ネーバス文明遺跡へ 2
完成しました!多分次回か次々回に遺跡に突入します!
次回更新は、1月30日 0時更新です!
「あ!Rebellionsの皆さん!お待ちください!」
ソウル達が、兵士達のテントが置かれた場所の近くにある洞窟へ入ろうとした時、後ろから呼び止める声が聞こえ、振り返って見ると、そこに先ほどの兵士が立って居た。
「何かありましたか?」
「呼び止めてすみません。皆さんに少しお願いしたい事があるのです」
「何でしょうか?え~っと…すみません。まだお名前をお聞きしていませんでしたね?」
「あ、これは失礼しました。私達はネーバーク王国第4部隊の隊長ネイール・ストロノームです。ネイールとお呼びください」
「よろしくお願いします。それで~お願いしたい事とは?」
「皆さんの事を私達に教えて欲しいのです。今からここにいる兵士を集めますので、Rebellionsの皆さんは何人なのか、何をしている人なのか等の情報を共有して欲しいのです」
「…なるほど、盗掘団対策ですね?」
「はい!そうです!もし盗掘団が皆さんの仲間の振りをして来ても、皆さんの事をあらかじめ知っておけば即座に対処できると思うので、お願いできないでしょうか?」
「わかりました。そういう事ならいいですよ」
「ありがとうございます!すぐ全員を呼んできますので、ここで少々お待ちください」
「わかりました」
ネイールは、頭を下げて感謝した後、踵を返して、全速力で兵士達を呼びに向かった。
「あの人は白だと断定していいな」
「そうだね」
「そうですね」
「だけど何か忙しい人ね?最初は応援を呼ぶ為に走って、次は私達の事を教えて欲しいと言ったらまた走って行ったわ」
「…きっと止まると死んじゃう人なんじゃないかな?」
「マグロか何かかしら?」
「ねぇねぇ?おねぇちゃん?マグロって何?」
「えっと…分かんない…多分何かの生き物の名前だと思うけど…」
「この世界にマグロはいないのか?魚の名前なんだが…」
「私が知らないだけかも知りませんが、この世界にはマグロって名前の魚は居ないはずです」
「そうか…まぁ、とりあえずデカくて旨い魚の事だと思ってくれ。機会があれば食わせてやる」
「「デカくて旨い魚…ゴクリ」」
ソウルの言葉を聞いて、双子は同じ言葉を言い、頭の中でマグロがどんな姿をしているのか想像しながら生唾を飲み込んだ。
「ん~まだ集まるまで時間が掛かりそうだな…なら今のうちに各ロールとポジションとかの説明しておくか。マギア、大きめのウィンドウを出してくれ」
「了解しました。表示します」
ソウルがマギアに指示を出すと、マギアは会議などで使われるホワイトボード位の大きさのウィンドウを、ソウルの後ろに出現させた。
「さて、まずはパーティーの役割から説明する。この世界では「タンク」「アタッカー」「ヒーラー」と呼ばれる基本的な役割があり、タンクは敵の敵愾心を自身向け、他のパーティメンバーに攻撃が向かない様にする役割だ。次にアタッカーは、その名の通り攻撃する役割だが、気を付けなきゃいけない事がある。リリアナ?それは何だと思う?」
「えっと…タンクの前に出ない…ですか?」
「それもそうだが、正解はタンクに向けられている敵愾心を超える攻撃を与えない事だ」
「…ん?どういう事?」
クリスが首を傾げて尋ねると、ソウルは後ろのウィンドウに、ランキング表の様な順位を書いた。
「この1位にタンクがいて、2位にアタッカーがいる。クリス?もし2位のアタッカーが1位になったらどうなる?」
「え?どうなるっていうかそのままじゃん!アタッカーが1位でタンクが2位だよ」
「だが、ここに1位は敵から狙われると書いたらどうなる?」
「アタッカーが狙われちゃう」
「そうだ。敵の敵愾心がタンクからアタッカーに向いてしまったら、そのアタッカーはタンクが再び1位になるまで凌がなくちゃいけなくなるし、アタッカーを死なせない様に回復行動をするヒーラーにも負担がかかってしまう。ではリリアナに質問だ。こんな状態になってしまったPTがよく陥る一番最悪の事とは何だ?想像でいいから答えて見てくれ」
「えーっと、混乱してわちゃわちゃしちゃったり、ジリ貧になってピンチになる事だと思います」
「そうだな。それもあるけど一番最悪な事とは「ギスギスし始める」だ」
「は?ギスギスって何?どういう事?」
クリスの問いに、ソウルは説明を続けた。
「アタッカーが敵愾心をタンクから取って狙われてしまった時、誰かが「てめぇ!何してんだ!」と罵倒する様な言葉を言ったとしよう。それで、取ってしまったアタッカーは素直に謝罪すればいいんだが、反抗心むき出しにして「タンクがちゃんとしてないから取っちまっただろうが!」等の事を言ってしまったらもう終わりだ」
「ケンカを始めちゃうって事ですか?」
リリアナの言葉にソウルは頷き、説明を続けた。
「他のPTメンバーがその仲裁しないといけないし、ケンカを納めてもまだどっかギスギスしてるから、うまく合わせる事も出来ないだろう。そんな状態のPTが何かを成せると思うか?」
「無理だと思う」
「そうだね、クーちゃん。私も無理だと思う」
「こういう話はよくあるから覚えて置け。で~…あれ?何の話してたっけ?」
「マスター、PTの役割とポジションの話です」
「あ!そうだ、話がズレてしまったな。で~だ、タンクとアタッカーの役割はもう分かったな?ヒーラーについても大体分かるだろ?」
ソウルの質問に、リリアナとクリスは頷いて答えた。
「よし、じゃあ次はポジションの話だ」
