表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
Roaring of The War
325/329

そして誰も居なくなった。

完成だぁぁぁ!楽しんでくれると震えて眠れなくなるぜぇぇぇ!(ヘビメタ的なscream)


次回更新は、10月23日 0時予定です!



「みんなお疲れ。あとは適当に追い立てつつ、あの2人をドリルシップに乗せてくれ」


「いいの?このまま一気に倒せそうだけど?」


「いや、作戦通りに行こう。下手に攻撃したらこっちの誰かが死ぬかもしれないし、ドリルシップに乗らずにどこかに逃げ隠れでもされたら面倒だからな」


「あいよー」


「分かりました」


「分かったわ」


 ソウルがアップル達との通話でそう伝えると、仲間達は同意する返事をした。


「それにもしそうなった場合、徹夜確定になるぞ?」


「…流石にそれは厳しいわ」


「寝不足で授業中に寝ちゃいそうです…」


「僕は徹夜しても~…あ、駄目だ。明日車で遠出する用事があるんだった…」


「ティカルお前、車~…というツッコミは後でするとして、俺もそろそろ疲れて来たし、親がそろそろガチギレしそうだから遠慮したい」


「ちゃんとハンドルとかペダルとか届く様に運転席周りを()()して貰ったし、ちゃんと車検も通ったから問題ないよ!」


 ティカルは反論するように言うと、ソウルはジャバワークが地面に着陸した際に伝わってきた衝撃を体で感じながら、意味深な表情をしながら眉を顰めた。


「そんな改造して車検は問題なく通った…だと?不正の臭い(腐乱臭)がするな…」


「全部正規ディーラーでだよ!」


 ソウルが訝しげに言うと、ティカルは若干キレ気味にツッコミを入れた。


「フーン…で?そんな車でどこ行くん…おっと!到着した。この話はまたあとでだ」


「ひどい!そんな車って言わ…」


 カラクリ金字塔の近くまで来たソウルは、通信をブツ切りしてウィンドウを閉じた後、ドリルシップから少し離れた所にいるアップル達の所に向かって行った。


「あいつらは?」


「慌ててドリルシップの中に入って行ったわ」


「あ、動き出しましたよ」


 マナリアの声に反応して、ソウル達はドリルシップに視線を向けると、ドリルシップの先端にあるドリルが高速回転を始めた後、船尾にある複数のジェットノズルから燃焼ガスを轟音と共に勢いよく噴射した。そしてその数秒後に、船体を支えていた3本のアームが格納されると、天井の岩石層に向かってロケットのように飛び立っていった。


「お~!ああやって行くんだな」


「ちょっとしたロケットね~」


「あの勢いがあるから穴を掘るスピードも速いんですね~…もう半分以上入ってますよ!」


 ソウルとアップルとマナリアの3人が、飛び立ったドリルシップを見上げながら感想を述べると、ティカルがドリルシップに向けていた視線をソウルに移して尋ねた。


「…で?いつ爆破するの?」


「たぶん~あと10秒位だと思う…」


「おk」


 ソウルの答えを聞いて頷いたティカルは、再びドリルシップに目を向けて、ワクワクしながらそのタイミングが来るのを待った。


「(…5…4…3…)」


 ソウルも、口には出さずに内心でカウントしながら爆発を待った。


「(…2…1…0)…あれ?」


 内心でカウントしていた数字が0になり、それと同時にドリルシップが作った穴から爆発音やドリルシップの破片などの何かが落ちて来ると思っていたが、予想に反して何も起きなかったため、ソウルは不審に思って首を捻ったその時、天井の穴から大きな爆発音が轟いてくると、不意を突かれたソウルは驚いてビクッ!と身を屈めた。


