誕生!マギア!
地震は仏壇がひっくり返るだけで済みました!皆様、どうかお気を付けて!
完成しました!それではお楽しみください!
「うぅ…物理無効には勝てなかったよ…」
川辺の幽霊たちにやられ、アクアクリスタリアの冒険者ギルド前にリスポーンしたソウルは、トボトボと銃士ギルドに帰っていった。
「あ、お帰りなさい!ソウルさん」
「ただいま…」
「どうしたんですか?元気がないですけど?」
「いや~幽霊にやられちゃったよ、銃はミスリルだけど弾は普通のだったしMPも解放してないからなぁ‥・」
「え!幽霊にひどい事されたのですか!お開けしたのですか!お尻は無事ですか!これは確認し…ゲフゥ…」
ズボンを脱がそうとしたハリーベルの頭に、チョップを叩きこみ床に沈めた。
「ハッハー!幽霊系には特殊弾か、魔法が有効さ!」
「それを作るのには…」
「魔力が必要さ!そろそろ魔導ギルドも落ち着いてきたころだと思うし、習いに行ったらどう?」
「そうだなぁ・・・明日行ってみるか‥」
そう思い立ち、ソウルは木箱のタイマーをリセットしてからログアウトした。
「さーて、今日も頑張りますか!…そういえば錬金術ギルドに行ってお礼の品を貰うか、大きい釜じゃないと作れない物もあるし…」
総一郎は朝の支度を済ませ、ログインを開始した。
「アイテムも持ったし、いくか」
ログインを完了したソウルは、木箱からアイテムを回収した後、飛龍運送を使い錬金術ギルドに向かった。
「こんにちは~」
「あ!ソウルさんこんにちは、今日はどうしました?」
錬金術ギルドに入ると、アイシャが出迎えてくれた。
「ええっと、アンジェラさんにしばらくしたら来てくれって言われまして、それと大きい物を作りたいので釜をお借り出来ないかと」
「そうですか、じゃあおばあちゃんを呼んできますね!釜はご自由にお使いくださいね~」
アイシャが奥へ向かって行くのを見届け、誰も使ってない釜の前に立った。
「ふぅ…おや?ソウルさん、今日はここで制作を?」
「あ、スクフォイさんこんにちは。ええ、そうです、私が持っている錬金釜では素材が入らない物を製作しに来ました」
「なるほど…ふひぃ…ちなみにどんなものをお作りに?」
「レシピは無いのですがゴーレムコアから要求されまして…」
「え?ゴーレムコアから要求された?…フヒィ…そんな事初めて聞きました」
「そうなのですか?」
「ええ、初めてです、見学してもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
スクフォイが、首にかけてあるタオルで汗をぬぐい、ソウルの錬金を見ようとした時後ろから声がかかった。
「ソウル、待たせたね これを受け取ってくれさね、これはあたしが若いころ使っていた錬金鞄だよ たくさん入るし、中に入れたアイテムの時間も止まるから鮮度が落ちるっていう事も無いよ。 それとそのかばんには錬金術に使う釜や道具なんかも入ってるからそれも好きなように使ってくれさね」
「おおお!それはとてもありがたいです!ありがとうございます」
「もう使わなくなったものだし、ホコリ被せておくのも勿体ないからねぇ」
「大事に使わせてもらいます」
「そうかい…そういえば何か製作しようとしてたけど、何を作るんだい?」
「実は…」
スクフォイに言った説明と同じことをアンジェラに伝えると、アンジェラも首を傾げた。
「ゴーレムコアがね…ふむ…どうやら今のソウルには厳しいかもしれないね…アイシャ、スクフォイ手伝ってやりな」
「は~い」
「わかりました」
釜の横にあるテーブルに、ゴーレムコアが要求した素材を並べると、ゴーレムコアがウィンドウが開き素材を入れる順番や手順が表示されていた。
「ますます興味深いね…ゴーレムコアがこんな要求してくるなんて…」
「俺がかき回しますので、アイシャさんは素材を入れてもらっていいですか?スクフォイには中和剤を入れてもらって」
「はい、じゃあどんどん行きますよ!」
「どんとこい」
アイシャが指定の素材を入れていき、かき回すのが速かったり遅かったりした時はスクフォイが中和剤を入れ、ソウルはただひたすらかき回していくと釜の中が虹色になっていった。
「ここでゴーレムコアをドーンと入れて後は出来るまでグルグルしていくだけですね~」
しばらくかき回していくと、釜の中が虹色に光だし何かが飛び出してきた。
「ピピピ…ガガガ…言語設定‥‥OK…初めましてマスター!」
「シャベッタァァァァァァ!」
「ええ、会話できます!今日からあなたをおはようからおやすみまでサポートします!WPT001です!」
「こんなの初めて見た…おばあちゃん知ってる?」
アイシャはアンジェラを見るが、アンジェラは首を振った。
「えっと…WPT…さん名前の変更はできるかな?」
「可能です!かわいい名前を入力してください」
