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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
カドゥケウス
246/329

ウェルミットの塔 3

準備回1です!お楽しみください!


次回更新は4月4日 0時更新です!

次の日私の誕生日じゃないか…また一つ年を取ってしまうな…


「よっと」


「むぅぅぅぅぅぅぅん!あと6足りないぃぃぃ!!」


「うお!なんだ!?」


 ソウルが集合時間より早い時間にログインすると、すぐ目の前でユメミルクが頭を抱えながら苦悩していて、ソウルはその姿に目を大きくさせて驚いた。


「おーっすソウル~」


「ようホワイトローズ…で~あれはなんだ?どうした?」


 丁度その場を偶然通り掛かったホワイトローズが、ソウルに挨拶した後、苦悩するユメミルクに憐みの視線を向けた。


「ギガントグラトニーで出した瞬間最高火力があと6あったらランキング1位になれていたんだってさ~」


「へぇ~そうなんだ。それって1位になると何かあるのか?2位じゃダメなのか?」


「1位を超える数値を出してその数値がランキングが更新される朝5時までに超えられる事が無かったらSTRが爆上がりする「我が一撃は究極なり」って言う称号が貰えるよ~。2位には何も無いね~」


「その称号は一人だけが貰えるのか?」


「うん~」


「へぇ~」


「あと…アト6ゥゥゥゥゥ!」


 ユメミルクは、精神崩壊しそうな程苦悩し、言語が片言になって行ったが、ホワイトローズとソウルの二人は「あ、これ話しかけたらめんどくさい奴だ」と察して、憐みの視線を向け続けた。


「あ、ソウルさん」


「はい、ソウルです!なんでしょう?」


 ソウルとホワイトローズの二人が、憐みの視線をユメミルクに向けていると、右胸に薔薇乙女騎士団の団章が刺繍され、全体的に白色を基調としているジャージを着たエルフの男性が話しかけて来た。


「魔返し鍛錬で普通より少し長めのロングソードを作って欲しいのですがいいですか?」


「分かりました。素材は何ですか?」


「この二つを使って欲しいのですが…」


「お~!朱井(あかい)君、オリハルとアトランなんて豪勢だね~!」


「えっと~…その~実は…昨日見た夢でアトランティスインゴットを芯に使ってオリハルコンのロングソードを作っている所を見学しているという夢を見たのですが…それがどうしても気になって頭から離れないのです…」


「ん?逆じゃない~?アトランの方が上位アイテムだからオリハルを芯に使った方がいいんじゃない?」


「そうなんですが夢では逆でした…」


「…その話についてもっと詳しくお話いただけますか?」


 ソウルの言葉を聞いて、朱井は信じられないと言いたそうな表情でソウルを見つめた。


「自分が言うのもなんですがこんな話を信じてくれるのですか?」


「信じますよ。そう言った事には何かがあると思いますし、実際俺もそういった予知夢を見た人に助けられた事もありますからね」


「それって例の連れられた時~?」


「ああ、あの時友軍が放ったミサイルが~…あ、これは言っちゃいけない奴だった」


「え!?友軍!?ミサイル!?」


「話を戻しましょう。それで夢で見た物はアトランティスとオリハルコンだけでしたか?」


「え?えーと…何かキラキラした粉を芯と皮鉄?と言えばいいのでしょうか?その間にいれていました」


 朱井の言葉を聞いて、ソウルは顎に手を当てて首を傾げた。


「キラキラした粉ってなに~?」


「すみません…それは分からないです…ただキラキラしてる粉とだけしか」


「そのキラキラは何のために…いや、端材とかで普通に作ってみた方が早いか…」


「やってみよ~…と言いたいんだけど私は別の用事があるからまたあとでね~」


「あいよ。」


 その場でホワイトローズと別れた後、ソウルはマギアをウィンドウから呼び出して、朱井一緒に製作テントに向かって行った。





 -薔薇の女王側・製作テント内-





「一応作ってみましたが…オリハルコンを芯に使った物の方が性能が高いですね?」


「…そうですね」


 ソウル達は、製作テント内に設置されてある大型の箱から、アトランティスとオリハルコンの端材を貰い、ステーキナイフ程の刃物を2本作ってみたが、オリハルコンを芯に使った方が良いという当然の結果にどうしようかと頭を少し傾げた。


