知恵者のカンテラ 8
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2023/08/01 ヒュージスライムだったのをヒュージパラサイトに修正。
-メティスダンジョン・5階層・左部屋-
「ここが最後の部屋だね」
「この部屋小さな道とか水路とか部屋中にありますね?何かを走らせるコース場でしょうか?」
「途中にジャンプ台とか穴もあるな」
ソウル達が最後の部屋に入ると、その部屋にはラジコンが走るようなコース場が広がっていた。更にそのコースには、膝上までありそうな深さの水路やジャンプ台、床下まで抜けている穴等のギミックが、コース場に幾つもあった。
「ねぇねぇ?ここに可愛い人形があるよ?」
「ここにはゲームのコントロールっぽいボタンが付いた機械もあるわよ?」
「一度動かしてみるか?」
「そうだね、起動ボタンは何処だろ?」
ソウル達がいる入り口の近くに、子供一人が通れそうな程の配管パイプがあり、その下には可愛くディフォルメされた、頭の左右に角が生えている人型のモンスターの人形が力なく座っていた。ソウル達はその配管パイプの横にあった、ゲームのコントローラーのキーボタンがある機械を調べ、起動ボタンと思われるボタンを押してみると、人形がその場で立ち上がり、喜ぶような仕草をした。
「あら、可愛い」
「えーっと…あそこがゴールですかね?あそこにまでこの子を動かして行けばいいんですね?」
マナリアが目でコースを追っていくと、それ以上道が続いてない場所があり、その場所には圧力板と思われる装置と右側に船を操縦する為に使う操舵輪があり、そのどちらも人形サイズの小さい物だった。
「最初に私がやってみるわね」
アップルはそう言った後、コントローラーのキーボタンがある装置の前に立ち、緑色のボタンを押すと、人形がその場でジャンプした。
「この緑色のボタンがジャンプね」
「赤色は何だい?」
「押してみるわね?」
ソウルに言われて、アップルは赤色のボタンを押したが人形は何度動作もしなかった。
「あら?」
「あ、もしかしたら方向キー入れて押せばいいのかも?」
「やってみるわね」
人形を見ていたティカルが閃き、その閃きを実行してみると、人形は大げさに腕を動かしながら走り出した。
「Bボタン…じゃなくてダッシュボタンだったのね」
「定規とかとあるコマンダーの様なゲームグッズが必要になるかな?」
「ボタン大きすぎて使えんだろ」
「え?定規?こまんだー?何の事?」
「人類は1ボタン連打する為だけに良く撓る物を作ったりガジェットを作ってしまう生き物なのさ」
「ふぅ~んそうなんだ…」
ソウルが、質問して来たジンジャーに遠い目をしながら言ったが、そのジンジャーはソウルの答えに対して興味なさげに答えた。
「最初の水路に来たけど…これどうやって渡ればいいのかしら?」
「ダッシュジャンプじゃ?」
「ダッシュジャンプ…あそこ辺りで緑ボタンかしら?」
ティカルの言葉を聞いて、アップルはジャンプするタイミングを計った後、コントローラー装置の方向キーを入力しながら赤色のボタンを連打し続けた。
「ここよ!」
アップルは、その言葉と共に緑色のボタンを押して、人形をジャンプさせたが、人形はそのまま水路に落ちて行った。
「……」
「全然届かなかったわ…」
「何か仕掛けがあるのか?」
「探してみましょう」
顔を赤らめているアップルに触れずに、マナリアの言葉に頷いたソウル達はコース場に入って行き、動かせる装置が無いか探し始めると、ギミックの近くにボタンやレバー等の操作パネルがあるのを見つけた。
「水路にはレバーがあってジャンプ台にはボタンが一つあるね?」
「あ~これは仲間達と協力してやる奴だな」
「ギミックめっちゃあるけど…これを僕らでやって行くの?」
「やるしかないな」
「そうかぁ…じゃあ急いで移動しないといけないね~」
ティカルはそう言った後、水路のレバーがある場所に立ち、ソウルはジャンプ台がある装置の前に立った。
「最初動かしてみてどんなギミックか確かめて見るか」
「じゃあ、僕が最初にやってみるね」
ティカルがレバーを下げると、上から白い蒸気を纏った液体が流れ落ちて、水路に氷の板が生成された。
「その氷の板を足場にして渡ればよかったのね」
「俺の所はこの位置でバネ式のジャンプ台が飛び出てくるな」
「私の所は底なし沼みたいな所に小さな丸太みたいのが出て来て左右にスライドしてるよ?」
「マスター、私の所はティカルさんの所と同じですが少し難しくなってます」
「私の所はクランクでしたっけ?それを回して噴水の足場を作るみたいです」
それぞれが立つ位置のギミックを確認すると、ソウル達はアップルに視線を向けた。
「アップル?行けるか?」
「ギミックの仕組みはわかったからいけるわ」
「おう、じゃあ頼む」
「いくわね」
ソウルに向かって頷いたアップルは、配管パイプから出てきた人形を操作して、複数の失敗を重ねながらもしながらも時間を掛けてコース場を進んでいった。それから数十分後、アップルの操作する人形は圧力板の近くまで来る事ができ、残りのギミックは残り一つとなった。
「やっとここまで来たわ…」
