ペルソナフェイス Ⅱ
打ち上げ回…おや?なにかあったようですね…
次回更新は、11月20日 0時更新です!
「いらっしゃいませー!何名様ですかー?」
「7人だ」
「はーい!ご案内しまーす!」
ソウル達は、王城で用事を済ませた後に市民エリアにある酒場に入ると、ミニスカートのウェイトレスが元気よく尋ねてきて、ソウルが尋ねられた通りに人数を伝えると、ウェイトレスは元気よくソウル達を円形のテーブル席に案内した。
「こちらメニューです!どぞー!」
「ありがとう」
「お決まりになりましたらお呼びくださーい!…キャー!」
「(キャー?)」
メニューを渡されたソウルがウェイトレスにお礼を言うと、ウェイトレスは顔を赤くさせながらマニュアル通りの言葉を言った後、黄色い声を上げながら席から離れて行った。ソウルは、その黄色い声に首を傾げたが、他の仲間達はいつもの事だと気にすることも無く、何を頼もうかとメニューを見つめていた。
「文字だけだけど…たぶんこれは肉だと思うからこれを頼むわ」
「ククリーン豆?っていう奴は何だろう?枝豆みたいのかな?とりあえず僕はこれを頼むよ」
「甘味は~…なさそうなので、合いびき肉焼きっていうのをお願いします」
「私もマナリアさんと同じ奴で」
「う~んと~えっと~あたしは、ドカ盛りパスタ?っていうのを頼む!」
「あ、私はサラダをお願いします」
仲間達の注文を聞くと、ソウルは再び仲間達に尋ねた。
「飲み物はどうする?」
「普通に酒でいいんじゃないかしら?子供たちには果実ジュースでいいでしょ」
「分かった。すみませーん!」
ソウルが手をあげて呼ぶと、先程ソウル達を席に案内したウェイトレスがやって来た。
「ご注文を承りまーす!」
「え~っと…」
ソウルは、仲間達の注文をウェイトレスに伝え、ウェイトレスはメモに書きながら注文を聞いた。
「ご注文承りました~!少々お待ちくださーい!」
「お願いします」
「…キャー」
「(…)」
ウェイトレスが、顔を赤くしながら逃げて行くように厨房へと向かって行ったが、ソウルはもう気にする事を止めて、仲間達の顔を視界内にいれた。
「今回の探検は大変だったね」
「いつも通りじゃないかしら?」
料理を注文して一息ついたティカルが、今回の探検の事について話すと、アップルがいつも通りだと笑いながら言った。
「そうだけど~今回はNPCじゃなくてほとんどプレイヤーだったし、最後は1対1だったじゃん?」
「そうね」
「あの時は何とか勝てたけど、もう一度やれって言われたら僕…自信ないよ…」
「そうですね。私ももっと強くなりたいです」
「私はもうちょっと歯ごたえが欲しかったわ」
「え?アップルちゃんってあのお侍さんと戦ったんだよね?あの人すごく強そうだったけど…」
「あれ以上を求めるって…マジ?」
「私達が何人いても勝てそうに見えませんでしたよ?」
「うんうん!あの中身がオッサンみたいな女侍の人すごく強そうだっだよ!」
「あら?良く分かったわね?」
「「「「え?」」」」
思いがけないアップルの言葉に、ソウルとマギア以外の4人は驚いて同じ言葉で聞き返した。
「あの女侍はアーティファクトのデメリットで女体化していたのよ」
「へぇ~そんなアーティファクトもあるんだ」
「実に興味ぶか…ゲフン!業が深いアーティファクトだね!」
「そうね~実に興味深かったわ~…」
アップルが意味深に言いながらソウルに目を向けると、その意味を理解したくないソウルは視線を明後日の方向に向けた。
「そういえば~錬金術なら簡単に性別を変える事も出来るってばっちゃんがいってたような…」
「それ本当!?」
クリスの言葉に、アップルはガタッ!っと席から勢いよく立ち上がって聞き返すと、その勢いに押されたクリスは何度も頷いた。
「どうやるの?」
「え…えっーと~たしか「TスーパーGキノコ」っていう素材があれば出来るって言ってた…」
「「TスーパーGキノコ」ね!?早速競売所で買って来るわ!」
「待て待て待て!それは後にしろ!いまは打ち上げ中だ!」
「むぅ…」
ソウルの言葉で、早速競売所に買いに行こうとしていたアップルは、ガックリと肩を落としながら席に戻った。
「…なんでそんな必死なんだ?」
席にスッと座ったアップルを見ながら、ソウルがボソと小声で言うと、アップルとマナリアが凄みのある表情をしながら体を乗り出し、ソウルの目を凝視した。
「それは!凄くみたいからだわ!」
「そうですよ!凄く見たいのに!すぐ近くにその素体があって、ちょっとした何かすれば素晴らしい景色が見えそうなのに、そのちょっとした事が出来ないから、指をくわえてそのチャンスが来るのを待ってるしかできないんですよ!」
「そうよ!だから可能性が0から1に動かす事が出来ると知ったら、それはもうすぐに動くべきなのよ!例え、その道に幾万の困難が待ち受けていようとも、縦横無尽に薙ぎ払いながら進んで掴むしかないわ!」
「お…おう?え…えっーと~ごめんなさい…」
アップルとマナリアは、かなりの圧を掛ける様にしてめちゃくちゃな事を言うと、2人の言っている事が良く分からなかったソウルは、とりあえず同意した後に謝罪した。
