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Wonderful Planet ~弱体化されまくった銃使いで頑張ります!~ Ver1.0  作者: ハーメルンホイッスル
カドゥケウス
201/329

杖の素材収集 1

完成しました!お楽しみくだちゃい!かみますた!



次回更新は、5月11日 0時更新です!

「さてと…」


 冒険者ギルドで宴会が行われたが、その数時間後には、多くの住民達が酔いつぶれて屍を晒す様に倒れており、プレイヤーと呼ばれる者達は、異様にテンションを上げながら酒を煽っていた。そんな中ソウルは、酔い潰れてたジンジャーを横目に、アップル達に視線を向けて口を開いた。


「そろそろ杖の素材を集めに行こうか?」


「待ってましたと言いたい所なんだけど…ジンジャーはどうするの?」


 アップルが、ジンジャーを指さしながらソウルに聞くと、ソウルは眉を寄せながら答えた。


「そこの酒落ちゴリラ未満は残して…行きたいとは思うがしっかり働いてもらう。水ぶっかければ起きるだろ?」


「起きなかったら?」


「そのまま転がせて風邪ひかせてしまえ!」


「ソウルさん…それはひど過ぎるんじゃ…」


「いや、マナリア?俺達はナナミちゃんの杖をスキャンしたら素材を集めるのに動くって分かるだろ?でもこいつはそんな事を気にせずぶっ倒れるまで酒を飲んだ訳だ…多分こいつは「宴会が始まったから動くのは明日ね!」とか勝手に考えて確認を取ることもしなかった。そんな奴に優しくする必要はないと思うが?」


「それは…そうなんですけど…」


「…しょうがねぇな…()()()の人間に効くか分からねぇけど試してみるか…」


「ソウルさんなにを?」


 マナリアが訴えるような目で見てくると、ソウルは後頭部を搔きながら、調理場にいる店員に何かを注文した。そして、注文した物を受け取った後、ジョッキを握りしめながら、机に突っ伏して寝ているジンジャーを肩に担いで外に出て行くと、アップル達もソウルの後を追った。


