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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
真理者の腕
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彼の理由

お待たせしました! 完成したので投稿です!


それではお楽しみください!

「だめだマギア、当たらん」


 街から少し離れた所に、ちょうどよく開けた場所を見つけた二人は、岩に目印をつけ、左手で銃を発砲していた。


「15mで当たりませんか」


「もっと近寄るしかないか…」


 マギアが距離を測り、指示した地点で射撃を開始した。


「12mです」


「む~…この距離でようやく当たるようになったか…」


「10発中6発が的に当たり、3発が有効範囲内ですね」


「それと、リロードが問題だな…片手での装填は時間がかかってしまう」


 ソウルは、内股に銃を挟んで回転弾倉にスピードローダーを使い、弾を装填した後、ATのマガジンを交換した。


 さて、どうするか…と二人は悩み始め、提案や否定、提案に対する問題を話し合った。


「う~んせめてリロード不要になればなぁ…」


「リロード不要…」


 ソウルのつぶやきに、マギアが思考しウィンドウを操作し始めた。


「いっその事、曲芸リロードするか…おっぱいリロードとかローダーを上に投げて再装填とか…」


「俺の場合は、雄っぱいリロードか!」と自分でノリツッコミして地面に背を預け空を見開けた。


「はぁ~…どうするべきか…」


「マスター?聞いてもよろしいでしょうか?」


「ん?何を?」


 マギアは、ウィンドウを操作しながら球体をソウルに向けた。


「なぜ、そこまでやれるのです?なぜ、全部捨ててやり直そうと思わないですか?」


「おおう!なんだ急だな?!どうした?」


「いえ、少し気になったので」


「そう…ん~そうだなぁ…俺は「選択した」からかな~」


「選択したですか?」


「そう、選択‥‥俺が小学生低学年の時に、父さんの仕事の都合でばあちゃんの所に預けられる事になってなぁ…そのばあちゃんがいろいろ見せてくれたんだよ」


「何を見たのです?私はすごく気になります」


「ん~…ばあちゃんは昔、いろんな事やって世界中を魅了した人だったんだよ…だから知り合いも多くて、よく相談されてた…それこそ、恋愛相談から政治家の悩みまで聞いてたよ…そういえば、あの時怖い顔した人は、寒い所の首相だったな…」


「それで?」


「ある時、夫が浮気したって言ってばあちゃんを頼ってきた時があってな…ばあちゃんも親身になってその人と話し合ったよ、でもなんだか、会うたんびに(やつ)れていってな…幼い俺はこう思たんだ、「なぜこの人はこんなに苦しんでいるのか?なぜ、この人を苦しめる様な事をやった男は何を考えてたのか」ってな」


「その答えは解ったのですか?」


「いや、解らなかったよ、その人最後に自殺しちゃってな…ばあちゃんすごく悔しい顔して、もっと何かできたはずだって言ってたよ。その後、その人の葬式に出たんだけど、葬式にその人の旦那さんが現れてな…遺族が大激怒して、葬式が殺人現場になる所だったよ…あの時見たばあちゃんの顔は…恐怖を超えた何かだったな‥‥」


 ソウルが身震いをした。


「その旦那さんはどうなったのです?」


  「とりあえず葬式に出ることは許可されたんだよ…でもな…その時俺見ちまったんだ、喫煙所でたばこ吸いながらその旦那さんが笑ってる所を…あれは今思えば、ただの愛想笑いだったのかは分からないけど、その顔を見た時、ひどく醜い顔で笑ってるような顔に見えてな、思わず聞いちまったんだ「なぜ、浮気したの?」って…」


「その旦那さんは答えを言ったので?」


「すごく言いずらそうに、魔が差したって言ってたよ…でも俺は「魔が差したんじゃなくて、浮気することを自ら選んだんじゃないの?」って言ったら、キレて蹴られそうになった。…「メスガキがうるせぇんだよ!」って言われてな~」


