ギガントグラトニー討伐作戦 -Main match 3-
完成しました!お楽しみください!
次回更新は1月25日 0時更新でっす!
「≪ギガントグラトニーから攻撃が来るぞ!≫」
ホワイトローズ隊の一機から、全員に向けた声が聞こえてくると、その場の全員がギガントグラトニーから距離を取り始めた。そして、ギガントグラトニーは体を右に回転させて渦を作り、巨大な竜巻を発生させると、堅骨イワシ等の魚達をその竜巻に巻き込んでいった。
「竜巻を放ってくるぞ!気を付けろ!」
「≪盾持ちの後ろに!≫」
無線からホワイトローズの声が聞こえ、ソウル達はその声に従い、近くに居た盾持ちの後ろに隠れた。
「「「「【ビックシールド】」」」」
盾持ちの海人機が、スキルを使って攻撃を待ち構えると、ギガントグラトニーは何かを溜めるかの様に、その巨体の体を丸め始めた。
「なんだ?」
「≪これは…うわぁぁぁ!≫」
ギガントグラトニーが丸めた体を勢いよく伸ばすと、全方位に衝撃波が放たれ、竜巻に巻き込んだ魚達を勢いよく吹き飛ばした。ソウル達は、弾丸の様に吹き飛ばされてくる魚達に耐えながら、一緒に吹き飛ばされない様に盾持ちを後ろから支え続けた。
「全員無事か!?」
「≪2機落ちたわ…≫」
「≪こっちも2機やられたよ…≫」
「ティカル達とジンジャー達は?」
「≪何とか…≫」
「≪い…生ぎでまず!≫」
「≪マスター…何とか凌ぎましたがジンジャー機は戦闘続行不能です…≫」
「分かった!負傷機を連れて急いでこの場から離れろ!」
「≪申し訳ありません…≫」
右足と左腕を失った海人機が、他の負傷機を連れて離れ行くのを視線で見送った後、ソウルは機体をギガントグラトニーに向けた。
「21機中残り11機か…」
「≪どうする?≫」
ホワイトローズの問いに、ソウルは眉間に皺を寄せて少し考えた後、その答えを口にした。
「これ以上何か起きる前に上に連れて行くしかない」
「≪いけるかな?≫」
「最後はユメミルク頼りになってしまうが…邪魔な魚が居ない今、できうる限りダメージを与えて連れて行った方が良いと思う」
「≪そうね…これ以上何か起こったら全滅する可能性がある訳だし…分かったわ!やりましょう!≫」
「≪全力突撃だね≫」
「行くぞ!」
ソウルの声に同意した仲間達は、意を決してギガントグラトニーに向かって行った。
「≪【ガードサクリファイス】≫」
最初にホワイトローズ機が、防御の全てを攻撃力に変えるバフスキルを使って自身を強化した後、尾に向かって泳ぐ様にしながら、ギガントグラトニーの胴体を斬りつけて行った。
「ソウル!腹に移動して!」
「了解した」
アップルの指示通りに、ソウルはギガントグラトニーの腹部が上に来るような位置に移動すると、アップルは海人機の両手を胸の位置に置き、掌を少し離す形で合わせた。
「【武神雷声双打】」
海人機の両手に気が集まり、その気を放つ様に両手を上に向けて突き出すと、ギガントグラトニーの腹に海人機の掌を何倍も大きくした様な跡が打ち付けた。
「≪ザイトゥ!補給艦にアレは積んできただろうね?≫」
「≪あれ?…ってあれの事ですか!?言われた通り一応は積んできましたが…あんなの一発撃ったら終わりですよ!≫」
「≪一発でいいんだよ!持ってきなぁ!≫」
「≪自分で…≫」
「≪あ゛あ!?なんか言ったかい!?≫」
「≪何でもありません!すぐ持ってきます!≫」
ソウル達とホワイトローズ隊が攻撃を仕掛けている時、ハピネスカラーが自分の部下に補給艦から何かを持ってこさせる指示を出すと、指示に従った部下は全力で補給艦に向かい、巨大な円筒を持ってその筒をハピネスカラー機に渡した。
「≪ザイトゥ機とプルン機は砲を支えな!「三魔光閃砲」撃つよ!射線を開けな!≫」
「「≪了解≫」」
ハピネスカラー機が、筒の後方で機体と円筒を接続した後、ザイトゥ機とプルン機が側面で支えながらギガントグラトニーに向けると、ハピネスカラーは操縦桿のトリガーを引き、三魔光閃砲から青色の光線を発射した。
「QUAAAN!!」
青色の光線がギガントグラトニーの体表面に当たると、その箇所は削られた後に高温で焼かれたような跡が残り、激痛でギガントグラトニーは、悲鳴に似た鳴き声を出した。
「≪やば!全員離れろ!≫」
順調に光線を出していた三魔光閃砲だったが、時間が経つにつれて異音や謎の振動が大きくなっていき、限界だと思ったハピネスカラーが、2機に向かって急いで離れる様に言うと、2機はその言葉に従って後退し、ハピネスカラー機も接続している部分をパージして後ろに下がった。そして、パージされた三魔光閃砲は、内部から爆発を起こして残骸に変わり果てた。
「QUAAAA!」
ギガントグラトニーが、ハピネスカラーの方を向いて怒りの咆哮を上げると、負傷した箇所から大きな触手の様な物が無数に飛び出てきた。
「うわ!なんだあれ!?」