「先ほどのお話に合ったキラキラした粉が重要なようですね?」


「粉…粉か…」


「小麦粉でしょうか?」


「パンでも焼く気か?絶対に違うだろ」


「片栗粉という線はどうでしょうか?」


「炭しか残らなそうですね…」


「ではコンソメ顆粒やレッドペッパーそして塩コショウを混ぜたスパイスはどうでしょう?」


「何かいい匂いしそうだ…っておい!さっき言ったやつ全部入れたら唐揚げ粉になるじゃねぇか!腹減ってんのか?」


「あ、じゃあ私は蓋が壊れた〇ッカレモンを持って待機してますね!」


「それ絶対戦争になって回避も出来ねぇじゃねぇか!やめとけ!…って今は唐揚げの話じゃなく鍛冶の話だ!」


 ソウルは、二人にツッコミを入れて話を戻した後、目の前にある2本の刃物に視線を向けた。


「キラキラしているなら何かしらの金属かもしれないな?」


「金属ですか?それならミスリルがいいと思います」


「何故だ?」


「アトランティスは伝導率が高く威力や効果を倍にする特性を持っているのでその特性を全体に生き渡せる効果を持つのがミスリルだからです」


「あーっとつまり~例えるならアトランティスが太い血管でミスリルが細い血管の役割をするって事か?」


「そうです」


「なるほどな。ちょっとやってみるか」


 ソウルは、設置された箱に向かい端材を取ろうとしたが、箱の中に様々なインゴットが一定の数で入っているのを見つけた。


「(お?新しく各種インゴットが20個づつ入ってる!これを自由に使っていいとか…やっぱ大規模ユニオンはすげぇな…)」


 太っ腹だなと思いながらアトランティスインゴット、オリハルコン、ミスリルインゴットの3つを箱から取った後、インゴットを粉末状に出来る機械にミスリルを入れて、ミスリル粉を生成して行った。


「マギア、ミスリル粉が出来たら持ってきてくれ。俺はアトランティスとオリハルコンをトンカンしてるから」


「分かりました」


「えっと自分も何か手伝った方が良いですかね?」


「朱井さんは…う~ん…別にやって貰う事が無いのでそこに座ってじっと見ていてください」


「え?…あ、はい」


 朱井は、言われた通り近くに座った後、ただ只管(ひたすら)に金属を叩くソウルの姿を、穴が開きそうな目で凝視した。


「…すみません朱井さん…俺が言った事ですがそんなに凝視されとすごくやりづらいです…」


「あ、そうですよね。自分もそう思ってました!」


「(え?じゃあなんで止めなかったんだ?)」


 朱井のまさかの答えに、ソウルは内心で疑問を感じていると、瓶を片手に持ったマギアがもどって来た。


「マスターお持ちしました」


「ありがとう。こっちももう少しで出来る」


 熱された2つの金属を、ハンマーで数回叩いて形を整え、再び炉の中に入れて熱した。


「よし、それじゃあ始めるか。マギア、サポート頼む」


「了解しました」




 ~30分後~




「名前を付けて完成!」


 粉末にしたミスリルを、アトランティスとオリハルコンの間に振り掛けた後、只管に一つになった金属を叩いて行き、紫色の(ロングソード)が出来上がった。


【アナウンス: 紫の剣 が完成しました! カテゴリー 『オリジナル武器』 等級 『ゴッズ』 武器レベル 『411』 ゴッズ専用スキル 『乱咲き紫蓮花』 各種パラメーターは装備欄からご確認ください。】


