オークション
完成しました!お楽しみぐだしゃい!失礼!わざと噛みました!
次回更新は6月27日0時もしくは7月4日0時になると思います!
6月27日に更新が無かったら構想ネリネリしていると思ってちょっとお時間ください!
カドゥケウス編 残りエピローグで終わりです!
2024/06/20 一文字下げを忘れていたので実行。
「ぷはぁ~」
「これをこうして~…ん!ハーッ…」
屋台巡りをして、食べ物や飲み物を入手したソウル達は、近くに規則的に並べられた簡易テーブルの一席に座った後、挨拶を簡略に済ませて食べ始めた。ジンジャーは蒸気が上がる枝豆を食べ、透明な容器に入ったビールを徐々に傾けて口に白い髭を付け、ソウルは分厚めに切られたかまぼこを箸で摘み、少しの醤油と紅葉卸を付けて口の中に入れ、食感と味を楽しんだ後に冷えた日本酒で喉に流し込み、至福の息をゆっくりと吐いた。
「あら?おいしそうに食べるわね?」
「実際旨い」
「私も大きくなったらそういう風にお酒を飲んでみたいです」
「お?じゃあその時が来たら旨い酒を奢ってやろう」
「え!本当ですか!絶対ですよ!」
ソウル達が、食事を楽しんでいると、丼一皿しか入らなそうな小さな岡持ちを持ったアップルと、各屋台から貰った食べ物を胸に抱えたマナリアが、ソウル達がいるテーブルに座って来た。
「あ、奢ると言えば~」
そう言ってくるアップルに、ソウルは嫌な予感を感じた。
「ソウルに手料理を作ってみたわ」
アップルは、小さな岡持ちから丼を取り出して、ソウルの前に置いた。
「こ…これは…」
「前に作った物に色々と追加してみたわ」
ソウルは、目の前に置かれた丼を見て、戦慄が体中を駆け巡った。
「これは…ヴォイ丼!しかも丼は溶けてないのに縁から垂れた液体はテーブルを溶かしている…だと…」
「色々追加したらこうなったのよ。まぁ食べて!」
アップルは、口元は笑っていても目は本気な表情でスプーンを渡してきたが、ソウルは更に強化されてV3となってきたヴォイ丼に危機感を感じ、スプーンを受け取ろうとはしなかった。
「あ…あーすまない!アップル!満腹のバフが今着いちゃったからもう食べられない!いやぁほんとにすまないなぁ!作って来てくれたその~…思い?だけ受け取るよ!あ、ありがとうね!」
「あら?そうなの?残念ね…」
ソウルの断りを聞いて、アップルは泣きそうな程ガッカリすると、その姿を見たソウルはこれはまずいと感じて、何か打開策は無いかと周りを見回すと、ジンジャーと目が合った。
「そうだ!ジンジャーこれ食べないか?腹減ってるだろう?」
「え!?ううん!大丈夫!枝豆とビールしか口にしてないけどビールって炭酸じゃない?その炭酸が~色々?何か?して胃を膨らませちゃって入らないから遠慮しておくね!」
「ゲップすれば入る入る!」
「ちょっと!流石に私でもこんな人が沢山いる場所で出さないよ!?」
「大丈夫だって!そういう性癖?な人がここにはたくさんいると思うから!」
「嫌!!」
ソウルとジンジャーは、笑顔で口論しながらヴォイ丼V3を押し付け合っていると、丁度隣のテーブルに男性プレイヤーが座ったので、しめたと思ったソウルとジンジャーは、互いにアイコンタクトをして共闘し、ヴォイ丼V3を男性プレイヤーの方に滑らせた。
「え?え?」
「君…ウェルミットに弱体化バフを付けられてもすごく頑張っていたね…」
「そうそう!凄かった!」
「は?え?…え?」
困惑する男性プレイヤーに、ソウル達は止まる事無く褒め称え出した。
「皆!聞いてくれ!俺はこの…あー…プレイヤーに!俺的MVPと特別な丼物を送りたい!だから皆もおめでとうの拍手を頼む!」
「おめでとう!よくやった!凄いわ!」
「ほ~それはすごいじゃん!」
「こりゃあ一気に行くしかねぇな!」
「おめでとう!」
ソウル達の声に反応した周りのプレイヤー達も、悪乗りして賞賛の言葉を贈り出すと、ヴォイ丼V3を目の前にした男性プレイヤーは漸く嵌められたと気づき、明白に嫌な顔をして断ろうとしたが、すでに断れる雰囲気ではない為に断る事が出来ず、ソウルが差し出して来たスプーンを震える手で受け取った。
「う!あう、ああぅ…あぁぁぁぁ!!…理不尽だぁ」
意を決してヴォイ丼V3を食べた男性プレイヤーは、いろいろな所から泡や体液を吹き出し、呻きながらその場に倒れた後【ログアウトまで3時間】と書かれたウィンドウが表示された。
「俺は君の勇気を忘れない…全員この偉大なる勇者に向かって…敬礼!」
ソウルの言葉に従い、その場にいたプレイヤー全員が、倒れた男性プレイヤーに向かって敬礼をした。
