ランバル村
完成しました!お楽しみくだしゃい!失礼、ワザと噛みました。
次回更新は、9月28日 0時予定です!
「…油断したわ」
「お?お帰り」
「お帰りアップルちゃん」
「お帰り~」
「アップルさんお帰りなさいませ」
「えっと~お帰り?」
蘇生したアップルが、上半身を起こしながら言うと、ソウル達はアップル達が帰ってきた事にお帰りと挨拶をした。
「あの棘の付いた木は何だったの?」
「呪子木と言うアイテムですね。効果はあの枝木の様な見た目をしている木を折ると、半径1㎞にいる呪木系のモンスターを呼び寄せます。また、その半径1㎞以内に呪木系のモンスターが居なかった場合、敵対する者に拘束とスリップダメージのデバフを与えます」
「拘束とスリップダメージが発動したという事はいなかったみたいね?」
「そうですね。かなり幸運だったと思います」
「幸運…なのか?」
「はい。あのアイテムには隠し効果がありまして、その効果とは呼び寄せた数が一定数に届かなかった場合かなり強化された状態で大増殖します」
「大増殖っていうと…どの位だ?50か?80位か?」
「200体以上800体以下ですね」
「マジか!増えすぎだろ!?」
「200は流石に私でも厳しいわね…」
「更にあの3人を相手にしつつ…ですよね?そんなの無理ゲーですよ!」
「そうだね。無理だね」
「ひぇぇ…」
ソウル達は、200体以上に大増殖するという言葉を聞いて戦慄していると、マギアが更に説明を続けた。
「さらに言うとその大増殖したモンスター達が敵対する者を倒しても消える事は無く、その場に留まり続ける為、復活アイテムを使用したとしてもすぐやられてしまうのでアイテムが無駄になったでしょう」
「そうだな…そう聞くと幸運だったな…」
「なんでそんな物があるのよ!危ないじゃない!規制しなさいよ!規制!」
ジンジャーが、近くに生えている草を抜きながら文句を言うと、マギアはドウドウと落ち着かせるような仕草をしながら、ジンジャーの言葉に答えた。
「ジンジャーさん落ち着いてください!もう既にああいう類の物は世界中の国が禁制品として指定されています」
「禁制品だったのか…ちなみにそれらを所持していた場合どうなるんだ?」
「所持している事が分かった途端に即刻死刑に処せられます。弁明や釈明する時間も与えられません」
「そんな危ない物をあの男は何処から…いや…一つ心当たりがあるな…調べてみるか…」
「ソウル?」
「あ、いや何でもない。さてと、そろそろランバル村で換金して次の場所に向かおうか」
ソウルが呟く様に小さな声で言うと、アップルがなんて言ったの?と言う顔をしながら聞き返して来たが、ソウルは何でもないと首を横に振った後、話題を逸らすかの様に本来の目的を口にした。
「そうだね」
「行こう!すぐ行こう!早く行こう!」
「分かったわ。あ、ごめん警告文が出てきたから村に付いたら離席するわ」
「行きましょう!…あ、私も警告文が出て来たので付いたら離席します」
「分かった」
「参りましょう」
ソウルの言葉に仲間達は頷き、その中でもジンジャーが急かす様に言うと、その理由を知っているソウルとティカルは、少し緊張した面持ちになりながらランバル村へと向かった。
-ランバル村・雑貨屋前-
「おや?お前さん達は…」
「あ、こんにちわ村長さん」
ソウル達が、ランバル村の中に入り雑貨屋に向かうと、雑貨屋の前にあるベンチで村長が日向ぼっこをしていた。日向ぼっこをしていた村長は、ソウル達が来た事に気が付くと、頬を緩ませながらソウルに話しかけてきた。
「ダンジョン攻略はどんな塩梅じゃ?」
「何とか攻略できました」
「おお!こんなに早く攻略なさったか!すごいのう!その時の話を少し聞かせて欲しいのじゃが~…いいかの?」
「大丈夫ですよ。ですがその前に不要になったアイテムを売ってからでいいですか?」
「うむ、沢山売っておくれ。そうすればこの村が潤うからの~」
「分かりました。では少しお待ちください」
笑顔で話しかけてきた村長に、ソウルは同じく笑顔で言葉を返した後、雑貨屋の中に入りダンジョンで得た物を売却した。
「…なぁ?ティカル?カウンターに居た人は優しい顔つきのお婆さんだよな?」
「そうだね」
「…なぁ?マギア?雑貨屋にあのお婆さん以外の人はいたか?」
「いません」
「…なぁ?ジンジャー?俺らはあの時本当に起きていたのかな?夢や白昼夢の類だったんじゃないかと思うのだが…」
「それならあの時得たオカーネンは何だっていうの?夢だったら宿屋の支払いなんか出来ないよ?」
「そうか…そうだよな…俺達は本当のモル疲状態を経験したんだ…よな?」
「私に聞かないで頂戴…理解できなくて頭がどうにかなっちゃいそうだから…」