「え?メスガキ?マスターの幼年期は女の子だった?」


「いや、ばあちゃんにおもちゃにされてただけだよ、よく女の子の服着せられていろんな所連れていかれた」


「なるほど…それからどうなったのです?」


 マギアが、期待した声色になってソウルに聞いた。


「それで、ばあちゃんがすっ飛んできて、その旦那さんをボコボコにして病院送りにしたんだよ、その後、なぜこんな事になった事を聞かれて、素直に答えたんだ。そしたらばあちゃんが、「総一郎、貴方は美人だから多くの人からいろんな目で見られるよ、自分の行動一つで賞賛されたり、心無いこと言われたりもする…それも異常と言われる位ね…そのせいで心が歪んで、あの男みたいな人の心を何とも思わない人間になるか、心に一本の芯を宿した優しい人間になるかは自分で選びなさい、他人のせいにしても、結局はそうなる事を選択したのは自分なのだから」って言われてなぁ…その時はあまり理解できなかったけど、今は少し理解できたよ…」


「少しですか?」


「ああ、少しだけ、「俺は選択してこの世界に来た、友人たちに助けを借りてここまでやってきた、今更捨てるなんて選択はしたくない」って俺の心が言っているから、やり直すとかそういうのはないな」


「そうでしたか…」


「それに、やり直したらマギアも消えちゃうだろ?せっかくすごい相棒がいるのに、それを手放すってあり得ないな」


「‥‥」


「ん?どうした?」


「あ、いえ何でもありません、御婆様との言葉があって今のマスターがいるのですね!」


「それだけ、ってじゃあ無いけどね、それは別の機会だな…今はこっちの事をどうにかしないと…」


「…完了!っとマスター!このルーンをマガジンと回転弾倉に刻印してください!」


「これは…」


 マギアが、ウィンドウをソウルに見せると、ソウルは顎に手を当てた。


「これが…こうなって…こうなるから・・・!すごいな、アイテム欄と弾倉をつなげたのか!」


「はい!アイテム欄に弾丸がある限り、交換する必要が無くなりました、これでいくらかましになるはずです!」


「さすマギ!俺には思いつかない事をやってくれる!そこに痺れる!憧れちゃうな~」


「黄金の鉄の塊で出来てるマギアは誰にも遅れは取れません!‥‥冗談はさておき、刻印お願いします」


「ハンマー持てないからマギアが叩いてくれ、俺は魔力流しながら金属棒持ってるから」


「わかりました」


 回転弾倉とマガジンへ慎重にルーンを刻印した後、組み立てた。


「じゃあ、撃ってみるか」


 ソウルは立ち上がり、アイテム欄を開きながら岩に銃口を向け発砲した。


「おお!ちゃんと減ってる!問題ないな!‥‥これ特殊弾はどうすればいいんだ?」


「‥‥特殊弾用にもう一つ作る必要がありますね…」


 マギアは、残っていたミスリルインゴットを加工し、共同作業でルーン魔法を刻印した。


「リボルバーの方もシリンダーが取り外しができるように改造する必要がありますね!」


「できるか?」


「お任せください!」


 マギアが両手から伸びた工具類を駆使し、エジェクターロッドを二回深く押すことでエジェクターロッドごと外れる改造を施した。


「これでいいはずです!」


「お、ありがとう 後は…訓練すればいいか、いい敵いないかな?」


「マスター!それも私にお任せください!」


 マギアがウィンドウを操作すると、二人は光の壁に囲まれた。


「この展開したフィールド内では、何の消費もなしに戦闘訓練が行えます!また、これまでマスターが倒した敵も出すことができます!ただし、訓練なのでスキル経験値やSP獲得、アイテムドロップなどありません!ただ、プレイヤースキルを上げる為だけにお使いください!」