「えっと…じゃあ、コア子!…(嫌です)…ゴーレ娘…(反対)…うーんじゃあ、キラチュウ!…(やばいです)…ラン…(その名前は多く使われています)…ユリ…(性別はありませんが拒否します)…マリ…(バウンドしません)…スネーク…(まだだ!まだ終わってない!)…ゴエモン…(ダダッダッシュ)…ロル(超乳好きで?)…ロール…(シャイニングレーザーェ…)…ヨy(それ以上はいけない)…ルッカ…(オホホホホホ)…シタン…(いえ、私は遠慮しておきます)…グラーフ(変えて!ソウル!)もう、名前が出てこないよ…」
「かわいい 名前を 入力 して ください」
「そんなレトロゲームみたいな表示されてもなぁ…」
ソウルは必死に悩み「マギア」と入力した。
「マギア…気に入りました!これから私はマギアと名乗ります!」
「えぇ…まぁいいか…よろしく!マギア」
【アナウンス:小型サポートAIを製作したプレイヤーがいる為、情報を開示します。小型サポートAIは、プレイヤーのサポートを目的としたAIであり、冒険、戦闘、製作など様々な支援が可能です。なお詳細な情報はシステムメニューからオプションの項目を開きHELPをご参照してください。】
「それで、マギアはいったい何さね?」
「何と…言われましてもマスターをサポートする為生まれました」
「いや、違くて機械なのか、生物かって話さね」
「そういう事でしたか、半分半分ですね マスターと共に成長していき、最終的にどっちかになりますが」
「それは、姿かたちも変わるってこと?」
「はい」
「ソウル…こりゃあ慎重にしないと、世界にとって悪い物にもなっちまう可能性があるよ」
「そうですね…友人たちにも危険性を伝えます」
アナウンスを聞いた友人たちから、引っ切り無しに説明を求めるショートメールが届き、一斉送信で起こった事と危険性を訴えた文章を送った。
「マギアちゃんが危険になるってどういうことですか?」
「渡来人である人達の中にも悪い奴がいるから、きっとひどい事に使われるって話さね…本当にろくでもない事にね…」
「プレイヤーのサポートっていうから善人、悪人の指定は無いしな…もし間違った方向に成長しちゃえば…」
「しちゃえば…」
「人類全員全滅なんてこともあるかもしれない…」
「そ…そんな…!」
「その可能性はあります」
マギアがソウルの話に同意すると、アイシャは体を震わせた。
「ただ、同型機が現れた場合それらを管理するマザーを選出するクエストがあります。もしマザーのカルマ値がプラスだった場合、プレイヤーや住人にとっていい方向になりますが、マイナスだった場合は…世界の崩壊ですね」
「ゲームオーバーか…世界が壊れたらもう遊べなくなるのか、まだその先があるのかはわからないが…」
「さすがマイマスターご理解が早くて助かります」
「ソウル、この子の成長はしっかりしな、やっていい事、ダメな事、ちゃんと教えていくんだよ」
「はい、解りました」
アンジェラの忠告に頷いた。
「ふぅ…一段落さね…あ、ソウル魔導ギルドへは行ったのかい?」
「いえ、この後行こうと考えてました」
「デュミナイが今回の事件のお詫びで魔力解放してあげるらしいよ」
「それはうれしいですね」
「本当ならめんどくさい事やらなくちゃいけないんだけど、行けばすぐに解放してあげるっていってたさね」
「私の時は、山に登ったり洞窟の奥行ったりして大変だったなぁ…」
アイシャが思い出しながらしみじみとつぶやいた。
「魔力解放って大変なんですね…」
「昔はもっと面倒だったさね、特別な木の実を取りに行って魔力の泉に三日浸したら専用の道具で皮を切らないといけなかったね…その専用の道具も作らないといけないから尚更苦労したさね」
「それは大変だ…(運営に苦情が来そうだ…)」
「そういえばスクフォイはどうしたんだい?」
「何か考察してますね…」
アンジェラがずっと立っているスクフォイに目をやると、何か考えているのか小さな独り言を言っていた。
「マスター!錬金術ギルドを探検していたらお宝を見つけました!」
マギアが三角形の布を両手でつかみ、ソウルに見せてきた。
「ひゃぁぁぁぁ!マギアちゃん!それだめぇぇぇ!」
アイシャが慌てて三角形の布を取り返そうと、マギアに向かって飛び上がるが届かない所で布を振り回した。
「見てください!私の機能で時間停止しているのでこんなに振り回しても、匂いは残ったままです!」
「やめて!私の!返して~」
「マギア、とりあえずその乙女の秘密は返してあげてください」
「そうですか…わかり…あ…」
ソウルに言われ振り回すのをやめた時、三角形の布がスクフォイの頭に飛んで行ってしまった。
「うん?なんだこれ‥‥これは!パンティ!」
「イヤーーーーーーー!」
アイシャが思いっきりスクフォイの頬をひっぱたき、地面に転がりアイシャは顔を赤くして涙目になりながら
