老婆
前回遅れるかもしれませんと言いましたが、寛大に発売日を間違っていました!先週ではなく今週でした!なので、今週こそ遅れる可能性があります!遅れる遅れる詐欺ではないです。多分…
次回更新は、2月23日 0時更新(予定)です!
「うーっす!お疲れ~」
「あ、二人共おつかれ~」
ソウル達は、ティカルのいる場所を目指して飛翔し続けていると、眼下には森が広がっていて、少し進んで行った所には開けた場所があった。マップには、その開けた場所にティカルのマークがあり、ソウル達はマークを頼りにしながら着陸して行くと、こちらに手を振っているティカルの姿があった。
「何も問題は無かったか?」
「逃げ出す時、デリー・バートンと出くわしちゃったけど撃退して来たから問題は無いと思う…」
「マジか!こっちにデリー・バートンが来なかったのは、ティカルの方に行っていたからか…すまん…陽動失敗だったな…」
「いや、あいつの勘の鋭さが異常だったんだと思う…だって僕と出会した時に「上で何か騒ぎがあったみたいだが、まさかと思って来てみれば~」みたいな事言ってたしさ」
「なるほど…伊達にならず者達の頭を張ってる訳ではないって事か…認識を改めておこう」
ティカルの言葉を聞いたソウルは、内心でデリー・バートンの危険性を一段階上げた。
「ジンジャーさんは無事か?」
「何かの薬で眠らされているみたいだけどそれ以外は問題ないよ」
「そうか‥‥で~…なんだ…ティカル?そろそろその周りに引っ付いている人達の事を説明して貰ってもいいかい?」
ソウルは最初、群がる様にティカルに引っ付いている、コウモリの様な羽を背中に生やした女性達の事を無視していたが、ジンジャーの無事を確認できたので、改めてその女性達の事を尋ねた。
「えっと~蟲惑魔に囚われていたサキュバスさん達っぽい?…僕が地下に行ったら沢山牢屋があってさそこに…わぁ!どこ触ってるの!?…ちょっと!おっぱいを頭に乗せないで!」
「あ~ジンジャーさんの救出ついでに助けたって所か?」
「そうそう!それそれ!」
「マスター?うらやましいのですか?」
「羨ましいも何もティカルの周りがモザイク多すぎて何が何だかわからん…その恥部隠しの為にモザイクされているんだと分かるんだが…こうも多いとな…」
「設定変えましょうか?」
マギアが、何か憐れむような声色で尋ねて来たが、ソウルは首を横に振って拒んだ。
「それは色々な所がまずくてバンされると思うから止めておく…個人の意見としては変えて見たいとは思うがな…」
「男心は複雑という事でしょうか?」
「それは…どうなんだろう?」
「ちょ!僕こっちの体には生えて無いからそんな所弄られてもくすぐったいだけ!ひゃ!舐めないで!」
それからソウルとマギアは、サキュバス達に悪戯されているティカルを尻目にしながら、インペリアルホテルへと戻り、レオンに案内された部屋にあるベッドにジンジャーを転がした。そして、部屋の中まで付いて来たサキュバス達に、滅茶苦茶されて助けを求めて来たティカルに対して、ソウル達はグッドラックのハンドサインを送った後に、ログアウトボタンを押して現実世界へ帰って行った。
-リアル・自室-
「この単語は道か?いや、前にこれがあるから道標か?」
ゲームの世界から帰って来た総一郎は、十分な睡眠を取った後、色々身支度を済ませ、自室で原本の翻訳作業を始めた。PCのディスプレイに表示されている画像を見ながら、ノートに書き起こし、あーだこーだと悩みながら作業を進めていると、携帯の中にいるマギアが話しかけて来た。
「マスターお疲れ様です。作業は順調ですか?」
「まぁまぁだな~…どうした?」
「レオンさんから連絡がありました。今日お会いできるそうです」
「随分と早いな…分かった。何処に向かえばいい?」
「クリウス公園と言う銅像が立っていた公園を覚えていますか?その近くにある喫茶で、との事です」
「あ~あそこか…了解~」
総一郎は翻訳作業を止め、FDVR機器を頭に装着した後、ログインを開始した。
-インペリアルホテル・特殊客室-
「この娘の寝顔不細工すぎない?千年の恋も一瞬でコキュートスなんだけど…」
ソウルがログインを完了した時、ベッドの方から聞き覚えの無い女性の声が聞こえ、声がした方に視線を向けて見ると、昨日ティカルが助けたサキュバスの一人が、ジンジャーの寝顔を見ながら、仲間と会話していた。
「女としてこれはどぎゃんしないとあかんね!」
「んだんだ」
「でもどうすりゃいいんだべ?」
「夢の中にイケメソ出して~そこから強制させればいいんじゃねが?」
「やってみるべ」
「あーでも皆?やり過ぎちゃだめよ?やり過ぎると別人になったみたくなっちゃうから」
「わがってる、わがってる~。ちゃーんと加減してやるさ~」
「いろいろ訛りが混ざってますけど…これがデフォなのだろうか?」
「きゃ!」
