ちくせう…でもやってやるぜ!
寒すぎてこたつから手が出せない→ キーボードが打てない → うっかり寝てしまう → 目覚め →最初に戻る をやってしまった…
「先についてしまった…少し待つか…」
ソウルがベンチに座り、街行く人をぼんやり見ているといろんなことに気が付いてくる。
「忙しそうにしてたり会話して笑ってたりしてみんなここで生きてるんだなぁ…」
ほのぼのしながらいると、辺りをきょろきょろして何かを探している女性がいた。だがその女性は獣人と言われる種族で、頭に牛の角を生やし腰に片手斧、背中に両手斧を背負ったミノタウルスと言われる種族だった。
「乳めっちゃでか!こだわってんなぁ…」
「ん?あ!見つけた!」
ミノタウルスの女性はソウルを見つけると近寄り片手を上げて挨拶した。
「ちぃす おまたせ!ってか顔リアルと変わらないんだなぁw口元にほくろ着けて髪の色買えたくらいか?え?何?リアル以上に美人になってどうするの?」
「うるせぇよ!お前こそなんだそれは!乳でかすぎねぇか?」
「日本人特有のこだわりを持ってキャラメイクしました! 形、大きさ、揺れの動き、柔らかさ…自分が求めている物を獲られて某は満足で候まる」
「巨乳好きってLVじゃねーなー まぁ、ロマンは俺も理解できるし好きですが」
「おう!たっぷり夢と希望が入ってるぜ!じゃあさっそくフレンドカード交換しようぜ!」
ミノタウルスの女性が半透明のウィンドウを操作するとゲーム内メールに着信が来た。
【 ユメミルク からフレンド申請がありました。許可しますか?】
「はいっと、俺も送っとくか」
「おう許可っと、・・・て!銃士!マジか!」
「せっかくだから俺はこの茨に道を進むぜ!」
「茨っていうか修羅…いや羅刹道かもしれない…」
「え?そこまで!?」
ユメミルクの言葉にソウルは驚くがユメミルクは頷いた。
「まず既存のスキルが全く使えない、使えないから戦闘に苦労する、銃を強化しようにも素材を取るのが大変すぎる、金策しようにも戦闘は必須になってくるから護衛が必要でお金かかって赤字 リロードに時間かかりすぎて囲まれてボコボコにされる 次に当たらない etc…」
「ぐぬぬ…いいもん!それでも俺は銃使うもん!」
「相変わらず困難な道を行くんだなぁー前のゲームでもかっこいいだけって理由で不遇職選んでたし…え?ドMなの?」
「ドMいうな!どっちかというとSでいたい…ゲームってさ強い弱いにかかわらず直感で選んでもいいんだと思うんだ…それが自分のやってみたいって言うことだし…」
「不遇職選びすぎてそこまでの境地に至ったか…これが悟り」
ユメミルクが何かを悟った眼でソウルを見るとソウルは少し赤くなった。
「ええい、うるさいうるさい!一緒に何かするんだろう!何するんだ?!」
「おおう!照れ隠しの逆切れか! どんだけ属性持ってるんだよ!? 一本満足か!?」
「むき―!!」
「はっはっは!すまんすまん!してソウルは何かクエスト受けているかい?」
ユメミルクは笑うと小刻みに揺れる乳が揺れた。
「ぬぅ…ギルドマスターの娘さんからブローチの落とし物探しを依頼された!」
「え?マジで?! すげぇな! 大当たり引いたじゃん!」
「ん? 大当たり?」
ソウルは首を傾げるとユメミルクは説明した。
「このゲームを初期時代から初めている俺が、第三陣のソウルにいろいろレクチャーしてやろう!このゲームは一人一人受注できるクエストの内容が違うんだ、例えば最初のクエストで冒険者ギルドに向かう道中脇道にそれるとシークレットイベントが発生する、迷子だったり悪漢に襲われていたり、老婆から金銭を要求されるなどプレイヤーが出会うNPCが一人一人違う、NPCが違えば報酬も違う、そしてこの世界の街には必ずって言っていいほど冒険者ギルドが存在する…そしてソウルが出会ったのはギルドマスターがめちゃくちゃ大事にしている娘…いやぁーその恩恵は言葉で言い合わらせない位でかい!」
「まじか!よくある初心者クエストだと思ってたよ…」
「開発者が従来のRPGの常識をもってプレイすると痛い目に合うっていう意志らしい」
「はた迷惑な開発者だな…」