「ここは…井戸ですか?」


「何するつもり?」


「あーあれするんだね~」


「なにをするのよう?」


「≪?≫」


「マギア、近くの地面に汚物処理の穴掘っておいてくれ」


「分かりました」


 アップル達の疑問の声を無視して、ソウルはマギアに指示を出した後、井戸の近くにジンジャーを下した。


「おい!ジンジャー!!起きろ!」


「……んが!…うぅん…」


「ダメか…これは3だな…」


「3?」


「3ってなに?」


「3っていうのは確か~「声をかけても起きない程泥酔している状態」だって前に聞いた覚えがある」


「それって医学用語みたいな奴?」


「いや、ソウルの家が定めた泥酔者の基準みたいなものらしいよ?」


「ソウルさんの家とはいったい…」


 マナリアの言葉に、その場にいたアップル達は考え始め、最終的に思考が宇宙になって行ったが、そんな事をしているアップル達を無視して、ソウルは井戸から水を汲み始めた。


「マスター、作業完了しました」


「おう、ありがとな」


「んが!…ここは…知らない青空…」


「っち!起きたか…」


 穴を掘り終えたマギアにお礼を言った後、ソウルは吊り下げられた桶を使って井戸から水を汲み、そのままジンジャーにぶっかけようとしたが、その前にジンジャーが目覚めた。


「…うぅ…気持ち悪い…」


「おはようジンジャー。まずはこれを飲め」


 ソウルは、アイテム欄から白い液体が入ったコップをジンジャー渡すと、それを受け取ったジンジャーはにおいをかぎ始めた。


「え?牛乳?私今牛乳じゃなくてお水飲みたいんだけど…」


「いいから!飲むんだ!全部!」


 強調した口調でソウルが言うと、ジンジャーは渋々牛乳の飲み干した。


「ぷは~…飲んだけど…余計に気持ち悪くなったような…」


「それでいい、じゃあこっち来てそこの穴の前に立ってくれ。その気持ち悪さを俺の家に伝わる奥義で解消してやるから」


「奥義?なんかすごそうだね…」


 ジンジャーは、言われた通りにマギアが掘った穴の前に立つと、ソウルがその対面に立ち、両拳を合わせて集中し始めた。


「行くぞ!奥義!「強制嘔吐拳(マーライオン・ゼロ)!」」


 奥義名を声高らかに名乗った後、ソウルはジンジャーの腹に向かって、そのまま持ち上げる勢いのボディーブローを入れた。


「う!…オロロロロロ…」


「ちょ!ソウルさん!?何やってるんですか!」


「ソウル!?」


「わぁ!ご主人が女の子にしちゃいけない事してるのよう!」


「≪ヤバいワン!う…くさいワン!≫」


「安心しろ…この奥義は肉体に一切のダメージを与えず、胃の中の物を全部吐き出させる技だ。…俺の家は昔から親戚や知り合いも多いから、よく集まって宴会とかするんだけど、それゆえに酒でやらかす奴が多い…だから俺のご先祖様は考えた訳だ…肉体に一切のダメージを与えず、強制的に嘔吐させる方法を…そして長い研鑽の結果にこの奥義が生まれ、密かに伝えられてきたんだ…こっちの世界で通用するか分からなかったが…上手く効いたようだな?」


 ソウルが奥義の説明をするが、アップル達はジンジャーの介護をしていて聞いておらず、少しだけ心に寂しさを感じていた。


「う!」


 その言葉と共に嘔吐していたジンジャーが喉を抑え、苦しみ始めると、アップル達は慌て始めた。


「喉に何か詰まったの!?」


「わぁぁぁ!どうすれば!?」


「秘儀!「爺婆(ジジババ)救命掌」!」


 苦しみ始めたジンジャーの背中に、ソウルは平手打ちを入れると、ジンジャーの喉に詰まっていた物が吐き出され、そして再び胃に残っていた分を嘔吐し始めた。


「爺婆救命掌…これは肉体に一切のダメージを与えず、喉に詰まったものを吐き出させる秘儀で主に正月に使われる…」


「ソウルさん!奥義とか秘儀とか訳の分からない事しないでください!もっと普通の方法はないんですか!?」


「これ以上効率がいい物は知らないなぁ…」


「効率って…ソウルさん…」


 帰ってきたソウルの言葉に、マナリアは顔を青くしながら引いていると、全てを出し切ったジンジャーが、頭を上げて肩で息をし始めた。


「確かに…はぁ…はぁ…痛くもないし…すっきりしたけど…はぁ…きつい…」


「全部出したな?ほれ、口ゆすいだ後たっぷり水分を取れ」


 ソウルはぶっかけ用に汲んであった桶を差しだし、ジンジャーは言われた通り口をゆすいだ後、水を飲み始めた。


「よし!たっぷりと水を飲んだな?次はこれを飲むんだ」


 ソウルは、またアイテム欄から牛乳を取り出してジンジャーに渡してくると、アップル達は戦慄し始めた。


「ソウル!?それはどういう事?まさか…」


「ああ、さっきのをもう一回やって最後にトマトジュース飲ませて終わりだ」


「なんでこんな事を!?」


「え?だってマナリアが水をぶっかけて起こすのはひどいって言うから別の方法を取っただけだが?」


「あわわわ…まさかの私のせいですか!?」


「なに、問題ない。だって一切のダメージを与えずに酔いを醒ます方法だからな…」


 そう言うソウルの姿は、アップル達の目に巨大な悪魔として映っていた。





 -ビトーレ・冒険者ギルド内-






 ソウル達は嘔吐物を処理した後、井戸場から再びギルドへ戻り、杖の事を話し合っていた。


「よし、ジンジャーもすっきり(物理で)させたので本題の杖の素材について話し合おうと思う」


「杖の材料は?」


「エルダートレント、3級魔髄液(まずいえき)、イミテーションルビー、2級綿布(めんぷ)です」


「エルダートレント?…って魔物よね?どういう事?」


「エルダートレントは魔物ですが三分の一の確率で黒い霧に変わらずそのまま木材になる魔物です」


「そんな魔物もいるんですね」


「じゃあ私は森で薪拾いしてくるわ」


「あ、私も薪拾いしたいです」


 マギアが、杖の素材について説明すると、アップルとマナリアがエルダートレントを集めてくると言い、ソウルはその言葉に頷いた。


「イミテーションルビーって?」


「水場で取れる赤い欠片を集めて固めた物です。別名「偽赤石(ぎせきせき)」と言われていてこの世界特有のものであり、宝石としての価値はありません。また、偽赤石が取れる水場の魚から取れる事があります」