「…よし、もういいか。はい、解散!あ!誰か知らないけど、そのBGMは急いで止めてくれ!それ著作権バリバリに引っ掛かってるから!」
ソウルに注意されたプレイヤーは、肩に担いでいたラジカセの停止ボタンを押して止めた後、他のプレイヤーと同様に解散して行った。
「あ~…やっぱり今回もダメだったわね…次はこれを見ていた(作る所)人達にも協力して貰おうかしら?」
「残念だが次は無い。もしその時が来てもバイオテロリストとして対応させてもらう」
「そんな!?」
ソウルが力強く言った言葉に、アップルは衝撃を受けた。
-エインヘリャル・甲板-
ヴォイ丼事件から2時間後に宴会がお開きとなり、片付けを済ませた後、ホワイトローズやハピネスカラーのユニオンはそれぞれの拠点へと帰って行ったが、ユメミルク達の帰り道に学術都市ベリタスを通ると聞いたので、ソウル達は便乗させてもらう事にした。
「なぁ?ソウル?本当にベリタスでいいのか?」
「ああ、それで問題ない。少しそこでやる事があるからな」
「…あいよ」
そう返答したソウルの声に、妙な緊張感があるのを感じたユメミルクは、それ以上問う様な事はせずに短く同意し、舵輪を握り直して操船に集中した。
「(あれ?なんだかソウルさん…怒ってます?)」
「(なんかピりついているわね?)」
「(もしかしてあの丼原因なんじゃない?)」
「(え?でもあの後ちゃんと処理したわよ?)」
「(いや、そもそも作ったのが間違いなんじゃ?)」
「(そうかしら?う~ん…直接聞いた方が早いわね)」
「(そうですね)」
「(聞いてみよう)」
アップル、マナリア、ジンジャーの3人がソウルの様子がおかしい事に気が付き、その原因を小声で話し合ったが、正しいと思える答えを出せなかったので、直接聞いてみようと動き出したが、3人の話し合いが聞こえていたティカルが止めた。
「今のソウルに話しかけない方が良い。あれはすごく集中している状態だから」
「え?そうなの?でも何で?」
「大体は予想が付くけど、さっきソウルはベリタスでやる事があるって言っていたよね?」
「ええ、そう言ってたわね?」
「たぶんそのやる事が関係してるんじゃないかな?」
「やる事って何でしょうか?」
「それは後で聞いたら教えてくれると思うよ?だけど、今は駄目だよ」
ティカルが念を押した言い方で言うと、3人はその言葉に頷き、心配そうな目でソウルを見つめた。
「そろそろ到着するぞ」
ユメミルクがそう報告してくると、ソウル達はすぐ降りられる様に、舷門に集まった。
-学術都市ベリタス-
「皆お疲れ様!今日はここで解散だ」
「お疲れ~」
「お疲れさまでした」
「お疲れ」
「皆ありがとう!お疲れ!」
互いにお疲れと労いの言葉を掛け合った後、ソウル達はジンジャーに視線を向けた。
「ジンジャーもまたな。応援しているぞ」
「頑張ってください!」
「期待しているわ」
「これから大変だろうと思うけど頑張って」
「ありがとう!私頑張る!ううん…凄く頑張るね!またね!」
互いに手を振って別れた後、ジンジャーは足取り軽く自宅へ帰って行き、ソウル達もジンジャーの姿が見えなくなるまで見送った。
「じゃあ、僕はこのままホテルに行って落ちるね」
「私も落ちます」
「私も落ちるわ」
「あいよ、お疲れさん。あ、ティカル?この手紙をレオンさんに渡して置いてもらえるか?」
「手紙?あいよ~」
ティカルは、ソウルから渡された手紙を受け取った後、アップル達と一緒にホテルに向かって行った。
「…よし、始めるか。マギア付いて来てくれ」
「了解しました」
気合いを入れ直した後、ソウルはマギアを連れて、真っ直ぐ目的地に向かって行った。
-喫茶「学びの安らぎ」-
「こんばんわ、ソウルさん。お手紙にここに来て欲しいとありましたがどうしました?」
「御呼立してすみません、レオンさん。用件は他の方が集まった時にお話ししますので、もう少しお待ちください」
「分かりました。店員さんコーヒーをお願いします。ミルクと砂糖はいりません」
レオンは店員に注文した後、ソウルの左側にある席に座った。
「おや?ソウルさん?これはこれは…」
「あ、丁度良かった。シープ・レザーさん、貴方にも関係する話があるなのでこちらの席にお座りいただけますか?」
「そうですか?では、失礼して…あ、店員さん?私にコーヒーをください。砂糖とミルクはたっぷりでお願いしますよ」
レオンが席に腰を下ろした時、通り掛かったシープレザーが話しかけてくると、ソウルは笑顔でテーブルに招き、シープ・レザーもその言葉に応じて、ソウルの右側の席に座った。
