魔装変身!
SOS~SOS~ほらほら呼んでいるわ~ おっと失礼!
完成しました!それではお楽しみください!
「(いますね…たくさん…)」
ゴブリンの巣前の茂みに隠れ、マナリアが入り口を見ながら小声で言った。
「(どうしますか?このまま突入しますか?)」
「(私としては、その方がいい)」
「(任せる…)」
「(わかりました、アップルさんが先頭、次に俺、マナリアさん、ククルさんの順で行きましょう)」
「(前後から襲われても大丈夫な隊列ですね!)」
「(楽しくなって来たわ)」
それそれ武器を確認した後、茂みから飛び出し入り口にいるゴブリンと戦闘していった。
「シャラァ!」
アップルが、男勝りな声を上げゴブリンの頭をハイキックすると、ゴブリンの頭が砕かれるように無くなった。
「(ぱないな…蹴り一つで吹き飛んだ…)」
ソウルは、パーティーから遠い敵や遠距離攻撃してきそうな敵、魔法を使いそうな杖持ちのゴブリン達に狙いをつけて発砲した。
「【火遁】」
ククルが印を結び、口から火を吐くとゴブリン達に燃焼ダメージを与えた。
「援護します!」
燃焼ダメージを受けているゴブリンに対し、マギアが小さな機関銃で掃射しとどめを刺していった。
「アップルさんに【プロテクト】!」
マナリアが前衛職から防御魔法をかけていった。
各自、自分ができる事をやり、巣の前のゴブリン達を殲滅していった。
「敵影無し、殲滅を確認」
「問題は無いですかね、では洞窟に入りますか」
マギアが周辺をスキャンし、ゴブリンを殲滅した事を確認した後、ソウルはパーティー全員の頷きを見て洞窟に入ることを決めた。
「暗いな…」
「マスターお任せください!」
ソウルの言葉にマギアが反応し、右手を回転させると人数分の光の玉が現れた。
「ありがとう、マギア」
「便利ね~私もマギアちゃんみたいなの欲しいかも…」
「今、私の友人二人が小型サポートAIの検証しているみたいなので、もうすぐしたら売り出されるか、情報開示されると思いますよ?」
「情報開示って…貴方は教えてくれないの?」
「してもいいのですが…それは、もう少し仲良くなってからですね!」
冗談でウィンクしながら口元に人差し指を置くと、アップルが赤くなった。
「ちょっとドキッてしちゃった…」
「はっはっは、まぁ冗談ですが、俺からは「まだ言えません」としか答えられないですね」
「そ…そう、じゃあ待つことにするわ…」
アップルが顔を抑え、前に向き直り先へ進んでいった。
「ククルさん…そのスクリーンショットは破棄してくださいね~」
「!?…なぜばれた!…」
「やっぱり撮っていたか…」
「は!…やられた…」
ククルはウィンドウを操作し、ソウルに言われた通りに削除した。
「(大丈夫です!ククルさん!私の方で撮っておきました!)」
「(グッジョブ!)」
ククルとマナリアが個人チャットで会話しククルがサムズアップした。
「少し広い所に出ましたね…」
あの後、先行するアップルに追いつき全員で進んでいくと、少し広い場所にたどり着き、無数の横穴がある事が分かった。
「これは横穴から大量に出て来てピンチになるフラグですね!」
「そうだなぁ…」
「とりあえず準備しましょうか?」
「そうね」
「了解しました」
「わかった…」
魔法補助、弾薬確認、MP回復などの準備を済ませ、全員が頷いた後ゆっくりと進んでいくと、横穴からしゃがれた声が聞こえ始め、広場にゴブリンが出てきた。
「声から判断して、結構来ますね!皆さん注意してください!」
ソウルが叫ぶように声を上げ、一番先に向かってきたゴブリンを撃ち抜き、戦闘が開始された。
「オラシァ!…セェイ!…ハァ!」
アップルが殴ったり、蹴り上げたりする時に出す声が、男勝りすぎてソウルの顔に笑みを浮かべた。
「アップルさん絶対中身女性なのに女性が出しちゃいけない声出してる…」
「きっと武闘派お嬢様なんですよ、社交界に出れば求婚してきた相手男性をボコボコにして追い返していますね、間違いない」
「舞踏会が武闘会に早変わり?…主催者号泣?…」
「ちょっと!聞こえてますわよ!そこまで私はひどくありません!‥セェイヤァ!」
