王からの依頼
完成しました!お楽しみ下さい!
次回更新は10月3日 0時更新です!
「これで最後だ!」
ソウルが、ユニオンハウスの地下にある溶炉のウィンドウに、アイテム欄の「仏像x132」を投げ捨てる様にして入れた。
「まさか全部撤去するのに4日も掛かるなんて思いもしなかったわ…」
「本当にな…それに一番厄介だったのが仏像を撤去すると発動するトラップだ…」
「それも1つのトラップを解除したら別の仕掛けが動く様になっていて大変でしたね…」
「よくもまぁあんな短時間で仕掛けたなと感心するよ…手慣れた作業…いや犯行?だったのかな?」
「あれか?神代に封印された魔神の館の主とか魔神の娘とかいたのか?」
「そう思いたくなる様な様々なトラップだったね…」
炉の前で、仏像撤去時の事を仲間達と話していると、マギアが部屋の中に入ってきた。
「皆様、お疲れ様です。溶かした仏像で資源が集まったので飛行船を作る設備が設置できるようになりましたよ」
「ん?仏像って確か石材と金属になるんだよな?たったそれだけでいいのか?」
「設備は金属資源のみで設置出来ます」
「そうなのか」
「いよいよだね」
「飛行船があればかなり遠くまで行けますね」
「そうね。凄く楽しみだわ」
ソウル達は、飛行船が作れると聞いて、まだ見ぬ世界に思いをはせながら心を期待で膨らませた。
「まぁ作るにしても先ずは材料費を稼がないとな」
「どの位必要になるかしら?」
「飛行船に何を求めるかによりますね。大体ですが速さなら4000万弱かかり、戦闘する事を求めるなら6000万位ですね。どちらも欲しいと言う場合は8000万ですね。あ、これは中型飛行船の話なので小型なら桁が1つ減り、大型の場合はその逆になります」
「流石に大型はきついから中型でいいよな?」
「そうね」
「じゃあ8000万クラスの飛行船にして色々するなら1億位必要になりますかね?」
「そうだね。ソウルもいるし8000万の飛行船が必要になるね」
「そうそう俺がいるし8000万の…ん?それはどういう事だ?」
「それを態々言う必要ある?」
「…くッ!」
ティカルの言葉に言い返せなかったソウルは、ガックリと項垂れた後、悔しさをぶつける様に床を殴った。
「そういえばオカーネンで思い出したけど盗賊の賞金そろそろじゃない?」
「そう言えばそうだね」
「お城に行けばいいんでしたっけ?」
「たぶんな。お姫様っぽい人も助けたんだから期待していいと思うぞ?」
「早速行ってみようよ」
ティカルの言葉に頷いたソウル達は、ユニオンハウスの中庭に移動してマウントを呼び出した後、ネーバーク王都に向けて飛翔して行った。
-ネーバーク王国・王城・城門-
「確かダミアンさんから貰ったこの入城許可証を見せれば入城出来るって言ってたけど…」
「見せる相手は門を守ってる兵士さんでいいのかしら?」
「やってみるか」
ネーバーク王城の城門に到着したソウル達は、大事な物欄から「入城許可証の木札」を取り出し、番をしている兵士に近づいて用件を伝えた。
「すみません。Rebellionsのソウルと申しますが、ダミアンさんと約束があり、来た事をお伝えいただけますでしょうか?」
「ダミアン様と?確認するのでここでしばし待たれよ」
「わかりました」
兵士は、ソウルから木札を受け取り、城の中に入って行った。
「この待ち時間ってなんかそわそわしない?」
「そうだな。でもこう言われるぞ?「大人しく待ってろ」って」
「あ~言われるね。でも実際何して過ごす?別の依頼する訳にもいかないし、座って待つ訳にもいかないしさ」
「ウィンドウ上で出来るミニゲームとか無いのか?ほら、別のゲームでは麻雀とかあるだろ?」
「一応ありますが、カジノに行ってクエストをしないとできません」
「カジノがあるんですか!?」
「行ってみたいわね」
「大きな街には必ずありますので、この件が終わったら行ってみるのも良いかもしれませんね。何せ1億オカーネンが必要ですから」
「そうね!」
「楽しみです!」
「目指せ!億万長者!」
カジノがあると聞いて盛り上がるアップル達だったが、その中で一人だけ微妙な顔をしている男がいた。
「ソウル?どうしたの?」
「カジノって何が楽しいんだ?」
「「「「え?」」」」
まさかのソウルの発言に、仲間達は目を大きくさせて驚いた。
「何が楽しいかって?そりゃあ遊んでお金が稼げるのがいいんじゃん!」
「そうですよ!ソウルさん!オカーネンが減る可能性もありますがそこに夢があるんです!」
「マスター!ちゃんとした確率論ならば稼げるんですよ!?最高じゃないですか!」
「浪漫よ!ソウル!浪漫!」
「いや、皆の言い分は分かるんだけどさ…」
歯切れの悪い言い方をしたソウルに、仲間達は首を傾げた。
「何が言いたいの?」
「あ~…これを言うと何故か怒られるんだが~…」
ソウルは、少しの間を置いて続きの言葉を言った。
「俺…カジノで一度も負けた事が無くて必ず勝ってしまうから何が楽しいのか分からないんだ…」
「「「「は?」」」」
ソウルの衝撃的な発言に、仲間達は信じられないと言いたそうな表情で、聞き返す言葉を言った。
