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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
カドゥケウス
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カドゥケウス

完成しました!お楽しみください!


次回更新は6月13日 0時更新です!

「お疲れソウル。最後危なかったわね」


「お疲れアップル。ああ、ギリギリだったけどジンジャーがやってくれたよ」


 変異体デリーバートンとの戦いが終わり、リザルトを確認し終えた仲間達がソウルに近づいてきて、まず最初にアップルが話しかけてきた。ソウルは、アップルに返事しながら、地面に転がった右腕の義手のパーツを拾ったが、そのパーツは淡い光の粒子となって消え去ってしまった。


「ダメが…」


「マスター?残念ながら再利用はできません」


「だよなぁ…何の付与も付けてなかったしなぁ…」


「壊れたならまた作ればいいじゃない?」


「そうなんだけどさぁ…結構気に入ってたし自信作だったんだぜ?それが壊れたっていうのは結構ショックなんだ…」


「気持ちは分かるけど新しい物が作れると思って気持ち切り替えた方がいいんじゃない?」


「…そうかぁ…そうだよなぁ…はぁ」


 ティカルの言葉に頷いたものの、ソウルは気持ちはすぐには切り替える事ができず、深いため息を吐いた。


「ゴホッ!ガハッ!…なんだ?…俺は…生きているのか?」


 ソウル達が話し合っている中、突然変異体デリーバートンを倒した場所からそんな声が聞こえると、ソウル達はまさかと思い、声が聞こえた方向に武器を向けた。


「…消化の悪い奴だな?デリー・バートン?」


「ま…待ってくれ!降参だ!降参する!」


 デリーバートンが、両手を上げながらそう言うと、ソウルはその言葉に眉を寄せた。


「その言葉を信じると思うか?」


「本当だ!し…信じてくれ!」


「なら…」


 ソウルは、一度ミラストーカーを見た後、再びデリー・バートンに戻した。


「ならミラストーカーとオニオンチョップの契約を解除しろ」


「な!…それは無理…」


 ソウルは、デリーバートンの言葉を遮る様に、足下へ発砲して黙らせた。


「何か言ったか?」


「…ちっ」


 デリーバートンは、小さく舌打ちした後に渋々ソウルに従い、腰のポシェットから巻かれた羊皮紙を取り出して広げた後、力強く破り捨てた。


「どうだ?」


「…ちゃんと解除されているわ」


「そうか。ならこの男を街まで飛ばしてやってくれないか?」


「はぁ!?あんた本気で言っているの?私が言うのもなんだけどここで殺しておかないとまた来るわよ?」


「俺は降参した敵は撃たない主義だ」


「…あんたがそう言うなら私はもう何も言わないわ」


 ミラストーカーはソウルに呆れた後、スキルを使ってデリーバートンの後ろに黒い渦を作り出した。


「へ…へへ…助かったぜ!もうお前には手を出さねぇからよ!安心してくれ!(へ!甘ちゃんが!)」


 助かったと感じたデリーバートンは、急に饒舌になって守る気の無い約束を勝手にした後、黒い渦に入る為に後ろに振り返った。


「【クイックブースト】」


 突然、ソウルが右腕にあるブルーローズをパイルバンカーの形にしながら、スキルを使ってデリーバートンとの距離を詰めた後、全力で殴り飛ばし、デリーバートンを黒い渦に入れた。


