骸骨島到着!
お待たせしました完成したんで投稿です。
おたのしつかーさい
「はい、お疲れさまでした!おめでとうございます!みなさん!こちらが最高ランクの5つ星乗船パスポートです!このパスは認可された船でしか行く事が出来ない場所に行けるようになるパスポートで、世界中で使えます!最高ランクなので快適な船旅が楽しめますよ!」
受付の女性から説明を受けているソウル達は、デスサーペントの事を聞かれないか、内心ヒヤヒヤしながら聞いていた。マナリアの戦闘狂事件から、一日かけて虹貝の欠片を集めきり、先ほど冒険者ギルドに納品した所だった。
そして、ソウル達はぎこちない笑顔でパスポートを受け取った。
「そういえば…デスサーペントが…」
受付の女性がそう言った時、三人は心臓の鼓動が跳ね上がった。
「デスサーペントがいなくなったようですよ!今だあの辺は豊富な資源があると言われているので、町の皆も喜んでますね!この港町が、大きくなったらいろんな品物がこの町を通って流れていく…そうなれば冒険者ギルドも仕事が増え、私も昇進して素敵な旦那さんと巡り合えるかも…ってどうしました?皆さん?」
「「「イエ、ナンデモナイデス」」」
ソウル達の声が見事に合い、そろった動きで首を横に振った。
「今なら後一時間で出港すると思うので、骸骨島に向かう場合は、急いだほうがいいですよ!」
「1時間後ですか、次の船が来るのは何時間後ですか?」
「3時間後ですね~」
「みんな、どうする?今行く?それとも何かして3時間後に乗る?」
「私は、今行きたいわ」
「私も同じです~」
「わかった、じゃあ船に向かおう」
「乗船なさる船はガレオン船で、赤い旗が目印ですよ」
ソウル達は、受付の女性にお礼を言ってギルドから出た後、港までやってきた。その港で停泊している船の中でも大きなガレオン船が一番、目を引きガレオン船には赤い旗が見えていた。
「はぇ~おっきいですね~」
「船室は広いかしら?」
「大砲も結構あるんだ…」
「船の速さはどのくらいでしょうか…?」
各々見る所が違う四人は、ガレオン船から出ているタラップの先にいる人に近づいていった。
「すみません、骸骨島へ行く船で間違いありませんか?」
「はいそうです、こちらの船は骸骨島行きですよ!乗船なさるならパスポートをご提示ください」
三人は、セーラー服の男性に五つ星のパスポートを見せると、歓迎された。
「五つ星パスポートですね!ようこそギャラン号へ!乗組員がお部屋へと案内しますね!」
セーラー服の男性が、近くに置いてあった手振りベルを鳴らすと、小柄の乗組員がタラップから降りてきた。
「五つ星パスポートのお客様です、お部屋への案内を頼みます」
「了解しました!皆様お部屋へと案内いたしますね!」
小柄の乗組員についていき、カーペットが引かれた道を通って行くと少し豪華な扉の前までやってきた。
「こちらの部屋をお使いください」
「ありがとう」
ソウル達は部屋へと入って行くと、中は広く豪華な調度品や家具が飾られていた。ソウルとマナリアは目を輝かせ喜んだが、アップルは何のリアクションもなかった。
「アップルさんは、外国のお嬢様だから狭く感じちゃうって言うテンプレですか?」
「え?!ええ、そうね、実際狭いわね…」
「俺の部屋より広いのに、金持ち羨ましい…」
「それほどいい物じゃないわ…」
一瞬顔が暗くなったアップルを見たソウルは、何かあるのかな?と思いそれ以上は深く聞かないでおこうと考えた。その後、マナリアがベッドへダイブするお決まりを決め、ソウルは窓付近にあるテーブル席へ腰を下ろした。
「出向まで少し時間があるな…何してようか…」
「マスター!私は船内を探検してみたいです!」
「あ!私もいきたい!」
「いいよ~でも、立ち入り禁止や乗組員の人に迷惑をかけない様にな」
「解りました、では、マナリアさん一緒に行きましょう」
マギアとマナリアが部屋から出ていくと、ソウルとアップルの二人だけになってしまった。