「≪かなり見た目が気持ち悪くなったけどあれは…寄生虫かな?≫」
「≪きっしょ~≫」
「≪ゲェ…≫」
気持ち悪い見た目になったギガントグラトニーを見て、ソウル達は悲鳴に似た声で不快感を言葉にした。
「誰か今のあいつに近づいて攻撃したい奴はいるか?」
「「「「≪・・・・・・≫」」」」
「いないか?じゃあそろそろ上に行きたいと思うが…どうだ?」
「≪賛成です!≫」
「≪すぐ行きましょう!≫」
「≪行こう!すぐ行こう!≫」
「≪私に敵対心来てるから盾持ちの誰か持ってって!≫」
「≪私が持ってくよ~≫」
ソウルの最初の提案を聞いて、仲間達は無言で返した後、次の提案に全力で賛成した仲間達は、上に上がる準備を始めた。
「【ヘイトチェンジ】」
ホワイトローズ機がハピネスカラーに向いているヘイトを、スキルを使って自身に向かせた後、無線で準備が出来た事仲間達に伝えた。
「全機上がれぇぇぇ!!」
ソウルが叫ぶように伝えると、その言葉に反応するかの様に、仲間達は上に向かって進み始めた。
「≪ヘイヘーイ!こっちだよー!送れずについて来な~!≫」
ホワイトローズ機が、煽る様に左右に動きながら上がって行くと、ギガントグラトニーはそれに釣られて、ホワイトローズ機を追ってきた。
「ユメミルク!聞こえるか!?もうすぐそっちに行くから準備を始めてくれ!」
「≪ようやくか…了解した!≫」
ソウルは、海面にいるユメミルクに連絡して準備するように伝えると、ユメミルクは待ってましたと言わんばかりに返事を返した。
「≪海面まで残り37m≫」
先頭にいるハピネスカラー隊の1機が、海面までの距離を報告してくると、その言葉に続けてハピネスカラーの声が無線から聞こえて来た。
「≪海面に接触したと同時に左手の近くにある二つの赤いレバースイッチを下に倒して!それがロケットブースターのスイッチだから!≫」
「了解した」
「≪左手…あ、これだね?≫」
「≪いい?もう一度言うけど海面に接触したと当時によ!そうしないと自爆するわ≫」
「≪自爆!?気を付け…あれ?あれれ?≫」
「どうした!?」
ホワイトローズ機から、不測の事態が起きた様な声が聞こえたと同時に、ホワイトローズ機が明らかに失速して行くのが見え、ソウルは何が起こったのかとホワイトローズに尋ねた。
「≪急にスピードが落ちた…≫」
「どうにかできるか!?」
「≪どう?ミミちゃん…無理っぽい?≫」
「≪はい…≫」
「≪ごめん皆…私たちここまで見た…≫」
「あきらめるな!アップル!」
「任せて!絶対に放さないから!」
ホワイトローズ機から、諦めの言葉が聞こえて来たが、ソウルはその言葉を否定してホワイトローズ機の手を掴み、そのまま引っ張って行った。
「≪ソウル!駄目だよ!このままだと追いつかれちゃうから手を放して!≫」
「…少し…黙ってろ!」
ホワイトローズから手を放せと言って来たが、余裕のないソウルは黙れと一喝し、操縦に専念した。
「(このままだと確実にやられる…どうすればいい?もう少しで海面なんだ…何か…何かないか!?)」
ソウルは、必死に頭を回転させて打開策を考え、何かないかと周りを見回してみるが、何も見つける事は出来なかった。そして後ろでは、ギガントグラトニーが二機を食い殺そうと、大きな口を開けた。
…そんな時だった。
「≪隊長ぉぉぉぉぉぉぉ!!≫」
別方向から上がってきた海人機が、空いているホワイトローズ機の手を掴み、ソウル機と一緒に海面に向かって進み始めた。
「≪お待たせしました!隊長!≫」
「≪その声は…KUNIMO!?修理間に合ったの!?≫」
「≪はい!壊れてない部分を他の機体からかき集めて急いでつなぎ合わせてくれました!≫」
「≪やってくれた人達には最大限感謝しないとね≫」
「≪そうですね≫」
「そう言う話は後にしろ!もうすぐ海面だ!ブースターの用意だ!」
ソウルの言葉に従い、2機の操縦士はレバースイッチに手を掛けて、タイミングを待った。
「今だ!」
ソウル機とKUNIMO機が、海面に接触してレバースイッチを倒し、ワンテンポ置いてホワイトローズ機もレバースイッチを倒すと、背中にあるウィング型推進器のスクリュー部分が海面上に出たと同時に外れ、翼からロケットの様にジェットを噴出し始めると、そのまま高く飛翔して行った。
「ふはははは!【巨神戦斧斬】」
高速上昇した影響で、コクピット内に居る人体に負荷が掛かり、ソウル達はその負荷に耐えている中、無線からユメミルクの笑い声とスキル名が聞こえて来た。
ハピネスカラー隊
ザイトゥ 男性プレイヤー
趣味 小物作り
プルン・ト・ゼリー 女性プレイヤー
ソウルの書きかけの設計図を奪って行った女性。
ギガントグラトニーから出てきた触手は寄生虫です。
クジラって寄生虫がヤバいらしいそうですよ?
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