、どうだ?」
「検証中…検証中…結果不可、滲みまないですが他の二つがだめですね…」
「青、黄、赤のインクが出来ましたけど、合わせてみますか?それぞれ一つは要求値に届いているのですし…」
「やってみましょう!」
マナリアがソウルに言うと、ソウルは頷き三つのインクと中和剤を釜に入れてかき回していき、完成させると黒色のインクが出来上がった。
「マギア、これはどうだ?」
「検証中…検証中…結果不可、良い所も悪い所も互いに打ち消し合ってただの黒いインクですね…」
「う~んこれだけじゃいけないか…」
ソウルとマナリアは、三色のインクを再び製作し悩み始めた。
「この三つのいい所を残したまま合成できればいいんだけどなぁ…」
「ソウル?この瓶に入ってる奴なに?」
アップルが、銀色の粉や削りカスが入った瓶を手に持ちソウルに尋ねた。
「ああ、それですか?ミスリルを加工した時に出た粉末や削りカスですね、ミスリル高いので勿体ないと思ってできる限り集めて瓶に入れて保管しているのですよ」
「そんなもの集めてどうするのよ!捨てなさいよ!」
「捨てるなんて勿体ない!何か使えるかもしれないから取っておいたのですよ!」
「うちのお母さんも、ガラス瓶何かに使えるかもしれないって言って残してたなぁ…使ってるとこ見た事ないけど…」
アップルが、蓋を開けて捨てようとしている所を、必死になって止めているソウル達を見ながら、マナリアが呟いた。
「その子だけわぁ!その子だけわぁ…お見逃しつかーさい!」
「なんで愛着があるのよ!ゴミでしょ!捨てちゃいなさい!」
「アップルさん、お待ちください!そのゴミとこの素材を合わせれば行けるかもしれません」
マギアがアップルが捨てようとしている所を止め、一つの素材を手に持った。
「え?骨?」
「そうです!この異常に品質が高い骨には様々な骨が合成されていて、おかしい効果が付いています!これなら行けるかもしれません!」
マギアが持っている骨は、以前ナーガの巣で邪魔だった骨を合成していって出来た骨だった。
「これを少し削り骨粉にした後、粉末状のミスリルと合わせてください」
「じゃあやってみるか」
アップルに骨を削ってもらい、マナリアにミスリルの粉と削りカスを分離する作業をしてもらった後、ソウルが錬金窯に入れ三色のインク、骨とミスリルを合わせた粉、中和剤を入れて釜をかき回していくと虹色に輝きだし黒いインクが出来上がった。
「検証中…検証中…結果、可!やりましたよマスター!成功です!」
「後は判子か」
「それは私が製作するので、マスターはGランチャーの弾薬をお願いします。お二人には弾薬に判子を押してもらえますか?」
「任せて!」
「頑張るZOY」
マギアが、床に置かれている素材の中から固い素材を選び、円柱に押せるよう湾曲した判子を2個作り二人に渡した。二人は、綿素材にインクを入れて判子に色が付いたことを確認すると、作られて行く弾薬に判子を押していった。
「こんなものか…【増殖量産】で2スタック分作ったけど、他にも必要になった時足りませんじゃ意味ないからなぁ…」
「こっちも終わったわ」
「私も終わりました」
「二人ともありがとう」
「マスターこの弾を使う時は注意してください、弾に一度でも魔力を込めると5分で効果が失われて、ただの榴弾に戻ってしまいます。それとGランチャーを少し改造するのでお貸しください」
「はいよ~」
ソウルは後ろを向き、マギアがGランチャーを背中から取り外すと、マギアの手から工具類が触手の様に伸び改造を施していった。数分後、マギアが改造したGランチャーをソウルに見せると、大型の回転弾倉が着けられていた。
「この先、属性弾が増える事を考え追加してみました。榴弾を撃つ場合は、魔力を込めず発射してください」
「わかった ありがとう」
マギアは、ソウルの背中にセットした後ちゃんと動くか確認した。
「問題ないですね」
「よし、それじゃあ行きますか!」
「ええ、行きましょう」
「行こう!」
「全力で挑みますよ!マスター!」
ソウル達はダイアのマークの部屋から出て、両扉に水の龍が彫られた扉へ入って行った。中に入ると大きな四角い土台に、規則的な穴が開いており、その中心には場違いなちゃぶ台と水晶が置いてあり、お茶をすすっている女性がいた。
