キングフォージへ
完成しました!お楽しみください!
自戒更新は、6月5日 0時です!
「皆さま、こちらの画像をご覧ください」
スフィアータが、両手を使って上下に動かす、大きなレバースイッチの画像をウィンドウに表示した。
「…これは?」
「キングフォージの予備動力スイッチです。皆さまがキングフォージに到着されましたら、まず最初にこちらのスイッチをお切り替えてください。そうしていただけますと、オートボックスが使用可能となりますので」
「それは何処にあるんだ?」
「こちらをご覧ください」
スフィアータは、一昔前のゲームのような粗さのある3DCGで、円錐台の形をした建築物の見取り図をウィンドウに表示した。
「キングフォージの入り口から少し入ったところに階段がございますので、そこから地下二階へお降りください。地下2階へお降りになりましたら、そのまま直進し、二回目の交差点までお進みいただいた後、左の通路をお進みください。そして、その通路にある4つ目の右側の部屋に、予備動力室に入るための「管理役員用のID付カードキー」がありますのでそれを入手したあと、直進した通路にお戻りください。お戻り頂いた後~…」
「あ~すまん、このまま暗記しても何処かで間違えそうだからメモを取る。ちょっと待ってくれ」
「畏まりました」
スフィアータは、3DCGで再現されたキングフォージの内部構造を、主観で見る様に動かしながら説明したが、その途中でソウルが一時的に止めた後、UIにあるメモ機能を開くと、PCのOSに標準搭載されているメモ帳に似た画面のウィンドウが開き、その下に現れた半透明のキーボードを使って「入り口→地下2階に降りる→2回目の交差点まで直進…」という書き方で文字を入力していった。
「カードキーを入手→最初の通路に戻るっと…次は?」
「はい、説明を再開します。通路にお戻りなった後は、引き続きまっすぐお進みください。やや先に交差点が見えてまいりますので、その際は右の通路へお進みください。その後、3つ目の交差点で右の通路に進まれますと「製品保管庫」がございますので、その保管庫にある「WF/A220-62」と「WF/L5-92」と刻印されたカヴァーズパーツを2つずつ入手してください」
「ん?もしかしてそのパーツって01のか?」
「はい、また先程お伝えした数字の最後には-〇〇と付いている部分がございますが、それは製品管理する番号となりますので、特に気にされなくても結構です」
「分かった。「WF/A220-62」と「WF/L5-92」だな?」
「はい、それとですが、製品保管庫内に「警備主任のID付カードキー」が落ちているはずなので、そちらの入手をお願いします」
「落ちているはず?」
スフィアータの言葉に、ティカルが首を傾げた。
「人側との戦争が始まった時、当時の警備主任が部下と一緒に暴れるカヴァーズ達を止めようとしたのですが、戦闘開始から約3時間後に全滅しました。そして、その状態のまま現在に至ります」
「分かった。でも、もしなかった場合はどうすればいい?」
「その場合は、警備員控室にあるロッカーの中に「警備主任のID付カードキー」があるはずですので、そちらを入手していただく事になります」
「主任って1人じゃないの?」
「固定シフト制で24時間警備していたので、主任は2人います」
「ああ、なるほどね」
「警備控室の場所は?」
「3つ目の交差点を右に曲がらずに、そのまま突き当たりまでまっすぐお進みください。そうしますと、左側に扉がございますので、そちらが警備員控室でございます」
「なるほどなるほど…で~カードキーを入手した後は?」
「入手した後は最初の階段まで戻りいただき、そのあと地下3階へお降りてください」
「最初の階段に戻って3階へっと…で?」
「地下3階にお降りしましたら、4回目の交差点まで直進します。その後、右の通路へお進みいただき、3回目の交差点に差し掛かりましたら、左の通路に進んでいただきますと、その通路の突き当りに大型の金属扉がありますので、入手した2つのカードキーを使って扉を開けてください。その中に予備動力のレバースイッチがあります」
「…ん?そのカードキーを使って開けろって言ったが、その扉に動力は通っているのか?」
「通っておりませんが、ソウル様のスキルを使用すれば問題ないはずです」
