プロジェクトR -犠牲を払う一人の挑む者-
完成しました!次回で賢老のローブ編は終わりだと思います!…タブンネ
次回更新は3月7日 0時更新です!
「う~ん…」
「ないわぁねぇ…」
「そうですね…」
マークスの仕事部屋で、賢老のローブの製作のヒントを探したソウルとノースだったが、それらしい物は見つからなかった為、困り果てていた。
「メモとかの書き置きとかもないですし…」
「情報整理ぃが全部ぅ頭の中で出来ちゃう人ぉだったぁみたいねぇ~」
「マギアは何か見つけたか?」
「賢老のローブに関する物は見つかりませんでしたが、ドが付く位のエロいデザインをしているメイド服が装飾された箱の中にありました」
「…納品物だったのか?」
「箱がぁ装飾ぅされてるから貴族に渡す物だったのねぇ~私ぃもそういう依頼を受けた事がぁあるわぁ」
「現実でですか?」
「どっちもぉだわぁ」
「そ、そうなんですね…」
「あ!今度ぉソウルちゃんにぃもエッロい衣装をぉ作ってあげるわぁ」
「全力で遠慮しておきます!」
「あぁら?そぉう?結構人気が出ると思うのだけどぉ?残念ねぇ…」
「その人気って狂ってる方ですよね?絶対酷い目にあわされますよ…」
「大丈夫ですよ!マスターなら行けます!別な意味でもイけます!」
「別な意味ってなんだ!?」
「激しさをぉ伴うって事よぉ」
「激しさ!?」
マギアとノースの言葉に、ソウルは余計に当惑した。
「ソウル?何か見つかった~?」
「こっちは何もなかったぞ」
「こっちもそれらしいのは無かった…」
「どうするか…」
「一旦戻って考えてみる~?」
「そうするか…支部長さんありがとうございました」
「大丈夫です。あ、ソウルさん達がこの家をまた調べたいと思った時の為に家の鍵をお渡ししておきますね」
「ありがとうございます」
ソウルは、支部長から「旧マークス家の鍵」を受け取り、ウィンドウを開いて大事な物の欄に鍵があるのを確認した後、お礼を言ってソウル達は旧マークス家から出た。
「あ!居た!ソウルさー…ん!」
「ん?」
ソウル達が外に出ると、ソウルの名前を呼びながら、こちらに向かって走って来るアビスが見えた。
「どうしました?」
「これ!これです!」
アビスは、ソウルの目の前で止まった後、一冊の手記を手渡してきた。
「これは?」
「ほら、会議室でジンジャーさんのご両親の名前が出て来たじゃない?その名前を聞いた時は思い出せなかったんだけど、ソウルさんと会話の後にアイテム欄を開いたら下の方にこの手記があるのを見つけて、それで思い出せたのよ!この手記の持ち主がジャン・エドワードっていう事に!」
「本当ですか!拝見します」
ソウルが、渡された手記を開いて読み始めると、ホワイトローズがアビスに疑問を投げかけた。
「なんで持ってたの~?」
「私達が初めてこの街に来た時に泊まってた宿にあったのよ。机の引き出しの中にね。それで宿の主人に話してみたら冒険者ギルドでこういう誰かの忘れ物は預かって貰えるって聞いて、冒険者ギルドにいったんだけど…」
「あー…色々あって忘れてアイテム欄の肥やしになっていたと?」
「あっはっは…そう…」
ユメミルクの言葉に、アビスは最初笑ってごまかしていたが、徐々に恥ずかしさを感じて、体をモジモジとさせながら頷いた。
「こぉんな事ってあるのかしらぁ?巡りぃ巡ってソウルちゃんの所に来るなぁんて…」
「運命力ぅ…ですかね?」
「その言い方は止めておいた方がいいかも~どこかで争いが起きそうだし~」
ユメミルクの声真似に、危険を感じたホワイトローズがは止めるように言った。
「あったぞ!」
黙って手記を読んでいたソウルだったが、突然声を上げると、その場にいた全員が驚いてソウルも見た。
「なにがあったんだ?」
「賢老のローブの作り方が書いてあった」
「「「「え?」」」」
「ちょっとぉ見させてもらってもォいいかしらぁ?」
ソウルは頷いて手記を渡すと、ノースは渡された手記を顔に近づけて読み始めた。
「あぁら?ここはぁ…なぁるほどぉ…そうぅやってぇ…」
「どうなの~?」
「間違いぃないわぁ~。こぉれにはぁ賢老のローブのぉ製ぃ作過程がぁか書かれてぇいるわ~」
「マジかよ…」
ユメミルクは、目の前で起きた偶然の出来事を信じられず、呟くように言った。
「ありがとうございます!アビスさんのおかげで前に進む事が出来ます!」
「いや~はっはっは…」
ソウルが、アビスの両手を握って感謝を伝えると、アビスは頬を赤らめて照れた。
「忘れてたおかげだね~」
「災いならぬ忘却転じて福となすですね」
「あらぁ?マギアちゃん上ぅ手い事言うわぁねぇ?」
「…あの…そんなに「忘れてた」を強調しないでください…どこぞのボケ老人じゃないので…」
「でも忘れてたのは事実だよね~?」
「…ッく!」