ソウル達が雑貨屋に入ると、カウンターに居たのは、優しい顔つきのお婆さんだった。そんなお婆さんにソウルとティカルとジンジャーの三人は、目を泳がせながら、ダンジョンで得たアイテムを全て売りに出した。そして、結構な額になったオカーネンを受け取った後、ソウル達は雑貨屋から外に出たが、その入り口でソウルが、ティカルとジンジャーとマギアに確かめる様な質問をしたが、帰って来たのは「あの時の出来事は確かに起きた事」だと確定した答えだった。
「ん?お前さん達どうしたんじゃ?雑貨屋の入り口で思いつめた様な顔をして?」
「あ、いえ何でもないですよ。あ~っとダンジョンの話でしたよね?何処から話しましょうか?」
雑貨屋から出てきたソウル達を見た村長が、心配そうに声をかけてくると、ソウルは何でもないと首を横に振り、ダンジョンの話に話題を変えた。
「そうじゃな…まずダンジョンの中にいるモンスターに何か変わった事は無かったかの?何か余計に数が多いな感じたとか異様に強い奴が徘徊していたとかは?」
「そう言ったのは無かったですね。…二人とマギアはどうだ?」
「僕もないよ?こんなもんかと思ってたし」
「私もないよ?」
「いたって普通のダンジョンだったと回答します」
「あと二人仲間がいますが~今お花摘みに出ていて…少ししたら戻って来るとは思いますが…」
「あ、いや結構。何も感じなかったのならいいのじゃ…次にじゃが~落ちていたアイテムは何が一番多く出たのじゃ?」
「えっと~…」
ソウル達が、村長の数々の質問に対して噓偽りなく正確に答えて行くと、村長の纏っている雰囲気が、次第に緩やかになっていくのをソウル達は感じた。
「他に聞きたい事はありますか?」
「十分じゃ。話してくれて感謝するぞい」
「では仲間が換金を終えたら俺達は次の場所に向かいますね」
「うむ、またこの村に来てくれ。歓迎するのじゃ」
ソウルからダンジョンの話を聞いた村長は、満足げな表情でその場を離れて行くと、村長と入れ替わる様にしてアップルとマナリアの二人が帰ってきた。
「お待たせ」
「戻りました~」
「お帰り二人とも」
「お帰り~」
「お帰りだよ」
「早速換金してくるわね」
「あいよ」
アップル達が、雑貨屋の中に入って行くのを見た後、ティカルがソウルに視線を向けてきた。
「次の場所って遠いの?」
「ああ、かなり遠いからベリタスに戻ってそこから出発する方がいいな」
「ほ~ん…じゃあ今日はベリタス行ったら解散かな?」
「そうだな。ここから行っても到着は午前2時位になっちゃうと思う」
「え?!そんなに遠いの?!まだ日は落ちてないよ!?」
「最後の賢老のローブがある場所がちょっと…いや、かなり特殊な場所にあるんだ」
「そうなんだ」
ソウルが次の場所に着くまでの時間をいうと、ジンジャーが太陽を見上げながら驚いた。それは、今から出発して到着するのが午前2時だと言われ、かなりの距離がある事を意味していたからだった。
「終わったわ。いい感じだわ」
「私も終わりました~次は何処に行くんですか?」
「今日はベリタスに戻って解散だ。ここから出発したら到着が午前2時位になるからな」
「あ、そうなんですね。分かりました」
「分かったわ」
先程ジンジャーとティカルに言った事を、アップルとマナリアにも伝えると、二人は納得して頷いた。
「マギア、ジャバワークを出してくれ」
「申し訳ございませんマスター…何故かこの場所では制限がされていて出せません…」
「ん?どういう事だ?」
「理由は分からないのですがこの村の中だけに制限があるのです」
「…うん?この村だけ?外はどうだ?」
「外なら問題なく出せると思います」
「じゃあ、外に出るか」
ソウルの言葉に仲間達は頷いた後、ランバル村の外に出た後に、各々が笛を鳴らしてマウントを呼んた。
「外なら普通に呼べたな?なんでだ?」
「まぁいいじゃない、早速出発よ!」
ソウルは疑問に思ったが、アップルが先頭に立って飛翔していくと、仲間達もその後に続き、最後にソウルの乗るジャバワークが飛翔した。
「ん?……うお!」
ジャバワークが飛翔した後、ソウルは何かの視線を感じて後ろを振り返ってみると、ランバル村の入り口で村長や雑貨屋のお婆さん、宿屋の女性や村の中で見かけた人など、ランバル村に住む住民と思われるすべての人達が、真顔でじっとソウルを見ている事に気が付き、言い表せない程の不気味さを感じた。
「なんだ…何なんだよう!訳が分からねぇ!」
「ちょっと!ソウル!?そんなに急いでどうしたのよ!?」
その不気味な光景にソウルは、とてつもない恐怖を感じて、先頭を飛んでいたアップルを追い抜く程のスピードを上げ、ベリタスへと向かって行った。
モルター疲れているのよを 略してモル疲です。
ランバル村の住民がなぜあんな事をしたのか…その理由はここでは書きませんがいずれ本文で書くと思います!…多分!
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