杖作り 1
ゼルダたっのしー!…リアルはのけ者でフレンズはいませんが…
何処でー壊れたのーoh-フレンズ~♪
次回更新は6月1日 0時更新です!
「いや、本当に宴会する気はなかったんだよ?本当だよ?」
「…便乗されたと?」
「左様です…」
ユメミルクとの・HA・NA・SI・A・Iで、正座したソウルから事情を聴くと、ユメミルクは深いため息をつき、後頭部を掻いた。
「俺もいくら掛かってもいいからとか全部持つとか言った手前だし今回は不問にするけど…次はねぇよ?」
「本当に申し訳ないと思っている」
ソウルは、深々と頭を地面につけて土下座した後、急に立ち上がり謎の踊りを踊り出すと、それを見たユメミルクはソウルを睨みつけた。
「オイぃグラァ!本当に反省してんのか!?」
「六割くらい反省している。この踊りは怒る相手に対してコミカルな踊りを見せる事で怒りを鎮める~…」
「それ相手の怒りを逆なでしているだけだからな!?それになんだよ六割って!?」
「宴会を止められなかったのは俺の責任だけど、高い注文したのは冒険者ギルドにいる奴だからな…それにそこの支部長も業務をほっぽって一番高い酒飲んでたし…」
「はぁ!?支部長も!?…因みにその一番高い酒っていくらだ?」
「確かワインボトルに入ってる奴で20万オカーネンってメニュー表に書いてあったな…」
「20万オカーネン!?ヴィンテージワインか何かかよ!?」
「ぶどうで作った酒じゃなくて深い森の奥地にあるユグドラシルっていう大樹から取れる実で作った酒らしいぞ?」
「なるほど…そりゃあ高い訳だ…って!今そんなこと聞いてねぇから!あー…どうしよう…ユニオン共有倉庫に入れてある適当な物を流すか?…でもそれやったらグリムにケジメ案件取らされるな…」
ユメミルクが乗りツッコミした後、宴会で出費した分をどう回収しようか考え始めると、ソウル達がいる場所にナナミが向かって来ているのが見えた。
「お?ナナミちゃん!こんにちは!元気にしてたかい?」
「ユメミルクさん!こんにちは!あの時助けてくれてありがとうございます!前はその…お父さんやお母さんが死んじゃってお礼も言えなかったので…」
ナナミの言葉を聞いて、最初ユメミルクは驚いた表情をしていたが、徐々に優しい顔つきになって行った。
「ユメミルクさん?どうしました?」
「(助けた時は絶望した表情だったが今はこんな笑顔で過ごせてるんだな…)あ、いや何でもない。今日はどうしたんだい?」
「えっとソウルさん達にお願いしたい事があって…」
「ん?俺か?」
「はい、あの…杖はもう完成しちゃいましたか?」
「いやこれからだが?」
「良かった…あ、じゃなくてその…」
ナナミが、緊張して歯切れの悪い言い方をすると、ソウルはその姿を見ながら首を傾げた。
「落ち着いてゆっくり言ってごらん?」
ソウルは、ナナミが言いたい事を言える様に落ち着かせると、ナナミはそれに従って静かに深呼吸し口を開いた。
「お父さんの杖の製作を手伝わさせてください!」
「う~ん…それがどういう事か分かってるか?冒険者ギルドで甘えていいって言ったけどこういう事に関しては甘えは許されないんだよ?」
「はい!それはわかってます!」
「そうか…それが分かっているならいいぞ?みんなはどうだ?」
ソウルが、仲間達に向かって尋ねると、仲間達はナナミが手伝う事に賛成した。
「問題ないわ!小さい子には経験させろって言うし!」
「私も問題ないです!」
「僕も問題ないよ」
「がんばるのよう!」
「≪見てるだけしかできないワン!≫」
仲間達の賛成を得た後、ソウルはマギアに始める事を伝えると、マギアは頷いてウィンドウを操作し始めた。
「では皆さんに製作工程をウィンドウに表示します。それに従って杖の製作に取り掛かってください」
マギアの言葉に仲間達は頷くと、ソウルはナナミに視線を向けた。
「じゃあ早速始めよう」
「はい!」
元気よく返事したナナミは、ソウル達の後ろに付いて行った。
-ビトーレ・町の加工場-
「最初にエルダートレントの木材を円柱にしよう」
「この横に回転する機械に木を付けて削るのね?」
「ああ、ただ動かすのに人力らしいからそこの自転車みたいのに乗ってやらないといけない。それもかなり早く」
「じゃあ、私が自転車をやるわ!」
「頼む」
「アップルちゃん頑張って!」
「僕じゃ足がギリ届かない…」
ガックリと落胆したティカルを他所に、ソウルは木工旋盤にエルダートレントを固定した。
「どの位の太さにすればいいんだ?」
「500円玉を少し小さくした位です。500円玉の直径が26.5mmなので26mm丁度にしてください」
「500円玉?より小さく?…500円玉か…やってみるか…アップル頼む」
「任せて!ケイデンスを徐々に上げていくわ!」
「ケイ…レンス?ってなんですか?」
「ケイデンス、ペダルの回転数の事らしいよ?自転車アニメで知った」
「へぇ~」
アップルが、最初にゆっくりペダルを漕いで行くと、それと連動して木工旋盤もゆっくりと回転を始め、ペダルの回転数が上がって行くと、旋盤も高速回転になって行った。
「(そろそろいいかな?)」
ソウルは、先がUの字で溝がある金属の棒のスピンドルラフィングガウジと呼ばれている道具を、高速回転しているエルダートレントの木材に押し当てると、木くずを一定方向にまき散らしながら、角材だった物が丸い棒になって行った。
「マギア今どのくらい?」
「28.7mmです」
「まだか…」
