…え?…え?
完成しました。お楽しみ頂けたら幸いムーブ!
次回更新は、5月29日 0時更新です!
「何だ…これは…」
目の前に表示されたウィンドウには、録画された映像が映り、そこには筋骨隆々で2m近い身長の男と整った顔立ちで眼鏡をかけた男、欲望に素直な謎の女スパイが着ていそうなキャットスーツにビキニアーマーを装備した女、胸に巻いたさらしと赤い袴しか着ておらず、腰に長さが違う2振りの刀を差した女侍、スチームパンクをイメージしたコーディネートの女リイルフの計5人がドリルシップの前に立っていた。
そして、その中の女侍が対峙した01達に斬り掛かろうと、腰に差していた2振りの刀の内、長い方の刀を手にして腰を低く落としたが、筋骨隆々の男が女侍を制止して眼鏡の男に顎で指示すると、指示された眼鏡の男は、懐から野球ボールくらいの大きさの灰色の球を取り出して頭上に掲げた。
すると、灰色の球が中心から半分に割れて緑色の閃光を放つと、周囲あった建物や公共物が爆風で吹き飛ばしたかの様に壊れていき、01達も何かに引っ張られたようにして吹き飛ばされてしまった。
「スフィアータ?あれが何か分かるか?」
「…不明です」
「マギアは?」
「分かりません…が、スフィアータが知らないならば、ネーバス文明で作られた物ではないという事ですね。スフィアータ、敵が掲げた球を拡大してよく見せてください」
「畏まりました」
マギアに指示されたスフィアータは、敵が灰色の球を頭上に掲げた所まで映像を巻き戻し、手の平の上にある球を徐々に拡大して行った。
「う~ん…何か紋様みたいなのがありますね…」
「何かの象形文字かしら?」
「確かにそれっぽい見た目してるね」
「ならその~紋様?象形文字?を調べたら何処のメイドインなのか分かるかもです?」
「ふむ…調べてみるか…」
仲間達の言葉を聞いたソウルは、アイテム欄からフォメルから貰った本を取り出し、似た物が書かれていないか調べ始めた。
「…それにしても光らせただけで周囲を壊す事が出来るなんて…とんでもないわね」
ソウルが、一定の速さで本のページを捲って探していると、アップルが拡大表示された球を見ながら言い、仲間達も球を見つめながら口を開いた。
「ああいうのってアーティファクトっていう奴なのかな?」
「はい、そう言っても間違いはないと思います」
「う~ん…じゃあ、古い時代の物だったら最初に「古代」ってつけて、今の時代に近い物なら「近代」ってつければ判り易いですかね?」
「そうだね。そう区別した方が分かりやすいね」
「そうね。…それでだけど、この古代アーティファクトをどう攻略したらいいのかしら?」
「う~ん…効果範囲外からの攻撃?」
「近づくのはヤバそうですね…」
「使われる前にこの眼鏡を倒せば大丈夫じゃないかしら?」
「難しいと思うよ?この眼鏡は球を頭上に掲げて使ったけど、それはブラフの為にやっているだけで、本当はそんな事しなくても使えるのかもしれないし、球の攻撃が連発出来る物だったら、近づく事すらできずにやられて終わりだと思う」
「そうですね…それにこの眼鏡の人のお仲間さん達も強そうですから、不意打ちも無理そうですね」
「…厄介ね」
アップル達が、どう対処すればいいのか悩んでいると、本のページを捲りながらソウルが口を開いた。
「近づくのが困難なら、効果範囲外さらに探知系やらのスキルに引っ掛からない位置からの攻撃で倒すしかないな」
「そんな事出来るの?」
「…できない」
ソウルの言葉に、仲間達はずっこけた。
「出来ないならなんで言ったのよ?」
「いや、できると言えば出来るんだが、全滅する確率が8割の厳しい戦いになってしまうんだ…」
「…8割?それってどういう事?」
「う~んとだな…さっき言った効果範囲外からの攻撃って言うのは、超長距離の狙撃をするってことなんだが、俺のScarlettでは威力不足で多分3~6発くらい当てないと倒せないと思う。だけど、敵はそんな時間待ってくれないし、何処かに隠れるかとか逃げるとか何かしらの行動をするはずだから、皆にはそれらを防ぐ為に前に出てもらう必要があるし、さらに球を使わせない様に動かなきゃいけない」
「…ねぇ?それって8割じゃなくて10割だよね?それに使わせない様に動けって言ったけど、必ず球を使って来るよね?」
「そうだな。だけど当たり所が良かったら使ってこない…と思う」
「いや、思うじゃなくて必ずだよね!?それにこの球って眼鏡だけが使える物じゃないと思うし、仲間の誰かが使って来るよね!?」
「お?そこに気が付くとは…まさか天才か?」
「うるさいよ!そんなガバガバの作戦却下だよ!」
「…うん、だからできないって言った」
「できる作戦を考えてよ!」
「悪いな、ティカル!いま頭は3÷3人分で働かせているから無理だ」
