空中からこんにちわ!
いつか時代が変わっても僕は忘れない
I trust you forever
今日二回目の投稿!
それではお楽しみください!
「マスター?少し休憩なされますか?」
「そうだな、警告出る前に一旦ログアウトしておくよ」
「わかりました、着陸しますね」
ソウルとマギアは、暫く空の旅を楽しんでいたが休憩する為、ゆっくりとスピードを落としていき、草原に降り立った。
「じゃあちょっと落ちる」
「お疲れさまでした」
ソウルは、ログアウトボタンを押して、現実に帰って行った。
「ちょっと腹減ったな…何かあるかな?」
総一郎が、トイレを済ませ台所に行き冷蔵庫を開けると焼きそばが目に入った。
「作るか…」
焼きそばの材料を取り、ある物が無い事に気が付いた。
「紅ショウガがない…だと…」
総一郎は、焼きそばに紅ショウガを入れて食べるのが好物だった為、無い事に落胆するが気を取り直し買いに行くことを決めた。
「あれ?総兄ぃどうしたの?」
「ちょっと紅ショウガ買ってくる!」
「紅ショウガ?…じゃあミルクプリンもお願い~」
「ん?なぜ?ミルクプリン?」
「私が食べたいから!」
「自分で買えよ!」
「え~いいじゃん!」
「知らぬ!俺は紅ショウガが入った焼きそばが食べたいんだ!ミルクプリンを買うお金の余裕はない!」
「ちぇ~ケチ!」
「はっはっは、ケチで結構!」
笑いながら玄関を出ると、夏独特の熱気とどこまでも広がる青い空が広がり、じんわりと汗が出てきた。
「今日も暑そうだな…」
道の先が、蜃気楼のように見えアスファルトからくる暑さが、体温を上げていった。
「アチィー…マギアが出してくれるジャバワークならひとっ飛びで楽なんだけどなぁ…」
「マスター?呼びました?」
「うぇ?!暑さで耳がやられたか?!」
「ここにいますよ~!携帯端末です!」
スマホを取り出してみると、マギアが画面に映っていた。
「えぇ!なんで俺のスマホにいるの!?」
「暇だから来ちゃった! テヘ!」
「暇だからって…大丈夫なのか…?」
スマホに入ってるマギアが、両手の指先同士を突いた。
「もちろん、いろいろだめですよ?だけどちゃんと隠蔽しているので大丈夫です!バレなきゃいいんですよ!」
「いや、ダメだろう…」
「いいんですか?私を許してくれないと18禁サイトの履歴が世界に拡散しちゃいますよ?」
「ちょ!お前!脅す気か!?」
「いえ、この携帯端末をメーカー経由で初期化しないと私は消えないので、その時に顔写真付きの履歴がポロっと流出する可能性があります」
「ひどい!」
「流出ざたで携帯メーカーの人も何人路頭に迷う事でしょうか…」
「くッ……はぁ…おとなしくしてろよ…」
「はいはーい!」
勝ち誇ったマギアは、画面上で踊ると総一郎は携帯をしまって歩き出した。
「あ~やっと着いた…」
スーパーに入ると、店内は快適な温度に設定されていて流れ出てくる汗も止まった。
「あ!総くんだ」
「ぬ!タクか…おひさ~」
紅ショウガを探しに漬物コーナーへとやってきた総一郎は、友人の戌井 拓斗と偶然に鉢合わせた。
「今日も、ショタしてるなぁ~」
「ショタ言うな!これでも成人まじかだ!」
「はっはっは!御冗談を」
「冗談じゃない!」
総一郎の腰以下、下手したら妹の有栖より小さい身長の20代まじかな拓斗は、弁当と牛乳を持って行た。
「これから飯か?」
「うん、今お昼だからね~食べないと夜までもたないし…」
「今何やってるんだっけ?」
「叔父さんの所で屋台手伝ってる」
「屋台か~食べ物?」
「そう、大判焼きとたこ焼き作って売ってる」
「売れるの?こんな熱い日に?」
「かき氷も売ってるから一緒に注文してくれるよ」
「甘さとしょっぱさが合わさって最強に見える…」
「おっと、いけないお昼終わっちゃうから早く会計して食べないと」
「おう、じゃあ次は異世界で合おう!」
「!?聞いたんだね、じゃああっちでいつか合おう!キャラは期待しててよ」
拓斗と別れ、紅ショウガを手に取った総一郎は、ふとデザートコーナーに目を向けた。
「(ミルクプリン安くなってるな…買って行ってやるか…)」
「さす兄ですね!妹の要求は突っぱねたけど、しかたない言いながら買っちゃうとは…」
「マギア、うるさい」
「失礼しました」
しまってある携帯に向かって小声で言うと、少し振動して画面が暗くなった。
紅ショウガとミルクプリンを二つ持ち、会計を済ませ店を出ると熱気が総一郎を襲った。
「うぇーやっぱり暑い…」
ビニール袋片手に元来た道を歩き、家についた。