ソウルは、続けてスピンドルラフィングガウジを押し当て続けていると、マギアが慌てて止めに入った。
「マスター!25.7mmになってしまいました…失敗です」
「まじか!難しいな…」
「次は僕がやってみていいかな?」
「あいよ、ちょっと交換するから待ってくれ」
ソウルは駄目になったエルダートレントの木材を交換した後、スピンドルラフィングガウジをティカルに渡した。
「アップルさんお願い」
「任せて!」
アップルが、先程と同じ様にペダルを回転させると旋盤が高速回転していき、ティカルはスピンドルラフィングガウジで削りだして行った。
「が~りがりっと~」
「ティカルさん気分よく削っている所申し訳ございませんが…23.9mmになっています…」
「あれ?」
「次は私がやってみたいです!」
「あいよ、交換するから待ってくれ」
アップルが漕ぐのを止めて旋盤を止めた後、ソウルがエルダートレントの木材を交換し、ティカルがスピンドルラフィングガウジをマナリアに渡した。
「お願いアップルちゃん」
「頼むわよマナリア」
アップルがペダルを漕いで、旋盤を回転させると、マナリアはソウルのやったようにスピンドルラフィングガウジを押し当てて削って行った。
「えーっと…できました!」
「マナリアさん…これはバットです…」
順調に削って行ったマナリアだったが、出来上がったのはどこからどう見ても、野球で使うバットだった。
「こ…このバットならとあるウィルス感染者とかキノコ胞子まみれになっちゃった人達も撃退できますよ!」
「確かにそれが出来そうな良いバットだとは思うけど今はそんな物を作っている訳じゃないからな!?」
マナリアの苦しい言い訳に、ソウルはツッコミを入れた後、アップルに視線を送った。
「アップル…やる?」
「いや、私は止めておくわ…棍棒が出来上がりそうだし…」
「じゃあ~…」
「おう!俺に任せろ!」
「ナナミちゃんやってみるかい?」
「頑張ります!」
ソウル達が、作業している横で見ていたユメミルクが名乗りを上げたが、ソウルはそれを無視してナナミに話を振ると、ナナミは緊張した様子で頷いた。
「しっかり握ってかないと危ないから気を付けなよ?」
「はい」
ソウルがエルダートレントの木材を交換し、アップルが漕ぎだした後、マナリアからスピンドルラフィングガウジを受け取ったナナミはゆっくりと削り始めた。
「いいですよナナミさん、現在26.7mmです」
「あと7mm…」
マギアの測定を聞いたナナミは、スピンドルラフィングガウジを元々置いてあった場所に戻した後、先端が三角形の形をしている、パーティングツールと呼ばれる道具に持ち替え、慎重に削り始めた。
「現在26.1mmです」
「あと1mm…」
「あと1mmなら紙やすりとかでやった方がいいぞ?」
「何番くらいの?」
「80でさっとかけて150で磨いて400で仕上げだな」
「なるほど、ちょっと買ってくるからそれでやってみよう」
「はい」
ユメミルクのアドバイスを聞いて、ソウルが加工場の責任者から紙やすりを買いに向かうと、仲間達はソウルが帰ってくるま雑談し始めた。
「アップルちゃん疲れてない?」
「全然疲れてないわ。でもリアルだったら足パンパンになって翌日筋肉痛不可避ね」
「筋肉痛か…昔に筋肉痛は2日遅れでくるって聞いて当時は何言ってんだ?って思ってたけど今ならそれがわかるんだよなぁ…」
「あ、それわかる~」
「そうなんですか?」
「ああ、結構きつい…」
ユメミルクが筋肉痛になった時の事を思い出して、しみじみしていると、ティカルが何かを思い出したような顔をした。
「筋肉痛で思い出したけど、ダイエットする時運動するじゃん?あれって運動のみで体重を減らすのは難しいらしいよ?」
「え!?そうなんですか!?」
「僕も聞きかじった程度の事しか分からないけど、運動する事で基礎代謝が落ちて、それ以上エネルギーがマイナスの状態にならないようにストップするメカニズムが働くらしいからマラソンとかの運動よりも筋トレしたほうがいいらしい」
「あー確か糖、筋肉、脂肪の順で消費されるから、筋力を落とさないように筋トレして、バランスがいい食事を取れだっけ?」
「そうそう」
「なるほど…こんどポッコリお腹をしているお父さんに言ってみます」
「ただいま~ってみんな腹見つめてどうした?」
紙やすりを買いに行っていたソウルが戻ると、ダイエットの話で自身の腹回りを見ていた仲間達は、ソウルの腹に視線を向けた。
「ソウルは食べても太らないって言ってたけど…それって基礎代謝が大きいって事なのかしら?」
「いや、ソウルは遺伝子がおかしいだけだから!」
「おい!それって人間じゃないみたいな言い方するんじゃない!リアルの毛根引っこ抜くぞ!」
「えっと…また髪の話をしているって答えればいいですか?」
「毛狩りされる…ハジけて撃退しないと…」
「おい!苦情でスポンサーが全員降りてしまったアレの話は止めるんだ!」
「いや、俺が言ってるのは漫画版だし…」
「同じタイトル名だろうが!」
仲間達がふざけ合って笑った後、作業を再開した。
高級なお酒っておいしいんですか?お酒は年に数回しか飲まないのでわかりません。
ユメミルクは、ムムブ村でナナミ達救出に関わっているので、その時の絶望した表情から今の笑顔を出せる事に驚いています。
もう120回転ケイデンスを上げろ…
ターニングツールの名前が何かの技名とか武器名に見える…
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