建設予定地の戦い
完成しました! お楽しみくださーい!
次回更新は、7月24日!0時更新でっす!
「よいしょっと…ひとまずはこれぐらいだな」
「アイテム欄全部埋まったわ」
「一度戻って置いてこようか」
「そうだね」
「わかりました」
「たくさん集めたのよう!」
「《お宝っぽい物も見つけたワン!》」
戦いの舞台を作る為、ソウル達は軍用カヴァーズ達との戦闘でMinor lamps達がアーティファクトを使用し、周囲の建物や公共物を吹き飛ばした場所に着た後、目に付いた物を片っ端からアイテム欄の中にいれて行った。そして、数十分掛けてアイテム欄を満杯にすると、一度スフィアータの所へ戻ろうとソウルが言うと、仲間達はその言葉に頷いた後に装甲車に向かうと、ソウルの視界にウィンドウが開き、スフィアータとの通信が開いた。
「ソウル様!緊急事態です!」
「どうした!?」
「皆さまがおられる場所へ「テウト群機」が向かっております」
「テウト群機?」
「塔の展望台で浮遊していた機械群の名称でございます」
「(あれってそんな名前だったんだ…)何故か分かるか?」
「先ほど人類抵抗軍の基地「ログレス」から小型動力機の動作音を確認し、その数分後に何かしらのデータが送信されたのを検知しました。恐らくですが、その送られたデータが原因かと思われます」
「基地?…あいつ等か?」
「はい、その可能性は非常に高いです」
「そうか…で~その~…テウト群機?は、スフィアータが管理している物じゃないのか?」
「申し訳ございません、テウト群機は私達に対抗するために作られた人類抵抗軍の自動破壊兵器なので、管轄外の機械兵器なのです。更には、簡単にハッキングされないよう攻撃性を持つ防壁が何十にも張り巡らされていて、それらを突破するには、かなりの時間が必要になってしまいます」
「倒すしかないって言う事か。それで?あと何分でここに来るんだ?」
「接敵予想時間は2分11秒です」
「了解。迎撃の準備をする」
「ご武運を。こちらでもマギア様とハッキングを行い、自壊もしくは停止命令を試みてみます」
「分かった。よろしく頼む」
ソウルは、スフィアータとの通信ウィンドウを閉じた後、装甲車の近くに居る仲間達を集合させた。
「みんな、さっきスフィアータから敵が来ると連絡があったから戦闘準備をしてくれ」
「敵?どんな?」
「上で戦った多角形の敵だ。名前はテウト群機というらしい」
「ん?という事は、あのロボットが出て来るって事かな?」
「十中八九出てくるだろうな」
「ならフィニッシュは僕に任せてくれないかな?あいつをモグモグしてみたいんだ」
「俺はいいが~…アップルとマナリアは?」
「私も問題ないわよ?」
「私もです」
「分かった。ならトドメはティカルに任せる。…あ!一応警告しておくが、マギアはいないから敵の動きには十分に用心するようにな」
「分かったわ」
「はい」
「了解」
「どんなロボットなのか分からないけど、来るなら吹き飛ばしてやるのよう!」
「《頑張るワン!》」
アップル達の頷きとティーと銀牙のフンスと息巻く姿を見て、ソウルは心の中で頼もしさを感じた後、仲間達と一緒に戦闘準備を始めた。
-ネーバス文明遺跡・ネヴァロン・アスレチック建設予定地-
「合体し始めた!来るぞ!」
ソウル達を襲ってきた無数のテウト群機と戦い始め、数十分かけて順調に数を減らして行ったが、後方にいた3機の24面体が他の機体を引き寄せる様に集め、合体を始めた。
「合体中に攻撃しちゃいけないんだよね?」
「…不本意だがな」
「合体が終わるまで少し時間がありそうだし、その間に回復とか済ませておきましょう」
「そうだな」
アップルの言葉に仲間達は頷くと、各自アイテム欄を開いて回復アイテムを取り出し、少しばかり削られてしまったHPを回復した。
「みんな、少し作戦を考えたからそのまま聞いてくれ。まず、敵の3機の内の1機をマナリア1人で受け持ち、俺が2機目のロボットを受け持つから、残りの皆は3機目を急いで倒してくれ。そして、次に俺が受け持った2機目を倒して、最後はマナリアが受け持った奴だ。マナリア?かなりの負担があるが行けるか?」
「全力で頑張ります!」
「頼む」
「2機目を受け持つのは私の方が良いんじゃないの?」
「いや、そうすると火力が足りなくなるからダメだ」
「なるほど、分かったわ」
「ご主人だけでやれるのよう?」
「防御に徹するから行ける!…と言いたいが急いでくれ」
「そうだね。ソウルちゃんはか弱いから急ぐとするよ」
「ソウルちゃん言うな!」
「《主さまはメスだったワン?》」
「違う!」