ソウルが、サキュバス達の訛りにツッコミを入れると、突然男の声がした事にサキュバス達は驚きの声を上げた。
「ああ、ごめんなさい。驚かせてしまいましたね」
「…えーっと…貴方は昨日ティカル様と一緒にいた~…」
「初めまして、ソウルです」
「あらあら、これはご丁寧にどうも。私はハプハプと申し上げます」
ソウルが、紳士のお辞儀をしながら自己紹介をすると、唯一訛ってないサキュバスが、短すぎるスカートを摘まみながら挨拶を返した。
「この度は私達を助けて頂きありがとうございます」
「そこで寝ているゴリ…ジンジャーさんを助けるついででしたのでお気になさらず…それで~…あ~…その~…思い出すのもお辛いと思いますが、一つ質問してもよろしいでしょうか?」
ソウルは、歯切れの悪い言い方で尋ねてみると、ハプハプはしっかりとソウルの目を見ながら頷いた。
「はい、何でも質問してください」
「あそこで何をされましたか?」
「私達の眷属を採取されていました。それとたまにですが、特殊性癖の客を相手させられました」
ハブハブがソウルの質問に答えると、ジンジャーに何かの魔法を掛けていたサキュバス達が、話に混ざって来た。
「特殊性癖ずっても~あたすらの味を知った男だべ~なんでも~もう普通の女じゃいげねぐなっだんだと~」
「そういえばあの鎧さ着た男も変わった性癖してたなぁ~」
「んだんだ!女子に虐められるのが好きだなんで~変わっでたない」
「そういえばあたしが顔に乗った時~…」
「あ、それ以上は大丈夫です。ありがとうございました」
次々とオニオンチョップの性癖の話が出てきて、更なる爆弾が投下されようとしていたが、ソウルは両手で制止しながら話を止めた。
「他に質問はありますか?」
「え~っと…今は他にありませんね」
「分かりました。何かありましたらいつでもどうぞ。なんでもお答えいたしますので~。あ、それと私の事知りたいならベッドで教え…」
「はい、分かりました。ありがとうございます」
ハプハプの発言に、ソウルは慌ててお礼を言った後、逃げる様に部屋から出て行った。
-クリウス公園・喫茶「学びの安らぎ」-
「ご注文をお伺いいたします」
「え~っと~…この「ココアップ」と言う飲み物と~何か軽めに取れる食事はありますか?」
「はい、ではこの「パンドナッチ」と言う色々な野菜や果物をパンに挟んだものはどうでしょうか?」
「(サンドイッチみたいな物かな?)じゃあそれを一つお願いします」
「畏まりました。ご注文をご確認いたします。ココアップ一つとバンドナッチ一つでよろしかったでしょうか?」
「はい」
「ご注文承りました~。お品はお席にお持ちいたしますので、お寛ぎになって少々お待ちください」
「テラス席の方に居ますね」
「畏まりました~お持ちします」
ソウルは、クリウス公園の近くにある喫茶店に入り、飲み物と食べ物を頼んだ後、洋画に出てくるような雰囲気のテラス席で頼んだ物を待ち始めた。
「お兄さん、ここ良いかねぇ?」
「どうぞ」
注文した物が来るまで、手持ち無沙汰になったソウルは、ウィンドウを開いて、適当にネットサーフィンをしながら時間を潰していると、一人の老婆が店の中に入って来た。その老婆は、店に注文した後、ゆっくりとした動きでソウルに近づいて行き、ソウルに一言断りを入れてから、対面する様な形で席に座った。
「よいしょっと…ありがとうねぇ。あたしゃこの席でフレッドサンドを食べながらクリウス公園を見回すが好きでねぇ」
「それは良いご趣味ですね」
「おお~!お兄さんは話が分かる人だねぇ。ほっほっほ!」
老婆は最初楽しそうに笑っていたが、その途中で目だけが鋭い目つきに変わった。
「で?あたしゃを呼んだのはお前さんかねぇ?」
「ええ、そうです。俺がレオンさんに裏世界のトップと話がしたいとお願いしたら、ありがたい事にすぐに叶えてくれました」
「レオン殿には個人的にも借りが多いからねぇ…で?要件は何かねぇ?」
「デリー・バートンがやっている事について少しお話がしたいと思いまして」
「…詳しく聞こうかねぇ」
老婆の目つきがより険しい物になると、ソウルは周りに対して違和感を感じた。その違和感とは、先程まで賑わっていた筈の喫茶店が、妙に静まり返り、ソウルは視線だけを動かして、周りを確認して見ると、いつの間にか人がいなくなっている事に気が付いた。
「(こっちを監視している奴もいるな…警戒しながら慎重に事を運ばなければいけないな…)」
ソウルがそう考えた後、事の始めから話し始めた。
サキュバスお姉さんとティカルのオネショタ領域特殊固有結界!
ジンジャーさんの寝顔はやっぱりゴリラ
方言サキュバス。
ソウル は 垢バン を 恐れて 逃げだす事に 成功した !
この街の大物と話をするなら、喫茶店のテラス席が似合うと思った。
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