「求婚相手をボコボコにしている事は否定しないのはなぜでしょう?」
「ダメですよ、マナリアさん…そこはきっと秘密にしているんですよ…きっと口にも出せない秘密ですから迂闊に踏み込んだ質問は…」
「そんなことはしてないわ!…ちょっとしか…」
「今…小声で…ちょっとって聞こえた…」
「ええい!うるさいですわ!私の事はいいですから、皆さんしっかり戦ってください!」
ソウル達がふざけながら、大量に迫ってくるゴブリン達を屠っていくが一向に減る気配が無かった。
「一向に減りませんね…むしろ増えてるかも?」
「敵影…30…35…41…さらに増加中!」
「このままだとやばいか…マギア!ジャバワークで一掃できるか?」
「可能ですが、少し時間が必要です!」
「何とか時間を稼ぐ!やって…(ダァー!めんどくさいですわ!変身!)」
「変身?!」
アップルが空中に飛び、姿が変わるとソウルが驚いた。
※
変身したアップルは、背中にあるバーニアを駆使し、次々とゴブリンを拳と蹴りで屠っていくと、数分で数えられる位まで減っていた。
「あれは魔装という物ですね!特殊な鎧を身に付けることで、超人的な力が出せる代物です。ただしMP消費が大きいですが…」
「すごい職業もあったもんだ…」
「うちの…ユニオンにもたくさんいる‥‥人気職業…強い…」
「やっぱり強さ=人気なんだなぁ…」
「そう…だけど…自分がやりたい職業…やるべき…」
「はぁ~スッキリしましたわ!あれ?どうしました?」
「お疲れ様です、アップルさん。変身すごいですね!」
「そ!それ程でもなくてよ!」
ソウルが褒めると、アップルがどや顔になった。
「で?何の話をしていたのです?」
「やりたいジョブをやるのがいいって話ですね、強さ弱さにかかわらず」
「そうですわね!私も最初、格闘家と魔装使いどっちにするか悩みましたが、珍しい方が面白そうだと思って魔装使いを選びましたし」
「あ、やっぱり、どっちを選んでも武器は己の肉体なんですね…」
「そのうち、気弾か波動出しそうな武闘派お嬢様ですね!」
「そこ!うるさいですわ!まぁそういうのは撃ってみたいですけど…」
マギアとソウルがアップルとふざけ合ってると、マナリアが険しい顔をしていた。
「どう…したの…?」
「えっと…何か聞こえません?」
「‥‥‥人の泣き声?」
ククルが耳を澄ましてみると、確かに遠くから誰かが泣いている声が聞こえてきた。
「ソウルさん!どうします?」
「どこから聞こえるか解りますか?」
「マスター!私にお任せください!」
ソウルがパーティー全員を見て、尋ねるとマギアが右往左往し始め、場所を特定した。
「それじゃあ、少し準備して行きますか、道中何があるか解らないですし」
「そうね」
「はい」
「…了解」
「私は、いつでも大丈夫です」
MP回復などを済ませ、マギアの案内で進んでいくと、手作りで雑な形の牢屋に大人3人、子供4人が捕まっていた。
「誰かいるのか?」
「いますよ~」
「!! 助けてくれ!こっちに怪我人もいる!」
「静かに、ゴブリンに気づかれます」
「す…すまない…」
ソウル達は、牢屋に近寄って行くと、女騎士の姿をした女性がソウル達に声を上げて助けを求めた。
「雑な作りなのに頑丈だな…破壊するか…」
ソウルはアイテム欄からパイルバンカーを取り出した。
「そこから離れていてください」
ソウルが少し下がり距離を測った後、回転を加えた一撃を牢に入れた。
「よし、壊れたな…マナリアさんお願いします」
「まかせて!」
「マギア、敵に動きは?」
「ありません」
「そうか‥‥たしか、救護者がいたらこの煙筒使えばいいんだったよな?」
「そうです、アップルさんが頑張ってくれたおかげで簡単に行けますね!」
ソウルがマギアに聞き、二人はアップルの方を向いた。
「さすがアップルさん!強い!すごい!漢の娘!かっこいい!」
「さすがですね!アップルさん!一騎当千!獅子奮迅!猪突豨勇!百花繚乱!」
「そ!そんなに褒められると照れてしまいますわ!」
「(今…漢の娘…言わなかった?…間違ってない…かも?…)」
