知恵者のカンテラ 2
お楽しみんつかーさい!
次回更新は6月22日 0時更新です!
ブループ口トコル楽しみですね。
「ここか…」
ソウル達は、ランバル村の雑貨屋で人数分のカンテラを購入した後、店主にダンジョンの場所を詳しく聞き出してその場所に向うと、円柱型の塔が立っていた。
「こんなに高い塔なのに外から見えなかったわね?」
「何か見えなくする魔法でも掛かってるんじゃないのか?」
「はい、マスターの言う通りこの塔全体から不可視の魔法が中規模で発動されている反応がありますので、ここまで近づかないと見えないようです」
「はえ~…この塔全体からですか?…常時発動させているとなるとかなりの魔力が必要になってくると思うのですがそれは何処から…」
「詳しくは調べてみないと分かりませんが何らかの方法で循環が成されていると思われます」
「へぇ…それってどこでもできるかものなのか?」
「いえ、この場所ならではの物でしょう。循環を利用した魔力行使はある特定の条件が幾つも必要になってきますので」
「なるほどなぁ…っとそろそろ入ってみるか」
「待つのよう!ダンジョン内では私は飛べないだろうし銀牙もあまり役に立てないと思うから帰還させるのよう!」
「あ~…分かった。なんかあったらまた頼む」
「おつかれなのよう!」
「≪おつかれさまだワン!≫」
ティーと銀牙を帰還させた後、ソウル達は各自装備している物を確認し、閉ざされていたダンジョンの扉を開いて中に入って行った。
-メティスダンジョン・エントランス-
「中はだいぶ暗いな…」
「洋ゲーホラー並みの暗さだね!」
「嫌な例えをありがとうよ…」
ティカルは、目を輝かせながらソウルに向かって言うと、ソウルは嫌な顔と青筋を立てながら、皮肉を込めて言葉を帰した。
「あそこに小さい火が灯ったのよう!あの火をカンテラに移して行けば問題なく進めるのよう!」
ティーが指を指しながら言うと、その指が指し示す先に少し大きな燭台にあり、その燭台にある蝋燭の一本に火が灯っていた。ソウル達はティーの言う通りにカンテラに火を移した。
「あら?結構明るいわね?」
「3~4歩くらいの明るさが広がりましたね?」
「ルーメン 値が上昇したのを確認しました。どうやらこの火は普通の火ではないようです」
「魔法か?」
「そうみたいですね」
「…みたいとは?」
マギアの言葉にソウルは首を傾げると、マギアは説明を続けた。
「確かに魔法の反応はあるのですが…それ以外にも未知の反応がある為判断が出来ないのです…」
「未知がある火か…」
ソウルは、カンテラの中で揺らめいている火を見つめると、その姿を見ていたティカルが何かを察して、ハッとした表情になった。
「あれ?もしかしてこのカンテラの火を管理して行かないといけない?ローグライク系によくある満腹度ステータスみたいに?」
「多分そうだろうな」
「え?そうなの?私ああいうの苦手で最後まで行けた事ないのだけど…」
「私は鳥と女剣士の奴ならクリアできました」
「僕は武器屋のおっさんシリーズは全部クリアしたよ?」
「なるほど…皆経験があるなら今更説明はいらないな?じゃあ早速進んでみよう」
仲間達はソウルに頷いた後、奥にある両開きの扉を開いて奥へと進んでいった。
-メティスダンジョン・1階層-
「えいや!」
1階層の奥へと進んだソウル達は、カンテラだけに照らされた少し広い通路を進んでいると、早速一匹のだけのゴブリンとエンカウントをし、マナリアが自身の槍で一突きすると、エンカウントしたゴブリンは断末魔を上げる事すらできずに、黒い霧に変わって行った。
「急に出てきたのでびっくりしましたがすごく弱いですね」
「まぁ1階層だしLv1のモンスターだったんだろ?」
「リザルトも出てないわね」
「なるほど、どうやらこのダンジョン内では別の理があるようですね」
「へぇそうなのか…あ!」
ソウルが、マギアの言葉を聞きながら一歩踏み出すと、何かの仕掛けを踏んでしまい、驚きの声を上げた後、頭だけを動かして仲間達に視線を向けた。
「ソウルさん…まさか…」
「こりゃ踏んじゃったね!」
「ソウル…」
「あ…いや…その…なんだ…暗かったから…」
「そんな事言っている場合ではありませんよ皆さん!トラップを踏んでもまだ来てないという事はかなり大型のトラップだと思います!警戒してください!」
マギアが言った通り、ソウル達は周りを警戒すると、最初は地鳴り様な音が遠くから聞こえてきたが、その音は段々と大きくなっていった。
「これは…あれだな…」
「まだ見てないからそうだと断定できないけど…あの良くある奴ね」
「大きな玉が転がってくる奴ですね!」
「僕そういうの初体験だ」
ソウル達は、聞こえてくる音からトラップの種類を予想していると、その予想が見事に当たり、大きな玉がソウル達の後ろに現れた。
「走れ!」
ソウルが、大きな玉が現れたと当時に叫ぶと、仲間達はその言葉に従って前へ走り出した。
「うおおお!…あ!またなんか踏んだ!」
「ちょ!ソウルさん!?」
「ソウル!いい加減にして!」
「あひゃひゃひゃ!やべぇー!楽しい!」
先頭を全速力で走っているソウルは、また別のトラップを踏んでしまい、後ろで走っている仲間達から非難されてしまった。
「(あれ?でも何だろう…体が急に軽くなったような?)」
罠を踏んだあたりから、急に体が軽くなったような感覚を感じつつも、ソウルはただひたすら大きな玉から逃げ続けた。
「マスター!止まってください!皆さんとはぐれてしまっています!」
「何!?」
