製作の日 2
完成しました!お楽しみください!
次回更新は7月18日 0時更新です!
「銃は問題ないな」
「では次はベルト給弾を試してみましょう」
「分かった」
「ハッハー!お手並み拝見するぜぇ!」
ソウルは、Dice of Fateの試射を終えた後、テーブルの上に置いてある銃を前腰、太腿、後ろ腰にある新調したホルスターの中に入れ、特殊フィールド内が広がって行くのを見つめた。
「仮想敵はどうしますか?」
「まずは最弱のゴブリン3体から始めて行こう」
「承知しました」
ソウルは、深呼吸して集中を高めた後、両膝のホルスターから炎と風の銃を抜いて構えた。
「カウント5でスタートです」
マギアがそう報告した後、特殊フィールドの中心に5の数字が表示され、3…2…1とカウントされて行き、0が表示されたと同時に3体のゴブリンが出現した。
「おー!流石!早いね!」
ソウルは、銃口を素早くゴブリンの頭に向け、引き金を引いて絶命させた後、右手の銃で最後の1匹も撃ち抜くと、ゼフティがソウルの素早い攻撃に感嘆の声を上げた。
「次はゴブリン10体とゴブリン戦車2両です」
「了解」
ソウルがマギアに頷くと、特殊フィールドにゴブリン10体とゴブリン戦車2両が出現し、次々と襲い掛かってきたが、ソウルは落ち着いて繰り出されて来た攻撃を避けて反撃して行った。その途中で、リロードが必要になると、銃のグリップ付近にあるレバーを親指で押して、シリンダーを内側に向かって倒した後、銃口を上に向けてシリンダーの中に収められている空の薬莢を出した。そして、後ろ腰にあるカバンからベルトのレールを伝って弾が前に来ると、銃のシリンダーにある凸凹とベルトにある凸凹を合わせ、シリンダーを回転させながら弾を装填して行き、6発の弾が入った後、手首を捻る様にスナップさせてシリンダーを元の位置に戻すと、まだ倒していないゴブリンや戦車に向かって、引き金を引き倒して行った。
「次も同じ敵になりますが数が倍になります」
全ての敵を倒した後、マギアが言った事に頷いたソウルは、銃のリロードして待ち構えた。
「倍になったって言ったけど…増えすぎじゃないのか?ざっと見で40匹くらいいるぞ?」
「マスターならやれるはずです!…多分」
「え!?多分!?」
マギアの最後に言った小声が聞こえたゼフティは、ソウルとマギアを交互に見ながら驚愕した。
「く!流石に数が多い!マギア!これから銃に魔力を込めてみるからデータを取っておいてくれ!」
「承知しました」
ソウルは、両手の銃に魔力を込めると、銃身に刻印されたルーン文字が一つ一つ光出し、最後の文字が光ったと同時に引き金を引いた。銃口から放たれた火と風の属性を纏った弾頭が、ゴブリン戦車に当たると、属性同士が混じり合い大きな炎の竜巻を発生すると、付近にいたゴブリンも巻き込んで灰になって行った。
「次は氷と土だ」
ソウルは、両手に持っている銃をホルスターの中に入れた後、右後ろ腰にある銃と左太腿にある銃を、ホルスターから抜き、少し遠くにいるゴブリンに銃口を向けて引き金を引いた。狙われたゴブリンは弾頭で絶命したが、纏っていた属性が混ざり合うと、絶命したゴブリンを中心とした重力場が発生した後、その上空に無数の鋭い棘の形をした氷柱が現れ、下の重力に引かれて勢い良く落下し、付近にいたゴブリン達を串刺しにしていった。
「うわぁ…」
ゼフティは、目の前の悲惨な光景を見て、顔に青筋を立て引いた。
「やはりこの程度は問題ありませんね…ではこれならどうでしょうか?」
マギアが呟くように言うと、目の前のウィンドウを操作し始め、ソウルが最後の敵を倒したと同時に、ターン!と聞こえる程、勢い良く何かのボタンを押した。
「うわ!アンデットの大群!」
北から、計り知れない程のゾンビやゴーズト等のアンデットモンスターが現れ、ソウルは必死に攻撃して攻撃して数を減らそうとするが、減る気配は一向になかった。
「くッ!魔力が!」
残りの魔力値も底をつきかけて来た時、ソウルが深いため息を吐いた後、銃をホルスターの中に入れ、両手を上にあげた。
「ギブアップだ」
「ギブアップ宣言を確認。訓練モードを終了します」
ソウルがギブアップと言うと、訓練モードが終了し、目の前まで迫っていたアンデットモンスターが特殊フィールドと共に消失して行った。
「うん…俺っちも流石にあの数は無理だと思う」
「う~ん…色々問題点が見えて来たな…」
「一旦製作室に戻りますか?」
「ああ、そうだな」
マギアの言葉に頷いた後、ソウル達は製作室に戻って行った。
-アクアクリスタリア・銃士ギルド・製作室-
「さて、さっきの訓練で気づいた問題点だが~…1つ目はリロードだな」
「ベルト給弾に問題がありましたか?」
「いや、ベルトの方は問題なく給弾できる。ただ給弾方法が一つだけなのが問題なんだ」
