王からの依頼 2
次回更新は10月10日 0時更新です!
残り2か月位で今年も終わりですね~
来年発売されるゲームに期待です!
「頼みたい事…ですか?」
ソウルはソファに座り直し、ティアミイルに聞き返した。
「左様。時に聞くが、ソウル殿達の様な来訪者は冒険を生業としている事に相違ないか?」
「そうですが、冒険だけではなく依頼された事を自分達の意思でやると決めたのなら何でもやりますね」
「ほう?その意思が決めたのなら後ろ暗い事もするのか?」
「…そうですね、それが本当に必要な事ならやります」
そうソウルが答えると、体温が一瞬だけ急激に下がったような感覚を、この場にいる全員が感じた。
「…まぁ、他の方達は分かりませんが、俺達は進んではやりませんよ?後々面倒くさい事になりますし」
「そ…そうか」
ソウルが笑顔で答えると、ティアミイルは額に流れてきた汗をぬぐい、話を戻した。
「ソウル殿達に頼みたい事というのは、遺跡調査だ」
「遺跡ですか?」
「ああ、国の事業で新しい採石場を作ろうとしたのだが、その予定地に遺跡が見つかったのだ」
「どの様な遺跡だったのですか?」
「…それが分からないのだ」
ティアミイルが険しい表情で言うと、ソウルは首を傾げた。
「分からなかったのですか?」
「学者が古代ネーバス文明の古い建築物とは言っていたが…それ以外は何も」
「古代ネーバス文明?マギア知っているか?」
「古代ネーバス文明とは、この世界での最古の文明でありその技術力は現代の技術力を遥かに凌駕していたらしいです」
「最古の超古代文明という事か?」
「はい」
「あら、いいじゃない!面白そうだわ!」
マギアの説明を聞いて、アップルが目を輝かせながら言うと、マギアが注意する様に補足を言った。
「ですが行くならば相当な準備が必要になります。超古代文明産の即死トラップや狂った防衛システム等を相手にしなければいけませんので」
「ハイリスクか…」
ソウルがそう呟くと、ティアミイルが右の近衛に顔を向けて、何かを求める様に掌を出すと、右の近衛は手に持っていた書類をティアミイルに渡した。そして書類を受け取ったティアミイルは、そのまま机の上に置いた後、ソウルに向けて差し出した。
「参考になるか分からないがこれを見てくれ」
「これは?」
「遺跡を見つけた時に中に入ってしまった者達の治療記録や報告書だ」
「拝見します」
ソウルが、書類に書かれた文章を読み進んで行くと、信じられない事が書いてあった為、事実を確かめる為に視線をティアミイルに向けた。
「治療記録に「内部から膨張して破裂した様だ」とか「治療の為に触れると突然左足か砂の様に崩れ去った」と書いてありますし…こっちの報告書には「突然無数の光が見えたと思ったら突然左腕が煙になって消えた」とも…これは本当の事でしょうか?」
「事実だ。余も砂になって崩れ去る所をこの目で見たからな」
「この方達は今でもご存命でしょうか?」
「その3日後に全員が亡くなった」
「…失礼。そうでしたか…マギア?どう見る?」
ソウルが、マギアに書類を渡しながら尋ねると、マギアは治療記録を読みながら答えた。
「これらの記録から推察すると何らかのエネルギー兵器だと思います。火薬を使った銃の様に物体を飛ばして攻撃する武器ではこうはなりませんので」
「そのエネルギー兵器ってレーザー銃の事ですか?」
「一応その認識で合っているがレーザーとかよりもやばい威力した物だ」
「やばい威力ってフェ〇ズガンやらXガ〇とかドミ〇ーターみたいなの?」
「そうだ。そのくらい危険な威力を持つ機関銃が連射してくると思ってくれ」
「げぇ…それってミンチよりひどくなるじゃん…」
ソウルの説明に、ティカルが顔を青くさせると、アップルが小声で質問してきた。
「ねぇ?ソウル?さっきティカルが言ったフェイなんちゃらやXガ〇とかって何の事?」
「俺が説明すると2時間掛かるから~…マギア!説明!」
「アップルさん説明いたします。フェイズガ〇、Xガ〇、ド〇ネーターとはすべて架空の武器であり…」
「それで~…どうかね?」
ティアミイルが、神妙な面持ちで引き受けてくれるか尋ねてくると、ソウルは仲間達の方に顔を向けて確認を取った。
「俺はいいと思うぞ?皆はどうだ?」
「僕は報酬がいいならやってもいいと思うよ?」
「私は受けても問題ないです」
「強敵の気配がするから受けるわ」
仲間達が賛同する言葉を聞いたソウルは、ティアミイルに顔を向き直し、笑顔で答えた。
「その依頼引き受けましょう」
「おお!やってくれるか!」
ソウル達が引き受けてくれた事に、ティアミイル達は安堵した雰囲気や表情を表に出した。
「では報酬や取得物についての話し合いをしましょう。マギア契約書の準備だ」
「了解しました」
ソウルが契約書と言った時、安堵していたティアミイル達の表情が再び引き締まった。
