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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
カドゥケウス
210/329

知恵者のカンテラ 5

完成しました。お楽しみください!


次回更新は7月13日 0時更新です!

 

 -メティスダンジョン・2階層-



「エンカウント!オーガ1匹だ!」


 ソウル達が2階層の階段を上がると、こちらに背中を向けている緑色の肌のオーガがおり、ソウルが仲間達に敵がいる事を知らせると、アップル達は戦闘態勢に入った。


「行きます!」


 盾を構えたマナリアが、未だソウル達に気づいていないオーガに近づいて行き、自身の槍を背中に突き刺すと、オーガは痛みで悲鳴を上げた後マナリアに振り返り、怒りの咆哮を上げた。


「よいしょ!」


 オーガが、手にしていた粗悪な棍棒で力任せに攻撃して来たが、マナリアは冷静にパリィで受け流し、オーガの体制を崩させると、それをチャンスと見たアップルが力強く踏み込み、連続でスキルを発動させた。


「【超集中】【豹連脚】【スパイラルストレート】【蒼雷破】」


 アップルの連続スキル攻撃で、オーガのHPは瞬く間に無くなり、黒い霧に変わって行った。


「今回はドロップは無しか…」


「敵からのドロップ率は上層に上がるにつれて最大25%まで上がって行くらしいそうですよ?レア枠は固定みたいですが…」


「へぇ~そうなんだ…ちなみにオーガのレアドロップって何が出るんだ?」


透視遠視(とうしえんし)というスキルが付いた腕輪ですね。効果は敵の位置や落ちているアイテム、階段の位置をマップ上に表示する事が出来ます」


「お?いい装備じゃないか!何%で出るんだ?」


「0.1%です」


「マジかよ…5%位あるなら狙ってみようと思ったけど0.1%じゃ止めとくか…」


「そうですね、他にも有能なアイテムがありますし狙うのは止めておいた方がいいでしょう」


「ねぇねぇ?ソウル?近くにこんな物が落ちてたんだけど…これが何か分かる?」


 ティカルが、コルク栓がされた歪な形をしている瓶をソウルに渡すと、ソウルは目を半ば細めながら瓶を見つめた。


「なんだろうな…やけに歪な形をしているが…」


「私も瓶を拾ったわ」


「あ、ソウルさん!私も瓶を拾いました!」


「私も拾ったよ~」


 アップルから「茶色の瓶」マナリアから「だえん形の瓶」ジンジャーから「ヒョウ柄の瓶」を渡されたソウルは、眉を寄せて困惑した。


「なんでこんなに瓶が落ちてるんだよ…」


「乱数の偏りだと思います」


「偏り過ぎじゃね?…まぁいいや、これ何の瓶か分かるか?」


「偽装化されているアイテムなので鑑定系のアイテムを使うか外に出ないと分かりませんね」


「使ってみれば分かるか?皆、敵がいたら使ってみてくれ」


「分かったわ」


 ソウルは、受け取った瓶を返しながら言うと、仲間達はソウルの言葉に頷いた。





 -メティスダンジョン・3階層-





「うおお!ハーケン・ディなんとかー!」


 2階層で瓶の効果を確かめようと、次の部屋に進んだソウル達だったが、入った部屋の入り口近くに3階層に上がれる階段がある事に気が付き、ソウル達はそのまま3階層へ上がって行った。3階層にはオーガが1匹、オークが2匹、ゴブリンが3匹が別々の位置におり、ソウル達は近い距離にいたオーク2匹を最初に相手取ると、その戦闘途中でティカルが声を上げながら、剣を突出させた右手を捻る様に突き出し、オークの脇腹に突き入れて黒い霧に変えた。


「懐かしい技名を聞いたな」


「あれ?それってヒュ〇ケルの技だっけ?」


「いや、ラーハ〇トだな。ヒュンケルはブラッディスクラ〇ドだ」


「あ…」


「ん?」


 ソウルの説明を聞いたティカルは、しまった…と言いたそうな表情と共に声を出すと、その声にソウルは首を傾げた。


「ティカル…もしかしてお前さん…間違えて覚えていたな?」


「な!何故バレたし!?」


「その技名を叫びながら剣を捻って突き刺したのが証拠だ!それにその技は槍の技だ!」


「っく!認めたくないものだな…自分自身の記憶違いを…」


「ちょ!ソウルさんとティカルさん!ふざけ合ってないで戦闘に集中してください!」


「ごめんね!ちゃんと役割はこなしているから許して」


「ごめんね~」


 マナリアの言葉に、ソウルとティカルの二人は反省して戦闘に戻ると、オークにスキルを叩き入れていたアップルが、一瞬だけティカルを見てニヤッと笑みを浮かべると、とある技名を大声で叫んだ。