「そ!そういえば、ソウルってリアルで船に乗ったことある?」
「幼少時代に乗ったことありますね」
アップルが多少上ずった声でソウルに尋ねた。
「幼少時代?それっていつ?」
「6歳頃ですね、大きな大砲が‥‥あ、これは話しちゃダメな奴か」
「え?!大砲?!それってまさか戦艦?…」
笑ってごまかしているソウルに、アップルは困惑し出港まで雑談して時間を潰した。
「お、動き出した、出港か」
窓から見える景色が動いていき、船は港を離れ、大海原へ出航していった。
ソウル達は、2時間位部屋の中でグダグダしていたら、飽きてきたので甲板に出て海の景色を楽しむことになった。甲板に出ると、心地いい風が流れ、遠くの方ではイルカのような青色の哺乳類と、人魚が遊んでいるのが見えた。
「さすがファンタジー、人魚もいるのね」
「モンスターなのか住人なのか…どっちだろう?」
「マスター!人魚はちゃんとこの世界の住人ですよ!好感度を上げれば結婚もできますし!」
「最後に泡になりそうだな…」
「悲劇ね…」
「え?人魚姫って最後は王子様と結ばれるんじゃ?泡になるって私知らないんだけど?」
マナリアとのジェネレーションギャップが二人を襲った。何か、二人の中に古い物があるような、何とも言えない感覚が襲い気分が落ち込んだ。
「マスター!大丈夫です!たとえマスターがオールドで恋人達をカップルって言ってしまうかっこつけだったとしても情報を更新すればいいのです!」
「マギアさん、もうやめて上げて!ソウルの心はゼロよ!」
マギアの言葉にソウルは甲板に膝と手をついて落ち込んだ。目には薄っすら涙が出て、哀愁を漂わせた。
「おかしいですね…完璧なフォローだと思ったのですが…」
「フォローできてないわ…」
球体に?マークを出し疑問に思ってるマギアに、アップルは肩をすくめた。それから1時間後、目的地が見えてきた。骸骨島と言うからには恐ろしいイメージをしていたソウル達だったが、山と森がある高級リゾート地の様に見えた。
「何か、建築デザイナーが設計した鉄筋コンクリートで出来た建物が見えるな…世界観大丈夫か?」
「大丈夫じゃない?この世界には現代より文明が進んだ国があるのだし、そこから技術を持ってきたとでも言っておけば、有ってもおかしくないわ」
「あ、そうなんですね、じゃあ問題ないか…」
数分後、骸骨島に入港しソウル達は、島へと降り立った。
「完全にリゾート地ね…」
「そうですねぇ…骸骨島だって言うからアンデットやら骨のオブジェクトが沢山あると思ったのに、めっちゃ綺麗…ゴミ一つ置いてない…」
「骸骨島饅頭…?ミルトン味?…え?どんな味だ?」
味が気になりお土産屋に入ると、饅頭を人数分買い試しに食べてみることにした。ソウル達は饅頭を口に入れると、白あんに牛乳が入っているまろやかな甘みが口の中に広がった。
「ミルトンって牛乳の事か?牛乳…カルシウム…骨…なるほど」
ソウルが何とも言えないようなジト目になった。
「とりあえず、この島の冒険者ギルドに行って嵐越えの儀式について聞きますか?」
「そうだな…」
マナリアの提案にソウル達は頷き、マギアが光の線を出した後、冒険者ギルドへ向かった。ソウル達は冒険者ギルドへ行く途中、メイド服を着た褐色幼女が大男を見上げている風景が目に入ってきた。その光景をみたアップルが走り出し、ソウルが止めようと手を伸ばしたが、うっかり利き腕の右手を伸ばしてしまい止められなかった。
「悪漢に天誅!」
「え?なに?!ホゲェラァ!」
アップルの蹴りが大男に決まり、大男は数メートル吹き飛ばされてしまった。
「あわわわ…やっちまった…」
「アップルちゃん!どう見ても襲ってる雰囲気じゃなかったですよ!」
「え?」
いまいち要領が掴めてないアップルをよそに、ソウルは蹴られた大男に駆け寄っていった。
「すみません!大丈夫ですか?!仲間が飛んだご無礼を…」