「ゴッズスキルも付いてパラメーターも強いですね!」


「うん、いい感じだな。さてと…素材渡して貰っていいですか?」


「え?」


 ソウルは、紫の剣を自分のストレージの中にしまった後、何かを求める様な手を朱井に向けて出したが、朱井は何の事だか分からない顔をした。


「アトランティスとオリハルコンを渡してください。ミスリルの粉はまだあるので大丈夫ですよ」


「え?さっきの剣を貰えるんじゃないんですか!?」


「いや、さっきの剣は検証と練習で作った剣ですので刀で例えるなら影打です。朱井さんの素材で真打を作るんですよ」


「ア、ナルホド…」


「あ、それと武器の名前はどうしますか?」


「え~っと…あ!ゴッズスキル名の「紫漣花」がかっこいいのでそれで!」


「分かりました」


 ソウルの言葉に納得した朱井は、アイテム欄からアトランティスとオリハルコンのインゴットを取り出した後、ソウルに渡した。


「よっしゃマギア!気合い入れて作るぞ!」


「はいマスター!」




 ~40分後~




【アナウンス: 紫漣花 が完成しました! カテゴリー 『オリジナル武器』 等級 『ゴッズ』 武器レベル 『307』 ゴッズ専用スキル 『満開紫花』 各種パラメーターは装備欄からご確認ください。】


「…」


「…」


「…」


 気合いを入れて作ったが、出来たのはどう見ても紫の剣より下位性能の剣だった。三人はその下位性能の剣をしばらく無言で見つめていたが、ソウルが無言のままでアイテム欄から紫の剣を取り出し、リネーム機能を使って「紫蓮花」に変更した後、スッと朱井に手渡した。


「…えっと~その~確かに受け取りました。協力ありがとうございました」


「ア、ハイ…何か問題があったらいつでも対応しますのでお気軽にご連絡ください」


「はい、では」


 ソウルとマギアは、朱井がそそくさとテントから出て行くのを見送った後、失敗作の「紫蓮花」を見つめた。


「何が駄目だったのだろうか?」


「ミスリルを入れ過ぎたのではないでしょうか?」


「製法は間違えてないから原因はそれだな~気合い入れすぎちまったぜ!ハッハッハッハ!」


「やり過ぎてしまいましたね!HA-HA-HA‐HA!」


 共に失敗をわざとらしく笑っていた二人だったが、端材や材料を取った箱の前にいたプレイヤーの大声が、ソウルを凍り付かせた。


「すみませーん!この箱に入っていたインゴットなんですけど誰か取ってませんかー?荷物が一杯だったから一時的に入れて置いただけなんですー!返してくださーい!アトランティスとオリハルコンとミスリルインゴットの3個が足りませーん!」


「(あれって自由に使っていい物じゃなかったのか!不味いどうしよう…)」


「どうしたの?」


「あ!副リーダー聞いてください!この箱に一時的に入れて置いたインゴットが足りないんです!」


「(どうする!?素直に謝った方が良いか?それで弁償しないといけないから…)なぁマギア?アトランティスとオリハルコンとミスリルって今いくらだ?」


「ふんふん…なるほどなるほど。」


 ソウルは、体を硬直させながらどうしようかと考えていると、製作テントにミミランジェが入り、箱の前にいたプレイヤーから事情を聴きだした。そして、ソウルは小声で3種のインゴットの値段をマギアに聞こうとしていると、ミミランジェは真っ直ぐソウルに向かって行った後肩を軽く叩いた。


「ソウルさん?ちょっとお話良いですか?」


「な!?なぜ真っ直ぐこっちに来たのですか!?」


「うちの規律の一つに「黙って取って行く人は退団もしくは奉仕作業50時間」と決められていますから、取る行為をする人はいませんし、そう言った事情を知らない人はこのテントの中にはソウルさんだけですので」


「ぐぅのねも出ねぇ推理に脱帽ですよ…フッ…」


「フッ…じゃないです。少しお話しましょう」


 ミミランジェに襟首を掴まれ、ソウルはそのままどこかに引きずられて行った。

ユメミルク世界に一歩…いや半歩届かず。どうにでもなる数値なので悔しさは割増でしょう。

火力ランキングは世界共通です。サーバー別とかそういう話はありません。


予知夢めいた事は私にも経験があります。


本番として作ってみたけど練習で作った物の方が良い出来…あると思いましゅ!


-書き忘れ-

ソウルは盗んだ訳ではなく、もともと箱に入っている物は自由に使っていいと言われています。インゴットを入れていた人は新人さんなので、そういう事は知らずに箱を一時保管庫として使っちゃった訳です。



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誤字脱字報告 アザマス!

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― 新着の感想 ―
[一言] 気合いが空回りしちゃったのかな~(遠い目) 新しい技術はマギアボディの礎になるから無駄じゃないね!!
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