「あー確かに!ベルトが壊されたら何も出来なくなっちゃうね?」
「ああ、だから別に給弾する方法を考えないとな…それで2つ目は問題は魔力だ」
「その事に関して私に案があります」
「じゃあ魔力の問題についてはマギアに任せていいか?」
「お任せください」
「頼んだ。3つ目はさっきみたいに大量に来られると対処しきれなくなってくるし、至近距離まで近づかれた時の対処だな」
「そうだねぇ…」
1つの問題点をマギアに任せ、残りの2つをソウルとゼフティは、一緒に頭を傾けながら悩み始めた。
「ああいった集団系には散弾銃が有効なんじゃないか?」
「散弾銃?散弾銃か…」
ゼフティから散弾銃と聞いて、ソウルは頭の中で、現代で使われているショットガンを思い浮かべた。
「ん?何か問題があったか?」
「いや、有効だと思うんだがどういう形にすればいいのかと思ってな」
「あ、それならいいのがあるぜ?ちょっと待っててくれ」
ゼフティがそう言った後製作室から出て行くと、数分後に装飾された長方形の木箱を片手に持って、製作室に戻って来た。
「こいつを開けてみてくれ」
ゼフティは、ソウルに木箱を渡して開けてみる様に言い、ソウルもその言葉に従って開けてみると、1丁の散弾銃が綺麗に収められていた。
「これは?」
「昔、ここを引退した職員が使っていた散弾銃だ。銃の名前は「ブラックジャガー」と言うらしい」
「へぇ…これはすごいな……ん?」
ブラックジャガーは、ポンプアクション式のショットガンだったが、同じ物をくっつけて一つにしたような見た目をしていた。詳しく言うなら、トリガーやグリップ、ストック、フォアエンドは一つだったが、それ以外は2つあり、エジェクションポートも左右に合って、外側に向かって排莢する仕組みだった。
「どうした?」
「フォアエンドが動かない」
「ああ、動かないのは壊れているからだね」
「壊れている?」
「ああ、倉庫整理した時にこれを見つけたんだけど、その時ガチャガチャして遊んでたら何かが折れる音と共に動かなくなってさ…どうしようもないからそのままにして置いておいたんだよね」
「ちょ!おま!」
「大丈夫!大丈夫!修理すればちゃんと使えると思うから!」
「しょうがねぇなぁ…」
銃士ギルドの管理に、一言言ってやりたかったソウルだったが、それよりもブラックジャガーに興味が勝った為、仕方ないと言った後にブラックジャガーを分解していった。
「これが動かなくなっていた原因だな」
ブラックジャガーを分解していくと、複数の内部パーツが破損しているのを見つけて取り出した後、同じ物を作る為に、原寸大で測りながら製図台に書いて行った。
「破損パーツが4個だ。作っていくぞ」
「おうよ」
ソウルは、アイテム欄から金属インゴットを取り出し、製作室にある炉で熱し始めた。
-2時間後-
「よし、問題ないな」
新しく作り出したパーツを組み込み、動かなくなっていたフォアエンドが問題なく動作する事に、ソウルは満足して頷いた。
「マスター、こちらも完成したのでお使いください」
「これはランタンか?それもなんかどこかで見た事ある形しているけど…」
「魔力吸引コンバーターです。ランタンの形は気のせいです」
「本当に?」
ソウルは、試しにランタンの横に付いてあるレバーを下ろすと、遮光版が横になり火の様な揺らめきをした紫色の光を出した。
「…」
「…」
「ハッハー!いいじゃん!かっこいいじゃん」
事情を知らないゼフティは、かっこいいとランタンを褒めたが、事情を知っているソウルは、眉間に皺を寄せながらマギアを見つめた。
「なぁ?マギア?」
「はいなんでしょう?」
「これってあれだよな?非公式戦闘部隊のランタンだよな?」
「気のせいですよ」
「いや!どう見ても零距離射撃で戦車破壊してくる部隊のランタンじゃないか!え?何?俺を催眠状態にして命を無視した前進をさせたいのか?」
「HAHAHA!そんなまさか!…まぁ敵対した相手からは恐れられると思いますよ?あいつは紫の鬼火と共にやって来ると」
「アウトー!アウト過ぎてゲームセットだよ!中身は問題ないからデザイン変更だ!それも早急にだ!」
「ソンナー」
デザイン変更と言われたマギアは、しょんぼりしながらソウルに従い、ランタンを分解して行った。
「なぁソウル?あのランタンの何が問題だったんだ?」
「大人の都合だな」
「あ~…なるほど」
ソウルが言った答えに、ゼフティは深く納得した。
散弾ではなぁ!!と思う方がいらっしゃると思いますが、ドラムマガジン装備のAA-12の火力を見て同じ事言えんの?と私はたまに言いたい。
奴らは青い鬼火と共にやってく…何だお前ら!うわ!放せ!助け…
モチベ維持に評価お願いします!
「ブックマークに追加する」ボタン登録もよろしくね!
いいね登録!よろしくお願いいたします!
誤字脱字報告 アザマス!




