プロジェクトR -完成のファンファーレ-
完成しましった!お楽しみくださいどす~
次回更新は3月14日 0時更新です!
「こんにちわ~」
「あぁら?南ちゃんお久ぁー」
「南ちゃん言うな!って…うわぁ…」
クエストを終わらせ、プロテウスにやって来たサウスリアが、真っ直ぐ製作テントに向かって中に入って行くと、目の前に混沌広がっている事に驚いた。
「ふははははは!よくやった!」
「さぁ!早速 ツクルノデス!」
「うぐ…ひっぐ…グズ…獲得したSP全部使うとか…裁縫スキルどうなってんだ…ウゥ…」
サウスリアが見た光景とは、ソウルが地面に突っ伏して嗚咽を洩らし、ユメミルクとホワイトローズの二人が、謎の仮面を顔に付けて腕を組み、上半身を一切動かさずにソウルの周りをスキップしている、何かの儀式めいた光景だった。
「え?何?なんなの?」
「ソウルちゃんのSPはぁ犠牲にぃなったのよぉ…ローブのぉ為に…」
「SP…あーなるほど」
サウスリアは、ノースが言ったSPと言う言葉で察し、大体の状況が理解できた。
「えっと~とりあえずソウルさんの方は準備が整ったという事でいい?」
「そぉうねぇ~必要なスキル(や要らないと思うスキル)もぉ取ったからぁ~大丈夫ぅなはずよぉ~」
「ん!?ノースさんさっきなんて言いました?小声で要らないって聞こえましたが?」
「あらぁ?そんなぁ事言ったかしらぁ?あぁ、きっと蝉のぉ声ねぇ」
「蝉!?」
「そうそう蝉の声だよ~空蝉の声かな~?」
「まぁ夏だしな!蝉の声がするのは当たり前だ」
「そうか、俺は蝉の声を聞き間違ったのか…ってそんな訳ねぇだろが!!空蝉って蝉の抜け殻事だろ!?抜け殻がどうやって鳴くんだよ!それにここは海中にある街だから蝉なんているはずが無いし!」
ノースの小声が聞こえたソウルは、驚愕した顔でツッコミを入れたが、蝉の声で誤魔化そうとした当人達は、聞く耳を持たずに明後日の方向に顔を向けた。
「じゃあ、早速作ってみましょう。私が持ってる支援スキルを掛ければいいんでしょ?」
「そぉうよぉ!得盛でぇ頼むわぁ」
「得盛?あーじゃあ~これとあれもっと」
「あれ!?もう作る感じですか?不要なスキルの話を詳しく聞きたいのですが!?」
ソウルは抗議する様に言ったが、その言葉に誰も反応することは無く、サウスリアから製作に関する支援バフが次々と掛けられていった。
「掛けられるものは全部掛けました」
「ソウルぅちゃん?私がぁ掛けたバフはまだあるぅわぁね?」
「…あります」
「じゃあぁ作ってぇみまぁしょう。基本的なぁ作りぃ方も教えてぇあげぇるわぁ」
「私も手伝いするよ」
「…分かりました。やってみます」
要らないスキルを取らされた事に、納得できないソウルだったが、ここで何時までもゴネても仕方ないと思い、素直に頷いて賢老のローブを作り始めた。
「まずは型紙を作って~…」
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「1mmもぉズレちゃだめよぉ?そうぅそうぅそこはぁそうやってぇ~…」
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「流石ソウルさん、見事な手際」
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「そこはぁ魔髄液にぃ浸した糸で縫って聞くのよぉ」
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「このままだと下が長すぎるので端まつりで裾上げしましょう」
ノースとサウスリアのプロ二人から指南してもらい、時間を掛けてソウルが黙々と作って行くと、一つのローブが完成した。