夢中で走り続けていたせいか、後ろにいたはずの仲間達といつの間にか逸れてしまい、ソウルとマギアの二人だけが暗い部屋に立っていた。
「皆が何処にいるか分かるか?」
「このダンジョンではセンサー類の類が使えませんので分かりません…」
「そうか…ん?」
ソウルはマギアの言葉を聞いて、やっちまったなと頭の中で考えていると、自身の耳に生き物の息遣いが聞こえ、腰に吊るしてあったカンテラを持ち上げて周りを確認してみた。
「うわ!」
ソウルが、カンテラの明かりを頼りに周囲を確認してみると、周りにゴブリンやオーク、オーガの魔物の群れが居る事に気が付き、思わず驚きの声を上げてしまった。
「くそ!」
ソウルの驚いた声で、周りにいた魔物の群れが気が付き、ソウルに向かって武器を振り上げて向かって来た。
「あ?!銃が!」
「マスター!武装が外されています!」
「さっきの罠は装備外しだったか!…っく!」
急いでアイテム欄のウィンドウを開いて、外された装備を再装備しようとしたが、こちらに向かって来ていたゴブリンの攻撃が当たってしまい、ソウルは自身のHPを大きく減らしてしまった。
「な!?HPが半分近くまで減ったぞ!?」
「これは…マスター自身も弱体化されていますね…先ほどマナリアさんが一撃で倒せたのは武器の性能のおかげでしょう」
「このダンジョンは本当にローグライクみたいなんだな…っと!」
続けて攻撃してきたオーガの攻撃を回避し、武器を装備しようとウィンドウを操作するが、まだ向かって来ている魔物の群れからの攻撃が激しく、回避するのに精一杯だった為、武器が装備できない事に苦虫を噛み潰したような表情になった。
「くそ!」
「マスター!」
マギアも両手を機関銃にして、ソウルを援護しよう発砲するが、ソウルの弱体化と共にマギア自身も弱体化した為、敵の数を減らす事が出来ず、次第にソウルは壁際に追い詰められてしまった。
「っく!うおお!」
「マスター!」
壁際に追い詰められたソウルは、身を固める様に身構えて防御したが、魔物の群れからの攻撃が多く、HPを全損させてしまい、前かがみに倒れて行った。
-メティスダンジョン・エントランス-
「かー…久々に死んだ…」
「お帰りソウル」
「お帰りなさいです」
「二人もやられたのか?」
Your Deadの表示画面から次第にゲーム画面に戻って行くと、ソウルとマギアは燭台が置いてあるエントランスに立っていた。ソウルは、エントランス内を見回してみると、アップルとマナリアの二人が先に居る事に気が付き、ソウルは二人に話しかけた。
「はい…アップルちゃんが床から飛び出てくる槍のトラップを踏んでそれに巻き込まれて即死しました」
「回避しようとしたんだけど掠っただけで死んだわ…」
アップルは回避に自信があったが、完全に避けられなかった事に落ち込んだ表情をしながら言った。
「ソウルさんは?」
「皆と逸れた後暗い部屋でモンスターにタコ殴りされた…」
「私達自身も弱体化している事に気が付かず、更には装備外しの罠で武器が外されていた状態だったのでどうしようもなかったですね…」
「あーやっぱり私達も弱体化してたのね…」
「ゴブリンを一撃で屠る事が出来たのは武器のおかげだったんですね…」
ソウル達は、自身が慢心していた事に反省していると、突然1階層に行ける扉が勢いよく開き、そこからティカルが飛び出してくると、そのままソウル達の所まで前転してきた。
「っと!ただいま!」
「お帰り…勢いよく帰ってきたけど何かあったのか?」
「いや~みんなと逸れた後すぐ魔物の群れに追われてね~いろいろ走り回っていたら見覚えがある道にたどり着いたから追われながら入り口まで戻ってきたんだよ」
「なるほど」
ソウルは、ティカルの説明に納得した後、他の仲間達を視界に入れて口を開いた。
「一度村に戻って作戦を練ろうと思う」
「そうね…このまま無策で突っ込んでいってもさっきと同じになっちゃうわね…戻りましょう」
アップルの言葉に他の二人も頷き、ソウル達はランバル村に引き返して行った。
-ランバル村・雑貨屋前のベンチ-
「あ!いた!」
「ん?あれ?ジンジャー?お前今までどこにいたんだ?」
「そんな?!酷いですよ!私を置いて行くなんて!」
「置いて…あ!…マジで忘れてた…すまん…」
「本気で忘れてたわ…すまないわね…ジンジャー」
「ごめんなさい…」
「申し訳ない…」
ソウル達は、村長が座っていたベンチの前まで戻ってくると、そのベンチにジンジャーが寂しそうに座っていた。そんなジンジャーを見てソウルが話しかけると、ジンジャーの言葉でビトーレの加工場に寝かせていた事をソウル達は思い出し、忘れて置き去りにした事を両手を合わせて誤った。
メティスダンジョンの1階層にエントランスがあるのは、その場所でカンテラの火を付けたかったからです。所謂モンスターがいない最初の空間です。
カンテラの火が重要になってくるローグライク系ダンジョンなので、ソウル達はLv1と言っていい位に弱体化しています。
私は不思議のダンジョン系は全くクリアできなくて挫折しましたが、たまにやりたくなるんですよね…
ローグライク系のゲームで慢心やら油断やらするとすぐにやられるってそれ一番言われているから!
ジンジャーを置き去りにしたのは、作者自身がジンジャーを忘れていた為。ごめんね!ジンジャーちゃん!
何故かティカルだけテンション高くて生還する…それはまさに運命…
モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!
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