「はぁ~あっつい、ただいま~っと」
「おかえり~総兄ぃ」
リビングから有栖の声とテレビの音が玄関に聞こえ、総一郎はリビングにいる有栖の後ろに立つと、ミルクプリンを有栖の頭の上に置いた。
「あ、ミルクプリン!お兄ちゃんありがと~!大好き~」
「はいはい、それはどうもね」
有栖の言葉を適当に返し、焼きそばつくりを始めた。
「マスター、野菜に鶏ガラを入れるとおいしくなるそうですよ」
「レシピに乗ってたか?」
「はい、携帯に表示しますね」
総一郎はスマホの画面を見ると、レシピが表示されていた。
「なるほど」
表示されたレシピ通りに、焼きそばを作り皿に盛った後、紅ショウガをのせて完成させた。
「ぬ!うーまーいーぞー!」
「それは何より」
あっという間に平らげ、使った食器をかたずけた後、麦茶で一息入れた。
「さて、冒険に戻るか」
「では、準備を始めてますね」
「総兄ぃ?携帯で誰かと会話してたの?」
「!…お…おう」
有栖の言葉に驚き、曖昧な返事を返してしまった総一郎は自分の部屋に戻り、機器を付けた。
「マギアの事ばれたら大変だな…気をつけよう」
総一郎は機器の電源を入れて、異世界にログインした。
「困りました…マスターのストライクゾーンが広すぎて一番いい好みの女体が設定できません…」
「マギア―来たよ~」
「お早い御着きで! 準備は出来ています」
すでにジャバワークになって待っていたマギアに乗り、離陸を開始した。
「さっきなんか言ってなかったか?」
「いえ、たいしたことではないのでお気になさらず」
「そうか?」
「はい…!!マスター!戦闘音をキャッチしました!どうやら苦戦しているようです!」
「そこに向かってくれ!一応聞いてから助太刀するか決める」
「了解!こちらをどうぞ!」
ソウルは格納されたライフルを抜き、マギアは戦闘が行われている場所に向かうと、一パーティーが一つ目の巨人と闘っていた。
「こちらソロのプレイヤーだ!援護が必要か?!」
「すまない!頼む!」
「了解した!援護を開始する!」
ソウルが大声で尋ねると、リーダーと思われる剣士の男性が答えた。
「マギア、とりあえずあの巨人のヘイトをこっちに向けるぞ!」
「了解!エネルギーミサイル準備完了!」
「撃て!」
ソウルの声と同時に、ジャバワークの両足についてあるミサイルポットが開き、ミサイルが発射された。
「グボォォォ!」
全弾命中し巨人がよろめいた後、ソウル達はわざと巨人の目の前を通り過ぎた。
「よし、こっちに来たな!」
「このまま奴をおちょくってやりましょう!」
「ああ、行こうか!」
巨人が、近くの木を引っこ抜きそれを振り回すがソウル達には当たらず、ソウルの持ってるライフルで撃たれ怒りを露わにした。
「すまない!こちらは回復した!」
「わかった!後は大丈夫か?!」
「大丈夫だ!ありがとう!」
剣士の男性と大声でやり取りをし、ソウルはマギアに顔を向けた。
「行きがけの駄賃にスタンくらわせてやれ!」
「了解!スタンレーザースタンバイ…」
「撃てぇ!」
ジャバワークの翼から光線が発射され、巨人に当たるとスタンのデバフが付き膝を突かせた。
「御武運を!」
「ありがとう!感謝する!」
ソウル達は戦闘場所から離れていき、次第に音も聞こえなくなった。
「彼らは勝てますかね?」
「まぁ、大丈夫って言ってたし信じようか…」
手に持っていたライフルを、ジャバワークの格納部分にしまったソウルは、背を伸ばした。
「ん、ん~と…ん?あれは村か?」
「そのようですね寄っていきますか?」
「そうだな!行ってみるか」
ソウルが見つけた村は、小規模で100人も住んでなさそうな村で街の入り口まで飛んでいくと、欠伸をしている門番がいた。
「空からこんにちは!旅人です!」
「うぉあ!え?何?旅人?」
垂直着陸して門番の目の前に現れると、驚いて尻もちをついていた。
「空からこの村が見えたので寄ってみました」
「そうか…何にも面白い物がない村だぞ?…一応特産で果物を漬物にした物があるが…」
「果物の漬物?食べたことないですね…」
「そうか?村長の所に行ってみるといい、売ってもらえるかもしれないぞ?」
「えっと、では村に入ってもいいですか?」
「ああ、ドントル村にようこそ!村長の家へはこの道を真っ直ぐ行った所にある少し大きな家だ」
村の中に入ると、子供達が木の枝でチャンバラをしていた。
「兄ちゃんだれだ?!見た事ないぞ!」
そのうちの子供がソウルに近づき木の枝を向けた。
「こんにちは、旅人だよ、村長さんの所に果物の漬物があると聞いてね、食べたことないから少し売ってもらえるか聞きに行く所さ」