「了解した!じゃあさっそく頼む!最初はゴブリン3体から始めようか」


「了解しました!討伐目標時間を設定しますか?」


「ああ、頼む!」


「了解しました!それではスタートです!」


 その日は、就寝するまで訓練を続けた。




「マスター!おはようございます!朝ですよ~!」


「ぬ~‥‥マギア、おはよう…」


 寝ぼけ眼の総一郎がベッドから出ると、一階に降りていった。


「ああ、そういえば今日から旅行だったな…」


 いつもなら誰かが一階にいて、テレビの音や何かをしている作業音が聞こえていたが、今日は静まり返り、寂しさを感じた。


「とりあえず、飯にするか…」


 冷凍庫に入っていたチャーハンを取り出し、電子レンジで温めた後、食事を始めた。


「マスター?ちゃんと野菜も取らないと!」


「切るのめんどくさい…」


「偏った食事は、病気になりますよ?」


「明日から頑張る」


「それって明日も頑張らないフラグではないですか!」


「そんなことはないよ!…多分」


「マスター…」


 マギアが呆れて、肩をすくめたジェスチャーをした。


「ごちそうさまでした…さて、今日も訓練だ!」


「今日はどうしますか?」


「カブテリアンから始める、なにかもうちょっとで新しい回避思いつきそうなんだよな…」


「では、準備をして待っていますね」


「ういうい」


 総一郎は、食器を片付けた後自分の部屋に戻り、機器を頭につけた。


「あの感覚…今日こそ掴めるかな…」


 機器の電源を入れ異世界にログインしていった。




「マスター、早速始めますか?」


「ああ、頼む」


「了解しました、カウントダウンはいります」


 光の壁に囲まれた場所の中心で、5秒前から始まり、カブテリアンが三体下半身から現れていった。


「3……2……1…スタート!」


「フッ!」


 ソウルは走り出し、銃をカブテリアン達に向けて乱射した。


「ガチガチガチ…」


「ブブブ…」


「シャァァ」


 銃の攻撃に反応したカブテリアン達が、鉤爪、尻尾からの針、毒液攻撃をそれぞれ別の攻撃でソウルを襲い、ソウルは鉤爪を回避した後、横に体を回転させるように毒液を回避し、銃で飛んでくる針を撃ち落とした。


「〈まだ…まだあの感覚が来ていない…)」


 昨日の訓練中、自分の魔力が自分の意志とは関係なく動き出した後、暴れ狂い身体能力が上がり常時チャージショットを撃てるようになった事があったが、ほんの数秒で感覚が消えてしまっていた。


「(何故だ…ピクリともしない…)」


 三体の猛攻撃を回避できず、吹き飛ばされ地面を転がったが、すぐ立ち上がり横に移動しながら銃を発砲し続けた。


「(俺は…あの時…どうしていた?)」


 ソウルは必死に昨日の事を思い出し続け、一つのヒントにたどり着いた。


「(そういえば俺はあの時、左から来る鉤爪攻撃が回避できなくて、やばいと思った、この鉤爪が当たったら痛そうだなと考えた、もし本物だったら俺は死んでいた…死にたくないと考えた…そんな思いが一瞬で頭の中グルグル駆けまわって…あれが出てきた…)」


 カブテリアン三体からの針攻撃を無数に受けてしまい、その場に動きを止めてしまったソウルはマギアに一旦止める様に言った。


「どうしました?マスター?」


「ちょっと試したいことが出来たんだ」


 ソウルは、ウィンドウを操作しオプションの設定から、痛覚遮断をOFFにしようとすると同意書が現れた。


「!? マスター!それはいくら何でも無茶です! いくら設定で抑えられてると言っても痛い事には変わりないんですよ!推奨しかねます!現実にも影響する可能性があるのですよ!やめてください!」