「てめぇ!どんな教育を受けっ…!?」


「こんな教育だ。大馬鹿野郎」


 遠くなっていくデリーバートンの声を聞きながら、ソウルは突出したパイルバンカーの杭を元の位置に仕舞い、小さく答えた。


「ソウル?」


「どうした?」


「さっきのパイルバンカーの先端が円みたいになってたけどあれは何なの?」


「マーカーを付けた。これであいつが何処に居ようとも分かるようになる」


「なるほど、それなら襲ってく来たとしても分かるわね」


「…いや、もう二度と襲ってこない…()()()()と思うぞ?」


「え?どういう事?」


 アップルの問いかけに、ソウルは態と笑ってごまかした後、天井を見上げた。


「ウェルミットさーん!倒しましたよー!」


 ソウルが大声で言うと、少しの間を置いて返事が返ってきた。


「お!本当だ!完全に消えてる!これなら再び出てくる事(リポップ)はない!やったぜ!いやぁありがとう!ありがとう!」


 玄関に居た時と同じ半透明のウェルミットが、天井から降りてきながらソウル達に感謝の言葉を述べた。


「じゃあ約束通り天使の情報を…」


「あ、待ってください」


「へ?」


 ソウル達と同じ目線の高さになったウェルミットは、早速天使の情報を伝えようしたが、ソウルが待ったをかけた。


「天使の情報も欲しいですが、俺達はカドゥケウスを求めてここまで来ました。なのでその杖も頂きたいのですが?」


「え?そうなの?杖か~う~ん…ちゃんと三つのアイテムも集めてこの塔を開いたし…う~ん」


 暫くの間、どうするかと悩んでいたウェルミットは、何かを閃いた顔をした後、ソウルの顔をじっと見た。


「君、よく見てみるとすごい美人だね?おじさん、君に女装して貰った後、嫌な顔されながらギリギリな所までスカートたくし上げて欲しいな~」


「ハァ?」


 ウェルミットの言っている事が一切理解できず、ソウルは何処ぞの猫ミームの様に聞き返した。


「いやね?本当は試練を受けて貰うんだけど、準備に1か月くらいかかるし~…それまで待ってもらうのもねぇ?」


「別の試練を要求す…ハッ!」


 別の試練にする様に要求を出そうとしたソウルだったが、後ろからユメミルクとアップルが、ソウルの肩を強く掴んで逃げられないようにした。


「いいじゃないソウル?女装するだけで杖が手に入るんだし」


「前に女装する事に抵抗は無いって言ってたじゃないか?なら問題ないじゃないか?」


「そうだけど後のが問題なんだ!」


「ソウルなら大丈夫だって~」


「なにも大丈夫じゃないが!?」


「犬に嚙まれた…まではいかないけど小便引っ掛けられた位だから問題ないよ?」


「問題だらけだ!クソ!全然外れねぇ!?どんな握力してるんだ!?」


 必死逃げようとするソウルだったが、二人の握力が異様に強く、逃げられなかった。


「ソウルさん!こっちはスクリーンショットの準備はOKです!」


「マナリア!?記録に残そうとするんじゃない!」


「お父さんお母さん見てる?これからすごい事が起きるよ」


「ジンジャー…お前もか!?」


「ハーッハッハッハッハ!」


「この笑い方は!?」


 聞き覚えのある高笑いが聞こえ、打楽器音から始まるBGMが流れてくると、地面に魔法陣が出現し、そこから両腕を組んだノースがせり上がって来た。


「ソォウルちゃんがぁ女装ぅするときぃて!」


「もう駄目だぁ…おしまいだぁ…」


 ノースの登場によって、女装で嫌顔たくし上げが確定となった事に、ソウルは絶望した。


「じゃあちゃっちゃと準備ぃするわぁねぇ」


「あ!おじさんが衣装選んでもいいかな?」


「せ…せめて1着だけ!1着だけでお願いします」


「1着だけ?ん~仕方ないなぁ」


 ソウルの精一杯の抵抗が通じたので、少しだけ気分が晴れた。


「じゃあ~この服とこの服を掛け合わせてスカートはロング。黒タイツと少し厚底のメイドシューズに~…」


「あらぁ!いいじゃぁなぁい!!あたらぁしい境地にいけぇそうだぁわぁ!」


「…マジかよ」


 ウェルミットが、掌の上に服のホログラムを出してノースに要望を出して行くと、ノースはそのチョイスでテンションが爆上がりし、ソウルの少し晴れた気分が失われ、再び絶望に包まれた。