「最後は噴水の足場だけだな…頑張ってくれ!」
「アップルちゃん!最後だよ!頑張れ!ここで外したらかなりヤバいよ!」
「そうだね~ここで外したらガッカリだよね~」
「アップルさん応援していますよ!外してもまた最初からになるだけなのでお気になさらず!」
「アップルさんドンマイ~」
「ちょっと!プレッシャー掛けるか応援するかどっちかにして!いや、応援だけにして!それとジンジャー!私はまだ失敗してないわ!」
仲間達が見守る中、アップルは意を決して人形を操作し始めた。
「ここ!…よし!……次はここ!…………よし!最後よ!………あ!あああ!」
「(人形が!足場端!)」
アップルの操作する人形が、3段ある噴水の足場を、1段目2段目と順調にジャンプしていったが、最後の3段目に飛び移った時人形が足場の端に着地し、ソウル達を内心でヒヤリとさせた。
「あ!っぶないあぶない!……ふぅ…行けたわ!」
「よくやった!」
「もうだめかと思いました…」
「すごいよ!アップルちゃん!」
「お見事です!」
「やっとクリアだね」
足場の端に立っている人形を慎重に操作して、最後のギミックを抜けた後、圧力板の上に人形を乗せると、人形は自動で右に方向転換し、操舵輪を左に回転させた。
「…何かの大きな音が聞こえてきたが…動いたのか?」
「大きな扉を確認しに行ってみましょう」
「そうだな」
マナリアの言葉に頷き、ソウル達は巨大な扉がある部屋に戻って行くと、各部屋から連結されている歯車が全て動いていて、今にも開きそうな雰囲気を出していた。
「…開きそうな雰囲気だけど…開かないな?」
「何処かに開く為のレバーみたいのが出たのでしょうか?」
「ん?ん~…見渡してみたけど出てないね?」
「もう一度よく探してみ…待て皆…」
開きそうな雰囲気を出してはいるが、一向に巨大な扉は開かなかったので、開く為のレバーやボタン等の何かがないか探そうとしたが、突然ソウルは仲間達を制止させ、腰のホルスターに手を伸ばした。
「どうしたの?」
「何か…気持ち悪い視線を感じる…」
ソウルは、アップルの問いに答えた後、腰のホルスターからΣウェポンとCLC 12を引き抜いて装備すると、周りを警戒し始めた。そして、仲間達もソウルの緊迫した表情に緊張感が走り、いつでも戦闘に入れるよう武器を構えた。
「…何も現れないけど?」
「いや…上だ!」
しばらく警戒を続けたソウル達だったが、何も現れないのでジンジャーが武器の構えを解きながらソウルに言うと、ソウルは視線と銃口を上に向けながら叫んだ。
「ギョプラrrrrrrrルゥゥゥ!」
「うわ!なんだあれ!気持ち悪!僕ああいうの苦手なんだよ!」
「スライムとトカゲが合体?…いや、大きなトカゲがスライムに寄生されてるって言った方が正しいわね!」
ソウルの言葉で、仲間達は視線を上に向けてみると、天井に赤色の大きなトカゲが黒いスライムに寄生されているような姿のモンスターが張り付いていて、トカゲから分離したと思われる2つ眼球を触角の様に伸ばしながら、ソウル達を見つめる様に向けていた。そしてスライムに寄生された赤色のトカゲは、咆哮の様な声を上げると、天井から勢いよく飛び出し、ソウル達の前に飛び降りてきた。
「階層ボスって奴か?」
「そうですマスター!敵の名前は「ヒュージパラサイト」その名の通り寄生型のモンスターです!」
「あれ?そういえばあいつの体黒いけど下側の部屋にあった黒い塊みたいのはあれと関係してるか?」
「はい、あれはあのモンスターが不要になった物を体外に排出した物です!つまり…ウン…」
「いや、それ以上言わなくていい!大体わかった!」
ソウルは、マギアが何を言いたいのかを察して食い気味に言わなくていいと言った後、こちらの様子を伺うようにして、トカゲの眼球を動かしているヒュージパラサイトに、銃口を向けながら仲間達に作戦を伝えた。
「最初は回避行動を基本にしながら敵の弱点を探るぞ!敵はスライムだから特性を考えて行動してくれ!」
「「「「「了解!」」」」」
仲間達の了解を聞いた後、ソウルは戦闘開始として、Σウェポンの銃の引き金を引いた。
コントローラーの装置はファミ〇ンのコントローラーを大きくさせた物と思ってくれればいいです・
連打の為に定規とか使ったと聞いた事はあるのですが他道具を使っていたという話はあるのでしょうか?
「エリッ〇上田」とか「上から来るぞぉ気を付けろぉ」とか入れてふざけようとは考えましたが止めました。
次回予告
ヒュージパラサイトと対峙し始めたソウル達は、苦しい戦いを強いられてします…だが、ソウルには秘策があった!…そうその秘策とはジンジャーを生贄に捧げ、山札からカードを5枚ドローし、あのカードを引くという物だった!…まって!ソウル!それはリスクが高すぎるわ!と制止するアップルの言葉を振り切りソウルは実行する!決めるぜ!この大博打! 次回 ティンクルスターキューティクルズ!4X3話 「敗北の涙」 お楽しみに!
※このストーリーは開発中な為、大幅に内容が変更される可能性があります。
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