あぶない双子 3
完成しました!お楽しみください!あぶない双子はあと1話くらい続くと思います!
次回更新は11月28日 0時更新です!
「俺のターン!ドロー!」
ソウル達が、カジノの中にあるTCGエリアに来ると、どこかで聞き覚えのある声が聞こえたので、声がした方に視線を向けてみると、学生服を着崩した少年とティカルがカードで戦っていた。
「ポコポンウォーリアーを召喚!モンスター効果発動!山札から3枚カードを引いて…」
「即永魔発動!「山火事!」このカードの効果は、お互いのプレイヤーはドローフェイズ以外で山札からカードを引いた時、枚数×500Pのダメージを受ける!」
「っく!」
効果音と共に少年のHPが減って行くと、少年は本当にダメージを受けているような表情をした。
「まだ俺のターンだ!ポンコッツウォーリアーの効果はカードを3枚引いて手札から4枚捨てる!そして手札からこのカードを場に伏せターンエンド!」
「僕のターン!ドロー!引いたカードを場に伏せてターンエンド!」
ティカルは、1枚のカードを開いていたスペースにカードを伏せて出すと、カードを置けるスペースが全て埋まり、5枚のカードが伏せられた状態になった。
「俺のターン!ドロー!」
少年は、1枚のカードを山場から引くとニヤリと笑い、伏せていたカードを表側表示にした。
「魔法カード発動!「死者の願い」!このカードは手札に「聖女」と名が記されたモンスターカードが手札にある場合にのみ発動できる!手札にある聖女アルメリアを墓地に送り、デッキからLv6以下のモンスターカードを表側攻撃表示で召喚できる!俺はLv6のモンスター「英雄ジェネシス」を場に召喚し、ポンコッツウォーリアーと英雄ジェネシスを生贄に捧げ!EXデッキから「勇者王フォトン」を召喚!そして、勇者フォトンのモンスター効果発動!勇者フォトンのモンスター効果は、墓地にいる聖女と英雄の名が記されたモンスターカードの枚数×1000P 分攻撃力に加算される!俺の墓地には、英雄と聖女のカードが8枚あるから、8000Pの攻撃力が勇者フォトンに加算されるぜ!」
「…」
「攻撃力12000になった勇者フォトンでダイレクトアタック!」
「トラップカード発動!「倍返しリフレクター!」
「何ぃ!?」
「このカードの効果は「このターン相手側のモンスターがダイレクトアタックしてきた場合、そのモンスターの攻撃力を2倍にして相手HPにダメージを与える」から、攻撃してきた勇者フォトンの攻撃力は12000なので24000のダメージだね」
「馬鹿なぁぁぁぁ!AIBoooooooooooo!!」
ティカルはゲームに勝利し、少年は謎の叫び声をあげながら地面に倒れて行った。
「おーい、ティカル?迎えに来たぞ」
「あ、ソウル!錬金術ギルドの用は終わったの?」
「ああ、一応な。でも、色々皆に言わないといけない事が出来たから全員集まったら話すな」
「あいよ~」
「よし、次はマナリアだ」
「マナリアさんはクレーンゲームエリアに居ますね」
ソウルは、ティカルの対戦が終わった時に話しかけ、ティカルもその言葉に頷いた後、3人はマナリアがいるクレーンゲームエリアに向かって行った。
-アークライト・カジノ・クレーンゲームエリア-
「う~ん…ここは角を数回持ち上げれば取れそう…」
ソウル達が、クレーンゲームエリアに到着してマナリアを探すと、大きな箱型の人形があるクレーンゲームの前で、ジト目で人形を見つめながら、ぶつぶつと独り言を言っているマナリアを見つけた。
「…この配置だと持ち上げるより押した方が良いと思うぞ?」
「…押した方が良い?…あ、そういう…って!ソウルさん!?何時からそこに!?」
ソウルが話しかけると、その言葉に頷いた後、声がした方に視線を動かしたマナリアは、横にいたソウルに目を大きくさせながら驚いた。
「今さっきだな」
「僕もいるよ~」
「私もいます」
「ティカルさんとマギアさんも!?どうしました!?何の問題に巻き込まれたのです!?」
「いや、何にも巻き込まれてはいない。ちょっと話さなきゃいけない事が出来たから迎えに来た」
「そうなんですね、分かりました。ちょっと待ってください。これ終わらせちゃいますから」
マナリアは、クレーンゲームのボタンを迷いなく押した後、開いたアームで四角い人形の辺を押すと、人形はそのまま傾いて穴の中に落ちて行った。
「よいしょっと…行きましょう!」
マナリアは、取り出し口から四角い人形を取り出した後、ソウルに取った人形を見せながら笑顔で言うと、ソウル達は頷いて裏カジノに向かって行った。
-アークライト・裏カジノ・中央リングー
「へへ…姉御?次も出場するんで?次の対戦相手は「ドラゴンマスク」ですぜぇ?流石に姉御もあの方には勝てないと思いますがねぇ…」
「どんな相手だろうと勝利するのみ…(悪いがここで終わりだ)」
裏カジノの中心にあるリングに来たソウル達は、コーナーでマッチメーカーと思われる男性と話すアップルを見つけて近づくと、次の対戦を決めようとしているアップルの言葉にかぶせる形で、対戦を取り消す言葉を言った。
「ちょっと!ソウル!何勝手に…」
「勝手にじゃない。チャット欄見たか?」
「チャット欄?…あ」
ソウルに言われてチャット欄を確認したアップルは、チャット欄に「話す事が出来たから集合してくれ」という分を見つけ、更に着信があった事を伝えるアナウンスが6件ある事に気が付き、ハッとした表情をした。
