知恵者のカンテラ 3
お楽しみくだちゃい!
失礼、噛みましたがわざとです。
次回更新は、6月29日 0時更新です!
「まず最初に何が必要か考えてみよう」
「そうね~…あ、カンテラの明かりだけじゃ足りないかもしれないわね?」
「あ~確かに今のままの明かりだけだと遠くにいる敵が視認できませんね」
「うん、懐中電灯みたいに遠くまで届く明かりが必要だね」
ソウル達は、再びダンジョンに挑む為に、攻略の話し合いをしたいた。まず最初に攻略するには何が必要かを話し合い、遠くまで見通す為の懐中電灯が必要だと決まった。
「他には~…罠避けの何かが必要だな」
「罠避けの何々とか名前が付いているの装備品ですか?」
「それか無効化するアイテムがあればいいな」
「マスター…残念ながらそういった物は製作してもダンジョン内では効果が無いと報告がありましたので、欲しい効果を持つ装備品等はダンジョン内で獲得するしかありません」
「そうなのか…ん?あれ?こっちで作った物は意味がないけどダンジョンで見つけた物は外でも効果を出せるのか?」
「ある物と無い物がありますね。それらを見分けるには外の文字にストップマークがあるか無いかで見分ける事が出来ます」
「なるほど」
「代案の一つとしてサブジョブの一つを盗賊系にして罠感知のスキルと罠解除のスキルを使うという方法もあります」
「サポシか…」
マギアの代案を聞いて、ソウル達はウィンドウを開いて、ステータス画面を見始めた。
「俺は変えられないな…変えてしまうと戦えなくなっちまうし…」
「私も無理だわ」
「アップルちゃんと同じく…」
「僕のサブジョブ枠が一つだけ空いてるから僕がなろうか?どのサブジョブにしようか迷って決めてなかったし」
「頼んでもいいか?それとSP足りるか?」
「ある程度までしか取れないけど任せて~」
ティカルが、ウィンドウに表示されているジョブ選択画面で「盗賊」のジョブを選択し、持っていたSPの全てを使って、罠感知と罠解除のスキルを獲得した。
「一応二つともLV4まで取れたけどそれ以上ある高LVの罠を解除できなかったり感知できなかったりするからそのつもりで頼むよ」
「分かった」
ティカルの言葉にソウル達は頷き、開いていたウィンドウを閉じた。
「明かりの確保と罠はどうにかなったな…あとは~…」
「戦い方ですね!」
「戦い方か…えっとマナリアは一番前でタンクするとして~…アタッカーの俺らはどうする?」
「私とティカルが攻撃に回ってソウルとマギアとジンジャーが遊撃又は支援をするのがいいんじゃないかしら?」
「そうだな。敵とエンカウントしたら最初にマナリアが敵のヘイトを一身に集めた後、ジンジャーの範囲で何かしらの行動不能するデバフを周りにいる敵達に付ける。アップルとティカルは一緒に敵を一体ずつ倒して行って、俺とマギアがジンジャーの範囲から漏れた敵を対処する…だな」
ソウルの言葉を聞いて仲間達が頷くと、マナリアが別の質問をしてきた。
「もし何かしらの方法で何処かに飛ばされた場合どうしますか?」
「あ~バシ杖とかワープ罠とか踏んじゃった場合だな?一応合流する事を最優先にして動くけど、それが難しい場合は階段がある部屋を集合地点と考えて慎重に進んでいってくれ」
「わかったわ」
「他に質問はあるか?」
「ん~特にはな…あ!カンテラのオイルは余分に持っておいた方がいいかな?」
「ああ、そうだな」
「わかった~」
ティカルの思い出した質問に答えた後、ソウルは他に質問はないか視線を仲間達に向けると、仲間達は首を横に振って答えた。
「じゃあ一度解散してそれぞれ準備出来たら再びダンジョンアタックだ」
「了解したわ。それまでにお昼ご飯とか色々済ませておくわね」
「お昼…あ~もうそんな時間か…」
ソウルはアップルの言葉を聞いて、現実時間を確認しながら呟くように言うと、現実の体から腹が減った様な感覚がするような気がした。
-ランバル村・雑貨屋前のベンチ-
「ふ~食った食ったと~」
PTを解散した後ソウルは、一度現実世界へと戻りお昼ご飯やトイレ等を済ませ、再びログインしてベンチ前に戻ってきた。
「さて、まずは懐中電灯を用意しないとな」
「マスター?この村には競売所が無いので競売所がある近くの町に移動する必要があります」
「まじか!競売所って何処にでもあると思ってたわ…で~その近くの町って移動に時間が掛かるか?」
「いいえ。ジャバワークの全速力で移動すれば7分以内に到着します」
「そうか、じゃあその町に行って必要になる物を買って来よう」
「了解しました。ジャバワークを展開します」
マギアが展開したジャバワークに、跨ったソウルは西に向かって飛翔して行った。
-アーモルの町・競売所-