ティカルと銀牙が女の子扱いした事に、ソウルは表情を曇らせながら否定すると、アップルがニヤリと笑った。
「しかたないわね~。みんな!ソウルちゃんのために頑張るわよ!」
「「「「おー!」」」」
「おまえらぁ…」
アップル達は気合いを入れる掛け声を出し、それぞれが受け持つ敵の前に向かっていくと、ソウルは仲間達のおふざけに、ヤレヤレと言いたそうに両手を上げて頭を振った後、自分が受け持つ敵に向かって行った。
「こいよ!2Pカラー!俺がやってやるよ!」
テウト群機が合体を終え、色違いの勇者ロボがソウル達の前に現れると、自分が受け持つ緑色が基調のロボットに啖呵を切り、両手に持つリボルバーの引き金を引いて攻撃した後、他の機体を相手にしているアップル達に攻撃が行かないよう、緑勇者ロボの後ろに走って身構えた。
「よっと!」
ソウルにヘイトを向けた緑勇者ロボは、拳を振り上げてソウルを叩き潰そうとしたが、ソウルは拳を振り下ろしてきた瞬間にバックステップをして攻撃を回避した。
「(2Pカラーでも威力は変わらないか…)」
緑勇者の一撃で地面にクレーターの様な跡が地面に出来ると、最初に戦った勇者ロボと同じ威力に、気を引き締め直した。
「(あの全体攻撃を起こさせないように攻撃しないといけないな)」
緑勇者ロボが、踏みつぶそうとして右足を振り上げると、ソウルは完全に降り上がるまでの間に、素早く右手に持った緑色のリボルバーの引き金を引いて攻撃し、振り下ろしてきたタイミングと同時に左に飛んで回避した。
「おいおい…ここで剣かよ!判断速すぎだろ!」
攻撃が2回躱された緑勇者ロボは、胸で綺麗に輝いている動物をモチーフにした金属パーツの口から、鍔と柄しかないY字の武器を体を逸らしながら上に射出し、自重落下してきた武器をかっこよくキャッチした後、両手で持って上に掲げると、鍔元から光の剣が生える様に伸び出ていった。そして、伸び出た光の剣が自身の身長を倍にした長さになると、剣の色が鈍色に変わって行き、完全な金属製の両刃剣になった。
「その後の行動はかっこいいポーズした後に真っ直ぐ斬り下ろしてくるんだろ?しってるよっと!」
ソウルが言った通りに、緑勇者ロボは剣がより長く見えるかっこいいポーズをした後、上段に構えて真っ直ぐ振り下ろしたが、その途中で突然横薙ぎに剣の軌道が変わると、その突然の軌道変更に驚いたソウルは、両手に持つリボルバーをクロスさせて剣の刃を防いだ。
「フェイン!?…くそがぁ!」
銃をクロスさせて刃が体に当たるのを防いだが、剣の勢いは防ぐ事が出来ず、そのまま数m弾き飛ばされ、地面を転がって行った。
「っぐ!」
地面を転がったソウルは、素早く体を起こして立ち上がり、自身の簡易ステータスに視線を向けると、残りのHPが半分しかない事に、苦虫を嚙み潰したような表情をしながら冷や汗を流した。
「マジかよ…あんな攻撃してくるのか…」
ソウルは、追ってきた緑勇者ロボを睨んだ後、全力で前に走り出した。
「【クイックブースト】」
緑勇者ロボは、全力で向かって来たソウルに合わせて剣を振り下ろしたが、ソウルは振り下ろしてきた瞬間を見計らってスキルを使いながらスライディングし、緑勇者ロボの両足の間を滑り通った後、ブルーローズを使って緑勇者ロボの背中に張り付いた。
「振り落としてみろ!この野郎!」
緑勇者ロボは、張り付いたソウルを剥がそうと、体を激しく左右に振ったり上下にジャンプなどをしたが、ソウルは重心の移動や器用にバランス取るなどの事をして、必死でしがみつき続けた。
「あ!やば!」
必死にしがみつ付けたソウルだったが、何回目かの激しい左右に振る動きで手を滑らせてしまい、ソウルの体が緑勇者ロボの正面に来てしまった。
「えっと~…あっかんべ~…うわ!怒った!」
正面に来たソウルと緑勇者ロボの視線が合うと、ソウルは緑勇者ロボに左手で左目の涙袋を下げて挑発すると、緑勇者ロボが怒ったかは分からないが、先度の動きより早い動きでソウルを掴もうとした。だが、ソウルは掴まれる前に緑勇者ロボの胴体を強く蹴り、その蹴った時に発生した勢いを利用して再び背中に張り付いた。
「うお!うおお!うおおお!」
ソウルを剥がそうと、何十分も様々な動きをしていた緑勇者ロボだったが、確実に引きはがす方法を思いついたのか、激しく左右に動く動きの後に上半身だけを時計回りの回転を徐々に速くさせていき、ソウルは声を上げながらも必死にしがみついて耐え続けたが、遠心力が強すぎて左手の握力やブルーローズの粘着力が弱まって行った。
「待たせたわね!ソウル!…なに遊んでいるの?」
「すっごい回っているのよう!」
「《楽しいわん?》」
「遊んでない!早く倒して!」