奥に消えていった。
「これは…大丈夫かもしれないさね…」
アンジェラはマギアを見ながらつぶやくように言った。
「ああいう事しちゃだめだ、アイシャさんがはずか死してしまうよ!」
「そうでしたか…床に散乱してた物を持ってきたのですが、破棄されていた訳ではないのですね…」
「散乱?まとめてあった所じゃなくて?」
「はい、まるで台風が通ったようなあり様でした」
「アイシャェ…」
錬金術ギルドを出たソウルとマギアは、先ほどの事を注意していたが思わぬ所で彼女の部屋事情を知ってしまった。
「まぁ…忘れようか…彼女の為にも…」
「?、わかりました。この記憶は封印されます」
マギアが両手を回転させるモーションを取った。
「次は、魔導ギルドへいくか」
「移動ですね!それならいいものがあります!」
「いい物?乗り物とか?」
「はい!では、展開します!」
マギアが光だし、姿が消えると人が1~2人が乗れる位の大きなものが現れた。その姿は機械的で、恐竜のティラノサウルスを思わせる様な太い獣脚と前足、背中には機械の翼、尻尾の先に船の錨のような形の剣がついていた。
「騎乗ィ…お願いします」
「?…今言い方おかしくなかった?」
「きっと初展開のせいですね」
「…そ…そう…」
ソウルはマギアに乗ると飛行機が飛び立つ前にやる動作確認をした。
「異常なし、目的地、魔導ギルドアクアクリスタリア支部 ジャバワーク 発進します」
「飛んだ!」
「落ちない様、しっかりハンドルをお握りください」
ソウルは、体を密着させるオートバイのようなハンドルをしっかりと握り、空の風景を楽しんだ。
「こいつはすげぇ!ちゃんと風や温度なんかが対策されてる!これなら長時間飛行も快適だな!」
「ふふ~ん!そこいらの物とは違うんです」
マギアは気分がいいのか、バレルロールを始めた。
「ま…まってこれは…酔う…」
「おっと、失礼しました、通常飛行しますね~」
ソウルが口元を押さえながら言うと、マギアはバレルロールを止め少しスピードを緩めた。
「あ…危なかった…右回りだったらやられていた…」
「じゃあ、今度は左回りでやりますね!」
「いや、もうやらなくていい…」
「そうですか…」
マギアがシュンとした声を出し、しばらく飛行した後、目的地の街が見えてきた。
「お!もう着いたか!」
アクアクリスタリアの上空を、一周する形でスピードを落とし街の入り口に垂直着陸した。
「空の旅は終わりかー…あれ…あれって…」
街の衛兵がいる所に出会いたくない人物がいた。
「げ!コヨーテ!」
迂闊にも声に出して呼んでしまい、そのコヨーテが近づいてきた。
「今、俺の名を言ったな…お前は‥‥誰だ…」
「あ、いえ、ニュースで似た人がいたのでもしかしたらと思ったんです、すみません」
「なるほど、だから知っていたのか…一つ聞くが、この街の銃士ギルドにソウルっていう畜生がいるはずなんだが何か知っているかい?」
「いえ、私は…そう!ドラゴンライダーなのでわかりませんね‥‥」
ソウルが冷や汗を流しながら必死に嘘を吐くと、コヨーテが半目で見つめた。
「そんな初期装備みたいな恰好で上級職?…流行っているのか?」
「いえ、これは私の…しゅ、趣味です!」
「珍しい趣味して…(ソウルさーん)」
「ちょ!こんな時に!…」
ハリーベルがこちらに手を振って近寄ってきた。
「ソウルさん!やりましたよ!ギルド職員獲得しました!これで売り上げアップです!ソウルさん!それと鉱山で働いてくれる人達や作りての人も雇えて、生産数もアップ!こりゃあもう右肩上がり~の天井知らずまで行く勢いです!ソウルさーん?聞いてます?ソウルさーん!」
「ぅるさい、今はこっち見るな」
ハリーベルに、聞こえるか聞こえないかの声量で、明後日の方を向きながら言うと、コヨーテが長方形でいろいろな部品を付けた物を取り出すと、ハリーベルに顔を向けた。
「お嬢さん、ちょっと聞くがこの機械の上の男性は「ソウル」って言う名前かい?」
「はい!、そうですよ!我がギルドの救世主です!」
「そうか! お前かぁ!」
「敵対行動を確認、距離を取ります!」
マギアがコヨーテより先に動き、そのままの形で後ろに飛ぶと、そのまま地面を滑るように移動した。
「決闘だ!ソウル!貴様を〇してやらぁ!」
「ひぇ…また、発狂した…」
ソウルの目の前にウィンドウが開き、決闘許可するか、しないかの内容が表示された。
「心底したくねぇなぁ…でも、しないとしつこそうだし…」
ソウルはウィンドウを眺めながらため息を吐いた。
名前入力はゲームでよくある小ネタ的な物、すきだろ?こういうの?
ジャバワークの絵が書きたいけど、そこまでの画力が足りないです…
もすすわけねぇだぁ…
モチベ維持に評価お願いします!!
ブックマーク登録もよろしくね!