「びっくりした!」


「凄い音だったわね」


「文字通り腹に響く音だったね」


「そうですね」


 互いに爆発音の感想を行った後、アップル達はソウルに視線を向けた。


「あの2人も倒したし、これで終わりよね?」


「ん?倒してないぞ?」


「は?」


 ソウルのまさかの発言に、アップルは聞き返した。


「あれはドリルシップのドリルを破壊した音だ」


「…えっとつまり、ドリルシップのドリルを破壊して、あの2人を船内に閉じ込めたってこと?」


「そうだ」


「それって…」


 アップルが呟くように言うと、ソウルはジャバワークに視線を向けた。


「マギア?あの2人はレーダーで追えているよな?今どんな感じだ?」


「はい。現在ドリルシップに2人の反応ありまので、まだ生存し…あ、反応が1人消失したのを確認しました」


「…身動きが出来なった筒の中で出来る事と言ったら~…まぁ、そうするしか無いよな」


「最後の反応も消失したのを確認。現在、ドリルシップの中には誰も居ません」


「よし、みんな!スフィアータの所に帰ろう!」


 マギアの報告を聞いて、ソウルは満面の笑みをしながらアップル達に言ったが、そのアップル達は引いた顔をしていた。


「あれ?何でそんな顔してるんだ?」


「…人の心とか無いんか?」


「ん?」


「今回は私もそれはどうかと思うわ…」


「え?」


「鬼です!悪魔です!ソウルさんです!」


「久しぶりに聞いたな!それ!…っていうかなんでだ?何でこんなに言われるんだ?」


 仲間達の言葉に、ソウルは困惑した。






 -ドリルシップ内-






「クソ!あいつらぜってぇ許さねぇ!」


「文句は後で聞くから今は起動する事に専念してくれ!このレバー下ろせばいいのか!?」


「そうだ!」


 ドリルシップに乗り込んだジェーンとボンテンは、ドリルシップを起動するのに手分けして様々なレバーやスイッチを操作していた。


「起きたぞ!座れ!」


「あいよっと!」


 ドリルシップが起動し、ジェーンがボンテンに向かって言うと、ボンテンは近くに設置された椅子に座った後にベルトで体を固定した。


「出るぞ!」


 ジェーンが叫ぶ様に言ったその一拍後に、ドリルシップがロケットのように飛び立ち、搭乗した2人に重力加速度をかけた。


「天井に接触するぞ!対ショック姿勢!」


 飛び立ったドリルシップは、その数秒後に岩石層に激しく衝突した。その時、衝突音と共に船体全体に振動が走り、2人は前に投げ出されそうな程の大きな衝撃を受けたが、ドリルシップはそのまま岩石層を掘り進め続けた。


「…穴掘り始めたからもう大丈夫か?」


「…ああ」


「そうか。…ふぅ~こういうのはガスライターに任せていたから焦ったぜ」


「…」


「それにしてもあいつら強かったな~。特にあの女魔装使い!俺の技ことごとく潰して来たし、俺の残機もあと4回にされちまった…まぁ、それでも実りあった戦いだ…」


 ボンテンはアップルとの戦いの感想を述べていたが、ジェーンが操縦席のひじ掛けに拳を強く叩いて、ボンテンを黙らせた。


「…おいおい?なに怒ってんだ?」


「うるせぇ!てめぇは悔しくねぇのか!?あんないいようにされて!!」


「そりゃぁ負けたんだから悔しいさ」


「なら何でそんな暢気に感想なんか言えるんだよ!?」


「感謝したからだ」


「あ゛あ゛!?感謝だぁ!?」


 ジェーンは、操縦席の向きをボンテンがいる方向に回転させた後、ボンテンを睨むように見つめた。


「あの女魔装使いはただ強いだけではなく、俺に足りない物を指摘してくれたんだ。もちろんスキルや魔法とかの話じゃねぇぞ?」


「はぁ!?たったそれだけで感謝しただぁ!?意味分かんねぇこと言ってんじゃねぇよ!」


 ジェーンは怒号を放つ様に言うと、ボンテンはガッカリした表情をした。


「…そうか。お前はこれがすごくありがたい事なのに理解できない…いや、理解しようとも思わないんだな…」


「あ゛!?」


 ボンテンが小声で言った言葉に、ジェーンは更に怒りを込めて聞き返した。


「そもそも、何でそんなに怒ってるんだ?相手が卑怯な事して来たからか?()()()に失敗したと報告するからか?」


「…」


 ボンテンはジェーンの目を見ながら言うと、ジェーンは核心を突かれて動揺し、ボンテンから目を逸らした。


「あんな胡散臭いの何処がいいんだ?」


「黙れ!!」


「…本当に信用できるのか?あの女が出して来た依頼書には、ご丁寧にアイテムの名前が書かれてあるんだぞ?何故名前を知っている?何故ここにあると分かっていたんだ?…怪しすぎるぜ」