「ハー〇ンディストール!!」


「やめて!僕の恥を再現しないで!」


 右ストレートに捻りを加えた一撃で、オークを殴り倒したアップルは、両手を腰の位置に置いて胸を張りながらドヤ顔をすると、その姿を見たティカルは、顔を真っ赤にさせながら恥ずかしがった。


「残りオーガとゴブリンだけだから瓶の効果確かめて見るか?」


「あ、じゃあ私が使ってみるね」


 こちらに向かって来ていたゴブリン達を眠らせたジンジャーが、「ヒョウ柄の瓶」をゴブリン達に向けてコルク栓を抜いてみると、突然ヒョウ柄の瓶が爆発し、ソウル達のHPに1/3のダメージが入った。


「けほっ…」


「爆発だったか…」


 ソウルは、自身のアイテム欄から回復ポーションを数本取り出し、仲間達に使用してHPを回復した。


「次は僕が使ってみるよ」


「あいよ」


 オーガを攻撃していたティカルが、少し距離を取った後に「歪な形の瓶」をオーガに向けてコルク栓を抜いてみると、ソウル達のHPが全回復した。


「…回復かよ…俺のポーション無駄だったじゃん…」


「まぁまぁマスター、効果を知らずに使用しますから無駄ではなかったと思いますよ?」


 マギアが、微妙な顔をしているソウルを慰めると、アップルがオーガを黒い霧に変え、アイテム欄から「茶色の瓶」を取り出した。


「じゃあ次は私が使ってみるわね?」


 アップルは、眠っているゴブリン達に「茶色の瓶」を向けてコルク栓を抜いてみると、寝ていた筈のゴブリン達が目を覚まし、悲鳴のような声を上げながら逃げ出し始めた。


「ん?逃げて行ったけど…どんな効果だ?」


「さぁ?分からないわ…きゃ!」


「どうした!?」


 ソウルの疑問に、アップルは首を傾げながら答えた後に瓶の中を覗いてみると、名状し難いグロテクスな生物の目が中に入っていて、その生物と目が合ったアップルは、悲鳴を上げながら瓶をその場に落とし、距離を大きく取った。


「名状し難い…目が…ゾワってなって…」


「名状し難いってクトゥフル神話生物でも入ってたのか?」


「分からないわ…か…体のゾワゾワが…収まらないわ…」


「アップルがそんな風になるならかなりヤバい瓶の様だな…アップル?コルクを渡してくれ」


 アップルは言われた通りに、コルク栓を投げて渡すと、ソウルは瓶の中を見ないようにしながら「茶色の瓶」に栓をして回収した。


「後は私が持っている瓶だけですけど…私はタンクをしないといけませんからソウルさんが調べて貰えますか?」


「任せろ~」


 マナリアから「だえん形の瓶」を受け取った後、ソウル達は3階層を探索して行くと、部屋の中心にUの字の水路がある3部屋目で、寝ているオークを1匹見つけた。


「あいつに使ってみるか」


 ソウルは「だえん形の瓶」を寝ているオークに向けて、コルク栓を抜いてみたが、何も起きなかった。


「ん?なんだこれ?」


「もしかして…マスター?試しにこの部屋に来るまでに拾った剣や謎の草等何でもいいので瓶の中に入れてみてください」


「分かった」


 ソウルは、アイテム欄から2部屋目で拾った剣を取り出して、瓶の口に近づけてみると、剣は吸い込まれるように瓶の中に入って行った。


「うお!入った!」


「入りましたね。やはり保存の瓶でしたか」


「あ~なるほど」


 マギアが言ったアイテム名に、ソウルは納得して瓶をよく観察してみると、瓶の底に[4]という数字がある事に気が付いた。


「…ストレージ持ちに必要かな?」


「ダンジョン内のアイテムには外に持ち出すと消えてしまう物があるのですが「保存の瓶」に入れておくと消えずに外に持ち出す事が出来るので必要だと思いますよ?」


「そうなんだ」


「それって見分け方あるの?」


「はい、鑑定された()しくは偽装化されてないアイテムは詳細を見る事が出来るのでそれで判断が出来ます」


「なるほど…それなら鑑定アイテムが重要になってくる訳ね」


「はい」


 アップルに、マギアは体を頷かせるように動かして答えた。


「あれって…」


「どうした?ジンジャー?…あ!あれは!」


 ジンジャーが、ふと部屋の角に目を向けてみると、その角の地面に見覚えのある物が落ちている事に気が付き、目を細めながら呟くと、その呟きが聞こえたソウルは、ジンジャーが見ている方向を見て、落ちている物を見て喜びの声を上げた。


