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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
Roaring of The War
301/329

北東の戦い 3

お楽しみいただけたら幸いです。


次回更新は、5月1日 0時です…が予定がある為、5月8日になる可能性があります。


「来い!RGAV!」


 頭上に掲げた指からパチンッ!と軽快な音を鳴らすと、足下に魔法陣が現れ、ソウルの体にパワードスーツが装着されて行った。


「タイマー開始、各部動作確認…オールグリーン」


 パワードスーツが全て装着されると、ソウルは軽く動いて動作に問題が無い事を確認し、背中に収められていたファントムを両手に装備して構えた。


「Shall We Dance?」


 ソウルの言葉に反応したファントムが、内部で何かが外れた音を出すと、固く固定されていた引き金を引ける様になり、モモみーに銃口を向けて引き金を引いた。


「っく!多すぎる!」


 ヘビィカノンの弾を斬り落としたモモみーは、重機関銃の様に放たれる無数の弾を次々と斬り落として行ったが、あまりの弾の多さに後ろに下がって行った。


「目の前の弾ばかりに気を取られてもいいのかい?」


「ま!まさか!?やめ!?」


 ソウルはモモみーの言葉を無視して、肩甲骨(けんこうこつ)の位置にある多関節アームを動かし、アームの先に接続されているヘビィカノンを腰の位置に移動させ、銃口をリジェクテッドワンとカーリナに向けると轟音が鳴り響いた。


「【クイックブリンク】」


 狙われた2人を助ける為、モモみーはスキルを使って2人の前に高速移動した後、目の前に迫って来る巨大な弾にレイピアを勢いよく振り下ろした。


「追加だ!」


「っく!」


 巨大な弾を真っ二つに斬ろうとしているモモみーに、ソウルはファントムの引き金を聞くと、銃口から無数の弾が発射され、スキルの範囲に入った弾頭は遅い動きにされながらも、モモみーの体に当たりダメージを負わせた。


「モモみー!俺達の事はほっといていい!」


「そうよ!完全に足手纏いになってる私達は見捨てて!」


「出来ません!」


「な!?」


「それをしたら…私はもう誰も守れなくなっちゃいます!だから見捨てるなんてできません!絶対に2人の事を守ってみせます!だから2人も私を信じてください!」


「「モモみー…」」


 モモみーの言葉に2人は感動していると、3人の会話を聞いていたソウルが首を傾げ、質問を投げかけた。


「…そんな他人を思いやる気持ちがあるのに何故盗掘団に入ったのですか?あれですか?この世界は所詮ゲームで、この世界の住人はただのデータの塊だから、気持ちなんて掛ける必要はないと、意味が無いから無駄だと考えているのですか?」


「ざけんな!俺達は「アウトサイダー」じゃない!この世界には命や意思もあると思ってる!」


「なら何故です?」


「うちのリダと盗掘団のリーダーとリア友だからよ…」


「頼まれたから、という訳ですか?」


「…そうよ」


「あなた達は止めなかったんですか?」


「止めたわよ!でも…リダがどうしてもって私達に頭を下げてきたから…それで仕方なく…」


「ならそのリーダーは最低最悪のクソ野郎ですね。それに、頭を下げられただけで簡単に折れるあなた達も最悪だ」


「う…」


「レッドネームになってくれと頼んでくるクソリーダーに、そのリーダーに仕方ないなと簡単に折れる仲間…なるほど…一切同情する必要はない事が分かった」


 話を聞いたソウルは、余りの愚かさに呆れながら溜息を吐いた。


「まともに戦う気も失せた。手早く始末させてもらう」


 ソウルは、敬語を使う相手ではないと判断してぶっきら棒に言うと、ソウルと2人が会話している間にヘビィカノンの弾を斬り落としたモモみーが、ソウルを睨みながらレイピアを構え直した。


