表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
Roaring of The War
279/329

あぶない双子 2

完成しました。


次回更新は11月21日 0時更新です!

「はいこれ」


 アイシャが戻ってくると、手に持っていた一冊の本をアンジェラに渡した。


「ありがとねアイシャ。さてと、ソウル?釜の前に移動しな。説明してやるさね」


「お願いします」


 ソウルとアンジェラは錬金釜の前に移動した後、アンジェラが腰の位置にある革製のカバンから、鉄鉱石を2個と赤色の鉱石1個、そして紫色の液体が入ったフラスコ一つ取り出して、近くにあったテーブルの上に置いた。


「高等物質変換術と言っても難しいことは無く、いつもやってる錬金術とだいたい同じさね。同種の素材を釜に入れて作る。違うのは、中和剤くらいさね」


「その紫色の液体ですか?」


「そうさね。中和剤の素材はこの赤色の鉱石「赤隻鉱(せきせきこう)」を主軸として使うさね」


「赤隻鉱ですか?」


「赤隻鉱は鉱山に行けば簡単に取れるけど、中和剤1つ作るにはかなりの数が必要さね」


「どのくらい必要になりますか?」


「そうさね…低品質なら30個以上、中品質なら100個以上、高品質なら500個以上は必要さね」


「そんなに必要なんですね」


「そうさね。でも大変なのは最初だけさね。この赤隻鉱を見てごらん」


 アンジェラは、手に持っていた赤隻鉱をソウルに渡すと、ソウルはウィンドウを開いて、渡された赤隻鉱のアイテム説明を見てみた。


「高純度赤隻鉱…これは高等物質変換術で錬金した物ですか?」


「そうさね。それ1つで低品質なら1000、中品質なら500、高品質なら100の紫中和剤が作れるさね」


「これ1つで?そんなに!?それは凄い!」


「その高純度赤隻鉱を1つ作るには赤隻鉱が1000個必要になるけど、注意しなきゃいけない事があるさね」


「それは?」


「他の素材や中和剤などを入れちゃいけないし、かき混ぜる速さが毎回違って来るから前回と同じ速さですると失敗するさね」


「分かりりました」


「よし、説明はここまでにしといて、実際にこの鉄鉱石を銀鉱石に変換してみるさね。ただし!あたしは何も手伝わないよ。自分でどうすればいいか考えながらやってみるさね」


「やってみます」


 ソウルは、最初どの手順で進めて行けばいいんだろうか?と考えたが、アンジェラの「いつもやってる錬金術とだいたい同じさね」という言葉を思い出し、テーブルに置かれた鉄鉱石を2つ釜の中に入れた後、釜の横に立て置かれていたかき混ぜ棒を使ってかき回し始めた。


