初見殺し
クロノクロスのサウンドトラック聞いてたら爆睡しちゃった・・・
少し短いですがきりのいい所で投稿です。
それではお楽しみください!
もうすぐ日が完全に沈むころ、ソウル達は町の外に出ていた。
「この街でやることはないし先に進もう」
「了解しました、マスター」
マギアが、ジャバワークを展開し、ソウルが乗ると離陸した。
「もうじき暗くなるが大丈夫か?」
「大丈夫です!マギアにお任せください!」
そして完全に日が沈み、暗闇に包まれた世界が現れ、空を見れば無数の星々が輝いていた。
「満天の星空…手を伸ばせば届きそうだな…」
ソウルが上を見ながら、つぶやいた。
「もう少し高く飛びますね!」
ジャバワークが高度を上げると、空が近くなったような気がした。
「夜間飛行も最高だな!」
「それは何よりです」
それから、たわいのない会話をしながら空を飛んでいると、マギアが何かに反応した。
「マスター!何かがこちらを追ってきている反応があります!」
「敵か?」
「はい!ですがこの反応…」
ソウルは後ろを振り返ると、青白く馬鎧を付けた馬に乗った騎士が、空を駆けながら迫って来ていた。
「ユニークモンスター「ファントムナイト」です!」
「ユニークモンスター?」
「はい、ユニークモンスターは強力な個体で、常にどこかを徘徊しており、パーティーではないと倒すのが困難な敵です!また、倒せれば強力な武具やアイテムが獲得できます!」
「パーティー推奨か…行けるか?」
「…難しいかもしれません…」
「…じゃあ逃げられるか?」
「…難しいです…」
「じゅあ、やるっきゃないな!全力攻撃だ!」
「了解しました!マスター!」
格納されたライフルを引き抜き、ジャバワークが旋回すると、ソウルはライフルの引き金を引いた。
「すり抜けるか…」
「マスター!ここに特殊弾を入れてください!」
「ここか!」
シートの前付近に四角い穴が開くと、ソウルはそこに特殊弾をマガジンごと入れた。
「解析中…解析中…完了!これで当たるようになるはずです!」
「当てるぜ!」
ライフルの銃口をファントムナイトに向け、引き金を引いた。
「当たりはしたが防がれたか…」
「敵攻撃来ます!」
「回避行動!」
「了解!」
ファントムナイトから青い炎を纏った頭蓋骨が複数現れ、ソウル達を追尾した。
「ミサイル後方へ発射します!」
回避行動をとりながら、両足についてあるミサイルポットが後ろに向きミサイルを発射すると、追尾している頭蓋骨が数個無くなった。
「ぐぅぅ…」
「大丈夫ですか?!マスター!?」
「かまうな!最高速度で回避!」
「りょ…了解!」
ソウルがハンドルをしっかり握り、体をジャバワークに密着させる様な形になると、ジャバワークの周りから白い雲が現れ音速を超えた速さで、頭蓋骨を回避した。
「今度はこっちの番だ!」
「了解!」
ソウル達が、ファントムナイトに向かいレーザーや、ミサイル、ガトリングガンを連射し、フォントナイトとすれ違った。
「効いてるか?」
「当たりはしましたが…損傷は軽微の様です…」
「何度も攻撃するしかないか…」
ソウルとマギアは、旋回、回避、攻撃を繰り返していくが、ファントムナイトのHPが半分になった所で、ファントムナイトの馬が、前足を高く上げ嘶いた。
「な!消えた!」
ライフルで狙っていたソウルが、急に消えたファントムナイトに驚き視線を前に戻すと、馬の足音が二回聞こえた時、すぐ目の前に白い馬上槍を持った騎士がソウルの目に映った。
「マスター!!」
「くそ…片腕持って行かれた…」
ファントムナイトが、馬上から槍を突き出しソウルを貫こうとしたが、ソウルは体を捻り直撃は回避はしたが、右腕を貫かれてしまい、右腕の欠損部分から白い粒子のエフェクトがでていた。
「出血に…呪いのデバフか…」
「マスター!回復薬を!」
HPが急激に失われていき、ソウルは慌てて回復薬を取り出し体にかけた。
「とまらないな…」
「もっと回復薬が必要です!」
マギアの言うとおりに、回復薬を何度も使い最後の一つになった時、ようやく出血のデバフが消えた。
「出血は止まったけど…残りHPがやばいな…」
「マスター!早く回復を!」
ファントムナイトからの攻撃を回避しながら、マギアに急かされ最後の回復薬を取り出した。
「追尾攻撃来ます!」
「ここでか!」
青い炎の頭蓋骨がジャバワークの後ろに迫り、ソウルは回復薬を落とさないように胸に抱える形になりジャバワークにくっついた。
「馬の嘶き…まじか!」
「マスター!」
高速軌道で身動きが取れないソウルに、目の前に現れた騎士の槍がソウルの体を貫いた。
「チクショウ…」
槍に貫かれたままのソウルが、やけくそで持っていた回復薬をファントムナイトに投げると当たり、回復液がファントムナイトにかかると苦しみ出し、槍を払われ、ソウルは空から落ちていった。
「マスター!!」