「なんでわざわざスネ〇みたいに言ったの!?出来ないなら探すのに集中して!」
ティカルは、ソウルの考えたガバガバな作戦にツッコミを入れた後、深呼吸して心を落ち着かせると、どうするか仲間達(ソウル以外)と考え始めた。
「ソウルのアビスホール並みの穴が開いた作戦で話が脱線しちゃったけど、実際どうすればいいかな?」
「お待ちください」
ティカルが、仲間達に向かって何か思いついた事がないか聞いた時、スフィアータが止める様にして話しかけてきた。
「先ほどソウル様が仰った作戦の穴を埋める事が出来るかもしれません」
「……ぷぇ?」
スフィアータの言葉を聞いたティカル達は、沈黙しながら頭の上に疑問符を浮かべ、視線を本からスフィアータに向けたソウルが、変な声を出して聞き返した。
「ソウル様の狙撃銃を、超長距離からでも1発で倒せるほどに改造すればいいのです」
「そんな事できるのか?」
「「キングフォージ」を稼働させる事が出来れば可能です」
「キングフォージ?」
「キングフォージとは、カヴァーズシリーズやオプションパーツ等を生産していた工場の名前です」
「ん?そう言った所って全部破壊されたって言ってたよな?」
「はい、確かに戦時中に生産施設などの施設は全て破壊されてしまいましたが、人類側が全滅した後にある程度まで修繕を行いましたで、新たにカヴァーズを生産する事はできませんが、ソウル様の狙撃銃を改造する位なら可能です」
「ある程度までって言うのは、もしかして資源不足だからか?」
「はい」
「え?じゃあ、最初にその資源って言うのを取って来ないといけないのかしら?」
「いえ、資源不足とは言っても、カヴァーズを新たに生産できる程の量は無いと言う意味ですので、銃の1丁だけなら問題ありません」
「なるほど」
「ソウル様、こちらをお持ちください」
スフィアータは、空いた床から新たに黒いチューブを1本出し、その先端にある穴から金色のアイスピックのような物を排出してソウルに渡した。
「これは?」
「ソウル様の狙撃銃を超遠距離仕様にするデータが入った外部記録装置です。それをキングフォージにある「オートボックス」のポートに差し込み、狙撃銃をボックスの中に入れてください。そうすれば自動で改造が行われますので」
「その「オートボックス」ってなんだ?」
「実物をウィンドウに表示します」
ソウルがオートボックスのことを尋ねると、スフィアータは業務用の大きな3Dプリンターに似ている機械をウィンドウに表示した。
「プレハブ小屋みたいに大きい機械ですね。きっと高いんだろうなぁ…」
「そうでもないわよ?私の家にもこれくらいの3Dプリンターがあるけど、たったの7000万だし」
「…たったの7000…?え?…え?」
「…あれ?7000万って、たったをつけていい金額だったけ?」
「マスター?これがブルジョアという事でしょうか?」
「え~…あ~…えっと~…わかんない…」
アップルの金銭感覚に、ソウル達は混乱した。
「あら?何かおかしい事言ったかしら?」
「あー…うーんっと~多分?大丈夫だと思う。…えっと、と…とりあえず話を戻そう」
ソウルは、未だ混乱している頭を無理やり切り替えて話を戻した。
「俺が言った作戦をやるかどうか、みんなの決を採りたい。ティカルが指摘したように穴がある作戦だし、狙撃銃を改造して1発で倒せる様になったとしても全滅する確率は5割だと思う。それに、俺が狙撃を失敗する確率も高いし、ほとんど博打みたいな作戦だが…それでもやるか?」
「別の案は思いつかないし、私はやるわ」
「伸るか反るか、か~…いいね!上等だよ!やってみよう!」
「そうですね、もしソウルさんが失敗しても何とかやってみましょう!」
「リリアナとクリスはどうだ?」
「凄く怖いですけど…やってみたいです」
「今のあたしに何が出来るか分からないけど…やってみたい!」
「満場一致ですね、マスター」
「…分かった」
ソウルは、マギアの言葉に頷いた後、スフィアータに視線を向けた。
「スフィアータ、キングフォージまでのルートと詳細な情報を頼む。それと敵が居場所も探してくれ」
「畏まりました」
ソウルに指示されたスフィアータは、ウィンドウに様々な情報を表示した。
スフィアータが、ソウルに外部記録装置を渡した時の黒いチューブの動きは、触手物のエ〇ゲーで色々なゲージが最大まで溜まった時に、アレにアレを注入するような動きです。
…え?生々しいって?好きだろ?そういうの?
2025/6/18 オッフ!敵の人数を間違えていたため4人から5人に修正!
モチベ維持に評価お願いします!
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