「え?…何?…俺なんで蹴られたの?」
「すみません!すみません!あの子があなたに襲われていると勘違いしたんです!」
「え?俺ただ冒険者ギルドの場所を聞いてただけなんだけど…そう見えたのか…」
「すみません!アップルさんも謝って!ほら!早く謝って!」
「襲われてたんじゃないの?」
「おじさんは冒険者ギルドの場所を私に聞いていただけだよ?」
メイド服の褐色幼女の言葉で、顔面蒼白になったアップルが、腕を組んで顔を背けた。
「悪かったわね!私てっきり…(謝る時はちゃんと頭を下げて誠意を見せような…?)…ハイ…」
ソウルは、アップルの肩を掴み底冷えするような声で言うと、アップルは素直に頭を下げ謝罪した。
「勘違いして悪かったわ…」
「うんまぁ…いいけどさぁ…俺、なんでいつも間違えられるんだろう…」
「多分それは貴方のPC (プレイヤーキャラクター) に問題があるからだと思いますよ?」
マギアが指摘した大男の姿は、筋肉ムキムキで上半身裸の、刀と槍を持った野武士という言葉がぴったりの姿だった。
「え?!そうだったのか?!ネットで筋肉を纏った姿は美しいって書いてあったからてっきりこの姿でいればモテると思ってた!…普通に考えてみればただの露出狂だな…」
大男がウィンドウを操作すると、浪人らしい服装になった。
「教えてくれてありがとう!これならもう疑われないぜ!俺の名前は、ブラックハウリング!ブラックって呼んでくれ!そっちは?」
「俺がソウル、宙に浮かんでいるのが俺の相棒、マギア」
「私はスイート・アップル、アップルって呼んで」
「私は、マナリア!ヒーラーやってます!」
「ソウルは、これからどこへ?もし冒険者ギルドへ行くのなら道を教えてくんねーかな?」
「いいですよ、やらかしちゃった詫びも含めて案内しましょう!」
「助かるぜ!」
ソウル達は、冒険者ギルドへ向かうと、南国の様な雰囲気の建物に着いた。一見そこが冒険者ギルドなのか疑いたくなるが、看板には確かに冒険者ギルド骸骨島支部と書いてあった。そしてソウル達は中へと入っていった。
「おお!ついた!ありがとさん!じゃあ、またどこかであったらよろしくな!」
「ええ、その時はぜひ」
「じゃあな~」
ブラックがソウル達から離れていき、仲間がいる方へ向かって行くのを見送ると、ソウル達は受付へ向かい登録を済ませた。受付にいた男性に、嵐越えの儀式について聞いてみると、今夜やる事が解り、ソウル達はパスポートを出して参加したい事を伝えた。
「五つ星パスポートですね、儀式に参加できますよ では、こちらの書類に参加するメンバーの名前をお書きください」
四人の名前を書いて提出すると、夕方の5時前までにギルドに集まっていてくださいと言われ、ソウル達は一度解散し、好きにこの島を見て回る事に決めた。
「マスターは何処か見たい場所はありますか?」
「う~んそうだなぁ…」
ソウルは、貰ったマップを見ながら何かないか探していると、市場がある事に気が付きソウルとマギアは市場に向かった。
「市場って言うよりフリーマーケットに近いな」
ソウル達が市場に到着すると、多くの人々が店主と値段交渉していたり、屋台で串焼きを食べていたりしていた。ソウル達は、何かいい物がないか見て回った。
「マスター!見てください!フェロモンが溢れてる人形が売ってます!」
「あ~そういえば、歴史博物館で微妙にエロい奴も売ってたなぁ…万華鏡に毛糸が付いてあった奴とか…あと、木刀!必ずどこかの観光地には必ず売ってたなぁ」
マギアが見ていた物を見たソウルは、中学生の時遠足で歴史博物館に行った時の事を思い出した。
「この紅茶セットいいかもしれない…」
革製のトランクケースに、いろいろな食器とナイフ、フォークが付いていて紅茶を楽しめるように道具も一式そろっている物を見つけた。ソウルは、値段を見て見ると結構な値段が書かれていた。