「あらあら、お客さんだなんて何年ぶりかしらね?」
「えっと…貴方がこの塔の主ですか?」
「う~ん、主って言うか守護獣ね、あ、ごめんなさい、名乗っていなかったわね私は水の塔の守護獣アクアリゾットっていうのよ、どう?おいしそうな名前でしょ?我が主もおいしいって言ってくれたわ!それも激しく貪るように…」
「ちょっと!子供もいるのですからそういうのは不味いですよ!」
「あら?そうだったの?それは不味いわね…気をつけないと…」
ソウルが慌てて、旅館の女将のような着物姿のアクアリゾットを嗜めると、アクアリゾットは咳払いをした。
「それで、貴方達はフェニちゃんの所を攻略した人たちで間違いないかしら?」
「はい、そうです」
「そう‥‥主の苦しみもようやく終わるのね……じゃあ、早速始めましょうか」
「ちょっとお待ちください、主の苦しみとは何ですか?火の塔の守護獣も解放してあげてくれって言ってましたし…」
「う~ん…ごめんね~私からは何も言っちゃいけない事になってるの、でも…主がいる塔へ行けば解るわ…っていう事位かしら?言えるとしたら…」
「そうですか…」
「じゃあ始めるわね」
アクアリゾットが後ろにある穴に飛び込み、ソウル達がいる土台が揺れると、ほぼ水で模っている姿の水龍が穴から姿を現した。
「【さぁ!汝らの力を示せ!】」
水龍の咆哮と共に聞こえてきた声に反応し、ソウル達は武器を構えた。
「最初に凍らせます!」
アップルが走り出そうとした為ソウルが慌てて言うと、背負いGランチャーで水龍を狙い魔力を込めた後発射し、弾が水龍に当たり体の一部を凍らせた。そこにアップルが水龍に高速で近づいていき、凍った部分を殴りつけ砕いた。体の一部を破壊された水龍は水に潜った後、別の穴から現れ濃い水の弾幕と水のブレスを吐き攻撃してきた。
「これはとある艦長も納得の弾幕だ…うおっと!」
ソウルがセレクターをFにした後、水の弾幕に向けて発砲し続け、水のブレスが来ると回避した。
「マスター!どうやらあの水龍の中にある赤い水晶球にダメージを与えないと敵のHPが減らないみたいです!」
「だからさっきからHPが減っていなかったのか!」
先ほどの攻撃でも、水龍のHPは一ミリも減っておらず、疑問に思っていたソウルはマギアの言葉で納得した。水流がまた水に潜ると、ソウルはGランチャーを構え穴から出てきた時、水龍の根本に狙いを定め弾を発射した。弾が水龍の根元を凍らせると、ソウルはそこから上にかけて弾を発射していき、赤い水晶球が頭部で凍ると、アップルが跳躍して赤い水晶球がある場所を思いっきり蹴った。
「よし!水龍のHPが大幅に減った!」
凍った水龍が砕かれ赤い水晶球が地面に転がるとアップルとソウル、マギアは追撃をした。どうやら赤い水晶球が弱点な様で大ダメージを与えた。ソウル達はさらに攻撃を加えようとしたが、赤い水晶球が高速で回転し水の中に入ってしまった。
「もしかしたらこっちの条件が良ければ、さっきの凍結で行けたかもしれないですね」
「そうですね…でもそうは問屋が卸さないって事が常ですよ」
マナリアの言葉に首を横火振って答えると、幾つもの穴から水柱が上がりソウルとマギア、マナリアに向かって襲い掛かってきた。
「追尾するのか!?」
4人は別方向に逃げ、水柱が無くなると再び集まり水龍が現れるのを待つと、水柱で囲まれた穴から水龍が飛び出し空中を泳いだ。水龍は空中を泳ぐように飛びながら、水弾幕と水ブレス後の突進攻撃でソウル達を襲ってきた。
「ヘイト関係無しに突進してくるのか…」
「避けるのが大変です~」
「飛んでいる敵には届かないわ…」
弾幕を撃ち落としつつ、水龍も視界に入れておかなくてはいけなかった。水弾幕を撃ち落とすことに夢中になりすぎて水龍を視界から外すと、背後から水ブレスと突進が来て避けるのが間に合わないからだった。
「そうだ!誰かが水龍だけを注目して、残りは弾幕処理すればいいんだよ」
「そうね!弾幕処理は私とソウル、マギアでやる?」
「そうですね、マナリアさん水龍お願いできますか?」
「うん、任せて!」
四方八方から飛んでくる水の弾幕に、三人は集中して撃と落としていきマナリアが水龍の動きに注目した。
「北西から水ブレス来ます!」