「うん、だから病気になった街の住人に薬の素材を取りに森の奥深くまでいかなくちゃいけないってクエストあってようやく苦労して手に入れたがすぐ隣り町で安く売っていたなんてこともある」
「…それは実体験か?」
ソウルの言葉にユメミルクは一瞬だけ顔をしかめた。
「…次にLVに関して話してやろう!」
(あからさまに話題変えたな…触れられたくない何かがあるのだろうか…)
「この世界では敵を倒してLVアップして強くなっていくゲームではない!敵を倒しSPポイントを得て上げたいものに消費する!そんなシステムだ!一応LV標記はあるがシステム判断で上がったり下がったりする、 試しに装備欄開いてこの片手斧をもってみ?」
ソウルは言われた通りに片手斧を持ってみると右上に表示されてるLVが一気に跳ね上がった。
「おお!LVが1から87に!」
「LVは持ってる武器の強さ、防具の強さ、スキルやパラメータの強化値なんかで決まる、ソウルはフィールド出て戦闘してないからLV1のままだ、外で戦闘すればシステムが動き出してLV判定されるんだ」
「なるほどなぁ」
「おーい!ユメミルクー」
「ん?おお!きたか!」
二人に向かって手を振りながら近寄ってくる幼女が来た。
「うは! マジかよ! リアルそっくりじゃん!口元にほくろと髪色が違うだけってどんだけ? さらなる美人目指してるの?美人王にお前はなっちゃうの?」
「うるさいよ!もうそのくだりやったから!ってかお前右近寺だろう!」
「ちょっとーリアルの名前言わないでよぉーこれでもホワイトローズっていう名前で騙した男達から貢いでもらってる姫プレイヤーなんだぞ(ハート」
(中身が筋肉大好きマッチョマンのロリとショタが大好物の変態と知ったらその男達の精神はきっと崩壊するなぁ)
ソウルが険しい顔で考えているとホワイトローズはくねくねしながらウィンクした。
「おう!俺にウィンクしても中身知ってるからその行為は助走着けてグーで行く自信があるぞ!」
ソウルが拳を振り上げ威嚇するとホワイトローズは少しいじけた。
「ちょっとしたお茶目じゃないか…許して冷やし汁…」
「いいだろう!許してやる!だが次は無言でヤル!」
「はっはっはっは! 爆笑ですわ! はぁー…さてクエスト行くか― 確かブローチ探せばいいんだっけ?」
ユメミルクが二人のやり取りに大爆笑しひとしきり笑った後クエストの内容を確認した。
「ん?ブローチ?…ブローチね…そういえば西の森にある死体が持ってた奴結構高値で売れた記憶があるなぁ」
ホワイトローズが何か思い出したようなそぶりをするとユメミルクが反応した。
「あーそういえばあったなぁ…詳しい場所は忘れたけど行ってみるかぁ…」
「あ!その前にフレンド登録よろしくー」
「あいよー」
ホワイトローズとカードを交換し三人で西の森へ向かった。道中銃士のくだりをやりながらだが。
「到着!じゃあ昔の記憶を頼りに行くか! あ! パーティ組まんとな!」
ユメミルクがウィンドウを操作して二人を招待すると左側に名前とHP、MPが簡易表示された。
「まだ空は明るいのにこの森は薄暗いなぁ…」
ソウルは森の奥に行くにつれて暗くなっていくのが見えた。
「暗き森っていうそのまんまの森だからね、シカタナイネ」
ホワイトローズが自分の片手剣と盾を確認しながら言うとソウルはホワイトローズの剣と盾に白い翼が開くようなギミックがあることに気が付いた。
「おお!動くのか!すごいな!」
「えへ!いいでしょー貢物よ!」
急に女口調になった友人の演技にただただ驚愕する事しかできないソウルで会った。
「ん?どうしたの?」
「いや、何でもない」
友人の演技の事は忘却に投げ入れフリントロックピストルを片手に持ちホワイトローズ、ソウル、ユメミルクの順番で森の中に入っていった。
「あ、そういえば 採集してく?」
暫くして行くとホワイトローズが剣で採取ポイントっぽい草のオブジェクトを指しながら言うとソウルは頷いた。
「とりあえず最初はなんでも採取して売らんとなぁ…銃士は特にお金かかりそうだし…」
ユメミルクがしみじみ言うとソウルは草のオブジェの前で片膝をついた。
「どうすればいいんだ?… 引き抜けばいいのか?」