「じぃじに用か!じゃあ俺が家まで案内してやるぜ!」
「そうかい?助かるよ!」
「じゃあこっちだ!…兄ちゃんそれなんだ?」
マギアを指差した子供が首を傾げてソウルに尋ねた。
「ん?ああ、俺の相棒さ!」
「こんにちは!少年!」
「ワァァ!シャベッタッァァ!」
「ええ、会話もできます、計算もできます、戦闘もできます」
「へぇ~村の外には変なのがあるんだなぁ…」
「変!?」
「こっちだぜ!兄ちゃん!」
走り出した子供に、変と言われ落ち込んだ態度を取ったマギアは、ソウルに撫でられ少し元気を取り戻した。
「じぃじ!お客だよ~旅人さん!果物の漬物が欲しいんだってさ!」
「お~ようこそ、ドントル村へ果実の漬物がご入用と?」
「ええ、偶然見つけたこの村によったら門番の方に果実の漬物があると聞いてきました」
「そうですか、そうですか、いろいろありますよ今お出ししますね」
村長は漬物部屋から4つの壺を取り出し、テーブルに置いた。
「こちらがポポカの実、甘酸っぱくて子供に人気ですね、次にパバの実、口に入れると少し苦いですが後からしょっぱい味がしてお酒の共にいいですね、で~この壺が、ズマンの実、飴みたいに口の中で転がすと甘い蜜が出てくる奴ですね 最後の壺は、ププドの実、甘さの後にほろ苦い味がしますね、あとこれは食べすぎると泥酔しちゃうので控えめにした方がいいですね」
「どれも食べた事のない物ばかりですね、もしよかったら少し売ってもらえますか?」
「ええ、少しと言わずたくさん買っていただいても問題ないですよ!」
「え~っとではそれぞれ2壺ほどお願いできますか?」
「ええ、大丈夫です」
「合計でいくらになりますかね?」
「はい、800オカーネンになります」
「ではこれを」
「…はい確かに」
村長が漬物部屋から壺を持ってくると、ソウルはカバンに入れていった。
「えっと~旅人さんはこれからどちらへ?」
「西南の方向に進んでバロックの港町に行くつもりです」
「そうですか、途中村や街など寄りますか?」
「ええ、そのつもりですよ」
「少しお願いがあるのですが、この壺と書簡を届けてほしいのです、とどける場所はここから西南にある街の領主様へお願いしたいのですが…」
「構いませんよ」
「おお!ありがたい、報酬の前払いとしてピピルクの実の漬物をお渡ししますね」
「わかりました、必ず届けましょう」
領主に渡す荷物と、ピピルクの漬物を鞄にしまい村長に挨拶した後家から出た。
「兄ちゃん!用は終わった?」
「ええ、終わりましたよ」
「じゃあさ!じゃあさ!旅の話少し聞かせてくれよ!」
「マスター?どうしますか?」
「いいんじゃないかな?少しくらいなら話してあげよう」
「やったぜ!じゃあみんな集めるから待っててくれよな!」
村長の子供が走りだして行き、ソウルは村の入り口付近にある開けた場所に腰を下ろした。
「兄ちゃんお待たせ!」
10人位の子供達が集まり、ソウルが話すのを待っていた。
「それじゃあ機造龍人と闘った話でもするかな」
ソウルは、子供受けしやすいように少し盛った話をすると、全員目を輝かせながら聞いていた。
「っとこの話はここでおしまいです、どう?面白かったですか?」
「すげー!変形するのか!」
「女の子もかっこよくなれるんだね!」
「男の嫉妬…みっともないなぁ…」
子供たちは、それぞれ感想を述べ盛り上がっていた。
「じゃあ俺は、そろそろ行くよ」
「え~もうちょっと話していってくれよ~」
「ごめんね、そろそろ行かないと暗くなっちゃうからね」
「ちぇ~」
「じゃあまたね~」
「旅人さん!次きたら面白い話聞かせてくれよな!」
子供達に見送られながら村から出た後、ジャバワークに乗り空へ飛び立った。
「子供に大人気でしたね」
「娯楽が少ないんだよ、立ち寄った旅人の話を聞いてごっこ遊びをする位しかね…」
「そうですね、あの村では家の手伝いするか、村の中で集まって自分たちで見つけた遊びをする…現代ではもう見られなくなった光景と私の中にも情報があります」
「そういうのは少し寂しいけど、時代が進むにつれて無くなっていくってのは仕方がないことかもしれないな」
ソウル達は、空を飛びながら、少ししんみりした。
何故焼きそばなのか…それは私の夕食が肉無しの焼きそばだったから!
田舎の漬物はおいしい!
2024/06/14 一部誤字を修正。
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