「どう見ても遊んでいる様にしか見えないんだけど?」
「遊んでないって…あ…やばい…酔ってきた…気持ち悪…」
「いけない!ソウルがオロロする前に倒さないと!行こうアップル!」
「え?ええ、そ…そうね」
ソウルが限界を迎えようとしていた時、紫色を基調とした3番目の勇者ロボを倒してきたアップル達がきたが、背中にしがみついて今にも吹き飛ばれそうなソウルの姿に、アップルとティーと銀牙の1人と2匹には遊んでいる様に見え、アップルがなに遊んでいるの?と問い掛けたが、ソウルは至って真面目にやっているので否定したが、アップル達には信じて貰えなかった。
そして、ソウルの三半規管にも限界が着て、リアルの体で飲み食いした物が逆流しそうな気持ち悪さを感じ始めると、そんなソウルの姿を見たティカルが慌ててアップル達に声をかけて、緑勇者ロボに全力攻撃をした。
「うっぷ…気持ちわ…うっぷ…」
「もうちょっと耐えて!」
「無理かも…」
「耐えてソウル!ここでやらかしたら、これを見ている大きなお友達が「きったなwコミュ抜けるわw」とか言って離れちゃうよ!」
「お前は何をいってる…う!…」
「耐えて!ソウル!ここでやらかしたら、色んな動画サイトで切り抜かれて他人の養分になっちゃうよ!」
「だから何を…いやいい…考えるのも辛くなってきた…」
「本気でまずそうね…いいわ!みんな!ペースを上げるわよ!」
「急ぐのよう!」
「《主さまの顔が青から白くなっていくワン!急ぐワン!》」
アップル達が緑勇者ロボを攻撃したおかげで、ソウルに向いていたヘイトがアップルに向いたが、緑勇者ロボの激しい攻撃動作がソウルをさらに苦しめた。ティカルがふざけた質問をするが、答えるのも辛くなってきたソウルは、どこぞの地球外に吹き飛ばされた究極生物のように考えるのを止めて行った。
流石にまずいと思ったアップルは、仲間達にペースを上げる様に声をかけ、火力が高いスキルを仲間と連携して叩き入れていき、数分で緑勇者ロボを撃破した。
「…大丈夫?ソウル?」
「…」
「返事がない…ただの屍のよ…」
「勝手に殺すな!生きてる…う!」
「返事できるから大丈夫よね?私達はマナリアの所に行くから、ソウルはそこで休んでいていいわ」
「いや俺も…」
「そんな状態で戦える訳ないでしょう?足手纏いだから休んでなさい!」
「はーい、ママン…」
「誰がママか!そんな冗談言うなら私の棍棒にして振り回すわよ!?」
「すみませんでした!」
ソウルの冗談に、アップルは少し顔を赤くしながら脅すと、ソウルは心の底から謝罪の言葉を言った。
「まったく!いったぃ…」
怒ったアップルは何かブツブツ言いながら、マナリアが対峙している赤を基調とした勇者ロボの所に向かうと、ティカルは意味深にニヤニヤと笑いながらアップルの後を追っていった。ソウルは、淡い光を出しながら消えかけている緑勇者ロボ近くで休憩しながら、マナリアの所に向かった2人を見つめていると、アップルとソウルを交互に見ていたティーが話しかけてきた。
「ねぇねぇ?さすがにママ扱いはまずいんじゃないのよう?」
「ん?いや、あれは…」
「アップルはまだ結婚とかしていないし、あたしの勘だけど恋人を作った事も無いと思うのよう!だからそんな乙女100%のアップルにママっていうのは酷なのよう!」
「いや、そうじゃなくて…」
「ねぇ?それがどのくらい酷な事かわかるのよう?言葉で例えるなら、20代で爽やかに仕事していた男の人が純粋な目をした子供に「おじさん」って言われるくらいショックな事なのよう!」
「あー…そうだな…」
ソウルは訂正しようとしたが、ティーは言葉を遮る様に説教を始め、2度目の言葉を遮られたソウルは反論しても無駄だなと理解すると、話半分で聞き流し、生返事で答えながら体を休めた。
ソウルが緑勇者ロボに張り付いた時、そのままブルーローズを上手く絡ませて動けなくしちゃえばいいじゃん!と思った方はいるでしょうが、各勇者ロボが全体攻撃をしてきた時にすぐブルーローズを展開できるようにしているので、残量が減るような行為はできないのです。
ティーは言おうか言うまいか考えましたが、言う事に決めました。そして、説教するという経験が無かった為に色々ズレた説教になってしまったのです!
そして、20代ウンチャラーの話は作者の実体験です。心に矢が刺さった様なショックを受けました。これまで言われた事無かったんや…あ、老け顔だからとかそういう話ではないです。
モチベ維持に評価お願いします!
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