火の塔
完成しました!ポンポンペインで遅れましたが投稿します!
お楽しみつかーさい!
ソウル達が、塔の中に入るとマグマが流れており、全体的に明るかった。さらに近くを流れているマグマに近寄っても熱さは感じられないが、アイテム欄から木を取り出し近づけると、すぐ燃えた。
「なるほど…マグマに当たるとダメージがあるって事か…皆さん気をつけましょう」
「はい」
「わかったわ」
「了解です」
ソウルが立ち上がり、移動を開始しようとすると、頭上から小動物の声が複数聞こえた。ソウルは、上を見て見ると火を纏ったコウモリが3匹ソウル達に近づいてきていた。
「敵影確認 3匹です!」
マギアの言葉に、全員が反応し武器を構えると、ソウルが最初に発砲した。まだ遠くにいるコウモリの一匹を狙ったのだが、3発中1発の命中で黒い霧になった。どうやらとても弱いようだった。
「く…全部当たらないか…」
「いや、私ならあの距離で当たる気がしないわ」
「十分すごいと思うのですけど…」
「遠距離職は命中率が命ですから他のプレイヤーと比べると全然すごくないですよ…逆に「当てろよ!」って言われるかもしれないです」
「厳しいのね…」
「大変ですね…」
「マスター?寿司でも食べますか?」
「いくらステータスアップしたからって補正が掛かった射撃でも、結局はプレイヤースキルが関係するから寿司食っても当たらない事には意味がないよ…俺は詳しいんだ…」
「さすがマスター!格が違うのですね!」
冗談を言い合いソウル達が進んでいくと、ギミックがある部屋に着いた。そのギミックは、よくある動く床で床の下にはマグマが流れており、他を見渡せばレバーと扉に鉄格子がされてあった。レバーがある場所は動く床を挟んだ左右にあり、その近くで炎の様なデザインの鎧がレバーを守るように鎮座していた。
「鎧倒して同時にレバーを下げなきゃいけないのかな?」
「多分そうみたいですね…」
マナリアが首を傾げながら言うと、ソウルは同意した後全員で動く床に飛び乗った。そうして、右にソウル、左にアップルが行くと鎧に近づいてみたが動く気配はなかった。マナリアが鉄格子されている扉の前まで着くと、ソウルとアップルは1、2、3と数え3でラバーを下に下げた。レバーを下げたその時、鎧が動き出し襲い掛かってきた。
「マスター!どうやらこのギミックは時間制限有りな様です!」
「もたもたしている暇は、おっと!ないか!」
炎を纏った剣を振り下ろしてきた鎧の攻撃を避け、ギミックに乗ったソウルは、追いかけてきた鎧がギミックに乗る為跳躍した瞬間、背負っているGランチャーから弾を発射した。弾が当たった鎧はマグマに落ち、もがきながら黒い霧になっていった。それを確認したソウルは、アップルの方を見ると飛び蹴りを入れてマグマに鎧を落としている所だった。
「アップルさん!急いで!」
「よっと!ほっと!楽勝ね!」
動く床を飛び越え、ソウルの乗っている床に着いた後、マナリアが待っている出口まで三人は急いだ。ソウル達は、扉を通り次のエリアに行くと、円形の土台があり中心には金属製の網目状から一定時間でマグマが噴き出していた。
「マスター!敵性反応多数!来ます!」
円形の土台に足を踏み入れると、マギアが反応しソウル達は警戒した。敵は、少し高い所にある扉から次々に現れ、土台へと降り立った。敵の種類は、爬虫類が人間のように立ち防具や武器を持った所謂リザードマンという種類と、前の部屋にいた炎のデザインの鎧、天井から落ちてきた赤いスライム、少し透けている禍々しいデザインの浮遊する武器の4種が円形の土台に現れた。
「アップルさん厳しいと思いますが、トカゲと鎧行けますか?俺はスライムと武器やります」
「わかったわ、任せて頂戴」
「私はマナリアさんを護衛しつつ、お二人を援護します」
「頼む!」
ソウルが銃を撃ち股に挟み、マガジンとリボルバーを特殊弾様に変更した後、セレクターをWにして赤いスライムに銃口を向けて発砲した。赤いスライムは、自身の赤いコアに特殊弾が当たると大ダメージを受けて大幅にHPを減らした。
「(やっぱり、めんどくさい方のスライムだったか…)」