ソウルは人差し指を使って、ウィンドウの中心に大きな円を書き、その下に小さな円を書いた。
「大型の敵もしくはボスと呼ばれる個体が出てきた。そして、タンク役のマナリアが敵愾心を取り、正面に立ったとする。この場合、アタッカーの俺らはどう動けばいい?クリス分かるか?」
「え~っと…マナリアさんの邪魔にならない様にしながら、側面か後ろに移動して攻撃する?」
「そうだ。ではリリアナ?遠距離攻撃の俺達は、敵に近い位置で攻撃すべきか?それとも離れた位置で攻撃すべきか?」
「全体が見える位置で攻撃した方が良いです」
「正解だ。俺達「遠距離アタッカー」は、全体を見渡して敵の動きを仲間に伝えたり、弱点を見つけてそこを攻撃する様に指示を出したり、仲間の行動を援護する等、司令塔の様な役割だ」
「なんだか大変だなぁ」
「そうだね。クーちゃん」
「じゃあ前に出るか?その場合死ぬ確率が跳ね上がるが…」
「「止めておきます!」」
リリアナとクリスは、顔に青筋を立てながら同時に言った。
「Rebellionsの皆さん!お待たせしました!こちらにお願いします」
「あ、はい」
ネイールに呼ばれると、ソウルは返事を返し、双子に視線を向けた。
「まだ途中だがここまでだ。あとは実際に戦いながら教える」
「わ…わかりました」
「はーい」
2人の返事を聞いたソウルは頷き、仲間達と一緒にネイールに付いて行った。
-ネーバーク王国・採石場予定地・宿営陣地-
「総員注目!これからRebellionsの皆さんがお前達に自己紹介してくださる!彼らの事をしっかり頭の中に入れて置け!分かったか!?」
「「「「「「は!」」」」」」
「ではお願いします」
「わかりました」
ソウルはネイールに頷き、1歩前に出て口を開いた。
「ご紹介にあずかりました、Rebellionsのリーダーをしているソウルです!ジョブは銃士で様々な銃火器を使います。こっちが相棒のマギアです。そして私の横にいるのが…」
「アップルよ。ジョブは魔装使いで、武器はこのハルマートって言う名のハンマーを使うわ。私については以上よ。じゃあ次」
「ティカルです。えっと僕はキーメラっていう種族で、武器や防具は装備できないかわりに、いろんな物を取り込んで進化します。僕についてはこれだけかな?次どうぞ」
「マナリアです。ジョブは騎士で主に槍と盾を使っています。一応剣も使いますが、それは槍が使えなくなった時にしか使いません。それで~えっと~…い…以上です。次お願いします」
「リリアナです。錬金術師ギルドに所属している錬金術師です。そして…」
「クリスだよー。お姉ちゃんと同じ錬金術師で、今ソウルさんの弟子をやってるんだ~。よろしくね!」
「この他には銀牙と言う名の子狼が1匹います。以上5人と1機と1匹でRebellionsです。他に応援を頼んだユニオンもいませんし、ここに来る予定もありません」
「Rebellionsの皆様、ご紹介ありがとうございました。お前達!彼らの事はしっかり記憶したか!?」
「「「「「「はい!」」」」」」
ネイールが、綺麗に整列している兵士達に大声で問いかけると、兵士達は威勢の良い声で答えた。
「Rebellionsの皆さん。改めて感謝申し上げます。これで盗賊団が来てもどうにか対処できるでしょう」
「いえ、こちらこそありがとうございます。皆さんが協力してくれるおかげで、俺達は遺跡探索に集中する事が出来ます」
ネイールが、握手を求めながら言うと、ソウルは差し出された手を両手で握って、感謝の言葉を述べた。
「成功をお祈りしております」
「全力を尽くします」
ソウルとネイールは、互いに握手した手を離した後、それぞれがやるべき事を始めた。
--ネーバーク王国・採石場予定地・洞窟-
自己紹介を終えたソウル達が、洞窟に戻っている時、マナリアが話しかけてきた。
「ソウルさん!兵士さん達凄かったですね!」
「そうだな。突然呼び出されたにも関わらず、身に着けた装備や服装に乱れはないし、自己紹介している最中に身じろぎする人は1人もいなかった。…第4部隊の練度はかなりの物だ」
「え!?そこですか!?」
「ん?違うのか?」
「あ~えっと、違くは無いんですが…兵士さん達が綺麗に整列してるのを見て、なんかこう…本物だなって感じがしたんですよ」
「いや、彼らは本物の兵士なんだが…」
「えっと~そうじゃなくて…」
「迫力を感じたって言いたいのかな?」
「そうです!ティカルさん!それです!」
「迫力…か…」
「ソウルさんは感じなかったのですか?」
「いや、俺はみな…」
「ねぇ!まだ行かないの!?」
「すまん!いま行く!行こう、マナリア」
「あ、はい」
先に居るアップルに謝った後、ソウルとマナリアは駆け足で仲間達の所に向かって行った。
ソウルの話が脱線してギスギスの話になりましたが、これは私の実体験です。とあるゲームで野良パーティーに参加したんですが、突然パーティーメンバーがケンカを始めてしまい、全滅すると言う結果になり、再挑戦してもクリアできませんでした。
そして解散して別のPTで頑張ろうとしましたが、人が集まるまで3時間掛かりました。
読者の皆様も、これに似た事を経験したことがあるのではないでしょうか?
前書きに次回か次々回と書いた理由は、サブクエストを書きたいと思ったからです。そのサブクエストで、ホワイトローズから盗掘団の事を言われる話を書きたいと思っています。
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