「さて、お話とは?」
「あ、すみません。あと一人来るまでお待ちください」
「わかりました」
シープ・レザーは、ソウルの言葉を聞いてあと一人が誰かなのかを察すると、素直に従った。
-5分後-
「来ましたね?」
それぞれ本や新聞を読んだり、注文した飲み物を味わったりしながら、ソウルが言ったもう一人を待っていると、通りに人が居なくなっている事に気が付いたシープ・レザーが、ソウルとレオンに来た事を伝えてきた。
「待たせちまったかねぇ?」
「いえ、大丈夫ですよ。来てくださってありがとうございます」
「それで?今回はどんな厄介事を持ってきたのかねぇ?」
クレインは、ソウルと対面する位置にあった席に座ると、要件を訪ねてきた。
「人数も集まったので早速始めたいと思います。今回皆さんにお集まり頂いたのは、無事にカドゥケウスを獲得したという報告と買って頂きたい商品があるからです」
「おお!すごい!見せて貰えますか?」
「いいですよ。少しお待ちください」
シープ・レザーに頷いたソウルは、アイテム欄を開いてカドゥケウスを取り出し、テーブルの上に置いた。
「ほぉ…こりゃ見事さねぇ…」
「ただの伝説だと思っていましたよ…」
「杖の特性もなかなか…ん?待ってください?…え?家具?」
片眼鏡をかけたシープ・レザーが、信じられないと言う様な顔をしながら、ウィンドウに表示された説明文を2度見した。
「家具ってどういう事さね?」
「武器…ではないのですか?」
クレインとレオンは、困惑した顔をしながら、ソウルに顔を向けた。
「俺も最初どういうこと?と思ったのですが、これをユニオンハウスに置くとユニオンメンバーに効果が付与されるタイプの物だったのです」
「あ~なるほどね…だから家具ってことさねぇ」
「納得です」
「なるほど…つまり組織に属していたらその全員が杖の恩恵にあずかられると…これを売ってくださるのですか?」
「いえ、これを売りたい訳ではありません。…ですが、俺が売りたいものは今皆さんが凄く欲しているものですよ」
「それはなんだい?」
「今お見せしますね。マギア」
「はい、こちらをどうぞ」
カドゥケウスをアイテム欄にしまいながら、マギアに合図を出すと、マギアは巻かれた羊皮紙をソウルに手渡した。
「それは?」
「とあるお宝が記された魔法の地図です」
「宝ですか?」
レオンの聞き返して来た言葉に、ソウルはニヤリと嫌な笑みを浮かべながら話を続けた。
「ええ、その宝の名前はデリー・バートン。どうです?すごいお宝でしょう?」
ソウルが、デリーバートンと名を言うと、テーブルを囲んでいた3人の眼の色が変わった。
「それはそれは!凄いお宝ですね!」
「ああ、確かに…」
「喉から手が出る程欲しいさねぇ…」
3人は、ゆっくりと椅子の背もたれに寄りかかり、顔を動かさないまま視線だけ動かして、互いを見合った。
「ウェルミットの塔を攻略している時あの男が襲ってきたので、仲間達と協力しながら返り討ちにしたのですが、その時によくある命乞いをして来たので、俺はある条件と引き換えに応じる事にしました」
「条件とは?」
「契約状態にあったオニオンチョップとミラ・ストーカーの解放です」
「へぇ…あんたにしちゃ優しいさねぇ?」
「私も鬼ではありませんので命乞いをして来た奴には条件次第で許しますよ?…と言いますが、そもそも俺はあの男に対して恨みや憎しみ等はありませんよ?ただの悪い奴だけとしか認識してませんし…」
「恨みはないねぇ…でも命を狙ってきただろうさねぇ?」
「それは、こういう生き方をしているので仕方ない事ですよ。誰かを助ける為に引き金を引けば撃たれた人またはその配偶者や親族等に恨まれる。その逆も然り…当然ですね」
「そんな生き方辛…いや…これはあたしらみたいな影の中に潜む者が言っちゃいけない言葉だねぇ…」
クレインは、少し悲しそうに言うと、ソウルは優しく微笑んだ。
「そのお心だけを受け取らせていただきます…では早速始めましょうか。宝を守るガーディアンもいない、記された場所に行けば必ず手に入る宝の地図をいくらでご購入されますか?」
ソウルがそう尋ねると、尋ねられた3人は、金額を言葉にしながら競って行った。
ヴォイ丼V2じゃないの?と思ったそこのあなた!それは一段階スキップ強化して来たと思ってください!なのでV3です!間違ってもどこかのライダーを連想したり「ブイ、スリャー!!」と言わない様に!
モチベ維持に評価お願いします!
「ブックマークに追加する」ボタン登録もよろしくね!
いいね登録!よろしくおなしゃしゃっす!
誤字脱字報告 アザマス!