ソウルは草を雑草を抜くように根元から引き抜くと引き抜いた草が消えアイテム欄の中に入った。
「凝固草x1、液体を固める性質を持った草、品質20、鮮度100か…」
「よし!どんどん採取していくぞ!」
ユメミルクの言葉を皮切りに三人は手あたり次第採取していき結構な量が集まった。
「俺と白いのが取ってきた物もソウルにくれてやるよ」
「え?いいのか?」
「俺たちが持っててもアイテム重量制限の邪魔になるだけだし必要ないしな!」
二人から結構な量のアイテムをもらいソウルのアイテム欄が限界に近かった。
「感謝!感謝!」
「2時方向に敵!」
ホワイトローズが盾を構え声を張り上げると二人が武器を構えた。
「ゴブリン3体ゴブリンライダー1体ゴブリンメイジ1体か!」
「ソウル!メイジ今行ける?」
「任せろ!」
敵ゴブリンたちがまだこちらに気づいていないようなので、ソウルは杖持ちのゴブリンに狙いを定め引き金を引いた。
「相変わらずすげぇ命中力だな…」
「リアルでは狙った娘は外すのにね~」
「俺の古傷をまた開かないでくれ…」
ゴブリンメイジが沈み騒ぎ出したゴブリンたちに近接二人が突っ込んでいった。
「さすが長くやってることはあるなぁ」
二人の当たり前になった行動に感心しながら、リロードを手早く済ませると再びでかいイノシシに乗っているゴブリンライダーの頭を狙い、引き金を引いた。
「これで最後ぉ!」
ユメミルクが両手斧を振りぬくとゴブリンが黒い霧となって消えた。
【アナウンス:敵パーティーを全滅させました!バトルレベル基準が ソウル に設定されています。 SP780獲得 さらに初心者応援キャンペーンの効果で SP30%加算されます。 戦利品設定は 自動分配 です。】
チャット欄の文を確認し終えた三人は森の中を進み、崖の上に立っていた。
「おお… 深いな…」
「確か、この下の商人風の男の死体からブローチが出たはずよ…」
「ちょっと遠回りだけど下に行く道があるからそこから行くか」
三人が崖から目を離し後ろを振り返ると、大きなものが突っ込んできた。
「え!?乙事〇?!」
「よけろぉ!」
「マジかよ!」
ホワイトローズは右に回避しユメミルクは右に回避したが判断が遅れたソウルは巨大イノシシと共に崖下に転落していった。
「くそぉ!」
瞬間的な浮遊感を感じたソウルは、崖下の途中に枯れ木を見つけ必死に手を伸ばした。
「死んでたまるかぁぁぁ!」
必死な思いで枯れ木を掴むと枯れ木が大きくしなりソウルを受け止めた。
「ぉーい!生きてるかぁー?」
「生きてるよぉー!」
「おお!じゃあ俺らも下に行くからちょっと待ってろぉー」
「解ったー」
ユメミルクの声に返答するとソウルは下で倒れている巨大イノシシに目をやった。
「でかいイノシシ連中と闘った唐傘のやつらも高いところから落とされてたなぁ…」
昔の映画を思い出していると枯れ木の方から木が折れる音が聞こえてきた。
「え? あ! ちょ!」
完全に枯れ木が折れてしまい頭から地面に激突した。
「痛みはないけど衝撃は来るんだな…」
「ブモォ…」
「げ!」
巨大イノシシは気絶していたらしく、ソウルの出した音や衝撃で目を覚ました。
「HPが残り1割…落下ダメージが効いているようだな…いける!」
ソウルが早撃ちの如くフリントロックピストルを引き抜き引き金を引いた。
「!? ウソだろ…!?」
だが弾はイノシシの頭に当たるが弾いてしまった。
「く!リロー うわぁ!」
急いで再装填しようとするが巨大イノシシが突進し、ソウルは避けたがイノシシがぶつかった壁は大きなクレーターを作っていた。
「…なるほどね、頭は特に頑丈だと…」
リロードするタイミングを見極めイノシシの突進を回避、再装填をするが何度も失敗に終わってしまった。
「くそ!リロード失敗すると全部最初からになるのがきつい!」
壁際に立ちイノシシの突進を回避して再装填、だがすぐにイノシシが再突進、回避のループが終わらなかった。
「ちくせう…でもやってやるぜ!」
評価お願いします!モチベアップのために お願いします! お願いします!
21/02/26 メグミルクになっていたのをユメミルクに変更
25/04/08 謎のスペース部分を削除。見逃し部分があれば即座に対応