「そんなのどこかで聞いたか何かの本に書いてあったとかだろ?」


「偶然知り得た?あり得ないね!」


「あ~もう!ごちゃごちゃとうるせぇな!俺達は彼女のおかげで活動できてるんだぞ?そんな恩人のことが信じられないならユニオン抜けろ!」


 ジェーンの暴言にボンテンはハッとした表情をした後、体を固定していたベルトを外して立ち上がった。


「そうだな!俺、ユニオン抜けて白に戻るわ!」


「な!?本気か!?」


「大マジだ!白に戻る代償は大きいけど…まぁ~1から始めると思ってやってみるわ!」


「ふざけんな!そんなの許されると思うのか!?」


「許されるね」


「このォ!」


 あっけらかんとした態度で言うボンテンに、ジェーンは怒りに任せて殴りかかろう一歩踏み出した。しかしその時、ドリルシップの船首から大きな爆発音と衝撃が2人を襲い、突然の事に驚いた2人は、その場で身を屈めた。


「うお!」


「なんだ!?」


 何が起こったか分からない2人は、しばらくそのまま周囲を確認していると、操縦席の計器からけたたましい音が鳴り始め、ジェーンは慌ててその音が鳴った原因を調べてみると、どうやら船首のドリルになんらかの異常が発生しているの分かった。


「ドリルをやられたか…か~!こうなるんだったらあのまま戦っておくんだったぜ」


「くそ!やっぱり俺の船になんか仕込んでいやがったな!」


「はっはっは!やっぱり1枚…いや2枚や3枚も上手な相手だな!」


「笑ってんじゃねぇ!どうすんだよ!」


「そりゃぁ自殺するしかないだろ?それとも運営呼ぶか?その場合、俺達は黒だからガチ説教と自殺ペナルティ以上に重いペナルティを科せられるかもしれないけど?」


「…」


 ボンテンの問いにジェーンは何も答えず、ただ悔しそうに唇をかみしめた。


「俺は自殺するけど、お前はどっちを選ぶか十分に悩めばいいさ。じゃあな!」


 ボンテンは、腰に差している短い方の刀を鞘から抜いた後、切っ先を首に向けた。そして息を吐いた後に一気に押し込んで首を貫くと、HPが瞬く間に減少していき、0になった瞬間淡い光を全身から出しながら消えて行った。


「………クソ…クソ…クソ!クソ!クソ!クソがぁぁぁぁぁ!」


 ジェーンは怨嗟を口から出しながら、腹の底から湧いてくる怒りを目の前の計器にぶつけた後、船内のあらゆる物を殴り壊していった。


「絶対に!絶対に復讐してやる!復讐してやるぞ!ソウルゥゥゥゥ!」


 ジェーンは絶叫した後、アイテム欄から刃渡りが長いナイフを取り出し、自身の胸に突き立てて自殺した。


 そしてジェーンのHPが0になり、淡い光を全身から出しながら消えると、ドリルシップに永遠の静寂が訪れた。

ティカル=戌井 拓斗の乗っている車は「アトレー」です。


このゲームがリリースされた当初は、自殺行為に対するペナルティは設けられていませんでした。しかし、自殺行為をする事によってゲームバランスが崩壊する程の大事件が発生したため、その後、自殺行為に重いペナルティが科されることになりました。

このペナルティとは「所持しているアーティファクト等のワンオフアイテムが消失する(複数所持していた場合はランダムで1つ消失)」「取得したスキルと魔法のレベルが全て2ランクダウンする」「所持オカーネンの半分になる」「3日間ステータスが半減するデバフの付与」です。

ただこのペナルティには救済措置があり、24時間以内に街にある教会で支払うオカーネン次第ですが、最初の1つ以外なら消すことが出来ます。


ソウルは自殺行為にペナルティがあるという事を知りません。


白というのは犯罪行為をしていない健全なプレイヤーの事で、黒は犯罪行為をしたプレイヤーの事です。


モチベ維持に評価お願いします!

「ブックマークに追加する」ボタン登録もよろしくね! 

いいね登録!よろしくお願いいたします!

誤字脱字報告 アザマス!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