ソウルは銃を撃ち続け、赤いスライムや、自ら回転して襲ってくる武器達を黒い霧へと変えていった。たまに浮遊する武器が、連携を取ったような動きで銃弾の雨を掻い潜りソウルを襲うが、横に回避し地面に突き出さった時に引き金を引き、黒い霧にしていった。
「(どうやらこっちの敵は少ないようだな…)」
最後の赤いスライムのコアを砕いたソウルは、急いで銃を通常弾仕様に戻すとアップルの方へ向かった。
「俺の方は終わった!こっちに参戦する!」
「助かったわ!ちょっと大技入れたいから頼めるかしら?」
「解った!」
ソウルが敵のヘイトを取る為、銃を乱射しソウル自身に敵意を集めた後、引き撃ちしながら攻撃していった。
ソウルの銃弾を掻い潜り、突進からの切り上げ攻撃をしてきたリザードマンを、後ろに飛ぶと同時に射撃する形で避けダメージを入れると、残像が見えるほどの速さで敵を屠っていくアップルが見えた。
「ふぅ…【ハイラッシュ】は始めるのに時間が掛かるのが難点ね…」
「お疲れ様です、敵は全部倒したかな?」
【アナウンス:モンスターハウスをクリアしました。SP 45820獲得 4200オカーネン獲得しました。戦利品設定は 自動分配 です。】
敵を殲滅すると宝箱が一つ現れ、ソウル達は集まって宝箱を開けた。
「ごまだれ~」
「自分で言って行くスタイルですね!マスター」
宝箱に入っていた物は、トランプのダイヤが刻印された鍵と手帳位の大きさの紙束だった。紙束には何か書いてあったと思うが、経年劣化で掠れて読めなくなっていた。
「何か大事な物っぽいししまっておこう…」
ソウルは鞄に紙束を入れた後、全員で次のエリアへ向かった。
「このエリアは…ゴルフか?」
「あそこにこの大きな石の球体を入れるというのは、理解できるけどこれゴルフと言っていいのかしら?思いっきりこの巨大なハンマーで叩いてくれって言っている様なものだけど…」
目の前には石で出来た球体と、謎のメーターが付いた巨大なハンマーがあった。遠くには、この球体がちょうど入る穴が左右に3つずつあり、マグマが流れていた。
「マスター!こちらに木製のハンドルがありますよ!」
「回してみるか…」
ソウルが大きな木製ハンドルを回し始めると、マグマの中から斜め下から飛び出していく形のレールが現れた。どうやらこのレールを使って仕掛けを解いていくようだった。
「ソウルさん!こっちにもハンドルが出てきました!どうやらこれでレールの方向を変えるようです!」
マナリアが右、左にハンドルを回してみるとレールの向きが変わった。ソウルが、ハンドルを離して仕組みを確認していると、ハンドルがゆっくりと逆回転していきレールが沈み始めていった。ソウルは慌ててハンドルを回しレールを最大まで出すと、戻らない様に手で押さえた。
「じゃあ、アップルさんやっちゃってください」
「任せて!叩くのは得意よ!」
アップルがハンマーを持ち、フルスイングで球体を叩くとそのまま飛んでいき、穴を遥かに通り過ぎた所に落ちた。
「次こそ入れてやるわ!」
「(え?!今の試しじゃなくて狙ってたの?!)」
ソウルが、アップルの言葉に驚愕すると次の球体が上から落ちてきた。
「今度は、少し弱く打ってみるわ!」
そう言いつつ、またもフルスイングで球体を飛ばすと、先ほどと同じ位の場所に落ちた。その後も続けてアップルは球体を飛ばしていき、すべて同じ所に落ちていった。
「おかしいわね?」
「‥‥‥‥」
首を傾げるアップルに、ソウルとマナリアの目がジト目になって行った。
「…アップルさんそろそろレール使ってもらってもいいですかね?」
「えーでも、使わないで入れた方が気持ちよくないかしら?」
「そうですね、気持ちいいかもしれませんが、さ っ き か ら マ グ ポ チ ャ し て ん だ ろ!」
「もう一回!もう一回だけ!…先っちょ!先っちょだけでいいから!」
「先っちょってなんだ?…しょうがない一回だけですよ?」
ソウルが呆れたように首を振ると、アップルが今度こそは!っと息巻いて、引退した野球のメジャーリーガーの真似をしてハンマーを振るった。
「‥‥はい、じゃあレール使いましょうね~」
はるか遠くに飛んでいった球体を見ながらソウルは、淡々とした言葉でいった。