「…出来た?」
「え?なんで疑問形なんだ?どう見ても完成だろ?」
「いや、本当に賢老のローブなのかな?と思って…」
「んなもんウィンドウ開いてみりゃ一発で分かんだろ?」
ユメミルクの言葉に、ソウルは一度だけ喉を鳴らし、恐る恐る完成したローブのウィンドウを開いた。
【賢老のローブ:ク Ra imp :賢者ウェルミットが身に纏っていたローブ。このローブと2つのクエストアイテムを集めて指定場所で使用するととある遺跡の扉を開く事が出来る。】
「クエストアイテムを示す ク の属性が付いてるな」
「impの属性も付いているので大事な物判定ですね」
「なら出来たわぁねぇ」
「お~出来たね~」
「なんでだろうか…いまいち達成感が沸かない…」
ソウルが微妙な顔で言うと、ユメミルクわざとらしい笑いをした。
「ガハハ!まぁ完成したんだからいいじゃねぇか!あとはこれが本当に使えるかの確認だけだな!」
「そうだね~クエストアイテムの属性が付いてあるから大丈夫だとは思うんだけど確認は大事だよね~」
「そぉねぇ」
「という事はこのままソウルさん達と同行する形?」
「そだね~ちゃんと使えるって所を確認できれば「塩漬け」を持っているプレイヤーは再び進めると思うし、この情報で大金が得られると思う~。それにこのままお別れしちゃこれから起こると思う面白い事見のが…じゃなくて寂しいからね~最後まで付き合うよ~」
「おい?いま本音が出たな?」
「キノセイダヨ~ウツセミノコエダヨ~」
「また蝉か!?何なんだ?その蝉推しは?」
「そりゃお前…夏だからだろ?」
ユメミルクが少し溜めて言うと、ソウルはその溜めに眉間に皺を寄せた。
「今の溜めで適当に言ってる事が分かったな」
「あー分かった?」
「露骨ぅだったわぁ」
「自明の理だったね」
「未熟者め~?」
「一番言われたくない奴に未熟者と言われた…悔しい…ビクンビクン…」
ユメミルクが、自身の胸をわざとらしく揺らしながら言うと、ソウル達の中で唯一の女性サウスリアが舌打ちした後、思いっきりユメミルクの胸を引っ叩いた。
「イッデ!!」
「なんですか?それは控えめな私に対する宣戦布告ですか?」
「え?控えめって言うかまな板じゃ…っは!」
「戦争開始だゴラァァァ!!!」
ユメミルクの失言にキレたサウスリアは、3番ポートにいる全てのプレイヤーを巻き込む戦争を起こし、ボコボコにしたユメミルクを、船に吊るすという形で決着がついた。
-プロテウス港・3番ポート・薔薇の女王側-
「マスター…サウスリアさんは強敵でしたね…」
「たった一人のバカのせいで怪獣〇戦争みたいな事になって終いには戦隊ロボの最終形態みたいな奴が出てきた時はどうなるかと思ったよ…」
「あのロボは緑の服を着た先生もびっくりする機体でしたね」
「はぁ~ショーっと…」
ホワイトローズの船「薔薇の女王」側の屋台で飲み物を買い、その近くに設置されていたテーブルに座ったソウルとマギアは、サウスリアが起こした戦争を振り返りながら、ため息交じりに一息ついた。
「はぁー!もー!はぁー!」
「なんだ?…ってあれはジンジャーか」
「皆さんもいますね?」
ソウルが、飲み物を飲みながらまったりとしていると、後ろから悪態を付くようなため息と声が聞こえ、振り返って見るとアップル達の姿が見えた。そのアップル達は、ストローが入った大きい紙コップを片手に持っていたが、ジンジャーだけが大ジョッキを持って顔を赤くさせていた。
「どこ行っても悪評しか出てこなかったわね…」
「大体何々を壊した~は多かったですね」
「悪漢退治で爆裂魔法を使ったて聞いた時はさすがに僕でもやり過ぎだと思ったね」
「…うぅ!お母さん!何やってんのよぉ!」