「させません!」


「あんたもあんただ。何故こんなバカなPTに入ったんだ?騙されたのか?それとも進んでレッドネームになろうとする愚か者か?」


「…正式に依頼されたからです」


「…依頼?依頼だと?あんだは何処かに属しているのか?」


「私は傭兵ギルド所属していてゼシルドさんの護衛依頼でPTに入りました」


「傭兵ギルド…そんなギルドもあるのか…で?そのギルドは犯罪行為の依頼も請け負っているのか?」


「傭兵ギルドはオカーネン次第でどんな依頼でも依頼書を発行しますが、受けるかどうかは私達の判断に任されています。そして、私は私の意思で依頼を引き受けました」


「…何故だ?何故、こんなバカな依頼を受けたんだ?その結果どうなるか想像できなかったのか?」


「…さっきも言いましたが、私がやると決めたからです。その結果がどうなっても私自身が決めた事ですので、後ろ指刺されても構いません」


「…分かった…もういい」


 モモみーの言葉を聞いて、ソウルは再び溜息を吐いた後、底冷えする様な声で言葉を続けた。


「自分で決めた?自分の意思?…ざけたこと言ってんじゃねぞ?結局は考える事を放棄して、現状に流されただけじゃねぇか!」


「違います!」


「違わないわボケが!」


 ソウルは、左右にあるヘビィカノンとファントムの銃口をモモみーに向けて、引き金を引き続けた。


「お前のその考えは、罪の意識を欠落させたテロリストの考えそのものだ!そういう奴は、罪を背負うと言う事の重さや意味も理解せず、間違った解釈で取り返しのつかない事をやらかし、無関係な人を巻き込みながら自滅する畜生だ!」


「うわぁぁぁ!」


「きゃぁぁぁぁ!」


「カーリナさん!リジェクテッドワンさん!」


 ソウルの全弾発射(フルバースト)攻撃に、モモみーは2人を守ろうと必死にレイピアを振ったが、放たれた弾の数があまりにも多い為、全て斬り落とす事が出来ず、スキル効果範囲外に出た無数の弾が2人の体に当たると、カーリナとリジェクテッドワンは悲鳴を上げながら、体から淡い光を出して消えて行った。


「おい!どうした!?2人の事を守ると言っておきながらなんだその体たらくは!?」


「…るさい…うるさい!うるさい!!あんた何なのよ!?突然現れた奴に私の事をとやかく言われる筋合いはないわ!」


 モモみーが、口調を崩して怒りをぶつけるように言うと、ソウルは射撃するのを止めて冷徹に答えた。


「確かにそうだな。…だが、それでも俺はお前がそのあり方を続けるのなら、否定や非難の言葉を投げかける」


「あんたの意見なんてどうでもいいわ!」


「ならせめてその時が来たら、誰かを巻き込むような事はせずに1人で静かに自滅して行ってくれ…」


「自滅なんてしないわよ!」


「そうだといいな」


 ソウルがそう短く答えた後、ソウルは仕切り直す様に武器を構え直し、モモみーも武器を構え直した。そして、互いに武器を向け合ったまま沈黙と時が流れていき、合図するかのようにビルから小さな瓦礫が地面に落ちて音が鳴ると、その瞬間2人は同時に動きだした。


「【ラストピアッサー】」


 接近したモモみーは、ソウルを仕留めようとスキルを使うと、レイピアの刀身に赤と黒の光が螺旋状に纏っていき、ソウルの胸に大きな風穴を開けようした。そしてソウルは、体を右半身にして右のヘビィカノンから弾を発射した。


「そんな攻撃通じないわ!」


 モモみーが、ヘビィカノンの銃口を向けられた時、姿勢を低くしてヘビィカノンの射線から外れ、勝利を確信してレイピアを突き出した。だが、ソウルはヘビィカノンを撃った後、そのまま体を回転させて尾を振るい、尾の先に付けられたβブレードでモモみーの体に袈裟斬りを入れた。


