プロジェクト R -更に更に挑む者達-
今回は少し短いですがお楽しみください!
次回更新は2月29日 0時更新でありんす!
難産でした…
「このキムチ味っていうのを2つください」
「まいど!」
ソウルが、たこ焼きの屋台で買い物をしていると、ヴァルハラの飛行船「エインヘリャル」に取り付けられた拡声器から、ユメミルクの声が聞こえて来た。
「本日は戦勝祭りにお越しいただきありがとうございます。お客様に迷子のお知らせをいたします。右腕が義手で20代位の見た目をしているソウル君、北のおっさ…ゲフン!ノースさんが到着しましたのでエインヘリャルまでお越しください」
「来たか」
「繰り返し報告します。迷子のソウル君!北のおっさんが来たから~はよ!来いや!」
「…あいつ遊び始めやがった」
「すみませんね…うちの乳狂いがふざけた呼び出しをして…」
「いつもの事だと思ってますよ」
「そう言って貰えると助かります。…はい、これキムチ味2つです」
「ありがとうございます」
たこ焼きを焼いている店主は、ヴァルハラのメンバーだったらしく、ユニオンリーダーの非礼を詫びると、ソウルは笑いながらいつもの事だと答え、店主から商品を受け取った後、ソウルはそのままエインヘリャルに向かって行った。
-プロテウス港・3番ポート・エインヘリャル前-
「来たよー」
「おーっす」
ソウルが、エインヘリャルの前に来ると、ユメミルクが木箱の上で胡坐を搔き、片手を上げてソウルに挨拶した。
「ノースさんは?」
「仕込…じゃなくてもうすぐ出てくるぞ」
「仕込み…」
ユメミルクの言葉に、ソウルが首を傾げると、何処からともなく高笑いする男性の声が聞こえて来た。
「ハーッハッハッハッハ!」
その場にいた全員が声に反応して、上に視線を向けてみると、両手でボールをしっかり掴み、それを下に向けて落下してき来ているノースの姿が見えた。
「え!?」
ソウルがその姿に困惑していると、落下して来ているノースに、大気圏突入時に発生する摩擦熱の様なエフェクトが起き、そのままソウルの前の地面に衝突した。
「うお!…大丈夫か!?」
ノースが、地面に衝突した時にかなりの風圧が起き、ソウルはブルーローズを展開して自身を守った後、恐る恐る落下地点を見た。
「よぉばれぇてぇきたわぁよぉ!ソォウルゥちゃん!!」
「こ…こんにちは…ノースさん…」
「でぇ?わぁたしぃに何をォさせたぁいってぇわけぇ?」
落下地点では謎の土煙が上がり、そこから何事も無く立ち上がってきたノースは、普通に用件を聞いてきた為、ソウルは余計に困惑した。
「えっと…まずそれを言う前にさっきの登場はなんです?」
「イィンスッピレェーショォンを得ぇる為ぇに別のゲェームやったらぁとぉあるぅキャラの超ぅ必殺技がぁかなぁりぃ愉快ぃだったぁからぁ真似してぇみたのよぉ」
「さいですか…」
「確か~あ~…なんだっけ?喉まで出かかってるんだけどえ~っと…」
「ヒィントはぁ海よぉ」
「あ~あ~あ~あれか!6の奴!」
「そうよぉ~あのゲームでかなりビビッと来ぃたわぁ」
「ちなみにどんな閃きですか?」
「秋服のぉやつなんだけどぉかなり薄くぅ見えるをぉデザインを閃いたのぉ!」
「薄く?…細くでも暖かそうでもなく?」
「そうぅ!薄くなのよぉ!革新的よぉ!気になるぅなら後で画像送るわぁ」
「あ、ありがとうございます」
「いいわぁ!後で感想きかぁせてねぇ。で~そろそろいいかしらぁ?」
「あ、すみません。実はですね…」
ソウルは、プロテウスで起きた事や賢老のローブを一から作ろうとしている事を伝えたが、その話の途中で、ノーズの表情が難しい顔つきになって行った。
「クエストォアイテェムを一からなんてねぇ…」
「やっぱり難しいですか?」
「難しいぃ…わねぇ…」
ノースに難しいと言われて、ソウルは下に俯いてどうしようかと考えたが、ノースの話はまだ終わっていなかった。
「でぇも…いいじゃなぁい!やってみぃる価値はあるわぁ!だぁれもが考えたぁけど誰もやらなぁかった事に挑戦なぁんて燃えるわぁ!」
「じゃあ…!」
「いいわぁ!全力で協力ぅしてあげるぅ!」
「ありがとうございます!」
「そうとぉ決まれば条件を見つけぇないとねぇ」