「でも、どこを打ったらレールに転がるのかしら?」
「衝撃が斜め上から斜め下に行くような感じで打てばいいと思いますよ?」
アップルは、ソウルの言った通りにジャンプしてハンマーを振ると、石の球体がレールに乗り右の穴の近くに落ちていった。
「あそこら辺に落ちたから…もうちょっとこっちかな?」
マナリアがハンドルで調整してレールの向きを変えた。そして、マナリアがアップルを見て頷いた後、アップルがハンマーで球体を叩くと、球体がレールに乗り見事に穴の中に入っていった。
「今度は障害物が出て来たな…」
「う~んこっちの向きだと無理だから…この向きかな~?」
マグマから障害物が現れ、直接狙えないようになるとマナリアが頭でイメージしながら向きを調節した。
「多分、これでいいはずですよ!」
「わかったわ!」
再びアップルが、ハンマーを振るい球体をレールに乗せると、左の穴に入っていった。
「どんどん難しくなってきてるな…」
「あれ?またハンドルが出てきた…あ、これ角度か…」
「マナリアさん難しい場合は私が表示しましょうか?」
「マギアさんお願いします」
「了解しました」
マギアがウィンドウを操作すると、マナリアの目に光の線が見え始め、どう飛んでいくか分かるようになった。表示された光の線を頼りに次々と石の球体を穴に入れ、残るは一つになった。
「最後はかなり難しいけど、マナリアさんどうします?変わりますか?」
「最後まで頑張ります!」
「解りました」
最後には障害物が多くなり、反射板や一定の間隔で上から流れてくるギミックも増え、かなり難しい難易度になっていた。
「えーっと…あそこがこうなってるから…アップルちゃん!あそこの反射板目掛けて飛ばせますか?」
「レールを使わずに?…可能よ!」
「じゃあ、この方角で飛ばしてください!」
マナリアが指で角度と向きを指定し、アップルが頷くと障害物のタイミングを考えてハンマーを振った。
「おお!すごいな!入った!」
球体は、反射板に当たり上に向かって飛ぶと見事に穴に入った。ソウルは、正攻法じゃない子供らしい柔軟な発想でクリアした事に驚いた。すべての穴に石球が入り、障害物がマグマに沈んで行き、代わりに上に向かう階段がマグマの中から現れた。
「みんな、お疲れ様です、次のエリアに向かいますか」
「ええ、お疲れ様ですわ、さっそく行きましょう!」
「‥‥‥アップルさん、ハンマーは置いていきましょうか…」
「(ギク)!…な、何のことかしら?ワタクシ、ハンマーナンテ、モッテイマセンワ」
「いや、ちゃんとアイテム欄に入れてる所見てますから!ハンマーは置いていきましょう!」
「う~」
アップルが拾ってきた動物を元に戻してきなさいと、母親に言われた子供の様にハンマーを手放すのを嫌がった。ソウルはその姿を見て呆れてため息を吐いた。
「後で俺がもっといいもの作ってあげますから!そのハンマーは置いていきましょう?次来た人がそのハンマーが無いとここクリアできませんし」
「本当にこれよりすごいの作ってくれる?」
「ええ、約束しますよ!(後で有耶無耶にしておこう)」
「じゃあ置いていくわ」
アップルは、アイテム欄からハンマーを取り出し、ソウルに投げて渡すと、ソウルは少しよろめいてハンマーを受け取った。
「…結局このメーター何のためについてたんだろうか…」
「少しスキャンしてみますね!」
ソウルの言葉にマギアが反応し、スキャンを始めた。
「なるほど、どうやら持ち手の部分がオートバイのアクセルの様に捻る事が出来、威力が上がるみたいですね」
「なるほど、STRが足りない人向けか」
ハンマーを元の位置に戻し、ソウル達は次のエリアへと向かった。
子供ってたまに自分じゃ思いつかなかった方法で攻略するからすごいよねって話
10000PV ユニーク2500を達成しました!皆様に読んでいただけて大変感謝しております!
ありがとうございます!真理者の腕編が終わり次第、特別編を記念にやりたいと思います!ちょろっとですが…
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