「まず最初に遺跡探索をして取得した物についての取り扱いですが…」
それからソウル達とティアミイル達は、3時間かけて話し合い、互いに納得した代表二人が契約書に署名した後、ソウル達は退城して、ユニオンハウスに帰った。
-ネーバーク王国・ユニオンハウス「Rebellions」・製作室-
「まず最初に準備するのは超古代文明兵器に対する対策だな」
「そうですね」
ユニオンハウスに帰ってくると、アップルとマナリアは自分の部屋に行き、ティカルは途中だった畑作り再開させ、ソウルとマギアは地下の炉がある製作部屋で、超古代文明遺跡を攻略する為の装備を作ろうとしていた。
「ああ。超古代文明兵器…って一々言うのもなんだからネーバス兵器と呼称しよう」
「了解しました。それでネーバス兵器に対する考えは何かありますか?」
「エネルギーシールドみたいなのを考えている」
「エネルギーシールドですか?いいですね」
「ただ問題なのは高性能の物を作らなくちゃいけない…」
「そうですね、あれ程の威力を防がなければいけませんから、並みの性能では役に立たないでしょう」
「材料費…足りるか?」
「…全然足りませんがとある錬金術のスキルを上手く使えば何とか出来るかもしれません」
とある錬金術のスキルと言われ、ソウルは首を傾げた。
「錬金術のスキル?」
「はい。錬金術スキル【高等物質変換術】でアイテムを変換していけば材料を揃える事が出来る筈です」
「【高等物質変換術】?…スキル欄にないんだが?」
ソウルがウィンドウを開いて、スキル欄にある錬金術の項目から【高等物質変換術】と名のスキルを探したが、何度探しても見当たらないので首を傾げると、マギアがその疑問に答えた。
「そのスキルは「特殊Sクエスト」と言われるクエストをクリアしないとスキル欄に表示されません」
「そうなんだ。それで【高等物質変換術】は何処で受けれるんだ?」
「錬金術師ギルドで受けられます」
「…アンジェラさんに聞いてみるか」
「そうですね」
マギアが同意した言葉を言った後、製作室の扉が開き、アップルが顔を覗かせた。
「ソウル?私とマナリアはカジノに行ってみるけど一緒に行く?」
「いや俺は錬金術ギルドに…」
「マスター!行きましょう!」
ソウルがそう言いかけた時、マギアがカジノに行く事を勧めた。
「何故だ?」
「カジノの景品には隔週で変わる物があるのですが、今週の景品欄の中に「お三じ堂の高級お菓子引換券」があります!このお菓子を手土産してアンジェラさんに【高等物質変換術】の事を聞けば高確率で教えてくれるはずです!」
「高確率?…あれ?もしかして特別Sクエストって好感度とか名声とかを高く上げないと受けられないクエストか?」
「はい」
「まじか…という事はお三じ堂の高級お菓子?というのは好感度アップ系のアイテムか?」
「はい。お三じ堂が作ったお菓子は6年先まで予約されていて、大国の王ですら手に入れる事が難しいと言われています。なので送られた住人は狂喜乱舞する程嬉しくなり、絶対秘密にしていた事でもぽろっと喋ってしまうのです」
「狂喜乱舞する程って聞くと何かの危ない薬みたいね…」
「お!アップルさん言いえて妙ですね!お菓子なので取り過ぎたら体に害が出る所は薬と一緒ですね」
「あら?誰うまだったかしら?」
マギアとアップルは互いに笑い合うと、二人を見ていたソウルが頷いた。
「そういう事ならちょっと行ってみるか」
「あら?じゃあ玄関で待ち合わせね」
「分かった。…あれ?そういえばティカルはどうするんだ?」
「そっちはマナリアが誘いに向かったわ。たぶん来るはずよ」
「そうか。準備出来たら玄関に向かうよ」
「私は先に行って待っているわね」
アップルは製作室から玄関に向かい、ソウルとマギアは出かける準備を始めた。
「マギア、エネルギーシールドの製作に必要になりそうな物をリストアップしといてくれ。競売で買えたら買うからさ」
「分かりました」
マギアは頷き、ウィンドウを操作して必要になりそうな物の一覧を作り始め、ソウルは軽く武装の点検をした後、マギアと一緒に玄関へと向かって言った。
「」内には読点(、)をあまり入れるなってあったので、私もそれに従っていましたが、読点を付けないと読みずらくなるなと思ったので今回から入れてみました。読点を入れた事で読みずらいと感じたら感想に報告をお願いします。
目的の物を得る(作る)為に、前段階でやるべき事が幾つもあるよくある奴です。そして殆どのプレイヤーが「めんどくさい」と思うはず!
Q、なぜ武装の点検をしたん?
A、出かけた先で必ず何が起きるから
モチベ維持に評価お願いします!
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