「条件ですか?」
ノースの言葉に、ソウルは首を傾げた。
「そぉうよぉ!クエストォアイテムってぇ普通のぉアイテムとわぁ違うじゃない?きっとぉそこに何かしらのぉ条件がぁあるはずぅだわぁ」
「普通のアイテムと違う所…条件…条件ですか…」
ソウルは眉間に皺を寄せ、条件に付いて考えると、この場にホワイトローズがやって来た。
「やぁ、ノースさんお久しぶりー」
「あ~らぁ白ちゃんもお久ぃしぶりぃねぇ」
「事情は聴いた~?」
「聞いたわぁ~今ぁ条件をぉ考えてる所よぉ」
「やっぱりそこだよね~普通に作っても装備が出来るだけだと思うし~…住人に作らせるとか?」
「それかクエストを受注しているプレイヤーが製法通りに作るか…かな?」
「一応聞くけどソウルはクエスト受注してる?」
ホワイトローズの言葉に頷き、ソウルはウィンドウを開いて、クエスト欄を確認した。
「ああ、図書館で手記を読んだ時クエストが出て来たからアクティブにしている」
「ならさっき言った条件だったら問題ないね~」
「いや、まだ問題はあるぞ?どうやって作るか分かってない」
「ならマークスさんのご自宅を調べてみますか?」
突然後ろから声が掛けられ、ソウル達は声が聞こえた方に視線を向けてみると、そこには支部長が立っていた。
「マークスさんの家ってまだあるのですか?」
「ご家族様はこの街を離れましたが、家は取り壊されたりせずに残っています。冒険者ギルドが管理しているので行ってみますか?」
「ぜひお願いします」
「分かりました。一度ギルドに戻って鍵を取ってきます。マークスさんのご自宅の場所はこのメモに書いてありますので先に向かってください」
「ありがとうございます」
「では」
支部長は、軽い会釈をソウル達にした後、踵を返して冒険者ギルドに向かって行った。
「あの支部長いつメモなんか用意してたんだ?」
「マークスさんの話が出た時から支部長さんは分かってたんじゃない?俺達がマークスさんの家を調べるって」
「でぇきる男ってぇ感じねぇ」
「じゃあ、早速向かってみるか…マギア!ちょっと来てくれ」
ソウルの言葉に、ホワイトローズ達は頷き、メモに書かれた場所に向かってみる事にした。
-プロテウス・旧マークス家-
「結構大きい家だな?」
「1階部分は店舗だったのでしょうか?大きなショーウィンドウがありますね」
支部長から渡されたメモを頼りに、ソウル達はマークスが住んでいた家に到着した。マークスの家は、4階建ての大きな家で、ショ-ウィンドウから見える内部は、落ち着いた雰囲気を感じさせる作りをしていた。
「お待たせしました皆さん。早速入りましょう」
ソウル達がマークスの家を見上げていると、鍵を取りに行っていた支部長が到着し、早速鍵を開けて中へと入って行き、ソウル達もその後に続いて入って行った。
「装飾品や調度品がそのまま置いてあるのですね?」
「そうですね。経営難で店を畳んだ訳ではないですし、ご家族様も処分しなかったのでそのままの状態で置いてあります」
「じゃあ、私は1階を探すよ~」
「俺も1階から探して行く」
「頼む。支部長さん?マークスさんの仕事部屋みたいな所はありますか?」
「あります。こちらです」
ソウルの言葉に頷き、支部長は上に上がる階段を上がって行くと、ソウルとノースもその後ろに続いて上がって行った。
「この部屋です」
ソウル達は3階へと上がり、階段の近くにあった部屋の前で支部長が足を止めると、支部長は部屋の鍵を開けて扉を開いた。
「あらぁ?仕事道具もぉそのままぁにしてあるのねぇ」
その部屋の中は、まるで先ほどまで使われていたかの様に仕事道具等が置かれており、塵や埃が積もった形跡も無く綺麗に掃除されていた。
「綺麗に掃除されているみたいなのですが…ここを探してもいいのでしょうか?」
「物を壊さないと約束してくれるなら問題ないですよ」
「分かりました。気を付けて探してみますね」
「はい」
支部長の頷きを見たソウルとノースは、部屋の中へと入って行き、賢老のローブの製作のヒントになる物を探して行った。
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