マギアが必死にソウルの後を追い、ソウルも手を伸ばすが地面に衝突した時、目の前が真っ暗になった。
「Your Dead…か~死んだ~」
次第に景色がクロイスの街の冒険者ギルド前になると、マギアが飛んできた。
「マスター!すみません!私が!私が!」
「ああ、そんなに自分を責める‥‥な‥‥なんじゃこりゃあ!」
顔に抱き着いてくるマギアを宥めようと、右腕で触ろうとしたが右腕が無かった。
「呪い‥‥の効果か…」
【憎悪の呪縛:属性 呪い 効果 この呪いが掛かった状態で部位欠損をしてしまうと掛けた本人を倒すまで部位欠損状態のままになってしまう】
「マジか…ナーフ状態で縛りプレイですか…」
「マスター…」
「今日はもう寝る!ふて寝する!」
「そうですか…おやすみなさい…」
ソウルは頭を掻き、ため息を吐いた後、ログアウトボタンを押した。
「おはよー総兄ぃ!もうお昼だよぉ!起きて!」
「ううん…んー…」
総一郎は、ムクリと上半身を起こし、ボサボサの頭を掻いた。
「総兄ぃすごい頭だよ?」
「ん?ん~…」
「お母さんが、いい加減起きてご飯食べろって~」
「わかった~」
総一郎は、寝ぼけ眼で一階の洗面所に行き、身支度を整え台所へ行くと母親が昼食の用意をしていた。
「起きたの?総一郎?珍しいわね?寝坊するなんて?」
「ん~まぁちょっとねぇ~」
「何があったか知らないけど、これ食べて元気出しなさい」
きゅうりに包丁で溝を入れた後に、味噌を塗ったものが、総一郎の口に入ってきた。
「パキッ…シャクシャク…旨い…」
「もう少し待ってなさい、そうめん茹であがるから」
「うぇ~い」
きゅうりを食べながらリビングに行き、テレビを見た。
『特番!2時間スペシャル!あの人は今?! 昔…世界中を魅了した女性がいた…すべてにおいて完璧だった…』
テレビに総一郎家族が全員知っている人物が映し出され、総一郎はむせた。
「ばあちゃん…また特番組まれてる…」
「あ、おばあちゃんだ!すごいよね~あ!私たちの昔の写真も一瞬だけど出た!」
「そうめんで来たわよ~」
総一郎と有栖は、母親の声に反応し台所のテーブルへ着いた。
「お母さん!またおばあちゃんがテレビ出てた!」
「あら?我が母ながらすごいわね…今だに20代の姿のままだし…この前、電話したら外国の射撃大会で優勝したって言っていたわね~…さすが、世界を舞台に活躍してた人は何かが違うのね」
「ねり梅入れると、おいしいなぁ…」
テレビで祖母の特番が流れると、毎回同じ会話になるので、総一郎は麺つゆの味を変えながら食事を済ませた。
「あ、総一郎、明日から私たちいないけど、大丈夫よね?」
「熱海の温泉だっけ?」
「そうよ!温泉に入って、母の美しさを超えてやるんだから!…で、大丈夫よね?ご飯もちゃんと用意したからお腹すいたらチンしなさいね」
「わかったよ母さん、楽しんできてね」
「御土産買ってくるよ~私のお金じゃないけど」
「気をつけてね」
総一郎は自分の部屋に戻ると、スマホの電源を付けた。
「マギアがいないな…」
友人の坂田 廉治に呪いと部位欠損の事を聞いてみた。
総一郎 「ちょっといいか?」
廉治 「(同志鯛?)」
総一郎 「昨日、ファントムナイトと闘って呪いと部位欠損してしまったのだが…」
廉治 「(マジか!とんだ災難だな…説明文にも書いてある通り、呪いをかけた奴を倒さないと解呪できない仕様で無理に浄化魔法とか使うと、周りに伝染するっていうおまけ付きだ)」
総一郎 「厄介だな…奴がどこにいるか解るか?」
廉治 「(すまん!わからない、ユニークモンスターは世界中を徘徊して見つけるのが困難だ…とりあえず右近寺と連絡して探してはみるが…)」
総一郎 「ありがとう助かるよ、それまでにどうにかして強くなっておくよ」
廉治 「(吉報を待て)」
総一郎は、スマホを机に置き、FDVR機器を頭につけ異世界にログインした。
「やはり右腕は無くなってるか…おーい?マギア?」
「あ…マスター…」
「どうした?元気がないな?」
「その…私…どうしたらいいかわからなくて…」
「あ~前にも言ったがこれはマギアのせいではないよ、運が悪かった…事故みたいなものさ」
「でも!私がもっと強かったら!マスターに怪我を負わせる事なんてなかったんです!」
「そうだな…でもそれは、もしもの話だよ、だからさ…」
ソウルはマギアを撫でた。
「本当の事しようぜ。頑張って強くなって、誰にも負けない位になるまで…強くなろうぜ、一緒に」
「一緒に…」
「そう一緒にだ、まずは、無くなった右腕の代わりになる戦闘の仕方を一緒に考えようぜ!」
「はい…はい!」
「じゃあ、外に出ていろいろ確認してみようぜ相棒!」
「はいマスター!ついて行きます!ずっと…」
二人は街の外に出て、訓練に最適な場所を探した。
ちょっと名前変えました!ちょっと多そうな名前だったので!
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