「残念ながら時間切れだ」
「そうみたいね。…今日はここまでにしとくわ」
「分かりやした姉御!また参加してくれよな」
アップルが退場する事を伝えると、マッチメーカーの男性は嬉しそうな声色で返事を返した。
「よっと。それで?これからどうするの?」
「ここじゃなんだし、冒険者ギルドに行かないか?」
「いいですよ」
「おっけ~」
「分かったわ」
ソウルの言葉に仲間達は同意し、冒険者ギルドに向かって行った。
-アークライト・冒険者ギルド-
「すみません!注文をお願いします!」
「はーい!少々お待ちくださーい!」
冒険者ギルドにやってきたソウル達は、空いていたテーブルに座った後、各々メニューを見て食べたい料理を注文した。そして、注文をした後、ソウルが仲間の顔を視界に入れながら、本題を話し始めた。
「まず最初に錬金術ギルドで【高等物質変換術】のスキルは手に入ったんだけど、アンジェラさんから双子の少女を遺跡に連れて行ってくれと頼まれた」
「双子の少女?」
「ああ、姉の名前がリリアナで妹がクリスと言うらしい」
「本気なのソウル?確か行こうとしてる遺跡ってすごく危ない場所なんでしょ?」
「俺もその事を伝えたんだが「高純度の死線を経験してもらうさね」という事だ」
「アンジェラさん…でしたっけ?その人すごく厳しい方なんですね…」
「う~ん…一応アンジェラさんは無茶な事は言うが、無理な事は言わない人だから俺になら任せられると踏んでの事らしい。何か押し付けられた感はあったけどな…」
「なるほどね。双子の事については了承したけど…」
「けど?」
ソウルは、アップルに聞き返した。
「その双子って何か問題を抱えているのよね?」
「お?良く分かったな!」
「ソウルが関わっているからね。簡単に予想できたわ」
「そうか。俺が関わって…って!おい!どういう事だ!」
「あら?1から説明した方がいいかしら?」
「…っく!」
ソウルは、その理由を自身が一番理解している為、これ以上言い返せなかった。
「…え~…っと、とりあえず双子が抱えている問題はトラブルメーカーだって事だ」
「「「あ~…」」」
トラブルメーカーと聞いて、仲間達は心の中で「大変な目に合うんだろうな」と簡単に予想できた。
「えーっと…それで皆にやって貰いたい事があるんだが~…」
仲間達のリアクションに、ソウルは何も言えないので、そのまま話を続けた。
「やって欲しい事?」
「敵からの攻撃を防ぐエネルギーシールドの素材を数個集めてきて欲しい」
「それってどんな物ですか?」
「マギア」
「はいマスター。皆さん、こちらのウィンドウをご覧ください」
ソウルに指示されたマギアは、アップル達の目の前にウィンドウを開き、エネルギーシールドの素材を表示した。
「ここに書かれている「共振青石」を集めてきてください」
「共振青石って何処で取れるのよ?」
「全ての鉱山で取れますが、アークライト付近ですと「ライノ廃鉱山」の中層くらいで40%の確率ですね」
「たった40%?100%取れる場所はないの?」
「ありますが…その鉱山に行くにはアークライト城で売られている50万オカーネンのパスポートを購入た後、行った先の場所で名誉上げのクエストをして名誉を100%にした後、依頼されるクエストを20クリアしないと鉱山に行けません」
「…面倒ね」
「一応その鉱山でしか取れない鉱石はありますが、共振青石の為に行くには手間がかかり過ぎますので推奨できません。なので近場の鉱山の方が良いでしょう」
「どの位集めればいい?」
「必要になる数は1人100個になるので600個以上ですね」
「600個ですか?大変そうですね…」
「いえ、一度の採掘で5~12個程取れると思うのでそれほど大変ではないと思います」
「その鉱山にいるモンスターからでも取れるのかしら?」
「取れますが、最大で3個しかドロップしませんのでおまけ程度に考えた方が良いでしょう」
「分かったわ」
「他に質問はございますか?」
マギアの問いに、アップル達は無言で答えると、ソウルが口を開いた。
「皆、素材集めを頼む。俺は製作の準備をしているから何かあったら連絡してくれ」
ソウルの言葉にアップル達は頷くと、店員が注文した料理をサービスワゴンに乗せて持ってきた。
「お待たせしました~ハイパー肉丼のお客様は?」
サービスワゴンに、8人前はありそうな焼肉が乗せられた大きな丼があり、アップルが軽く手を上げて、ハイパー肉丼を店員から受け取るとアップルは頬を緩ませた。
「さて、素材集めの前に腹ごしらえしないとね」
「(あの量よく食えるな…リアルであんなの出てきたら絶対残すわ…)」
大きな丼に、山積みされた焼肉を綺麗に食べるアップルを見ながら、ソウルは目の前に置かれた唐揚げ定食を食べ始めた。
ソウルが何故仲間を呼びに行ったかというと、チャットで集まってくれと言いましたが、反応が無かった為です。通話にも応答せず…
ティカルと対戦した少年の胸には三角錐のアクセサリーがあったような無かった様な・・・まぁこう言っておけば色々回避できる!
モチベ維持に評価お願いします!
「ブックマークに追加する」ボタン登録もよろしくね!
いいね登録!よろしくお願いいたします!
誤字脱字報告 アザマス!