ククルが、三人のをやり取りを見て首を傾げると、女騎士が近づいてきた。
「ありがとう、助かった。あ、申し遅れた 私の名前は、ナージャだ」
「ソウルです、でも…どうして捕まっていたのです?」
「あの家族が襲われている所に出くわしてな…助けに入ったのだが、数で押されてしまって…気がつけば牢屋にという訳だ」
「それは大変でしたね?お仲間は?」
「ん?私一人だが?」
「そうですか…(脳金くっ殺待ちの女騎士…)」
「ソウルさん、何とか安定しました!」
「ありがとう、マナリアさん。 では一旦脱出しましょう」
ソウルが瀕死だった男性を背負い、ナージャが気絶している女性を背負った後、アップルとククル、マナリアで子供達を囲み出口に向かって移動を開始した。
「よし、もう少しだな‥‥」
先ほどの、ゴブリンが大量に出てきた広場まで戻って送ると、子供の一人が転んでしまい膝を擦りむいてしまった。
「少し、休憩するか?…どうするべきか…?」
パーティー全員を見て見ると、全員が頷きソウルは休憩する事に決めた。
「はいはい、大丈夫~」
マナリアが水筒をアイテム欄から取り出し、怪我した箇所に水をかけた後回復魔法で治療した。
「ありがとう!お姉ちゃん!」
ニヘラと笑った子を撫でた後、マナリアは意識を失ってる両親の状態を確認していった。
「こういう時の為に何か食い物と飲み物でも入れておくか…」
「うちの…ギルドで…長期保存…食べ物…作ってる…最中…」
「え?作ってる最中ですか? 市販には売ってない?」
「売ってる…けど…まずい…げんなりした…」
「おいしい物は自分で作れって事ですか…」
「!? マスター!大型敵影を確認しました!こちらに向かってきます!」
マギアの声に反応し、寝かせてあった両親と子供達を移動させた後武器を抜いた。
「敵との接触まで20秒!」
マギアが機関銃を向けた方を見ると、複数の足音と何かが転がる音が聞こえてきた。
「グォォォ!」
「グゲ!グゲ!」
ソウル達に前に現れたのは、普通のゴブリンより大きい個体と、錆びた鎧や盾で固めた木製の戦車がゴブリン達に押されて現れた。
「ボスが来たか…それと荷車に乗った戦車…」
「ゴブリンチーフ…ゴブリン戦車…戦車から倒すといい…ゴブリンチーフは攻撃受けるまで指示だけ出す…から…」
「なるほど、ゴブリン戦車からですね」
「わかったわ」
「目標をゴブリン戦車に設定しました」
「了解した!」
ソウル達はゴブリン戦車に攻撃を始めた。
「グゲグゲ!グギゲ!」
ゴブリンチーフが地団駄を踏みながら、ゴブリン戦車を操っているゴブリンに指示を出すが、うまく行かず中破してしまった。
「グォォォ!グググ…!…グゲ!ゲーグ!」
ゴブリンチーフが捕まっていた家族たちに目を向け、首から吊り下げていた角笛を鳴らした。
「まずい!」
横穴から次々とゴブリン達が現れ、ゴブリンチーフが家族に指を指すとゴブリン達が家族たちに向かって行った。
「やらせねぇよ!」
ソウルが、家族達に向かっているゴブリン達を撃ち抜き、家族とゴブリンの間に立ちふさがった。
「マスター私もこちらで防衛します」
「助かる!みんな!こっちは俺らに任せてくれ!」
「わかったわ!頼んだわよ!」
「お任せします!」
「頼んだ…」
ソウルがパイルバンカーと銃を持ちセレクターレバーをFに変え、構えた。
「容易く通れると思うなよ!」
「敵、来ます!」
ゴブリン達が一斉にソウル達を襲い、ソウルは弾を連射し複数まとめて倒したり、近くに来たゴブリンには、パイルバンカーが轟いた。
「マスター!後ろです!」
無限にやってくるゴブリン達と暫く戦っていたが、ソウルの後ろに敵がいることに気づかず、一撃を貰ってしまった。
「マスター大丈夫ですか?」
「大丈夫!ノースさんに感謝だな…初期服のままだったら致命傷だったぜ!」
ソウルは戦っていたゴブリンを片付けると、深呼吸して視界を広くした。
「集中しすぎると視野が狭くなってしまうな…気をつけよう」
銃とパイルバンカーをリロードし、向かってきたゴブリン達に発砲し続けた。
「これで最後ですわ!」