「分かればいいのよ」
「分かればいいんです」
2人は鼻を鳴らしながら乗り出した体を元に戻し、ソウルも後ろに倒れそうなくらい後ろに傾けていた体を戻すと、先程のウェイトレスが色々な料理や飲み物を乗せた配膳カートを押してきた。
「お待たせしましたー!ご注文の品でーす!」
「お!きたきた!」
「あら?美味しそうね!」
「リアルで晩御飯を食べて満腹だったのですけど、この料理を見てたらお腹が空いて来そうですね!」
「おー!食べよう食べよう!」
「まってクーちゃん!先に乾杯が先だよ!」
「色とりどりという奴ですね」
テーブルの上に注文した料理が並べられ、アップル達はその料理に感嘆の声を上げると、ソウルが縁近くまでエールが注がれた木製のジョッキを右手で持ち、立ち上がって仲間達の顔を見ると、仲間達も飲み物を片手に持ってソウルに視線を向けた。
「…みんな!今回の探索お疲れ様だ!王様から突然依頼されていろいろ大変だったが、新しく加わった仲間の協力でなんとか成功する事が出来た。リリアナ!クリス!ありがとう!」
ソウルが双子に向かって感謝の言葉を言い、アップル達も感謝の言葉を言うと、双子はその声に顔をほんのり赤くさせた。
「01もこの打ち上げに参加させたかったが、彼はまだ修理中だから呼び出せない。だから、俺が後で個人的に祝おうと思う」
ソウルはジョッキを上に掲げて、ここにはいない01に感謝の念を送った。
「俺達のユニオンハウスも出来たし、依頼も成功させた!このまま次もみんな一緒に成功させよう!乾杯!!」
「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」
ソウルの乾杯の合図で、アップル達は互いのジョッキやコップを勝ち合わせた。この時、飲み物が少し料理の上にこぼれてしまったが、それを気にする者はおらず、飲み物を煽って一息ついた。
「よーし!食べるぞ~!」
「うん!食べよう!」
乾杯の後、クリスとリリアナは目の前の料理を食べ始め、ソウル達も料理を食べ始めた。
「マスター!これが美味しいという物なんですね!?」
「…ん?」
サラダを食べたマギアが、目をキラキラさせながら徐々に瞼が閉じていっているソウルに言って来た。
「…そういえば、しれっと注文してたけど…その体になって食事する事が出来るようになったのか?」
「はい!人生…いえ、機械生初の食事です!」
「そうか~よかったなぁ~…他にも美味しい物はあるから色々食べな~…」
「はい!他の美味しいデータも経験してみます!すみませーん!」
物凄い速さでサラダを間食したマギアは、別の料理を注文しようとウェイトレスを呼んだ。
「あ、そういえばもうすぐ始まるイベントやる?」
茶色の莢を押して中に入っている豆を食べているティカルが、ふとイベントの事を思い出して、仲間達に尋ねた。
「確か、今度やる大人数で進めるイベントですよね?」
「そうそう」
「やってみたいわね」
「僕も報酬が魅力的だからやりたい」
「その報酬ってマジカルストーンとか高ランクの素材が手に入るのよね?」
「そう~」
「私は、生産職してないので素材はいらないですが、マジカルストーンは魅力的ですね」
「そうだよね~。入手しにくい物だからこの期に集めて欲しいと思ってた物と交換したいね。それで~どう?ソウル?」
「ん~?いいんじゃないか~?」
ソウルは、瞼が完全に閉じて反応が悪くなっていたが、ティカルの言葉に同意した。
「じゃあ決まりね!次はイベントよ!」
「楽しみですね!」
「双子ちゃんたちも頑張ろうね」
「「えぇ!?」」
「あ、やっぱり私達には関係ないと思ってた」
「そのイベントって来訪者さん達だけなんじゃ?」
「ううん、住民も一緒に参加できるイベントだよ」
「そうなんだ!それならいいね!お姉ちゃん!」
「そうだね!頑張ろう!クーちゃん!」
イベントに参加できると知った双子はやる気を漲らせた。だがその時、突然酒場の入り口が勢いよく開き、数名の兵士が中に入って来た。
「い…いらっしゃいませ~…」
筒全入って来た兵士に、ウェイトレスが顔色を窺いながら歓迎の挨拶すると、隊長と思われる兵士がウェイトレスに顔を向けた。
「突然すまない!Rebellionsの皆さまは何処におられるだろうか!?」
「へ!?Rebellions?」
「ソウル殿!?いらっしゃらないか!?」
「ちょ!兵士さん!そんな大声で…」
「すまない!火急の要件なんだ!」
「私達ならここにいるわよ!」
アップルが兵士に向かって言うと、兵士達は駆け足でソウル達に近づいてきた。
「Rebellionsの皆様!宴会中の所をお邪魔して申し訳ありませんが、大至急王城へお願いします!!」
「へぁ?」
兵士が頭を下げて頼んでくると、王城に呼び出されるなんて予期してなかった寝落ち寸前のソウルは、気の抜けた変な声で聞き返した。
リリアナとクリスは、何を頼もうか真剣に選んでいたので、ウェイトレスが黄色い声を上げた事に気づいていません。
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