「俺の【発電】か?」
「はい」
「マスター、配線は私にお任せください」
「あ~…分かった」
「ソウチウム乾電池頑張って!」
スフィアータの説明を聞いて、ソウルは「なら、行けるか…」と考えていると、ティカルがニヤリと笑いながら、右手をサブズアップをさせて応援した。
「そうね!今こそソッウル電池の万能性を見せつける時よ!」
「ソッウル?…あ!ならソウループですね!」
「お?ソウループ?いいねそれ!何度も使えて便利そうな名前だね!」
「ソウループ…定期的に食料を与えていれば無限と言える量の電気を発電し続ける新時代のエネルギー…これならマスターの世界でのエネルギー問題や環境問題は一気に解決しますね!」
「おいお前ら!俺を便利な乾電池扱いするんじゃねぇ!しまいにゃお前らの恥部にバリバリと流すぞ!この野郎!」
「バッチコーイ!」
「バッチコーイじゃねぇよ!マギア!」
ソウルとマギアのやり取りで仲間達は笑い、ソウルは溜息を吐いた後、スフィアータに視線を向けた。
「あーっとだ、その予備電力にしたらオートボックスがある所に向かえばいいんだな?」
「はい、オートボックスは8階にあり、さらに壁や仕切りが無い作りになっていますので、すぐ見つけられるはずです」
「8階ね…分かった」
「ですが注意してください。予備動力は46分しか持ちませんので、予備動力に切り替えたら急いで8階に上り、先程渡した外部記録装置をポートに差し込んで、狙撃銃の改造を始めてください。狙撃銃の改造完了時間は約20分ですので、その分を差し引いて26分以内にオートボックスを使用する必要があります」
「26分?寄り道とかしなきゃ余裕だな」
「そうね」
「じゃあ探索は切り替える前にした方が良いね」
「何があるのでしょうか?ワクワクします」
「リリアナとクリスも付いて来い。敵はいないから安全にお宝探しが出来るぞ?」
「お宝!?いくいく!」
「現金だよクーちゃん…はぁ…分かりましたぁ~いきます~」
お宝と聞いて目を輝かせたクリスと、その妹の姿を見て呆れたリリアナは、立ち上がって服に付いた埃等を手で払った後、ソウル達の輪に加わった。
「他に気を付ける点はあるか?」
「はい、先程キングフォージを修繕したと申し上げましたが、それは倒壊を防ぐ為の最低限の修繕ですので、通路には瓦礫や経年劣化などで通れなくなっている通路が多くあるはずです。なので、その場合はその瓦礫を撤去して通るか迂回路を探す必要があります」
「それって何処が通れるか分からないってことかしら?」
「はい、確認しようにも監視カメラなどの設備はすべて破損しているため、現在の状況を把握することができておりません。またそれ故に、私のサポートもあまりお役に立てない可能性がございます」
「まぁ、その場合は何とかするよ」
「出たとこ勝負で臨機応変にですね!」
「うん、その手に限る」
「…その手しかないってツッコミいれていいかしら?」
「この手しか知らないのほうがいいんじゃないかな?」
「ええい!本当にそれしかないんだから仕方ねぇじゃろがい!」
「他にご質問やご不明な点はございますか?」
「敵が今どこにいるか分かるか?」
「申し訳ございません、街にある全ての監視カメラを使って捜索していますが、見つかっておりません」
「そうか…なら質問はないな。皆は何かあるか?」
「ないわ」
「ないです」
「ないよ」
「「ない(です)~」」
「ありません」
仲間達も聞きたい事が無いと言うと、ソウルは頷いた。
「よし、じゃあいってみようか」
「畏まりました。昇降機の出入口に浮遊装甲車がございますので、お使いください」
「わかった。行こう」
ソウルの言葉に仲間達は頷き、キングフォージに向かって行った。
スフィアータが表示した一昔前のとは、P〇後期~〇S2初期くらいです。
そして、何故だか分かりませんが、これを書いていた時にドラ〇エ7のあのムービーの事を思い出しました。
昇降機にカムランが乗ったままなんじゃ?と思ったそこのあなた!そうです!ソウル達はカムランをそのまま乗せた状態で上がって行きました。なので、昇降機から嫌な音を出していました。
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