ジンジャーが涙声で言うと、大ジョッキに入っている酒を半分以上飲んだ後、机に突っ伏した。
「あんな事してたら衛兵の人達に捕まって監獄に送られちゃうじゃない!そんな事になったらもう二度と帰ってこれない…あたしの事なんてどうでもいいと思ってるからそんな事を平気でやってたんだぁ…うわぁぁぁん!!」
「ジンジャー?それは違うと…」
「それは違うと思うぞ?」
泣き出したジンジャーを落ち着かせる様に、アップルが言おうとしたが、その言葉にかぶせて来た声が聞こえると、アップル達はその声が聞こえた方向に視線を向けた。
「ソウル!」
「賢老のローブはどう?」
「一応は出来たぞ。後は本当に使えるのか確認するだけだ」
「完成したのですか!?ソウルさん凄いです!」
「ソウルならやってくれると思ったわ」
「さすがソウル!さすソウ!」
「略すな!…で?ジンジャーはなんでこうなってるんだ?」
「会議室を出た後、私達でジンジャーさんのご両親について調べて行ったのですが、行った先々で聞いた話が悪評だったんです…」
マナリアの言葉を聞いて、ソウルは申し訳ない表情をした。
「あーすまん…後でと言っておきながら手伝えなかったな…」
「ソウルはローブの事もあったし仕方がないわ」
「実際僕達はローブの事で手伝える事あんまりなかったからね。気にしないでいいよ」
「そうですね、なのでローブの事はソウルさんに任せてジンジャーさんのご両親について調べようって事になったのですが…」
「両親の悪評しか聞こえてこない結果にジンジャーはこうなったと…」
「はい…」
マナリアがソウルの言葉に頷くと、ソウルはアイテム欄から一冊の手記を取り出し、テーブルの上に置いた。
「ソウル?これは?」
「ジャン・エドワードさんの手記だ。これのおかげで賢老のローブを作れたんだ」
「ふぇ?お父さんの?」
ジンジャーが、赤くなった目で聞き返す様にソウルを見ると、ソウルはその視線に頷いて話を続けた。
「さっきジンジャーは私の事なんかどうでもいいんだと言っていたが…この手記を読んだらそれは違うとはっきりと言えるぞ?」
ソウルの言葉を聞いて、ジンジャーはテーブルに置かれた手記を手に取ろうとしたが、その途中で伸ばしていた手を止めて引っ込めた後、ただじっと見つめた。
「見る勇気がないか?」
ソウルの言葉に、ジンジャーはただ黙って頷いた。
「じゃあ、それジンジャーに渡しておくから勇気が出た時に見てみろ」
ジンジャーは、テーブルに置かれた手記を見つめ、何も言わずに頷いた。
≪3年B組のソウル君とその愉快な仲間達さんは至急生徒指導室までくるように!繰り返す!3年B組の…≫
「あ゛ぁ?」
突然、薔薇の女王からホワイトローズの声が聞こえると、ソウルはその声に苛立ちを感じて濁音交じりの声を出した。
「ソウル?なんかやったの?」
「知らん!」
「私、生徒指導室に呼び出されるって初めてです」
「僕もないよ」
「俺もないな」
「私はあるわ」
「「「え?」」」
アップルの言葉に、ソウル達は驚愕した。
サウスリアは過去、好きな男子に告白をしました時「ごめん、胸がC以上ない子は女の子として見れない…」というお断りを食らった為、それがトラウマになって巨乳を憎んでいます。なのでユメミルクがふざけて胸を揺らした時、キレて戦争を起こしました。
アイテム属性 ク はクエストアイテムのクです。英語表記だとQuになります。RaはRAREのRaです。impは大事な物と言う意味で大事な物の欄に入るアイテムです。
サウスリアの憎しみは痛覚遮断を貫通しました。
サウスリアの胸は現実の世界でも盛られてい…うわ!何をする!やめ…
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