 -8分後-



「出ぇ来たぁわ!自信作よ!そっちはいいかぁしらぁ?」


「はい!モデル(ソウル)さんのメイクは終わってます!」


「じゃあソウルちゃぁん?こぉれに着替えてぇあのお立ちぃ台の上にぃ立ってねぇん?」


「…ア、ハイ」


 周りに居たプレイヤー達も悪ノリして協力し、小イベント並みの会場も設置されて、全ての準備が整うと、ソウルは渡された衣装を装備欄で変更した後、お立ち台の上に立った。


「おー!いいじゃないか!おじさんすごく楽しみだよ!」


「………」


 ウェルミットの言葉に反応せず、ソウルは無表情で虚空を見つめた。


「(…どうしてこうなったって悩んでも仕方ないし…もうパパっとやって終わらせよう)」


「ではソウルさん!お願いします!」


 進行役と思われるプレイヤーに言われて、ソウルはウェルミットに嫌な顔を向けながら、スカートをギリギリの所までたくし上げて行った。


「こ!これはぁ!!」


「きゃー!ソウルさーん!いいですよ!すごくいい!」


「…あれ!?なんか新しい何かが開きそうだ!」


「うぉー!すげー!」


「連写!連写!」


 周りのプレイヤーから様々な黄色い声が起こり、ソウルは顔が赤くなるのを必死に我慢した。


「あ…あああ…これは!開く!開いちゃう!うほぁぁぁぁぁぁ!」


 目の前で見ていたウェルミットが、気持ち悪い声を出すと、部屋の奥で地面から鉄製の扉がせり上がっていき、重厚な音を出しながら開いて行った。


「…ふぅ。いや~よかった!おじさんの中の何かが開いちゃったよ!扉だけにってね!あっはっはっは!」


「…黙れ」


 くだらない事を言ったウェルミットに対し、ソウルは心からの言葉を言った後、仲間達と共に開いた扉の中に入って行った。


「これが…」


「ようやくね」


「やっとだね」


「大変でしたね」


「これが…お父さんとお母さんが手に入れようとしていた杖…」


「なるほど、なるほど」


 ソウルやアップル達が、目の前の杖を見てそれぞれ感想を述べた後、互いに視線を交わし、全員で同時に杖に触れた。


【アナウンス:カドゥケウス を入手しました。称号【2重蛇の螺旋杖を手に入れし者】INT+40% MP解放されている場合、MP+40%】


「やっぱり称号のステ上昇もINTだね…って何してるの?」


 アナウンスを確認し終わったティカルが、首を傾げながらウィンドウを操作しているソウルを見て、何をしているのかと尋ねた。


「なんでか知らないけど装備出来ないんだ…」


「へ?どういう事?見せてみ?」


 ソウルは、ティカルにカドゥケウスを渡し、ティカルはウィンドウを開いて確認してみた。


「あー…なるほど。…ソウル?」


「何か分かったか?」


「残念だけどこれ武器じゃない」


「はぁ?」


 ティカルの言った事が信じられなく、杖を返して貰った後に確認してみると、カドゥケウスの説明欄に【家具】と明記されていた。


「家具カテゴリー!?」


「うん。これをユニオンハウスに設置するとユニオンメンバーが製作時に要求される必要アイテム数が半分になるらしいよ?」


「あら?なら次はユニオンハウスを手に入れないとね?」


「家ですか?何処に作りましょう?」


「候補をリストアップしておきますね」


「家か…」


 ソウルがそう呟いた後、仲間達と共にユメミルク達がいる場所へ戻って行った。

かっこよく決めたと思った?残念!次は女装だ!


デリーバートンの(へっ!甘ちゃんが!)は心の声です。



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誤字脱字報告 アザマス!

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新乙 ソウルが建てるクランハウスか~普通じゃないな!! (謎の信頼感) 世界樹に造るツリーハウス 海に浮かぶ小島に家 空に浮かぶ城 地下火山の要塞 大陸間鉄道の1両車輌貸し切り マギアの…
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