「(よし、ここで紫の中和剤を入れる)」


 釜の中をかき混ぜつつけていると、黒い煙が上がって来たので、紫中和剤を入れて早めにかき混ぜると、釜の中が虹色に光り輝き完成した。


「出来ました」


「見せてみるさね」


 ソウルは、釜から取り出した銀鉱石を渡すと、アンジェラは鉱石をじっと見つめ、数拍置いた後に頷いた。


「これなら問題ない。上出来さね」


「ありがとうございます」


「1つコツを教えると、素材の品質が同じだったり素材の特性が同じだった場合、結果が倍になるから覚えておくといいさね」


「分かりました」


 ソウルの言葉に頷いたアンジェラは、スイーツを食べていた席に戻った。


「大体の大筋は教えてやったけど、更に詳しく知りたいならこの本を読むさね」


「分かりました」


 アンジェラが「高等物質変換術」の本を渡しながら言うと、ソウルは本を受け散りながら答えた。


「さて、あたしはモンブランケーキに戻るよ。あとの事はアイシャに任せるさね」


「ええ!?そんな!?」


「うるさいよ!あんたはまだ仕事中さね!」


「そんな~…」


 アンジェラに一喝されたアイシャは、ガックリと肩を落とした。


「あの~?すみませんアイシャさん。双子について質問いいですか?」


「え?はい何でしょう?」


「お二人のお名前は?」


「リリアナちゃんとクリスちゃんです」


「姉がリリアナさんで妹がクリスさんですか?」


「はい、そうです。リリちゃんは頑張り屋さんでクーちゃんは元気な娘です。2人とも人見知りしないので、すぐ馴染めると思いますよ?」


「お二人の戦闘スタイルは?」


「リリちゃんは錬金杖を使って戦います。クーちゃんはソウルさんと同じ銃を使いますよ」


「錬金杖…?」


「え~っと…これです」


 アイシャは、胸の位置で拍手を2回すると、突然目の前に杖が現れた。


「この錬金杖は半径1m以内の物なら自在に浮かべて操れますし、敵に向けて思いっきり振ると魔力塊が飛んでいきます。それにすごく頑丈なので硬い岩とかにぶつけても壊れないんです」


「それは凄いですね」


「そうですね。でも…すごく高いです」


「そ…そうなんですね」


「なのでリリちゃんには私のおさがりを使って貰ってます。それでクーちゃんが使う武器は銃なんですけど、自作した銃を使ってますね。えっと~なんでしたっけ?あの~古い銃の名前?」