「いや、これでいいんだ…多分…」


「そんな…多分って…」


 ソウルは、同意書に書かれている事に同意するチェックを入れ次へのボタンを押すと、痛覚制御の設定バーを最大の3分の1に設定し、ウィンドウを閉じた。


「…危険と判断したらこっちで止めますからね…」


「解った、頼む」


 マギアがウィンドウにある再開のボタンを押すと、カブテリアン達が動き出した。


「(ああ、これだ!…最初にこの感覚があったんだ!)」


 痛覚遮断を切った事で、ヒリヒリする感覚を全身で感じ取れ、迫ってくる恐怖に立ち向かう為より深く集中し猛攻撃を回避していった。


「くッ!」


 連続で攻撃がくる中、カブテリアンの鉤爪が頬を掠り、頬から痛みが来ると脳があの攻撃は痛い物だと再認識した。


「ゴハっ!」


 痛みで委縮してしまった為、尻尾に薙ぎ払われ胴体に当たり地面を転がされると、心が恐怖に支配されていった。


「うあ!」


 それでも急いで起き上がり、毒液と針が襲ってくるのを前転して避けようとしたが、回避行動中の背中に当たり、激痛が体の中を走り心が悲鳴をあげた…そしてソウルは全身が黒く不快なものに包まれていく感覚に陥り‥‥‥‥‥‥「死にたくない」と心の内で叫んだ。


「ああ、これだ…きた…きたぁぁぁぁ!」


 ソウルの心から【生への渇望】があふれ出し、体内の魔力が大きく暴れ出した。


「はははは!これだぁぁ!あははははは!」


 狂ったようにソウルは笑い出し、カブテリアン達の攻撃を難なく回避した後、チャージショットを連射し1体を屠った。


「はははははは!!」


 謎の高揚感に支配されているソウルは跳躍し、カブテリアンの頭の上に、乗りチャージショットを連射し屠った後、最後に残ったカブテリアンの足の関節を、蹴りでへし折り巨体を地面に倒すと、銃口を頭に密着させた形で引き金を引いた。


「マスター!大丈夫ですか!?」


 マギアが慌てて訓練フィールドを解き、カブテリアンを倒した後、地面に倒れたソウルに近づいていった。


「ああ、なぜか動けないが無事だ」


「ええ?!動けない?!急いでスキャンしますね!」


 マギアが手から光を出しソウルの体をスキャンすると、ある事が解った。


「マスター!どうやらスキルの効果で動けなくなっているようです!」


「え?スキル?」


 マギアがウィンドウをソウルに見せると、新しいスキルが追加されていた。


 【シークレットスキル:【ハイタイム】 痛覚遮断OFF時使用可能  このスキルを使用すると6分間ステータスが強化され、装備している武具の性能も飛躍的に上がるが、6分を過ぎたり解除すると4分間、行動不能バフが付き動けなくなる。】


「本当だ…でも訓練ではスキル獲得しないのでは?」


「そのはずなのですが、私より上位のAIから与えられたスキルなようなので獲得したみたいです」


「そんなこともあるんだなぁ…」


 それから3分後、動けるようになりソウルはチャット欄を確認してみると称号も獲得していた。


【アナウンス:特定のスキルを獲得した為、以下の称号を獲得しました。】


 【アナウンス:称号【痛みを知る者】を獲得しました。 HMP+20  初めて痛覚遮断をOFFにして強力な攻撃を喰らった者に贈られる称号 】


 【アナウンス:称号【恐怖を乗り越えし者】を獲得しました。 MP+30% 迫りくる恐怖に耐え、立ち上がった者に贈られる称号 】


 【アナウンス:称号【Welcome to the next stage】を獲得しました。ALL+20% 特定のスキルを獲得した者に贈られる称号 】


 ソウルは、チャット欄に出ていた称号を称号欄で確認した後、ウィンドウを閉じた。


「マギア、俺の命中率はあがったか?」


「ええ、上昇していますよ」


「う~んじゃあ、そろそろ薬品作って冒険に戻ろうと思うのだけど、大丈夫かな?」


 マギアの球体に、ドットで表現された砂時計が現れ思考すると、サムズアップした。


「弾丸と薬品類を多めに作りましょう!」


「そうだな、じゃあさっそく採取と競売を駆使して作っていこう」


「はい、マスター」


 そして二人は採取へ向かった。


ばあちゃん強い!(物理)


総一郎が女装しても少しも恥ずかしがらない理由は、男の娘好きだったおばあちゃんのせい。


もうちょっとソウルをボコボコにして描写を長くしようかと考えましたが、長くなったらダレてしまったので短くなりました。いつか修正したいと思います。


【ハイタイム】はオンリーワンスキルじゃなく、誰でも取れるスキルです、FF11で例えるなら2hアビリティ


モチベ維持に評価お願いします!


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