「ソウルさん?一度も負けた事がないなんて話盛り過ぎですよ?」
「はいはい、冗談もその辺にしておこうか」
「あら?冗談だったの?信じちゃったわ」
「マスター?流石にそんな話はありえませんよ」
「あれ?嘘だと思われた?本当なのになぁ…」
仲間達に嘘だと思われたソウルは、しょんぼりしながら呟くと、城から扉が開く音が聞こえ、ソウル達は音が聞こえた方に視線を向けると、ダミアンがこちらに向かって来るのが見えた。
「お待たせしました。ご案内しますので私に付いてき…どうしました?」
「ソウルが冗談を言ってスベっただけなので案内をお願いします」
「そうそう!イマイチな冗談です」
「悔しいけど私は信じちゃったわ」
「お城見学楽しみですね?マスター?」
「お前らぁ…」
ダミアンは、ソウルがしょんぼりしている事に首を傾げたが、仲間達は問題ないと言って話を進めるように促した。
「そ…そうですか?では私の後に付いて来てください。あ、それとですが決して逸れない様にお願いします。城の中には面倒くさ…ゲフン!色々と気難しい方が居りますので…」
「「「「分かりました」」」」
仲間達は同じ言葉を言って同意し、ソウルだけは黙って頷いて同意した後、ダミアンを先頭に城の中へと入って行った。
-ネーバーク王国・王城・貴賓室-
「こちらの部屋で暫くお待ちください。お渡しする物を準備いたしますので、何かございましたら部屋にいるメイドに申し付けてください」
「はい」
ソウル達は、4階にある部屋に案内されると、この部屋の中で待つ様にと言われ、その言葉に頷いた後に部屋の中を見回してみると、その部屋には豪華な調度品が数多く置かれており、部屋の隅に2人のメイドが自身の存在感を消す様にひっそりと立っていた。
「この部屋にある家具って買うとしたら絶対高いですよね?」
「うん、どう見ても高級品だね」
「これを見るからに~…214万オカーネンかしらね?」
アップルが、目の前の机を観察して金額を言うと、隅にいたメイドの一人が微かに反応すると、ソウルはその微かな反応を見流さずにニヤリと笑った。
「…ふむ、どうやら合っていたみたいだな?」
「アップルちゃん!すごい!」
「鑑定眼の持ち主でしたか…」
「本当にその金額なのか検索してみたんですが、なんとドンピシャですよ!アップルさん!」
「ふっふーん!」
見事に当てたアップルは、ドヤ顔しながら胸を張った。
「失礼する」
ソウル達が話し合っていると、部屋の外からノック音の後に男性の声が聞こえ、その声に反応したメイドが部屋の扉を開けると、男性一人とその後ろに近衛兵と思わしき兵士2人が部屋の中に入ってきた。
「お初にお目にかかる。余はネーバーク国王「ティアミイル・ネーバーク」である」
「初めましてRebellionsのユニオンマスターソウルです」
「ソウル殿とお呼びしてもよろしいかな?」
「はい」
「Rebellionsの皆様、盗賊に襲われていた娘や臣下らを助けてくださり心から感謝申し上げる」
ティアミイルが頭を下げて感謝を述べると、ソウルは申し訳ない表情をした。
「滅相もございません。こちらも急に乗り付ける事をしてしまい申し訳ございません」
「いや、そうしなければ助からなかった者もいたと聞き及んでいるのでそれは問題ない」
「そう言って頂けると助かります」
ティアミイルの感謝に、ソウルも礼をもって答えていると、再び扉からノック音が聞こえた。
「ソウル殿、お持ちいたし…おや?ティアミイル様?こちらに居られたのですか?」
「ああ、娘を助けてくれた方達に一国の王として、そして親としても感謝を伝えなければと思ってな」
「左様でしたか…」
「余の事はいいから先にそちらを済ませよ」
「畏まりました。では、Rebellionsの皆様こちらをお受け取りください。おい!入れ!」
ダミアンが合図を出すと、部屋の扉が開き、大きな袋を乗せた台車を押す兵士が入ってきた。
「この中には盗賊の賞金も含まれております」
「受領します」
ソウルは、横にいたマギアに視線を向けると、その視線を受けたマギアは大きな袋に近づき、ウィンドウの中に入れた。
「…33104946オカーネンを受領いたしました。また盗賊の賞金は3104946オカーネンと記録されてあるので問題なしと報告します」
「確かに受け取りました。では、我々はお暇いたしますね」
「しばし待たれよ」
マギアの報告に頷いたソウルは、部屋から出ようしたが、ティアミイルがソウル達を止めた。
「何でしょうか?」
「ソウル殿達に少し頼みたい事がある」
ティアミイルが、神妙な面持ちでそう言った。
飛行船建造設備に必要な資源は「金属300」です。
総一郎は、とある有名なカジノのブラックリストに「絶対幸運者」(パーフェクトラッキーマンorラッキーマン)とあだ名を付けられて登録されています。
実際、高級家具がいくらなのか検索してみたら、普通に数百万以上してびっくりしました。
アップルが胸を張った時、なかなかなお山が2つ揺れました。そして、男性陣はその揺れを視線の動きでバレない様に見て記憶しました。
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