「わぁ!銃だ!」


 落ちていた物とは、リボルバーの形をしている銃であり、ソウルは少年の様な純粋の声を上げて喜びながら近づいて行ったが、角の近くにある通路から、ゴブリンが一匹部屋の中に入ってくると、ソウルはそのゴブリンに警戒して銃を向けた。


「くそ!もうちょっとだったのに!邪魔するな!」


 もう少しで銃を取れると思ったソウルは、ゴブリンが来た事にイラつき、その怒りをぶつける様にして引き金を引きダメージを与えた。


「ちょっと!ソウル!銃声でオークが起きちゃったじゃない!」


「すまん!そっちは皆で頼む!俺はこのゴブリンを倒す!」


「しょうがないわね…」


 アップルは、ソウルの目が銃にしか向いていない事に呆れて、マナリア達と一緒にオークを相手取った。


「おらぁ!さっさと黒い霧に変わっちまえ…おい!どこ行く!?…おい!まさか!ちょ!やめろ!」


 ソウルは連続で引き金を引いて、ゴブリンにダメージを与えて行ったが、ゴブリンはソウルの攻撃を無視して、銃が落ちている場所に向かって行った。そのゴブリンの謎の行動に、ソウルは心の底から嫌な予感を感じて、必死に引き金を引き続けるが、ゴブリンは銃が落ちている場所で銃を拾った後、ソウルに向かって投げ飛ばしてきた。


「止めろぉぉぉ!ノーコン野郎ぅぅぅ!」


 ソウルは、自身を飛び越える様に投げ飛ばされた銃を掴もうと、ジャンプした後に必死で手を伸ばしたが、あと数センチという距離が届かなかった為に掴み損ねてしまい、銃はそのまま水路の中に落ちて行った。


「あああああああ!!!」


 ソウルは、水路の中を沈んでいく銃を見つめながら、悲痛の声を上げて絶望し、両膝をついて落胆した。


「貴様…絶対に…絶対に許さんからな!」


 銃の姿が見えなくなると、ソウルの心に怒りの感情が湧き出し、右腕に格納していたデスブリンガーを展開して引き金を引くと、放たれた弾の一発だけでゴブリンを黒い霧に変えたが、ソウルはゴブリンが黒い霧に変わっても引き金を引き続けた。


「マスター!落ち着いてください!」


「ソウル!もう敵はいないわよ!」


「落ち着いてください!」


「クールダウン!クールダウンだよ!」


「うおお!離せぇぇ!俺はゴブリンをこの世から駆逐してやるんだぁぁぁ!」


 アップル達は、暴走したソウルの体を羽交い絞めにして、落ち着かせようとしたが、ソウルの怒りと涙はしばらく収まる事はなかった。

まだ浅い階層なので、敵の強さもそれほどではありません。


0.1%の確率ってどの位なの?と思われた人に私は「100時間かけて1つ出るか出ないかですね」といいますよ! コスモ〇マジで出なくてきつかった…


瓶ではなく壷と書きたかったのですが、それはどうなんだろうと思って瓶にしました。なぜ瓶かって?それはゼルダの〇説で、明らかに対象物が瓶より大きくても、色々入れる事ができたので瓶なのです!


未鑑定アイテムが出るのは不思議系では基本。鑑定アイテムの必要性もあります。


作者本人が記憶違いしていました。ハーケ〇ディストー〇とブラッディスクラ〇ドをごっちゃにしていたのです。申し訳ない!…でもそういう間違いってありますよね!?


合成の壺を壁に当てて割ろうとしたら、そのまま溝みたいな所に落ちて行ってロストしてしまったという事を先日経験してしまいました。あの絶望感と俺何やってんだ感がものすごかったです…モル疲ですね!


モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!


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誤字脱字報告 だんだん♡

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