「な!?」


 勝利を確信していたモモみーは、斬られた事に驚いた声を出したが、ソウルはその声に反応せずに攻撃を続け、義手の隙間からブルーローズを大量に出してパイルバンカーの形にした後、回転の勢いを乗せてパイルバンカーの火薬を激発させると、パイルバンカーから勢いよく飛び出た杭がモモみーの体を貫いて串刺しにした。


「最後に警告しておいてやる。お前のその在り方は止めて置け…」


 串刺しにしたモモみーに向かって、ソウルが冷静に言うと、モモみーは余計なお世話と言いたそうな顔をしながら、体から淡い光を出して消えて行った。


「はぁ~…勝てた…」


 ソウルはモモみーが消えた後、他に敵が潜んでないか周囲を見回して敵が居ない事を確認した後、RGAVを解除して疲弊した声を口から漏らした。


「やっぱ1人はしんどいわ…もう2度とやりたくない…だけど、そういう訳にもいかないんだよなぁ…はぁ~やだやだ…」


 愚痴を言った後、ソウルは息を整えて、リジェクテッドワンがいた所に視線を向けた。


「にしても情弱で助かった…もしあの2人が参戦してたら絶対死んでたな」


 幸運が味方してくれたことに感謝し、ソウルはリジェクテッドワンがいた所に向かったあと、そこに埋められている物を手で掘り出した。


「ほとんどの地雷は踏んだらすぐに起爆する仕組みだ。映画の様に踏んだままでどうにかできる代物じゃない…まぁ、俺が埋めたのは地雷じゃないんだけどな」


 ソウルは、掘り出した物に付いた土を払ったあと、目上の位置に掲げて見つめた。手に持つそれは、ただの金属製のスイッチで、ボールペンのノック機構の様に、ただカチカチとする事しかできない代物だった。


「これを地雷と勘違いしてくれたおかげで~あ…駄目だな。疲れて独り言が多くなってる」


 ソウルが、ハッと気づいて頭を振っていると、スフィアータから通信が入ってきた。


「ソウル様、今お時間よろしいでしょうか?報告したい事があります」


「どうした?」


「西の地点に向かった軍用カヴァーズ部隊が全滅したのを確認しました」


「…何!?」


 スフィアータの報告を聞いて、ソウルは目を大きくさせながら驚いた。

Q、ファントムの安全装置解除に音声認識とか設定あったか?

A、今回から入れました!そしてこの設定をしたのは、ソウルがG・アークをリビルドした時に設定していました。


ファントムは普段、背骨付近で縦に収められています。そしてその外側にある左右の肩甲骨には多関節アームがあり、そのアームの先にヘビィカノンが接続されています。

また多関節アームは、更に左右に2本づつ追加でき、合計6種の武器を自在に使う事が出来ます。


アウトサイダーとは?

アウトサイダーとは【Wonderful Planet】に住む住民や対話可能な生き物を、ただのデータの塊として見ている人たちに対しての蔑称です。それ故にこういった人たちは、この世界の住民に対して最低最悪な行為を平然と行いますし「ゲームだからいいじゃん」という意識なので、自分を律する事も無く他のプレイヤーにも迷惑を掛けます。


ソウルがモモみーに怒った理由が分からない?

それは、モモみーが「自分が決めた事だから犯罪行為でも罪を背負います」と言い、その言葉の意味や重さも真に理解していないと分かったからさ。

それはロールじゃないかって?

そうだったとしても、ソウルはそういった人間が大嫌いなので、どっちにしても怒るさ。

それに、ソウルも罪を背負う覚悟を持っていますが、ソウルはその意味と重さを少年時代に嫌というほど分からされた(強制的に)過去があります。それについての話は、まだ先の話なので語ることはできませんが、今は「実際に経験をしたから、その意味や重さも理解している」という事だけ知っていてください。



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誤字脱字報告 アザマス!

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― 新着の感想 ―
ももみー再登場してきそう んで盛大に転んでソウルの言葉の意味を知り精神崩壊して欲しい
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