「お?兄さん、そいつに目を付けるとは!そいつはとある貴族様から買った物で、一点限りの物だよ!これ以上の物は他じゃ売ってないし、買うなら今だよ!」
中年の店主からおススメされたが、ソウルは首を振った。
「いや、この値段はさすがに買えない 皿が一枚別のが入っているし、カップの持ち手の部分にヒビが入ってる…それでこの値段は誰も買わないだろうね…」
「む…良く見てるな…ん~じゃあ、半額でどうだ?」
「いや、半額でも買わないなぁ~そこからさらに半額なら買うけど、まぁ…俺が買わなかったらずっと売れないだろうね…この危険物は」
「はぁ?危険物だ?」
「ここに紋章が書かれてるでしょう?多分これ貴族の紋章だと思うから、悪い奴が来てこのティーカップはどこどこの家が所有していた物だって言われたら反論できますか?」
「え?…これは親父が仕入れたもので…親父が証明してくれると思う…」
「いや、すぐ証明できないとすぐ牢屋行になるかもしれないですよ?悪い奴は黙っててやるからオカーネンよこせって法外な金額要求するかもしれませんし…」
店主はソウルのいう事を真に受けて、顔面が青くなっていった。
「ちゃんとこの者に売りましたって言う一筆書かれた物があれば別ですがね…私は渡来人ですから言いがかりしてくる奴は自分で対処できますし…どうです?私に売ってみませんか?」
「う~ん分かった!半分の半分で売ってやるよ!」
「はい、ではオカーネンはこちらに」
「ハァ…確かに…まいどどーもー」
ソウルは紅茶セットを手に入れ鞄の中にしまうと、その場所から離れていった。
「マスター…えげつないですね」
「どこがえげつない?俺は言いがかり付けられたら反論できるかって聞いただけだぞ?」
「それはそうですが…」
「一応言っておくけど真似はするなよ?あれは、いろんな条件が重なって出来た事だからな!」
「真似できません…」
ソウル達は他の店を見て回り、いい物があったら交渉して購入していった。
「おっと、もうこんな時間か…少し早いけど戻っておくか」
「了解しましたマスター」
買い物や屋台巡りをしていてふと時計を見たら、午後4時を過ぎていた。ソウル達は戻ることを決め、冒険者ギルドへ向かった。
「あ、ソウルさん、おかえりです」
ギルド内に入るとテーブルに座っているマナリアがケーキとレモンティーを前にしていて、ソウル達を見かけ話しかけてきた。
「アップルさんはまだ戻って来てないのですか?」
「アップルさんならあそこで腕相撲してますよ」
マナリアが指を指すと、奥の方でアップルが賭け腕相撲をしていた。
「すごく盛り上がってるな…」
審判役の男性がGOと言った瞬間、手を巻き込むようにして相手の選手を腕を倒していくのが見えた。アップルがソウルの存在に気が付くと、腕相撲を止め大金が入っていると思われる大袋を担ぎソウル達のいるテーブルまでやってきた。
「いや~儲かったわ!」
「もしかしてアップルさんの中身って化物だったりします?」
「はぁ!?それどういう事よ?!」
「いくらゲームの中だってあんな猛者を相手に出来る女性はいませんよ?」
「ああ、そんなのちょっとしたコツがあれば余裕よ!」
「アップル…恐ろしい子…」
「なるほど!青りんごですね!」
マナリアの発言にソウルは笑いアップルが頬を膨らませた。そしてもうすぐ嵐越えの儀式の準備が始まろうとしていた。
ブラックが冒険者ギルドにいる仲間に助けを求めなかった理由は、ソウル達が乗ってきた船から降りたブラックは、仲間たちと共に冒険者ギルドを目指したけど途中ではぐれてしまい、仲間に場所をチャットで聞くものの要領を得ず、近くにいた幼女に道を聞いていた状態でした。
町の中で武器は抜けませんが手足ならいけます。でも銃士は○○に〇〇されているので、○○なのです。
このシステムについてソウルが理解するのはもっと先です。
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