「懐中電灯に必要な物は鏡板と高光石で個数は人数分です」
「鏡板はあるんだけど高光石がダース単位の奴しか出品されてねぇ…」
ソウルは、鏡板を人数分購入した後、高光石が12個セットで売られている物をタップして入札しようとしたが、エラー文章が表示された事に目を大きくさせた。
「あ…オカーネンが足らない…」
「手持ちの物を出品して購入費用を捻出しますか?」
「そうだな」
マギアの提案を聞いて、ソウルは自身のアイテム欄を表示してすぐ売れそうなものを探すと、ストレージの肥やしになっていたアイテムを数点出品した。
「銃作った時に余った素材や採取してそのままにしていた物を出したけど…すぐに売れるかな?」
「鉱石またはインゴット類はすぐ売れると思いますが、採取した野草等は外に出ればすぐに取得できる物ばかりなので売れるか微妙な所ですね」
「そうか…じゃあ売れるのを祈るしかない…か…お?」
ソウルの耳にベル音の着信音が鳴り響き、ウィンドウを開いて確認してみると、競売所からのメールが来ていた。
「競売に流したインゴット類が売れたけど…それだけじゃまだ足りない…」
ソウルがそう言った後に、続けて競売所からメールが届いたが、添付されていた金額を得ても購入金額には届かなかった。
「まだ足りない…まだ足りない…」
ソウルがそう呟くと、少しの間をおいてから再び競売所からメールが届いた。
「もうちょっと!もうちょっと!」
ソウルは、ウィンドウに顔を付けながら必死に祈った。
ソウルの必死な祈りが届いたのか、残りの出品した数と同じ数のメールが届き、ソウルは受信メール一覧欄を見つめた後、勝利のガッツポーズをした。
「イェア゛ア゛ア゛!」
「よくこんな短時間で全て売れましたね。お見事です…あ!マスター」
「ん?どうした?マギア?…あれ?エラー?…なんで?」
早速メールに添付されたオカーネンを、一括で受け取るボタンを押して回収した後、高光石を購入しようとしたが、エラーが表示されてしまい、ソウルはそのエラーを見つめながら首を傾げた。
「マスター?…その言い辛いのですが…」
「あ?なんだ?」
「落札金額をミスっている物が2点ありました…」
「はぁ!?」
マギアの言葉を信じられず、ソウルは慌てて競売所の履歴を見てみると、確かに二つのアイテムが桁が一つ足りない状態で出品されていた。
「ウソダドンドコドォー!」
その言葉と共に足元から崩れて行ったソウルは、自分がやらかした事に強い憤りを感じ、地面を強く叩いた。
「マスター?どうしますか?」
「…しょうがないから皆から少しオカーネンを出してもらおうと思う」
ソウルは、情けない気持ちと申し訳ない気持ちで一杯になりながら、仲間達にメールを送った。
-ランバル村・雑貨屋前のベンチ-
「あら?ソウル?なんかテンション低くない?」
「あ、いやさっき皆からお金を出して貰った事が申し訳なくてな…」
「え?そんなの別にいいわよ?私達の為に懐中電灯を作って貰うのだからお金を出すのは当たり前の事じゃない」
「そう言ってくれるか…ありがとう…」
「なんでも一人で背負い込もうとはしないでもうちょっと私達も頼りなさいよ。仲間でしょ?」
「そうか…そうだな」
ソウルは、自身がトラブルに巻き込まれてしまう体質な為、負い目を感じて親しくなった人でも、何処か遠慮してしまう傾向があり、「自分が何とかしないと」と思い込んで、人に頼るという事を2の次3の次にしてしまっていた。だが先程のアップルの言葉で、ソウルの肩が少し軽くなったよう感覚がすると、そういった思い込みを改めようと考えた。
「マスター、懐中電灯を人数分ご用意できました」
「ありがとうマギア。よし!用意が出来た事をメールで伝えて皆が来たらダンジョンに挑もう」
ソウルは、まだ心に残っている暗い部分を払うかのように、元気よく言って気持ちを切り替えた後、まだこの場に来ていないティカル、マナリア、ジンジャーにメールを送った。
ソウルのお昼ご飯は冷麺
お昼と言ってもかなり遅い時間です。大体14時位です。
ソウルが言った「イェア゛ア゛…」は呪い〇館ではなくゾンビゲームのフランクさんのイェア゛ア゛なニュアンスです。
桁を間違えて出品してしまったというのは、競売システムがあるオンラインゲームならよく聞く話なのです。爆乳パッドしかり高性能装備しかり…
懐中電灯とは言いましたが、構造はすごく簡単な物です。鏡板を筒状にし、底を溶接して閉じた後、筒の中に円錐の形にした鏡板と高光石を入れて固定した簡単な物です。たったこれだけのシンプルさでも、300ルーメン位あります。(捕捉 200ルーメンが一般的な懐中電灯の光量)
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