ホワイトローズの言葉に、言い返せなかったアビスは悔しい表情をしながら、ガックリと項垂れた。
-プロテウス港・3番ポート・エインヘリャル側・製作テント内-
「まぁずはぁ私がぁ作ってぇみるわねぇん」
「お願いします」
旧マークス家から3番ポートに戻り、飛行船エインヘリャル側に設置された製作テントにやって来たソウル達は、早速手記に書かれていた通りに作ってみる事にした。
「大丈夫か?製作過程を見学してたジャンさんの視点で書かれた作り方だろ?ちゃんと出来んのか?」
「本職の私をぉ舐めないで頂ぅ戴!完璧ぃに作ってやぁるわ!」
ユメミルクの言葉にノースが言い返し、テンションを上げて賢老のローブをすごい勢いで作り始めた。
「お~!恐ろしく早い作業…私じゃなきゃ見逃しちゃうね…と言う奴だね~」
「いや、あれは残像が分身になって程早いから見逃すとかそういう話のレベルじゃねぇだろ…JK…」
「女子高生がどうしたの~?」
「常識的に考えての方だよ!なんでここで女子高生が出て来た!?」
「え?前に好物だって言ってたじゃん?」
「確かに前に好きだとは言ったが今そういう話してなかったじゃろがい!」
「今してるじゃん~?何言ってんの~?馬鹿なの?」
「貴様!?俺を謀りやがったな!おのれホワイトローズ!!」
ホワイトローズに嵌められたユメミルクは、周囲に炎のエフェクトを出しながら、憎しみを込めて言った。
「ちょっとぉ!あぁんた達うっさいぃわ!ここで騒ぐんじゃなぁいわよ!括約筋ガバガバにして放り出すわよぉ!?」
「「ヒェ…」」
ノースが、般若の様な怒りの顔でユメミルクとホワイトローズを叱ると、二人は尻を抑えて大人しくなった。
「よぉし!これでぇ完成したわぁ!」
ノースは、糸切り鋏で縫い終わった糸を切った後、ローブを高らかに掲げて完成したと宣言した。
「えーっと…「高級な 神秘のローブ」が出来ましたね?しかも高性能な能力と高いステータス上昇もついてます」
「あらぁ!?そぉんなはずぅは…本当だわぁ!」
ソウルが、完成したローブを見ながらウィンドウを開くと、そのウィンドウには「高級な 神秘のローブ」という名前で、かなりの高性能な能力やステータス上昇値が付いていた。
「おっかしぃいわねぇ?…作り方はぁ間違ぁっていなぁいはずぅなのにぃ…」
「なら別の要因があると見て間違いないですね?」
「そぉうねぇ…」
再び悩み始めたソウルとノースに、ホワイトローズが口を開いた。
「クエスト受注してる人じゃないといけないんじゃない?試しにソウルが作ってみたら?」
「…そうだな。試してみるか」
ホワイトローズの言葉に頷き、賢老のローブを作ってみようとしたソウルだったが、目の前のウィンドウを見つめたまま、微動だにもせずに固まっていた。
「どうした?」
「……スキルが色々足りない」
「そう言えばソウルが服作ってる所見たとこないね~?」
「たしか北のおっさんって製作支援のスキル持ってたよな?それはどうだ?」
「もうぃ既にぃ掛けてあるわぁ。それぇでも足りないってぇ言っているぅんだからぁもう一人位ぃの支援スキルが必要ねぇ」
「南ちゃんの到着を待つしかないね~」
ホワイトローズの言葉に、その場の全員が頷いたが、ユメミルクが何かを思い出して、ハッとした後に口を開いた。
「そういえばギガントグラトニー戦で得たSPはどうしたんだ?」
「使わずに取っているけど…あれは別のスキルに使う予定があるんだ」
「ほ~う?じゃあ、まるっとあるんだな?」
「いや、だから別のスキル獲得する為に使う…」
ギガントグラトニー戦で得たSPが、使われずにあると知ったユメミルク達は、アイテム欄から仮面を取り出して身に着けた。
「なんだその仮面は?何で身に着け…って!おいまさか!」
「ソウル…SPは犠牲になるんだよ…ローブの為にね…」
「そぉうよぉローブの為(私達の為)」によぉ」
「早く裁縫スキルにSPを入れるんだよ!あくしろよ!」
「ちょ!これだけのSP稼ぐのにどんだけ時間かかると思ってんだ!それに「私達の為に」ていう小声がきこえたぞ!?サウスリアさんが来れば何とかなるんだろう?じゃあ、振らなくてもいいよな?」
「ソウル…SPは犠牲になるんだよ…ローブの為にね…」
「そぉうよぉローブの為(私達の為)」によぉ」
「早く裁縫スキルにSPを入れるんだよ!あくしろよ!」
「まさかのループ!?おい!マギア!俺を助けろ!」
「無理です!諦めてください!」
「そんなぁ!?」
ソウルはマギアに助けを求めたが、マギアがスッパリと無理だと言うと、ソウルはがっくりと肩を落とした。
秘密~秘密~秘密の あ ん子~
ホワイトローズ達が身に着けた仮面は例のねじれ片穴の仮面ではありません。それに似て非なる物です。←重要
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