マナリアの言葉に、三人が反応し回避行動を取ると、水ブレスの後に水龍が突進してきた。その後水龍は穴に入り、別の穴から姿を現した。
「ソウル!お願い!」
「了解!」
水龍が穴から上半身を出し、赤い水晶球が前よりも早く動いているが、ソウルはタイミングを見計らい背負いGランチャーから弾を発射し続け水龍を凍らせた。
「マナリアさん赤い水晶球が地面に落ちたら、水魔法で水晶体を濡らしてもらえますか?」
「やってみます!」
アップルが凍った水龍を砕き、赤い水晶球が地面に落ちるとマナリアが、魔法を唱え赤い水晶球を濡らした。赤い水晶体が回転して穴の中に逃げようとするが、ソウルがGランチャーから弾を発射して水晶球を凍らせると動かなくなった。
「よし!捕まえた!」
「【超集中】! 【ハイラッシュ】!」
ソウル達は、凍らせて動きを止めた赤い水晶球に全力で攻撃を仕掛け、また動き出しそうになったらマナリアの水魔法とソウルの凍結弾で凍らせた後、攻撃をしていった。そして何回か繰り返していき撃破に成功した。
【アナウンス:水の塔 守護獣アクアリゾット を倒しました。SP27000 獲得しました。 16000 オカーネン を獲得しました。戦利品設定は 自動分配 です。 】
「ひどい!ひどいわ!動けなくなった女を囲んで暴力を振るうなんて!」
アクアリゾットが子供の様に泣きじゃくるとソウル達は申し訳ない気持ちになった。
「声を解析した結果、ウソ泣きと判断しました!マスター!この雌型調子に乗ってますよ!」
「ウソ泣きかよ!」
マギアが解析してアクアリゾットを見破ると、アクアリゾットは舌を出して誤魔化した。
「てへっバレちった…あらあら、怒らないで!お詫びにこれ上げるから!」
かわい子ぶった姿にソウル達は武器を構え威嚇すると、慌てたアクアリゾットが手を二回叩きアイテムを出現させた。
【アナウンス:水の欠片 を獲得しました。】
【水龍のお守り ×3 を獲得しました。】
「水龍のお守りは各種ステータスアップに、マグマ地帯でも快適に動ける事ができるわ」
「今回はこれに免じて許してあげるわ…次やったら私の拳が飛んでいくかもしれないから気をつけなさい…」
「あら、怖い。次合ったら全力でぶりっこしてあげるわ!好きな男子の前で本性現して嫌われちゃいなさいな」
「(ソウルさん、何かアップルさんとアクアリゾットさんの言っている事が怖いのですけど…)」
「(アップルさんが脳筋発言してアクアリゾットがやれるもんならやってみろって挑発した感じだな…怖いなー)」
「(これが修羅場ですね!仁義なき女の戦いですね!マスター!)」
アップルがアクアリゾットと睨み合い、三人が小声で話していると帰還用の魔法陣が現れた。睨み合ってた二人は同時に視線を背けアップルは帰還用の魔法陣に乗って塔を脱出した。マギアとマナリアも、アップルの後を追い魔法陣に乗り脱出すると、最後に残ったソウルにアクアリゾットが話しかけてきた。
「彼方ならきっと主を解放してくれるわ、だから諦めないで…」
「解放とかよくわかりませんが、全力でやるだけですよ」
「!?…そう…」
アクアリゾットの言葉に、ソウルは首を傾げ魔法陣に乗って、塔を脱出していった。
「一瞬だけど主の姿が重なったわ…彼ならきっと…」
アクアリゾットがソウル達を見送りそう呟いた。
「よっと、水の塔クリア~」
水の塔から伸びる光を見上げながら、ソウルは呟き視線を戻すと、アップルが腕を組んで不機嫌になっていた。
「どしたの?アップルさん?」
「いや、ちょっとあの女の雰囲気が、私の大っ嫌いな女の雰囲気に似てて、はらわたが煮えくり返っているだけだわ」
「激おこですか‥‥(そっとしておこう)」
「では次の塔へ向かいますね!マスター!」
ソウルが頷き、マギアはジャバワークを展開しソウル達は乗ると、次の塔へ向けて離陸していった。
使わなくなった瓶は資源ごみへ
あ、言い忘れていましたが、ソウル達がいるのはインスタンスダンジョンというかエリアなのです。なので他プレイヤーがソウル達がいるエリアで遊びたい時はソウルのPTにはいらないといけないです。
モチベ維持に評価お願いします! お願いします!
ブックマーク登録もよろしくね! お願いします!