「フリントロックピストルですね。彼女が使っているのは」


 シュークリームを、もしゃもしゃと食べていたスクフォイが答えると、アイシャはその言葉に頷いて話を続けた。


「それです!色々改造して使っているみたいですが、銃に関してはソウルさんの方が詳しいのではないのでしょうか?」


「そうですね」


「他に質問はありますか?」


 アイシャが尋ねると、ソウルは少し考えた後に口を開いた。


「彼女達が抱えてる問題はありますか?」


「!」


「!」


 ソウルがそう質問すると、アイシャとスクフォイは何か言いずらそうにソワソワし始めた。


「実は二人…トラブルメーカーなんです…」


「その…前ちょっとした仕事を頼んだのですが…失敗してしまい4次被害まで広がりました…」


「それは~どうにかしようとして新たなトラブルを招いたのですか?例えるならクモの巣に捕まった蝶を助けようとしたけど更にひどい状態になったような?」


「あはは…そうですね。その言葉通りです」


 ソウルの例えに、アイシャは苦笑いしながら同意し、スクフォイも深く頷いた。


「錬金術の才能は高いのですが、失敗する確率が高いので何かを頼む時は気を付けた良いですよ」


「ソウルなら二人をちゃんと鍛えてくれると信じているさね」


「…(なんか妙に期待された言葉を言われたけど…あれ?もしかして押し付けられてないか?)…さ、最善を尽くします」


 ソウルが苦笑いしながら答えると、アンジェラは紅茶を一気に飲み終え、ソウルの目に視線を向けた。


「この後連絡しておくから、明日また来るといいさね」


「分かりました。ではまた来ます」


 ソウルは、アンジェラの言葉に頷いた後、軽い会釈をして錬金術ギルドを後にした。





 -アークライト・カジノ・エントランスー





「ボス!このままだと倒産です!全従業員が路頭に迷う事になりますよ!」


「だが契約が…」


「土下座でも何でもして支払い額を下げて貰いましょうよ!」


「だがちゃんと支払うと言っちまったしな…」


 ソウルとマギアがカジノに戻ってくると、2人の男が言い争っていた。


「なんだ?」


「あれはタンジールさんですね?眼鏡をかけた男性と言い争いをしていますが…」


 ソウル達が言い争う二人を見て話し合うと、その声が聞こえたのかタンジールと眼鏡の男性が、ソウル達に視線を向けてきた。


「あ、ソウル…え!あちょ!」


「貴方がソウル様ですかぁぁぁぁぁ!」


 眼鏡の男性は、タンジールの制止を振り切り、ソウルに向かって全力疾走して来た。


「どうかぁぁぁぁぁ!」


 眼鏡の男性は、ソウルの目の前で急停止した後、高く跳躍してアクロバティックな錐揉(きりも)み回転をして、着地する同時に五体投地(ごたいとうち)の土下座をした。


「支払い金を減らしては貰えないでしょうかぁぁぁぁぁ!?」


「(見事な錐揉み五体投地土下座だな)…ふむ」


「なにとぞぉぉぉぉ!おねがぁぁぁいたしまぁぁぁぁす!」


 ソウルは、眼鏡の男性がしたダイナミック土下座に感心して、考える様な仕草をした後、数拍置いて口を開いた。


「その見事な土下座に免じて応じましょう。ただし条件がありますよ」


「あ…あぁぁぁぁりがとぉぉぉうございまぁぁぁぁぁす!!!」


 ソウルの言葉を聞いて、眼鏡の男性は酷い表情で号泣しながら、感謝の言葉を述べた。


「嘘だろ…あれで通るのか?土下座ってヤベェな……あーゴホン!それで~…その条件とは何だ?」


「ちょっと待て。…マギア?エネルギーシールドの費用は全部でいくらになる?」


「計算します。少々お待ちください…」


 マギアは、周囲に複数のウィンドウを開いて計算し、その30秒後に計算結果が出た。


「この位ですね」


「どれどれ…うげッ!これ、まじか?」


「大マジですね」


 合計金額が表示されたウィンドウを見て、ソウルの顔を青くさせながら聞き返すと、マギアは間違いはないと言うように頷いた。


「全てお金で済ますならそのぐらい掛かります」


「まじか…え~っとこの金額は払えますか?」


 ソウルは、タンジールと眼鏡の男性にウィンドウをを見せると、二人揃って目を大きくさせた。


「これなら十分に払えます!」


「そうだな。この位ならちょっと赤字かぁ…くらいだな」


「(マジかよ!?結構な金額だぞ!?)…ならこの金額をすぐにください。残りは支払わなくてもいいですが、その分は貸しにしておきます。もし俺達が何か困った時に貸した分を返して貰いますので」


「ボス!好条件です!飲みましょう!今すぐ!NOW!フォー!」


「分かったからすこし落ち着け!…はぁ…すまないなソウル…全額払うと言ったのにこんな事になっちまって…」


 タンジールが申し訳なさそうな顔で言うと、ソウルはニヤリと笑った。


「問題ない。貸しにした方がこっちとしても助かるしな」


「え?それはどういう…」


「おっと、そろそろ仲間を迎えに行かなきゃいけないから失礼する」


「ソウル様!いえ!ソウル慈悲神様!本当にありがとうございます!」


 眼鏡の男性は、ハイテンションでソウル達を見送ったが、タンジールは何かの悪魔と契約してしまったと思うほどの底知れない不安を感じながら、ソウルの背中を見つめた。

紫の中和剤は、1つ作るのに低中高の個数が必要になっていましたが、アプデで高純度赤隻鉱から大量生産できるようになりました。


アンジェラが言った特性や品質が倍になると言うのは、簡単に言えば足し算から掛け算になるという事です。例えば、40の品質と40の品質の素材を使うと120の品質になります。3個の場合は160の品質です。また素材の特性に「プルプルしてる」と「プルプルしてる」を合わせると「プルプルしてるⅢ」となりますが「プルプルしてる」と「プルプルしてるⅡ」を合わせると結果が「プルプルしてるⅡ」になり効果が大きい方が優先されます。

まぁ、ゲームに良くある感じの同アイテムを使った合成強化ですね。



モチベ維持に評価お願いします!

「ブックマークに追加する」ボタン登録もよろしくね! 

いいね登録!よろしくお願いいたします!

誤字脱字報告 アザマス!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新乙 トラブルメーカーの錬金術師双子&ソウルパーティー・・・ 行く先々で全てを灰塵に帰すイメージしかわかない
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