ゴブリン戦車を破壊した後、ゴブリンチーフと闘っていた三人は順調に敵のHPを減らし、変身していたアップルが大技で仕留める為、後方回転で距離を取り、クラウチングスタートの構えを取った。
「【ファイナリティキック】!」
背中のバーニアに火がつくと同時に走りだし、ゴブリンチーフに飛び蹴りが炸裂した。
「ギャァァァ!」
アップルが、地面を滑った後半回転する形で止まり、ゴブリンチーフが黒い霧へと姿を変えていった。
【アナウンス:ボスパーティー を全滅させました! SP6500 獲得 さらに初心者応援キャンペーンの効果で SP30%加算されます。 戦利品設定は 自動分配 です。】
「どうみても漢らしいなぁ…」
ソウルは聞こえないような小声でつぶやいた。
「すまない…皆さん、私も武器があったら戦闘に参加できたのだが…」
「いえ、大丈夫ですよ、ナージャさん。早速、彼らを運んでこの巣から脱出しましょう」
「ああ、わかった」
パーティーのみんなが戻ってくると、お疲れ様とソウルが労をねぎらい互いに会話した後、家族を巣から脱出させ煙筒を使った。
「よし、全員乗ったな!急いで医者の所に連れていくから待ってろよ!」
威勢のいいギルド職員が、家族を馬車に乗せ走らせた。
「ナージャさんはどうしますか?」
「彼らと話す事があるから、帰るときは君たちと帰ろう」
「わかりました」
ナージャが、この場に残ったギルド職員の男性に言うと、男性は頷き乗ってきた馬車に戻った。
「さて、一段落ですけど、どうします?残ったゴブリン倒すだけですが…」
「最後までつき合うわ」
「アップルさんに同じ」
「付き合う…」
「わかりました、少し休んでからまた入りましょう」
ソウルの言葉に全員が頷き、座ったり体を伸ばしたり各々休憩を取り始めた。
「皆さん、今回は本当に助かった。いずれお礼をするので私の屋敷を訪ねてくれ 歓迎しよう」
「わかりました」
「では、また会おう!」
ギルド職員と共にナージャは帰っていき、それを見送った後、ソウル達は巣に入り残っているゴブリンを退治していった。
「今日はお疲れ様でした!そしてありがとうございました!」
マギアの探知で、楽々と残ったゴブリンを退治していったソウル達は、冒険者ギルドに戻りクエスト報酬などを分配し、参加してくれた三人にステーキと飲み物を奢った。
「いえ、こちらこそありがとうございました!お金も、ドロップ品もSPもたくさん稼げて満足です」
「そうね、欲しいスキルが取れて私は満足だわ」
「助っ人で来た…問題ない」
「そうですか、ゲームですが好きな物注文してください、ここは俺が全部奢りますから」
「そう?じゃあ遠慮なくいただくわね」
女性三人は、ケーキ、肉、酒に偏って料理を注文していった。
「(すごい勢いで食べ物や飲み物が無くなっていく…枷が無いと人間はここまで食べれるのか…)」
ソウルも、ステーキとお酒を食べていき、会話しながら食事を終えていった。
「満腹です…」
「食べたわぁ…」
「いいほろ酔いバフ…」
そろそろ解散しようとソウルが言い、全員が頷くとソウルは、ウィンドウを操作しパーティー解散ボタンを押した。
「あ、ソウルさん!私とフレンドカード交換いいですか?」
「はい、いいですよ」
「あ、ずる‥‥じゃなくて私もいいかしら?」
「じゃあ、私も…」
マナリアをフレンド交換をすると、アップルも興味なさげな態度を取ってるが目が欲しいと言っていて、ククルとも、フレンド交換をした。
「じゃあ、みなさん、コンゴトモヨロシク」
軽い挨拶を済ませ女性三人と別れると、ソウルとマギアだけが冒険者ギルドに残っていた。
「マスター、オカーネン貯まりましたか?」
「フッ…見栄を張ったんだ…聞かないでくれ…」
哀愁漂うソウルの肩を、マギアは軽く叩いた。
※ すみませんもっとメカメカしいマスクドライダー書きたかったのですが、私の今の画力ではこれが限界です! なのでデザインは予告なく変更されます!
絵を描いて力尽きたので遅くなっちゃいました…申し訳ございません!
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