「水場っていうと川か湖かな?それと魚か~…釣り具が必要だね。よし、僕はイミテーションルビーを担当するよ」


「採取できる赤い欠片はかなり小さいので数が必要になります。今回は500gあれば十分でしょう」


「私も川に行きたいのよう!」


「≪お魚捕まえたいワン!≫」


「ティカル、二人を頼んでいいか?」


「任せて~」


 ソウルが、ティーと銀牙の事をティカルに頼みティカルが頷くと、その三人はイミテーションルビーを対応する事に決まった。


「2級綿布は私が作れるよ?」


「あーじゃあジンジャーは綿布を頼む」


「まっかせてー」


「残った3級魔髄液は俺の担当だな。早速行動開始だ」


 残り二つの担当も決まり、ソウルの言葉を聞いた仲間達は動き出し始めた。





 -ビトーレ・競売所-





「ぬぅ…3級魔髄液だけ売ってねぇ…」


「競売所で安く買えると思っていましたが、当てが外れてしまいましたね?」


「作るしかないか…」


「ですね」


 ソウルとマギアは、冒険者ギルドから出た後、この町にある小さな競売所へ足を運び、3級魔髄液を購入しようとしたが、その3級魔髄液だけが出品しておらず、ガックリと肩を落とし落胆した。


「3級魔髄液を作るには~…」


「中型魔石を1つ、骨粉×3、レッドテイルディアの血、ブブドの実×6を錬金窯に入れれば作れます」


「魔石と骨粉は安く売ってるから後で買うとして…レッドテイルディアっていうのとブブドの実は採取しなきゃいけないな」


「どちらも森で採取できるものですね。レッドテイルディアは狩猟しなければいけませんが、ブブドの実はすぐ見つかると思います」


「ん?狩猟…あーもしかしてレッドテイルディアって「赤い尾の鹿」の事か?キノコやら山菜やら毒草やらの名前だと思ってた」


「鹿です。特徴も名前の由来通り赤い尾をしています」


「狩猟か…ΣウェポンとCLCじゃ強力過ぎるか?ハーフブリンガーやデスブリンガーも狩猟には使えないし…」


 ソウルが、どうしようかと考えていると、マギアがそれに対して答えを言った。


Scarlett(スカーレット)にサイレンサーを装着すれば問題ないと思われます」


「分かった。後はロープ等の道具が必要か…」


「それと血を集める為の桶や密閉できる瓶が必要になります」


「ポーションの空き瓶で何とかならん?桶はあるけど…」


 ソウルの言葉に、マギアは少し考えるポーズを取りながら返答した。


「できなくはないですが…その場合再利用できなくなります。したとしても獣臭いポーションを飲む羽目になりますね」


「それ位ならいいか…錬金窯でポーション作ったら瓶に入った状態で出てくるしな」


「そうですね」


 ソウルは、アイテム欄からScarlettが入った木箱を取り出し、その木箱から銃を出した後、各種アタッチメントを装着し始めた。


「アイテム欄見たらいろいろ道具があったな…マギア?Scarlettの弾は何発出来ている?」


「現在999の4スタック分と453発の合計4449発です」


「じゃあちょっと魔物狩りして小銭稼ぎしても問題ないな?」


「はい、問題ありません」


「よし、じゃあいくか」


「了解しました。ジャバワークを展開します」


 各種アタッチメントを取り付け、最後にライフルスリングを取り付けた後、ソウルはスリングに肩を通して背中に背負うと、マギアが展開したジャバワークに跨った。


「離陸します」


 マギアの声と共にジャバワークが上昇し、西の森に向けて飛翔していった。

ソウルがゴリラ未満と言ったのはサキュバス達が頑張ってくれた結果です。でもそれでもゴリラに近いです。


少女マナリアの願いを聞いて別の方法を取った。反省はしない。


ソウルの家の泥酔者基準 1、意識が覚醒していて飲み騒いでいる 2、目は瞑っているが話しかけると反応する 3、目を瞑っていて寝ている。話しかけても反応しない 4急性アルコール中毒の重度の症状が出ていて至急救急車を手配する必要がある の4段階です。


おや?ジンジャーの様子が…(有名な進化BGM) おめでとう!ジンジャーはゲ〇インに進化した!


ソウルの家に伝わる奥義や秘儀なので絶対にマネしないで下さい。

牛乳を飲ませるのは、胃液から器官を守る為にです。


次回予告

ようやくナナミちゃんとお話しできる仲になったと思ったら、あの美人過ぎる男のせいでこれまでの苦労が台無しに…畜生!一体あの男は何なんだ!?…え?今度はめっちゃ乳デカい女の人が親しげに話してる!? くそう!僕はおっぱいなんかに負けないぞ!


次回 満星の下で僕は君に愛を叫ぶ 40Ⅹ1話! 「おっぱいには勝てなかったよ…」 お楽しみに!



 


モチベ維持に評価お願いします! ありがとうございます!


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誤字脱字報告 おおきに!

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